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ソフィアは再会した2

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「ソフィアがわざわざ訪ねてくるのだからそういうことだろう?」
「いえ。話は伺っていますが、その件に関しては本人が訴えていませんので不問です」
「そうか……。ならばいいのだが」

 ゼノ伯爵はホッと一息つきながら、安堵の表情を浮かべていた。
 だが、そんなひとときも一瞬で終わるのである。

「ゼノ伯爵殿。あなたを王都まで連行します」
「は? いったい私がなにをしたとでも?」
「それは王都に着き次第わかることです。我々はあくまで伯爵殿を連れてくるよう命じられているだけですので」
「やはりソフィア……。貴様よりにもよって国王陛下に話を盛って告げ口をしたのだな?」
「いえ、そんなことはしていませんが……」

 ゼノ伯爵は、私のことを昔みたいにギロリと睨みを利かせてくる。
 トラウマはなかなか拭えないもので、私はたじろいてしまいビクビクと震えてしまった。
 だが、アーヴァイン様が私の身体をそっと支えてくれる。

「ゼノ伯爵よ。これ以上のソフィア様への無礼は私が許さぬぞ」
「たかが騎士のくせに偉そうなことをぬかすでない。そもそも、このソフィアにそなたらが忠誠を誓うような存在でもなかろう」
「ではゼノ伯爵に問いたい。なぜ我々がここへ来た瞬間にモンスターの群れがいなくなったと思う?」
「さぁ、偶然とはよくあるものだ」

 ゼノ伯爵は本当になにも知らないようで、本心で言っているように聞こえた。
 しかしアーヴァイン様は、真実を丁寧に教えようとしている。

「ソフィア様の魔力のおかげで、彼女の周りにモンスターが近づかないようになっているのだ。事実、今までソフィア様がこの領地にいた際はモンスターなど現れなかっただろう?」
「まさか……」

 ゼノ伯爵は私のことをチラリと見て、信じられないといった表情をしていた。

「彼女は今までこの領地を陰ながら支えていたお方だということを知らずとはいえ、ゴミ同然の扱いをしていた行為、私は決して許さぬ!」
「なんとでも言うが良い。私は無実なのだからな」
「ならばこれだけは伝えておこう。王宮直属魔導師は、とある罪によって捕まった」
「な!?」
「魔導師から、ゼノ伯爵の名前も出てきた。これだけ言えば概ね察しがつくだろう?」
「…………」

 ゼノ伯爵は急に大人しくなった。
 彼の身体がガタガタと震えはじめ、まるでこれから地獄へ行くかのような表情を浮かべ、大量の汗まで流していた。

「ソフィア……貴様がすべて告げ口をしたのだな? 絶対に許さん」
「いえ、私は特になにも……」
「絶対に許さん! 絶対に!」

 最後まで私の責任かのような言いがかりを告げられてしまった。
 概ね予想はしていたが、ゼノ伯爵は私のことを本当に嫌いだったのだろう。
 騎士団たちに捕らえられて強制的に馬車の中へ連れて行かれる際も、最後まで私への暴言が続いた。
 同時に、義母様も捕らえられた。
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