3 / 4
SENCE1:最初の過ち
1-1
しおりを挟む
第Ⅲ階層に来た私達は、大きな正門の前に立つ。
天空の国家───大昔は様々な国があるとされていたが、この時には既に国は一つしか無かった。
ガルカニア帝国───武力国家で、第Ⅲ階層における現唯一国家。
何故こんな場所に呼ばれたのか、この時は想像も付かなかった。
正門が開き、城下町に入る。あまりにも珍しい光景に私は興奮したが、シェイドはいつも通りだった。
「もぅ~シェイド! 第Ⅲ階層なのよ?
今まで第I、第Ⅱばかりだったのに、新鮮だと思わない?」
・・・・・・彼はいつでもこの調子だ。
私を助けた時から感情を見せる事は無く、私も一緒に旅をしてて、他の表情を見た事は無い。
「行くぞ」
「はいはい・・・・・・」
第Ⅱ階層にある町と変わり無い風景だが、それでも人の密度は違うし、豪勢な雰囲気が至る所で感じられる。
宮殿まで行き、玉座に座る皇帝と謁見する。
皇帝は恰幅の良い中年の男で、だらしなそうに踏ん反り返っている。
・・・・・・正直、私達を呼び出したようには思えなかった。
「良くぞ来たな、来訪者・・・・・・そして、その"連れ"」
「はぁ───!」
私は激昂しかけるが、シェイドは手を前に出して妨げた。
何で止めるのか、それについては分かるのだが、この時は本当に皇帝のだらしない頬を引っ叩きたかった。
「・・・・・・呼んだ理由は」
「実は、お前の持ってる"銃"が欲しくてな。
それをワシにくれんか?」
「ちょっ、そんな事の為に・・・・・・!」
「見返りなら幾らでも渡そう。ここに住む事も出来るし、何なら大臣や最高職にだって就かせてやろう」
どれだけ上手い条件を持ちかけられても、シェイドの答えは決まっていた。
「───それは無理だ」
「何故だ?」
「俺の銃は俺にしか扱えない」
シェイドの言葉に、皇帝は腹を抱えて笑う。それもその筈、銃を使うかも分からない皇帝に対して頑なにそう告げたからだ。
「・・・・・・はぁ、ここまで無礼な奴は初めてかもしれんな。しかも「俺の銃は俺にしか扱えない」だと? 猥談も程々にしろ」
ふざけた話に聞こえるが、シェイドの言葉は本当だった。
これまで旅をしてきたが、彼の事は未だに分かっていない所があった。
皇帝はシェイドから銃を奪おうと衛兵を呼び出し、私達を取り押さえようとする。しかし、そう簡単に捕まる訳にはいかなかった。
シェイドは私を抱えた後、部屋にあるステンドグラス状の窓に向かって走り、そこに銃を2、3発撃ち込んで先に割った後、飛び出して行った───
天空の国家───大昔は様々な国があるとされていたが、この時には既に国は一つしか無かった。
ガルカニア帝国───武力国家で、第Ⅲ階層における現唯一国家。
何故こんな場所に呼ばれたのか、この時は想像も付かなかった。
正門が開き、城下町に入る。あまりにも珍しい光景に私は興奮したが、シェイドはいつも通りだった。
「もぅ~シェイド! 第Ⅲ階層なのよ?
今まで第I、第Ⅱばかりだったのに、新鮮だと思わない?」
・・・・・・彼はいつでもこの調子だ。
私を助けた時から感情を見せる事は無く、私も一緒に旅をしてて、他の表情を見た事は無い。
「行くぞ」
「はいはい・・・・・・」
第Ⅱ階層にある町と変わり無い風景だが、それでも人の密度は違うし、豪勢な雰囲気が至る所で感じられる。
宮殿まで行き、玉座に座る皇帝と謁見する。
皇帝は恰幅の良い中年の男で、だらしなそうに踏ん反り返っている。
・・・・・・正直、私達を呼び出したようには思えなかった。
「良くぞ来たな、来訪者・・・・・・そして、その"連れ"」
「はぁ───!」
私は激昂しかけるが、シェイドは手を前に出して妨げた。
何で止めるのか、それについては分かるのだが、この時は本当に皇帝のだらしない頬を引っ叩きたかった。
「・・・・・・呼んだ理由は」
「実は、お前の持ってる"銃"が欲しくてな。
それをワシにくれんか?」
「ちょっ、そんな事の為に・・・・・・!」
「見返りなら幾らでも渡そう。ここに住む事も出来るし、何なら大臣や最高職にだって就かせてやろう」
どれだけ上手い条件を持ちかけられても、シェイドの答えは決まっていた。
「───それは無理だ」
「何故だ?」
「俺の銃は俺にしか扱えない」
シェイドの言葉に、皇帝は腹を抱えて笑う。それもその筈、銃を使うかも分からない皇帝に対して頑なにそう告げたからだ。
「・・・・・・はぁ、ここまで無礼な奴は初めてかもしれんな。しかも「俺の銃は俺にしか扱えない」だと? 猥談も程々にしろ」
ふざけた話に聞こえるが、シェイドの言葉は本当だった。
これまで旅をしてきたが、彼の事は未だに分かっていない所があった。
皇帝はシェイドから銃を奪おうと衛兵を呼び出し、私達を取り押さえようとする。しかし、そう簡単に捕まる訳にはいかなかった。
シェイドは私を抱えた後、部屋にあるステンドグラス状の窓に向かって走り、そこに銃を2、3発撃ち込んで先に割った後、飛び出して行った───
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
いつまでもドアマットと思うなよ
あんど もあ
ファンタジー
二年前に母を亡くしたミレーネは、後妻と妹が家にやって来てからすっかり使用人以下の扱いをされている。王宮で舞踏会が開催されるが、用意されたのは妹のドレスだけ。そんなミレーネに手を差し伸べる人が……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる