悪役令嬢は嫌なので、放浪して好き勝手します

cqrijy

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3部 人魚と選ばれし番編

1 とんでもねぇ生還パーティー

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転移して久々に船に乗った。
1ヶ月以上ぶり。

昨日まで私は約1ヶ月間、フィックスさんの側から離れられなかった。4日目辺りからなんかおかしいなと思ってフィックスさんに聞いたら発情期は大体30日程あると教えられ、逃げたら許さないよ、と微笑まれ、リリーは抜けてて可愛い可愛いと餌付けされまくって1ヶ月を乗り切った。フィックスさん、最後の方とくに凄かった。最後の3日間は常に真ん丸お目々で髪に蛇が出てて私をベットから一歩も出さなかった。フィックスさんもベットから出なかった。私を心配して3日間食事を運んできた従業員さん達がフィックスさんに常に怯えていた。あ、今更だけどお店の従業員さん、全員人外でした。てかフィックスさんとテリーさんの眷属だそうです。宿の従業員さんもそうらしいです。早く言ってよ!  

そして気になってたあの疑問は昨日解消された。


"可愛いね、リリー。発情期じゃなくても発情期みたいなものだから、ちゃんと夕方には帰っといで"
"……は、はぁい"


「……昨夜の星トリュフ美味しかったなぁ」

今日も貰えるかな?
あ、周りを探知してたら海底に沈没船を探知したー。10隻くらいあるな。流石のドラゴン都市。

上空を見上げると、数体の飛竜が私を偵察にきていた。船は隠密と結界で包んでいる。野性の勘で部外者を察知したか。

ムンタリ大陸には七つの超巨大都市がある。ドラゴン都市は大陸の最北端にあり既に人が住んでいない無法地帯なのだ。おまけにギルドはあるけどそこも無人。昔は勇者とか聖女とかもいて、凄い都会だったそうよ。今は人間がドラゴンに負けて完全な無人都市だけど。

久々に隠れ支部にいきたいな。
岸まで100kmか。またにしよう。

あ、そうそうインビジブルタワーの4階からなら各ギルドに楽々転移できるんだけど、何故か収納できなくなってました。ゲームでは違う大陸にいようが何ヵ月も置き忘れても収納できたのに。
うん、罠だね。収納できないと焦って私が戻ってくるのを待ってるんだ。恐らく山菜マスターがどうこうしたとかじゃなくて乙女ゲームの強制力ってやつだろう。悪役令嬢アマリリスをアルレント国に戻そうと何かの力が働いた……と思う。

はぁ……私は夕方には彼氏のとこ戻るんだから、乙女ゲームなんてやってる暇ねーっつうの!

「ふぅ。船で飲む紅茶もうまい。さて、久々の庭だ。迷わずテンプレ装備でいくか」


テンプレ装備No.741
体:海の殺し屋スーツ
顔:息のしやすい鉄仮面
腰:身代わりのしめ縄
足:社畜のパンプス

生活魔法で夕方5時を報せてくれるようにする。

上空の飛竜がうざいな。
船に結界を重ねて、海にぼちゃん。


海底600m。
濁った海中からひとつ目の沈没船を発見。
船上から船室に入ると、通路と部屋が沢山あった。お仕事大好きな社畜のパンプスが無駄なく歩きを進める。
お宝が何もない部屋は勝手にスルーしてくれる。
お。ダイニングに入った。
ここに何かあるのか。
探知探索すると椅子の下に何か落ちていた。
なんだあれ……鑑定。


囚われの姫の手錠──罪状を示してから着けると無罪か有罪かを証明してくれる。無罪ならば手錠は外れ、有罪ならば手錠は外れない。


へぇ。囚われの姫ってゲームに出てきたな。確かもうお婆ちゃんになった薬師の女性、ノットお婆ちゃんの若かりし頃のあだ名だ。

テーブルにはドレスと靴があった。鑑定。


囚われの姫のドレス──ノット・オータムの白いカクテルドレス。着ると気品が出る。

囚われの姫の靴──ノット・オータムの白いパーティー靴。履くとダンスが上手になる。


全部魔導具ばりの性能ですな。
手に取ると傷ひとつない。
とりあえず三つとも収納!

ダイニングからキッチンに入ると、年代物の銀食器と硝子のグラスがあった。お、棚に薔薇型の古代魔石がある。もらっちゃお。

今の魔石は加工したつるつる形状でお安いんだけど、昔の魔石は高価で王侯貴族しか手に入れられなかったことから、貴人の邸宅に見合うよう動物や花の形で凝った造りをしているのだ。公式がそう言ってた。まぁ、魔石は日本でいうバッテリーみたいなものだから、今の私には必要ないんだけどね。収納にもオシドリとかフクロウとか、ついでにいうと男女が絡んだ見た目エロい凝った古代魔石も入ってる。もうコレクターの域、見た目が好き。もう自分を古代魔石ハンターと呼んでもいいと思う。

社畜のパンプスがお宝部屋に案内してくれた。
部屋の中心には四角いコンクリみたいな箱があった。あれだな。よし、中身は解らないがそのまま収納すると解った。あ、なぁんだ純金貨と金の延べ棒か。つまんない。


沈没船から出ると鶏冠魚の群れがやってきた。
頭のトサカが絶品なお魚ちゃん。上空にいた飛竜の大好物。
攻撃はせずに私の周りをうろうろして警戒。
今は海の殺し屋スーツだからね。
この海の界隈で海の殺し屋に歯向かう魚はいない。

お。
また集まってきた、集まってきた。
久々にあれやるかー。

雷魔法──樹林雷。

電流がジャングルジムのように規則的な型で流れて鶏冠魚の群れを囲う。

私はその下で待機。

おー、電流に驚いた魚からキラキラとした卵が出てきた、こりゃ大量だー。

完全に囲ってるわけではないので電流から抜け出す鶏冠魚もいる。

お。一匹だけ金鶏冠魚だ。
失血死させて収納!

うずらの卵みたいな魚卵も240個ゲットした。

転移で船に戻って体を洗浄。
魔導囲炉裏を出す。
そこに鶏冠魚の卵を放りこむ。
出来上がるまで5分くらいかな。
紅茶でも飲んでゆっくり待とう。


「いぃ香り~。泳いだ後は温かい紅茶がしみるぅ」

それにしても船には隠密と結界も纏わせているのに飛竜がうるさい。
船に転移してきた直後はいなかった。
無人の船には反応しないのか。

上空を飛んでる一体が、結界に攻撃してきた。警戒しているのか遠距離攻撃ばかりだ。

「がんばれー。あと三百回くらいブレス吐いたら結界にヒビが入るぞー」

でも攻撃が微妙に標的とずれてるから、気配しか感じ取れてないみたいね。

そろそろ出来たかな。
鶏冠魚の卵をひとつ摘まんで口にぽい。
う~ん、塩気があるうずらの卵みたいで美味しい。殻も薄くてパリっとして柔らかい。

あ、5時だー。
彼氏のとこ帰らなきゃ♪






転移でフィックスさんの部屋に戻ってテンプレ装備でジャージに早着替え。
階段をおりてお店に入ると叫ばれた。

「っ、今までどこで何をしていた!?」

おお、五男坊じゃないか。
まだ生きていたのか。

お店の従業員さん達にただいまーと鶏冠魚の魚卵を差し入れする。おお、みんな生で食べて親指を立てた。

「この1ヶ月間、港にも、どこにもいなかった!」

私も生で食べてみよ。
あ……うそぉ……生のほうがおいちぃ。
塩漬けした黄身みたい。
ムフフ。もう一個。

「振るともっと美味しいよ」
「へ」

追加であーんと口に入れようとした卵を背後からひょいと取られ、目の前で振られた。超高速すぎて手ブレみたいになってた。てか速すぎて手が止まって見える。動体視力がおいつかん。

その振った卵をフィックスさんがあーんして食べさせてくれた。

「……ふおぉ……たまご豆腐だぁ」
「おかえりリリー。あーん」
「ただいまぁ、はわ、わ」

おいちぃ。
塩気があって柔らかくてぷるぷるのたまご豆腐みたい。
今度身体強化で速度上昇させて手ブレの練習しよ。

「あーん」
「ん、おいしぃ、おぃちい」

フィックスさんのシャツにしがみつきながら口をあーんしてると従業員さん達に店から追い出されている五男坊がちらっと見えた。
なにしにきたんだ?



「肉巻きもお食べ」
「ありがとうございます!」

泳いだ後のお肉が美味しい!
たまご豆腐が百個届いた。うまし!
前も食べたぐるぐるソーセージ、今日はフィックスさんの手作りだそうで、あまりの美味さに切らずにアムアムと食べ進めていたら背後から物凄く視線を感じた。

座っていたカウンターから振り向くとエメラルドちゃんにアリエルちゃん、双子のシリンちゃんにマリンちゃんの美少女人魚達と、その後ろにミラさんとマリアーナさんもいる。
呆れ顔のテリーさんもいた。

その7人がなんともいえない顔で私を見てた。

「あたし達、今日貸し切りなの」
「へ?  ほめん。もーはへほわるから」
「ちょ、リリーおねいさん!」

エメラルドちゃんにぐるぐるソーセージをずるっと引き抜かれた。

「フィックスお兄さんっ、リリーおねいさんに言ってなかったの!?」
「準備で忙しかったからね」
「もうっ、今日はリリーおねいさんの生還パーティーするって、予約もいれたのに!」

せいたんパーティー?

「私の誕生日は2月22日ですよ?」
「そうなの?  なに食べたい?」

フィックスさんが口に指を差し込んで人魚の原液を流し込んできた。

「ぁああーっ、今それだめぇー!」
「どうして?」
「酔っぱらうと変な夢みりゅぅぅ!」
「俺と金髪碧眼の子が絡んだ夢?」
「そうですよ!  フィックスさん夢で一回浮気したんですよ!」

思い出してムキー!となって飛び掛かるとキャッチされた。

「あ、料理できてるから。運んどいて」

従業員さん達がばたばたする。
やだ私も手伝おうかしら?

「リリーおねいさん元気そうでよかった。アリエルの言った通り頑張ったのねっ」

いや発情期には飛び掛からなかったよ。てかアリエルちゃんの助言のお陰で1ヶ月間軟禁されましたよ。



「かんぱーいっ」

皆さんとお酒で乾杯。
っていいのか、11歳人魚達。

「シリンちゃん、マリンちゃん、お酒は大丈夫なの?」
「お酒なんて9歳の頃から飲んでるもーん」
「ねー、よく潮ワイン飲みに遠出するもんね」

とんでもねぇ双子だ。

「あたしがこいつらに穴場を教えちまったからね。早いもんだよ。仕事を終えた後にはもう枯れちまっててさぁ、最近は波ビールで我慢してんだ」

マリアーナさんが潮ワインが出る場所を教えたのか。人魚でも危険なあの海底火山を。とんでもねぇマリアーナさんだ。
収納から潮ワインが入った瓶を見せるとマリアーナさんが飛び付いた。

「リリー、あんたこれ……!」
「あ、それ海水などの混じりっ気が一切ない純度百の潮ワインです」

それを飲み慣れていた海賊達も喜んでいたから、味は折紙付き。

「……いいのかい?  飲んじまうよ?」
「この前の光スッポン鍋、とても美味しかったので」

ついでにここぞとばかりにお鍋も返す。1ヶ月も借りててすみません。


「リリーおねいさん今日は何してたの?  エメラルド、すごく心配したの……体、辛くない?」
「え、体調はいいよ?  今日はムンタリ大陸のドラゴン都市で沈没した海賊船からお宝掘り返してた」

そう言うと持参したカクテルを飲んでいたエメラルドちゃんがブー!と私の顔に噴き出した。

「こら、洗浄」
「げほ、っ……リリーおねいさんって……そこまで滅茶苦茶だった、け?」

こら、どういう意味だ?
エメラルドちゃんはたまに自分の事を「あたし」と言うから美少女人魚の中では一番しっかりしそうだと思っていたのに。

「すみません、リリーさん、本当にすみません」
「いえ、ミラさんは謝らないで下さい」

あ、ミラさんはシュガーウォッカ飲んでる。それ度数80よ。とんでもねぇミラさんだ。

「お嬢ちゃん、転移魔法持ちか?」
「あ、はい」

さっきから呆れ顔だったテリーさんがニヤリと私の背後にいるフィックスさんを見た。というか私、いまフィックスさんの膝に座らされてるんだけどね。

「ははっ、逃げられるなよ」
「大丈夫、ふふ」

途端、フィックスさんに羽交い締めにされた。

「イテテテ、ちょ、フィックスさ……」
「逃がさないからね」
「っ、んもがっ」

アウウ、また指から原液を出して私を酔わそうとしてる。そうはさせるかと収納からヒールアゲハを出して髪に付けた。アルコール中毒から様々な中毒症状を緩和する薬の材料だ。身に付けてるだけでも二日酔いを予防する。

「なにそれ?」
「今日のパーティーの主役は私なので、ちょっとおめかししただけです……ングング」
「可愛いねリリー」

うおっ。意味深な笑顔で原液を濃くしてきたぞ。


「ねぇリリーおねいさん。アリエルの5人いるうちの四番目の彼氏、最近怪しくってさぁ。浮気してるかもしれないの」

アリエルちゃん彼氏3人じゃなかったの?
いつそんなに増えたの?
そして浮気しているのはアリエルちゃんですよ。言わんけど。人間とは違うと言われたらアレだから。

「聞いてみたら?」
「聞いてもはぐらかすの」
「なら距離を置けば?  アリエルちゃんならもっと、」
「他の彼氏は切ってその四番目の彼氏一筋になりたいの」
 
初めは彼氏が3人だったとんでもねぇアリエルちゃんが更に彼氏が増えておまけにその人一筋になりたいとか、この1ヶ月の間にアリエルちゃんに何が起こったのかね?
リリーおねいさんもう頭パンクしそうだよ。

とりあえず収納から囚われの姫の手錠を出して、使い方を教える。

「この手錠すっごーい!」
「アリエルちゃん、どんな結果でも決して海に引き摺り込まないように」
「わかったぁ」

ふぅ。
一段落ついたな。
フィックスさんの指からお酒をもらう。おいちー。

「お嬢ちゃん、規格外過ぎて感覚が麻痺してるぞ」
「そうなんですよ。フィックスさんがチート過ぎてもう頭が考えるのをやめました」
「頭ばかになってきた?  ベットいく?」
「……ちょっと、食卓でそういう話はダメですよ」

ほら、もう女性陣がなんともいえない顔でドン引きしてるじゃないか。
とんでもねぇフィックスさんだ。




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