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46 東の空に見た夢①
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なぜ、エレベーターに乗らなかったはずの彼がここにいるのか。
それでも再会の喜びに胸をふるわせた隼斗は、よくよく考えもせずに茂みからはい出した。老人たちからは見えないように、身を低くするのも忘れない。
健康そうなシュンの褐色の肌を包んでいるのは、見慣れたたっぷりの布ではない。もっと軽やかで、涼しげで、若々しさに満ちあふれている。
「シュン?」
そっと呼びかけると、その意志の強そうなひとみが、ぐるりと振り返った。
「……えっ? ちょっと……ちょっと待って!」
飛びついて驚かそうと向けていた、隼斗のスニーカーが止まる。
シュンが腰に差していた短刀を、ぬらりと引き抜いたのが見えたのだ。
「ちょっと待って! ぼく、隼斗だよ!」
あわててきびすを返し、腕のタブレットを探った。ばたばた探し回る指先につられて、胸元のメダルも大きく左右に振れる。
「ああああ、これ、見て! これ! シュンから預かったメダル! ちゃんとここにあるよ!」
隼斗では読めない象形文字の刻まれたメダルは、ずしりと重たい。
そうか、とつぶやいたシュンが、動きを止める。
「おまえが、星読みの」
「星読み?」
まったく意味が分からないが、シュンが短刀を収めたのを確認した隼斗はようやく息をつく。
「どうしたの? やっぱり、ぼくだけエレベーターに乗ったから怒っているの? ギザに置き去りにしたから?」
ギザで別れたあと、彼はどうやってここまで来たのだろう。スナナが関わっているのだろうか、と隼斗はひとりごちる。
あのひょうひょうと笑う青スーツの男が、シュンをここまで運んだのか。だとしたら、それを隼斗に秘密にする必要など、ないはずだ。
それとも、自力で移動できる術を、シュンは持っているのだろうか。
あらゆる可能性を頭の中でめぐらせるが、まるで答えはでない。
そもそも、隼斗はシュンのことをほとんど何も知らないと言っていい。ギザの台地で急に現れ、サンドワームなどという迷惑なオプションから隼斗を守ってくれた。
そのあと、無理矢理とも思える方法で、父ヘムオンとの再会のきっかけを作った。それだけだ。
それでも再会の喜びに胸をふるわせた隼斗は、よくよく考えもせずに茂みからはい出した。老人たちからは見えないように、身を低くするのも忘れない。
健康そうなシュンの褐色の肌を包んでいるのは、見慣れたたっぷりの布ではない。もっと軽やかで、涼しげで、若々しさに満ちあふれている。
「シュン?」
そっと呼びかけると、その意志の強そうなひとみが、ぐるりと振り返った。
「……えっ? ちょっと……ちょっと待って!」
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シュンが腰に差していた短刀を、ぬらりと引き抜いたのが見えたのだ。
「ちょっと待って! ぼく、隼斗だよ!」
あわててきびすを返し、腕のタブレットを探った。ばたばた探し回る指先につられて、胸元のメダルも大きく左右に振れる。
「ああああ、これ、見て! これ! シュンから預かったメダル! ちゃんとここにあるよ!」
隼斗では読めない象形文字の刻まれたメダルは、ずしりと重たい。
そうか、とつぶやいたシュンが、動きを止める。
「おまえが、星読みの」
「星読み?」
まったく意味が分からないが、シュンが短刀を収めたのを確認した隼斗はようやく息をつく。
「どうしたの? やっぱり、ぼくだけエレベーターに乗ったから怒っているの? ギザに置き去りにしたから?」
ギザで別れたあと、彼はどうやってここまで来たのだろう。スナナが関わっているのだろうか、と隼斗はひとりごちる。
あのひょうひょうと笑う青スーツの男が、シュンをここまで運んだのか。だとしたら、それを隼斗に秘密にする必要など、ないはずだ。
それとも、自力で移動できる術を、シュンは持っているのだろうか。
あらゆる可能性を頭の中でめぐらせるが、まるで答えはでない。
そもそも、隼斗はシュンのことをほとんど何も知らないと言っていい。ギザの台地で急に現れ、サンドワームなどという迷惑なオプションから隼斗を守ってくれた。
そのあと、無理矢理とも思える方法で、父ヘムオンとの再会のきっかけを作った。それだけだ。
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