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42 星読みと少年王②
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その名を口にするだけで、身震いがする。
「その男でしたら、今ごろ兵士にでも囚われているのではないでしょうか。ご安心ください。我々の仕事にまちがいはありませんので、ご心配には及びません」
でも、あんたはいいかげんじゃないか、と隼斗は続けた。
「これはどうにも、手厳しい」
スナナは両方の手のひらを隼斗に向けて、ひらひら振った。
「それに、なにがお助けブザーだよ。一回も助けてもらえなかったじゃないか」
「え? ああ、いえいえ。何も目に見えることだけが『助け』ではありませんよ。それに、お忘れのようですが、ご当選者様のために予定よりも早くお迎えに上がりましたでしょう?」
「でもそのせいで、みんな乗り遅れた」
青いスーツのスナナは口元をゆがめて、にやりと笑った。
「まぁ、……その話は、また後ほど」
このまま言うとおりにしていれば、再びギザの台地に戻れる可能性があるのだろうか。隼斗は力強くうなずいて、今度はスナナのことばをひと言でも聞きもらすまい、と唇をかんだ。
「母上と姉君ですが……おふたりとも、いずれかの時代におられます。これから、必ずお会いできると保証しましょう。では、タブレットをおはめください。ここでの滞在も、一日限定となります。今は、だいたい午後四時ほどでしょうか。ブザーも、あと一度使えますので、しっかりと考え、そのときが来たら迷わず押してください」
「今までは、何の役にも立たなかったけどね」
スナナの肩が、目に見えて落ち込んだ。
「我々はたくさんの仕事を、同時にこなしているのです。あのときは……最悪のタイミングで呼び出されてしまい……でも、流砂は役に立ったでしょう? 私からのサービスです」
ポリポリと額をかいたスナナは、最後にはカラ笑いを砂地に響かせた。
「ここでも、出題されるクイズにお答えください。もしいつまで経ってもクイズが出題されない場合は、決められた条件を満たしていない、ということになります。あちこち動き回って、多くの世界をご体験ください。ご健闘をお祈り致します、それでは」
待って、と隼斗は声を張る。
「シュンは? シュンのことまだ何も聞いてない」
はじめて会ったとき、彼は、『頼まれたやっかいごと』のためにギザに来た、と言った。その頼んだ相手がスナナなのではないのか、と隼斗は見当をつけていた。
「その男でしたら、今ごろ兵士にでも囚われているのではないでしょうか。ご安心ください。我々の仕事にまちがいはありませんので、ご心配には及びません」
でも、あんたはいいかげんじゃないか、と隼斗は続けた。
「これはどうにも、手厳しい」
スナナは両方の手のひらを隼斗に向けて、ひらひら振った。
「それに、なにがお助けブザーだよ。一回も助けてもらえなかったじゃないか」
「え? ああ、いえいえ。何も目に見えることだけが『助け』ではありませんよ。それに、お忘れのようですが、ご当選者様のために予定よりも早くお迎えに上がりましたでしょう?」
「でもそのせいで、みんな乗り遅れた」
青いスーツのスナナは口元をゆがめて、にやりと笑った。
「まぁ、……その話は、また後ほど」
このまま言うとおりにしていれば、再びギザの台地に戻れる可能性があるのだろうか。隼斗は力強くうなずいて、今度はスナナのことばをひと言でも聞きもらすまい、と唇をかんだ。
「母上と姉君ですが……おふたりとも、いずれかの時代におられます。これから、必ずお会いできると保証しましょう。では、タブレットをおはめください。ここでの滞在も、一日限定となります。今は、だいたい午後四時ほどでしょうか。ブザーも、あと一度使えますので、しっかりと考え、そのときが来たら迷わず押してください」
「今までは、何の役にも立たなかったけどね」
スナナの肩が、目に見えて落ち込んだ。
「我々はたくさんの仕事を、同時にこなしているのです。あのときは……最悪のタイミングで呼び出されてしまい……でも、流砂は役に立ったでしょう? 私からのサービスです」
ポリポリと額をかいたスナナは、最後にはカラ笑いを砂地に響かせた。
「ここでも、出題されるクイズにお答えください。もしいつまで経ってもクイズが出題されない場合は、決められた条件を満たしていない、ということになります。あちこち動き回って、多くの世界をご体験ください。ご健闘をお祈り致します、それでは」
待って、と隼斗は声を張る。
「シュンは? シュンのことまだ何も聞いてない」
はじめて会ったとき、彼は、『頼まれたやっかいごと』のためにギザに来た、と言った。その頼んだ相手がスナナなのではないのか、と隼斗は見当をつけていた。
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