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ソフィアは見学するだけ

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 アーヴァイン様は、大事な用事があると言っていたけど、もう片付いたのかな。

「ソフィア様の敷地内への不法侵入、及び危害を加えようとした現行犯だ! 捕らえよ!!」

 アーヴァイン様の掛け声で、騎士団は一斉に魔導師たちを捕らえようとしたが、易々と捕まるような者たちではなかった。

「捕まってたまるか! 殺ってしまえ!!」

 リーダー格の大男がアーヴァイン様に魔法と剣で襲いかかる。
 私もすぐに魔法でアーヴァイン様を助けようとしたが、止められてしまった。

「ソフィア様をお守りするのが我々の義務ですから」

 体格差や数の多さを考えたらそんなこと言っている余裕はないと思うんだけど……。

 私はそう心配したのだが、体格差や魔法など関係ない。
 アーヴァイン様は襲いかかってくる剣を余裕の表情でひらりとかわしていく。
 あっという間にアーヴァイン様の持っている木刀のような武器だけで圧倒してしまった。

「足腰も魔力もなっていないぞ……?」
「ば……ばかな……。魔法の力なしで俺の魔法が打ち破られただと!?」

 アーヴァイン様以外の騎士たちも、次々と魔導師たちを打ち負かしていった。
 私が心配する必要はなかったようだ。

 それにしても騎士団たちは用意周到なのではないだろうか。
 沢山の檻付きの馬車がズラリと並んでいる。
 普段はこのような馬車は用意されていない。

「よし。予定どおり全員を収容所の地下牢へ運んでくれ。私はここに残りソフィア様に経緯の説明をする」

 騎士団が捕らえた多勢の魔導師を牢へ入れ、そのまま連行していった。

 さて……、私もアーヴァイン様に色々と聞きたいことがある。

「間に合って良かったです。お怪我はありませんか?」
「私は平気ですよ。むしろ、アーヴァイン様たちに怪我はありませんでしたか?」
「普段の厳しい訓練と比べたらこのくらいどうってこともありませんよ」

 私が聞きたかったことはこれで全て聞けた。
 今までケルベロスやオロチのような規格外な強さを相手にして負傷してしまった場面ばかりを見ていた。
 それでも、魔導師相手とはいえ心配にはなっていたのだ。

「留守にして申し訳ありませんでした。本来の予定では敷地内に侵入する前に捕らえる予定でしたが、邪魔が入ってしまい遅くなってしまったのです」
「えぇと……、そもそもどういう経緯だったのかイマイチわかっていないのですが。陛下の側近にいた魔導師に注意するようにとはアーヴァイン様に言われていましたが……」

 いくらなんでも、陛下直属に仕えているような魔導師が、今回の件に関わっているとは思えない。
 あまりにも無作為で、どうしようもないほど情けない方々だった。

「その魔導師の命令でソフィア様を襲撃するよう命じていたことが判明したのです」

 うわ……。
 無計画で行動するどうしようもない魔導師だったのか。
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