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24 むき出しの悪意④
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ゆるやかな傾斜に従い、暗闇をどこまでもまっすぐ進んでいくと、急に開けた外界に抜けた。内部に張り巡らされた通路の、角に突き当たったのだ。
驚いたことに、角の部分だけ平地になって石は積まれておらず、外界にさらされている構造らしい。
首をひねって空を仰ぐと、角に突き当たる先々では技術者たちが隼斗らと同じようにして休憩しているのが見える。
「あぁ、そうか。そういうことか」
どうやらこのピラミッドは、外部からではなく、内部にらせん状の通路を設けて石を運びこんでいるものらしい。
「うわぁ、高い! ビルの何階くらい、あるのかな」
地上を行く人びとが、まるでゴマのように小さく見える。
「おい、じゃまだ。そこをどけ」
伸びあがっていた隼斗は、急に突き飛ばされ、あわてて石の上に転がった。
「危ないじゃないか!」
「仕事もできない者が、一人前の口をきくな」
アムルだ。彼は端に今まで隼斗のいた場所に立ち、頭上見るようにアゴで示した。。
「滑車?」
回転する小さなローラーにロープを通し、重たいものをつり上げる装置。今まで見たことのあるものとは段違いの大きさだが、使い方は同じだろう。
アムルたちは、かけ声を合わせながらソリの向きを変えていく。その先には再びトンネルが広がり、傾斜路は淡い光に包まれていた。
隼斗が感心していると、ひと仕事終えた男たちは汗を拭きながら元来た道を引き返していく。
「えっ、終わり? もう帰っちゃうの?」
石を積み上げている頂上まで運んでいくのかと思っていた隼斗は、驚いて声を上げた。
「おれたちは、ここまでだ。あとは別のチームが引き継ぐ」
そう言われてしまうと、急に力が抜ける。
安どのため息をもらす隼斗を、いまいましげにアムルがにらんだ。
「おまえはただ、ソリに押されていただけだろう。見ろ、汗ひとつかいちゃいない。おまえはこのまま上まで登っていけ、怠け者」
隼斗は力を出し過ぎて震える指から目を離し、アムルをにらんだ。
驚いたことに、角の部分だけ平地になって石は積まれておらず、外界にさらされている構造らしい。
首をひねって空を仰ぐと、角に突き当たる先々では技術者たちが隼斗らと同じようにして休憩しているのが見える。
「あぁ、そうか。そういうことか」
どうやらこのピラミッドは、外部からではなく、内部にらせん状の通路を設けて石を運びこんでいるものらしい。
「うわぁ、高い! ビルの何階くらい、あるのかな」
地上を行く人びとが、まるでゴマのように小さく見える。
「おい、じゃまだ。そこをどけ」
伸びあがっていた隼斗は、急に突き飛ばされ、あわてて石の上に転がった。
「危ないじゃないか!」
「仕事もできない者が、一人前の口をきくな」
アムルだ。彼は端に今まで隼斗のいた場所に立ち、頭上見るようにアゴで示した。。
「滑車?」
回転する小さなローラーにロープを通し、重たいものをつり上げる装置。今まで見たことのあるものとは段違いの大きさだが、使い方は同じだろう。
アムルたちは、かけ声を合わせながらソリの向きを変えていく。その先には再びトンネルが広がり、傾斜路は淡い光に包まれていた。
隼斗が感心していると、ひと仕事終えた男たちは汗を拭きながら元来た道を引き返していく。
「えっ、終わり? もう帰っちゃうの?」
石を積み上げている頂上まで運んでいくのかと思っていた隼斗は、驚いて声を上げた。
「おれたちは、ここまでだ。あとは別のチームが引き継ぐ」
そう言われてしまうと、急に力が抜ける。
安どのため息をもらす隼斗を、いまいましげにアムルがにらんだ。
「おまえはただ、ソリに押されていただけだろう。見ろ、汗ひとつかいちゃいない。おまえはこのまま上まで登っていけ、怠け者」
隼斗は力を出し過ぎて震える指から目を離し、アムルをにらんだ。
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