30 / 77
2部 人魚とチートな彼氏編
15 残滓 〜リリーとアマリリス〜(2部完)
しおりを挟む
「──ヒューテック家の人間なのだから」
言葉の端々に重圧と貴族令嬢として生まれた責務を延々と放たれる。お前はヒューテック家の人間なのだから──その言葉が頭痛をもたらす時間が終わりを告げた合図。
「はい。お父様に従います」
舞踏会の帰り、馬車の中で恐怖に震えていた。幼い頃から高度な教育を施され、貴族として死ぬまで抱えなければいけない重圧にも耐えれるようになった。そう思っていた。もう後が無い、それがこんなにも重苦しく、胃の腑を不快と絶望と恐怖が埋めていく。
「ごめんなさい。体調が悪いの。もう少しゆっくり走ってくださらない?」
御者にそうお願いするも、反応はなかった。聞こえていない筈はない。いつもならもう少し静かな声でも応答してくれるのだから。
──ああ、この御者は聡い人間だった。わたしの様子から今日の失態を悟り、もう貴族令嬢として対応する気すらないのだ。
刻一刻と馬車が公爵邸に近付いていく。それにつれ頭痛と吐き気と目眩が増した。前のめりに崩れ落ちそうになるのを、近付いてくる恐怖が許さない。そうでなければもうとっくに体が倒れてしまっていただろう。けれど先に倒れたのは、心の方だった。
次に目を開けた時、わたしはベットにいてシーツにくるまっていた。自分の部屋ではない。見渡す限り何もない、静かな部屋だった。それがやけに心地好い。そっと目を閉じてシーツに頬を押し付けた。
次に耳に優しい声が響いた。侍女の声ではない。高くも低くもない、ただただ優しい声だった。体勢はそのままに、薄目を開けると美しい男性がいた。癖のある黒髪に、夜の月を思わせる金色の目。上半身は裸で、鍛え上げられた肉体がそこにあった。なにも身に付けていない、それがなんて美しい、まるで彫刻のようだと、そこでこれは夢だと思った。
「リリー」
彫刻が動いた、そう思った時には優しく抱き上げられ、わたしを横向きに膝に乗せた。肩にあたたかい素肌が触れる。今頃気付いた。わたしは全身に何も身に付けていない。生まれたままの姿で男性の膝にいた。そこでこれは本当に夢なのだろうと理解した。わたしが消えていく、ゆっくりと霞んでいくのも解った。そのまま抱き締められて頬が男性の胸元に触れる。吸い寄せられるように手を添えた。もう離れられない、夢見心地とはこういうことかと薄れていく思考でぼんやりと考えた。
「それ、好きだね」
顔を上げて男性を見上げたまま、また胸元に頬を寄せる。前髪に唇がおりてきた。吐息をもらして、このまま永遠にこうしていたいと私がわたしに言った。不透明な記憶、自分とひどく似た容姿の女性が頭に浮かび上がってきて、その女性が体験したものがわたしの頭の中に入ってくる。とても楽しい記憶だ。各地で出会った人々とのやり取り。ああ、この男性が呼んだリリーって、貴女のことではないの? わたしを連れ出して、最後に滅一杯楽しませてくれた、わたしではない私。
「……リリー? 凄くぼんやりしているね。もっと寝たい? それともお腹が空いた? 俺、リリーのしたいこと、なんでもするよ?」
なんて過保護な台詞なの。
その甘く切なく優しい声に生まれて初めて頭の中がどろどろになった。
「そんな顔して……もう」
「…………お願いね。"私"を頼みます」
「いいよ」
薄れていく思考をもう保てない。深い安堵に身を沈めて、わたしは永遠の眠りについた。
「パイ包みもお食べ」
「ありがとうございます! んふっ……って悔しい! フィックスさん、浮気したんですよ!」
「可愛い可愛い……それで? 夢でその子が俺になにしてたの?」
「その子がフィックスさんの胸にすりすりしてたんですよ! 私の許可もなく!」
「俺に触れてたの? リリーみたいだね」
「見た目は似てませんでしたよ! 金髪碧眼で裸体のその子に、フィックスさんはデレデレしてたんですから!」
「金髪碧眼で裸体で俺の胸にすり寄ってきたの? ……リリーそっくりだね」
「違いますよ! その子の腰まである金髪が、純金貨を溶かした黄金のように輝いてたんです! まるで女優ライトみたいに! 青い目もっ……なんか、空の色でもないし、海の青とも違ってて……遠くまで吸い込まれるような……神秘的な宇宙を眺めているような、不思議な感覚になる、…………とにかく、可愛い子だったんですよ! だから悔しい! フィックスさん、めちゃデレデレしてた!」
「……腸詰め煮もお食べ」
「ありがとうございます! わぁ、バジルとトマトソース煮だぁ……おいちー。パンにも合う~」
「可愛い。俺とリリーの夢見てたんだね」
違う。
フィックスさんが、若い女の子といちゃいちゃしていた夢だ。まるで情事の狭間みたいな光景だった。目覚めてムキー!としてたら口からお酒の匂いがして、ああそういや昨夜は飲み過ぎたと反省した。行為が終わってからも寝るまでねだってた気がする。あれには強いアルコールが入ってる。だから泥酔して、あんなムキー!とする夢を見たんだ。お酒の飲み過ぎはいけない。
「昨夜の、また飲みたい?」
「……し、しばらく遠慮しときます。いえ、飲み過ぎないようにします」
「可愛いねリリー……もうずっとああしてればよかったのに。俺の指、生まれて初めてふやけたんだよ」
「っ~!?」
ベットでフィックスさんが持ってきてくれたご飯を食べたら、また寝てしまった。
次に起きた時、昼ごはんが運ばれてきた。
あかん。ニートみたいになってきた。
バターたっぷりのパンが美味しすぎる。
とろとろお肉のシチューに顎が喜びで軋む。くうぅ……。肉団子が大きくて柔らかい。わぁ、中に半熟卵が入ってたー。てかこのタレほんと美味しい。
「フィックスさん、私は貴方がいないと本当に生きていけなくなりました。どうしてくれるんですかぁ」
「うん?」
「責任とって下さい」
「いいよ」
やったぁ。
笑顔でばんざーいすると口元のタレを舐めとられた。
「ふふ、奥に俺の匂い……ちゃんとついてる」
「ほぇ?」
「可愛いリリー。大好きだよ」
あかん。頭よしよしされてベットから出たくなくなってきた。ミノムシみたいにシーツにくるまると頬を撫でられた。気持ちいい。頭がふにゃふにゃになってきて、ずっとすりすりしちゃう。
「リリーおねいさぁーん!」
おー、誰だ?
外から凄い発声。
声に魔力が含まれてる。
返事を返そうと口を開けたら首をさわさわされ、フィックスさんの手にごろごろしていたらまた眠くなってきた。くふぅ。気持ちいい。
「リリーは俺の発情期が終わるまで、ここに居るんだよね」
「はぁい……にゃむ」
「嬉しい。リリーのこと、たくさん愛してあげる」
「にゃむ……にゃむ」
あぁ……もう、瞼を開けてられな……。
「おやすみ、リリぃ」
「ごっめーん! アリエル間違ってた! ママに聞いたら発情期って短い第一次と、長めの第二次と、更に長い第三次もあって、全部で30日続くんだってー!」
言葉の端々に重圧と貴族令嬢として生まれた責務を延々と放たれる。お前はヒューテック家の人間なのだから──その言葉が頭痛をもたらす時間が終わりを告げた合図。
「はい。お父様に従います」
舞踏会の帰り、馬車の中で恐怖に震えていた。幼い頃から高度な教育を施され、貴族として死ぬまで抱えなければいけない重圧にも耐えれるようになった。そう思っていた。もう後が無い、それがこんなにも重苦しく、胃の腑を不快と絶望と恐怖が埋めていく。
「ごめんなさい。体調が悪いの。もう少しゆっくり走ってくださらない?」
御者にそうお願いするも、反応はなかった。聞こえていない筈はない。いつもならもう少し静かな声でも応答してくれるのだから。
──ああ、この御者は聡い人間だった。わたしの様子から今日の失態を悟り、もう貴族令嬢として対応する気すらないのだ。
刻一刻と馬車が公爵邸に近付いていく。それにつれ頭痛と吐き気と目眩が増した。前のめりに崩れ落ちそうになるのを、近付いてくる恐怖が許さない。そうでなければもうとっくに体が倒れてしまっていただろう。けれど先に倒れたのは、心の方だった。
次に目を開けた時、わたしはベットにいてシーツにくるまっていた。自分の部屋ではない。見渡す限り何もない、静かな部屋だった。それがやけに心地好い。そっと目を閉じてシーツに頬を押し付けた。
次に耳に優しい声が響いた。侍女の声ではない。高くも低くもない、ただただ優しい声だった。体勢はそのままに、薄目を開けると美しい男性がいた。癖のある黒髪に、夜の月を思わせる金色の目。上半身は裸で、鍛え上げられた肉体がそこにあった。なにも身に付けていない、それがなんて美しい、まるで彫刻のようだと、そこでこれは夢だと思った。
「リリー」
彫刻が動いた、そう思った時には優しく抱き上げられ、わたしを横向きに膝に乗せた。肩にあたたかい素肌が触れる。今頃気付いた。わたしは全身に何も身に付けていない。生まれたままの姿で男性の膝にいた。そこでこれは本当に夢なのだろうと理解した。わたしが消えていく、ゆっくりと霞んでいくのも解った。そのまま抱き締められて頬が男性の胸元に触れる。吸い寄せられるように手を添えた。もう離れられない、夢見心地とはこういうことかと薄れていく思考でぼんやりと考えた。
「それ、好きだね」
顔を上げて男性を見上げたまま、また胸元に頬を寄せる。前髪に唇がおりてきた。吐息をもらして、このまま永遠にこうしていたいと私がわたしに言った。不透明な記憶、自分とひどく似た容姿の女性が頭に浮かび上がってきて、その女性が体験したものがわたしの頭の中に入ってくる。とても楽しい記憶だ。各地で出会った人々とのやり取り。ああ、この男性が呼んだリリーって、貴女のことではないの? わたしを連れ出して、最後に滅一杯楽しませてくれた、わたしではない私。
「……リリー? 凄くぼんやりしているね。もっと寝たい? それともお腹が空いた? 俺、リリーのしたいこと、なんでもするよ?」
なんて過保護な台詞なの。
その甘く切なく優しい声に生まれて初めて頭の中がどろどろになった。
「そんな顔して……もう」
「…………お願いね。"私"を頼みます」
「いいよ」
薄れていく思考をもう保てない。深い安堵に身を沈めて、わたしは永遠の眠りについた。
「パイ包みもお食べ」
「ありがとうございます! んふっ……って悔しい! フィックスさん、浮気したんですよ!」
「可愛い可愛い……それで? 夢でその子が俺になにしてたの?」
「その子がフィックスさんの胸にすりすりしてたんですよ! 私の許可もなく!」
「俺に触れてたの? リリーみたいだね」
「見た目は似てませんでしたよ! 金髪碧眼で裸体のその子に、フィックスさんはデレデレしてたんですから!」
「金髪碧眼で裸体で俺の胸にすり寄ってきたの? ……リリーそっくりだね」
「違いますよ! その子の腰まである金髪が、純金貨を溶かした黄金のように輝いてたんです! まるで女優ライトみたいに! 青い目もっ……なんか、空の色でもないし、海の青とも違ってて……遠くまで吸い込まれるような……神秘的な宇宙を眺めているような、不思議な感覚になる、…………とにかく、可愛い子だったんですよ! だから悔しい! フィックスさん、めちゃデレデレしてた!」
「……腸詰め煮もお食べ」
「ありがとうございます! わぁ、バジルとトマトソース煮だぁ……おいちー。パンにも合う~」
「可愛い。俺とリリーの夢見てたんだね」
違う。
フィックスさんが、若い女の子といちゃいちゃしていた夢だ。まるで情事の狭間みたいな光景だった。目覚めてムキー!としてたら口からお酒の匂いがして、ああそういや昨夜は飲み過ぎたと反省した。行為が終わってからも寝るまでねだってた気がする。あれには強いアルコールが入ってる。だから泥酔して、あんなムキー!とする夢を見たんだ。お酒の飲み過ぎはいけない。
「昨夜の、また飲みたい?」
「……し、しばらく遠慮しときます。いえ、飲み過ぎないようにします」
「可愛いねリリー……もうずっとああしてればよかったのに。俺の指、生まれて初めてふやけたんだよ」
「っ~!?」
ベットでフィックスさんが持ってきてくれたご飯を食べたら、また寝てしまった。
次に起きた時、昼ごはんが運ばれてきた。
あかん。ニートみたいになってきた。
バターたっぷりのパンが美味しすぎる。
とろとろお肉のシチューに顎が喜びで軋む。くうぅ……。肉団子が大きくて柔らかい。わぁ、中に半熟卵が入ってたー。てかこのタレほんと美味しい。
「フィックスさん、私は貴方がいないと本当に生きていけなくなりました。どうしてくれるんですかぁ」
「うん?」
「責任とって下さい」
「いいよ」
やったぁ。
笑顔でばんざーいすると口元のタレを舐めとられた。
「ふふ、奥に俺の匂い……ちゃんとついてる」
「ほぇ?」
「可愛いリリー。大好きだよ」
あかん。頭よしよしされてベットから出たくなくなってきた。ミノムシみたいにシーツにくるまると頬を撫でられた。気持ちいい。頭がふにゃふにゃになってきて、ずっとすりすりしちゃう。
「リリーおねいさぁーん!」
おー、誰だ?
外から凄い発声。
声に魔力が含まれてる。
返事を返そうと口を開けたら首をさわさわされ、フィックスさんの手にごろごろしていたらまた眠くなってきた。くふぅ。気持ちいい。
「リリーは俺の発情期が終わるまで、ここに居るんだよね」
「はぁい……にゃむ」
「嬉しい。リリーのこと、たくさん愛してあげる」
「にゃむ……にゃむ」
あぁ……もう、瞼を開けてられな……。
「おやすみ、リリぃ」
「ごっめーん! アリエル間違ってた! ママに聞いたら発情期って短い第一次と、長めの第二次と、更に長い第三次もあって、全部で30日続くんだってー!」
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる