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第11話 すみません、聞き取れませんでした
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「ゴホッゴホッ!貴様、俺に何をした!」
「え…?」
陸人は呆然と立ち尽くしたまま、もうもうと立ちこめる白煙に紛れるようにして立つ“白い塊”を見つめていた。
細い四肢に、螺旋形の角、白く縮れたモコモコの毛。
羊だ。
羊がそこに立っていた。
そう、さっきまでシメオンが立っていた、その場所に。
「な…なんだ!何かおかしいぞ…。剣が持てない!どういうことだ!」
体の異変に気付き、シメオンが羊の姿のまま焦りだす。
「あ、あのう―――た…隊長…」
部下達が声を引き吊らせながら、じりじりと後ずさっていく。
「なんだお前達、その目は。まるでケダモノでも見るみたいに…」
「い、いえ…その―――すみません!!」
部下達は羊になったシメオンを置き去りにして一目散に逃げていった。
「お、おい!待て、お前ら!」
「すっげー。これ、人間を羊に変えちゃう剣なんだ」
シメオンがギロリと陸人に視線を向ける。
「小僧、今何と言った?」
「だから、“羊”」
陸人はその辺から鏡を持ってきて彼に見せてやった。
「なんだ、これは?羊の肖像か?ん…?今動いたぞ?」
「それ、あんたの顔だよ」
「ふっ…。何を馬鹿なことを―――」
「…」
「…え?…マジ…?」
「うん。さっき僕が出した技、人間を羊に変える技だったみたい」
「はぁ?!何してくれてんだ、このクソガキ!」
シメオンは正気を失い、陸人に突進してきた。
「痛ってぇぇ!いきなり何するんだよ!」
「それはこっちの台詞だ!さっさと元の姿に戻せ!さもないとこの角でお前の臓物突き破るぞ!」
「怖っ…!わかったよ、どうにかするから」
陸人は巻物を広げ、元の姿に戻す方法について問いかけた。紙に浮かんだ文字はこう答えた。
《案ずるな。夜明けと共に変化はいったん解ける》
「“いったん”?」
《条件が満たされれば再び変化してしまうだろう。これは月光を浴びる度に羊化してしまう呪いだからな、フフフ…》
「“フフフ”じゃねーよ!」
巻物のふざけた解答にシメオンは激怒した。
「今すぐその呪いを解いて俺を元の姿に戻しやがれ!!」
《……》
「おい!無視すんじゃねーよ!音声認識機能ついてんだろ?!」
《すみません、聞き取れませんでした》
「嘘つけ!」
シメオンは激昂し、また陸人に突進しようとしてきた。
「おい貴様!どうしてくれるんだよ!騎士ってのは夜間パトロールもあるんだぞ!これじゃ仕事になんねーだろうが!責任とれ!」
「そんなこと言われたって…。僕だって知らなかったんだよ。まさか呪いだなんて―――」
「方法なら、ないこともないぞえ」
不気味なしゃがれた声に陸人もシメオンもぎょっとして立ち竦んだ。
恐る恐る背後に視線を向けると、見覚えのある老婆が立っていた。
「うわぁぁっ!出たぁぁっ!妖怪!!」
「え…?」
陸人は呆然と立ち尽くしたまま、もうもうと立ちこめる白煙に紛れるようにして立つ“白い塊”を見つめていた。
細い四肢に、螺旋形の角、白く縮れたモコモコの毛。
羊だ。
羊がそこに立っていた。
そう、さっきまでシメオンが立っていた、その場所に。
「な…なんだ!何かおかしいぞ…。剣が持てない!どういうことだ!」
体の異変に気付き、シメオンが羊の姿のまま焦りだす。
「あ、あのう―――た…隊長…」
部下達が声を引き吊らせながら、じりじりと後ずさっていく。
「なんだお前達、その目は。まるでケダモノでも見るみたいに…」
「い、いえ…その―――すみません!!」
部下達は羊になったシメオンを置き去りにして一目散に逃げていった。
「お、おい!待て、お前ら!」
「すっげー。これ、人間を羊に変えちゃう剣なんだ」
シメオンがギロリと陸人に視線を向ける。
「小僧、今何と言った?」
「だから、“羊”」
陸人はその辺から鏡を持ってきて彼に見せてやった。
「なんだ、これは?羊の肖像か?ん…?今動いたぞ?」
「それ、あんたの顔だよ」
「ふっ…。何を馬鹿なことを―――」
「…」
「…え?…マジ…?」
「うん。さっき僕が出した技、人間を羊に変える技だったみたい」
「はぁ?!何してくれてんだ、このクソガキ!」
シメオンは正気を失い、陸人に突進してきた。
「痛ってぇぇ!いきなり何するんだよ!」
「それはこっちの台詞だ!さっさと元の姿に戻せ!さもないとこの角でお前の臓物突き破るぞ!」
「怖っ…!わかったよ、どうにかするから」
陸人は巻物を広げ、元の姿に戻す方法について問いかけた。紙に浮かんだ文字はこう答えた。
《案ずるな。夜明けと共に変化はいったん解ける》
「“いったん”?」
《条件が満たされれば再び変化してしまうだろう。これは月光を浴びる度に羊化してしまう呪いだからな、フフフ…》
「“フフフ”じゃねーよ!」
巻物のふざけた解答にシメオンは激怒した。
「今すぐその呪いを解いて俺を元の姿に戻しやがれ!!」
《……》
「おい!無視すんじゃねーよ!音声認識機能ついてんだろ?!」
《すみません、聞き取れませんでした》
「嘘つけ!」
シメオンは激昂し、また陸人に突進しようとしてきた。
「おい貴様!どうしてくれるんだよ!騎士ってのは夜間パトロールもあるんだぞ!これじゃ仕事になんねーだろうが!責任とれ!」
「そんなこと言われたって…。僕だって知らなかったんだよ。まさか呪いだなんて―――」
「方法なら、ないこともないぞえ」
不気味なしゃがれた声に陸人もシメオンもぎょっとして立ち竦んだ。
恐る恐る背後に視線を向けると、見覚えのある老婆が立っていた。
「うわぁぁっ!出たぁぁっ!妖怪!!」
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