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30 扉が開くとは限りません⑤
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青スーツの男とは、何者なのか。この流砂もまた、オプションなのか。それとも、目の前にいる彼自身こそが時空管理局の送り込んだ職員なのかも知れない、とも思った。
腕に巻かれたタブレットの反応がないところを見ると、どうやら青スーツの男たちの出題する最初のクイズに、隼斗は正解したものらしい。
「問題を外したのなら、何かアクションがあるはずだよね?」
疑問を抱いた隼斗の視線が、自然と目の前の男に向けられる。たっぷりとした布地のせいで、彼の顔は目元しか見えていない。
「おまえの名は? 少年よ」
「ぼくは隼斗。家族といっしょに、ここに、来た、んだ……ねぇ!」
返事にかぶせて、隼斗は叫んだ。深呼吸して、新鮮な空気をこれでもか、と吸い込む。
「それ見せてくれる? それ、その、メメメメダル」
彼の胸元には、見覚えのある黄金のメダルが揺れているのだ。
「それ……それって、百万人目の記念メダルだよね? アムルに……会ったの?」
心臓が高鳴ったまま、落ち着かない。全身の産毛が、ざわざわと泡だっていく。
あいまいな返事をして、彼は背を向けた。置いていかれてはたまらない、と隼斗も追いすがる。
「待って! ねえ、それじゃあ君も、メダルをもらってエレベーターでここに来たの?」
それともアムルから奪ったか。
彼は杖を突いて器用に砂地を進み、隼斗の問いには答えない。強引に肩先をつかみ振り向かせると、やはり黄金のメダルは隼斗のものと酷似していた。
「話を聞いて! ぼく、もう時間がないのに、何もできていないんだよ」
「できていないとは、そもそもおまえは何をするつもりなのだ」
分からないんだ、と隼斗は涙声になった。
じろじろ隼斗の全身を眺め回した男は、急に肩の力を抜いて長く息を吐き出した。
「おれのことは、そうだな……シュン、とでも呼べ。何をすべきか分からないのなら、とりあえずおれに付いてくればいい」
日本人みたいな名前だな、と隼斗は思う。本名ではないのでしょう、とたずねる隼斗に、彼は「今は答えられない」と笑った。
「おれはな、ある者からのやっかいな頼まれ事を片づけるために、ギザに向かうところだ」
ギザ、と反復する隼斗のほおを、冷たい汗が滑り落ちる。
「そうだ。大王クフのピラミッドを造っている、あの台地のことだ」
腕に巻かれたタブレットの反応がないところを見ると、どうやら青スーツの男たちの出題する最初のクイズに、隼斗は正解したものらしい。
「問題を外したのなら、何かアクションがあるはずだよね?」
疑問を抱いた隼斗の視線が、自然と目の前の男に向けられる。たっぷりとした布地のせいで、彼の顔は目元しか見えていない。
「おまえの名は? 少年よ」
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返事にかぶせて、隼斗は叫んだ。深呼吸して、新鮮な空気をこれでもか、と吸い込む。
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「それ……それって、百万人目の記念メダルだよね? アムルに……会ったの?」
心臓が高鳴ったまま、落ち着かない。全身の産毛が、ざわざわと泡だっていく。
あいまいな返事をして、彼は背を向けた。置いていかれてはたまらない、と隼斗も追いすがる。
「待って! ねえ、それじゃあ君も、メダルをもらってエレベーターでここに来たの?」
それともアムルから奪ったか。
彼は杖を突いて器用に砂地を進み、隼斗の問いには答えない。強引に肩先をつかみ振り向かせると、やはり黄金のメダルは隼斗のものと酷似していた。
「話を聞いて! ぼく、もう時間がないのに、何もできていないんだよ」
「できていないとは、そもそもおまえは何をするつもりなのだ」
分からないんだ、と隼斗は涙声になった。
じろじろ隼斗の全身を眺め回した男は、急に肩の力を抜いて長く息を吐き出した。
「おれのことは、そうだな……シュン、とでも呼べ。何をすべきか分からないのなら、とりあえずおれに付いてくればいい」
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「おれはな、ある者からのやっかいな頼まれ事を片づけるために、ギザに向かうところだ」
ギザ、と反復する隼斗のほおを、冷たい汗が滑り落ちる。
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