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第十八章
春愁
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年が明け、短い冬休みも終わろうとしていた。
加奈子はバイトまでベッドでゴロゴロしていた。
『ピンポーン』
家のチャイムが鳴る。家族は買い物に行き、家には加奈子1人だ。
インターホンを覗くとそこには君島が居た。
「はーい。」
返事をし、扉を開ける。
「遊びにきたよー。」
2人とも今日はバイトだ。それまで加奈子の家でゴロゴロするつもりだ。
「…でさ、正月は親戚がさー」
「ーうん。」
どこか上の空の加奈子。空返事だ。
「…どうしたの?」
ー去年のクリスマス。
バイト先の先輩で高校の先輩でもある後藤が、龍のほっぺにキスをしていた。それがあまりにもショックで、せっかくの冬休みも楽しめなかった。
その時の状況を君島に話始める。
「…うんうん。そっかぁ。」
「そうなんだよね…。」
「田中も言ってたよね。後藤先輩と木村君って仲が良いって。」
「うん。」
「それでずっと元気なかったの?」
「うん。」
「本人には聞いたの?」
「聞けるわけないでしょ。怖いもん。」
「…それって、前加奈子が抱きしめられた時と同じだね。」
「うん…。」
「なんか強く言えないよね。私が聞こうか?」
「うーん。なんかどうしたらいいかな?」
「もう告っちゃう?」
「え!?」
「中学の時から進展ないじゃん?もう高校生だよ?周りだって彼氏・彼女の話とか多いのに、加奈子はずーっと木村君好き好きー!って止まってない?」
「そんなに好きではないけど…」
加奈子はちょっと苦笑いで、枕を抱きしめる。
「好きではないってさ、じゃなんでそんな気持ちになるの?」
「…好きだから。」
「でしょ?幼なじみのままじゃ嫌でしょ?」
「うん…。」
君島の怒涛の攻めにたじろむ加奈子。
「スッキリさせよ!ダメだったら次に行こうよ!」
「うん…」
『ピンポーン』
家のインターホンが鳴る。
加奈子がインターホンを覗くとそこには龍が居た。
「え!?どうしたの?」
「ちょっとさ、話があってー」
ー時は遡る事、2時間前。
「綾子。今から高梨の家に行くのか?」
「うん。今日バイトだから一緒に行こうかなって。」
ファーストフード店でご飯を食べていた田口と君島。
「田口もちょっと協力してよ。」
「何を?」
「そろそろさ、加奈子と木村君くっつけちゃおうよ。」
「あいつら何も進展がないもんな。互いに両思いなのに。」
「でしょ!?2人とも奥手なんだからさ。」
「俺も今から木村ん家に行くか。」
2人はファーストフード店を出て、田口は龍の家、君島は加奈子の家に向かった。
ー龍の家。
『ピンポーン』
龍が部屋から出てインターホンを覗く。
「何しに来たんだよ?」
「ちょっと開けろよ!」
龍がドアを開ける。
「なんだよ。新年早々。」
「へへ。お邪魔しまーす。」
龍の両親に挨拶をした田口は、龍の部屋に向かった。
「…で?なんだよ?今日俺バイトだぞ?」
「知ってるよ。」
「それまでゆっくりしてんだかー」
「お前。後藤さんに聞いたぞ?」
「な、なにを?」
「チューしたんだってな?」
「いやあれは違うよ。」
慌てる龍。
「まぁ確かに後藤さん、酒飲んでたみたいだしちょっとテンション上がってたってのは聞いたよ。」
「だろ?だから違うって。」
「お前、それから後藤さんのこと意識し始めたんじゃないか?」
「っー!?」
同様する龍。
「そ、そんなわけないだろ?」
「確かになあの人は美人だし、あの人目的で来るお客さんもいる。だけど、お前には高梨がいるだろ?」
「いるだろ。って…」
「ずっとそばにいただろ。結局、窪田とも何もなかったわけだし。」
「それはそうだけど…」
「実際お前は高梨のこと、どう思ってんだよ?」
「……。」
口ごもる龍。
「あのさ…。ただの幼なじみじゃないだろ?ただの幼なじみでわざわざ庇うか?好きだから高梨のこと守ったんだろ?」
「……。」
「お前が後藤さんのことを好きなら好きで構わない。けど、高梨はずっと待ってるんだぞ?」
「いやいやいや。待ってるなんて、なんでお前にー」
「ちょっと黙って聞いてろ。あのな。幼なじみが嫉妬したりするか?お前も窪田のことでだいぶモヤモヤしたりしただろ?それに、高梨の姉ちゃんの彼氏にも知らずに嫉妬してただろ?そんなにただの幼なじみが嫉妬するわけないだろ?だからー」
田口の怒涛の攻めが龍にも繰り広げられていた。黙って聞く龍。
「そろそろさ、決着つけようぜ?」
「決着?」
「向こうも知りたいはずだよお前の気持ち。ちゃんとお前の口で、言葉でな。」
「決着ってこのままじゃダメなのかよ?」
「もう互いに成長しようぜ?一歩前に進むべき時期なんだよ。それに、冬休みが終わって春になってクラス替えがあって高梨と別々になって高梨が他の男と仲良くしてなんてそれでいいのか?」
「…。」
「今、高梨の家に綾子がいる。」
「え?」
「向こうもそんな話をしてると思う。」
「なるほどね。」
「あのさ、これだけ心配してるのも親友だから。だからな?綾子もそうだし、高梨もそう。お前らの為なら俺と綾子は動くよ。」
「…ありがとな。」
そう言って龍は田中を置いて、加奈子の家に向かった。
ー加奈子の家の前。
『ピンポーン』
加奈子がインターホンを覗く。
「え!?どうしたの?」
「ちょっとさ、話があって。」
「今綾子が来てるから…。」
「あぁ聞いた。」
「…。」
「あのさ!今日バイト一緒じゃん?終わったら一緒に帰らないか?」
「うん…。」
「その時に、話しよう。」
「わかった。」
龍は家に戻り、加奈子は部屋に戻った。
続く。
加奈子はバイトまでベッドでゴロゴロしていた。
『ピンポーン』
家のチャイムが鳴る。家族は買い物に行き、家には加奈子1人だ。
インターホンを覗くとそこには君島が居た。
「はーい。」
返事をし、扉を開ける。
「遊びにきたよー。」
2人とも今日はバイトだ。それまで加奈子の家でゴロゴロするつもりだ。
「…でさ、正月は親戚がさー」
「ーうん。」
どこか上の空の加奈子。空返事だ。
「…どうしたの?」
ー去年のクリスマス。
バイト先の先輩で高校の先輩でもある後藤が、龍のほっぺにキスをしていた。それがあまりにもショックで、せっかくの冬休みも楽しめなかった。
その時の状況を君島に話始める。
「…うんうん。そっかぁ。」
「そうなんだよね…。」
「田中も言ってたよね。後藤先輩と木村君って仲が良いって。」
「うん。」
「それでずっと元気なかったの?」
「うん。」
「本人には聞いたの?」
「聞けるわけないでしょ。怖いもん。」
「…それって、前加奈子が抱きしめられた時と同じだね。」
「うん…。」
「なんか強く言えないよね。私が聞こうか?」
「うーん。なんかどうしたらいいかな?」
「もう告っちゃう?」
「え!?」
「中学の時から進展ないじゃん?もう高校生だよ?周りだって彼氏・彼女の話とか多いのに、加奈子はずーっと木村君好き好きー!って止まってない?」
「そんなに好きではないけど…」
加奈子はちょっと苦笑いで、枕を抱きしめる。
「好きではないってさ、じゃなんでそんな気持ちになるの?」
「…好きだから。」
「でしょ?幼なじみのままじゃ嫌でしょ?」
「うん…。」
君島の怒涛の攻めにたじろむ加奈子。
「スッキリさせよ!ダメだったら次に行こうよ!」
「うん…」
『ピンポーン』
家のインターホンが鳴る。
加奈子がインターホンを覗くとそこには龍が居た。
「え!?どうしたの?」
「ちょっとさ、話があってー」
ー時は遡る事、2時間前。
「綾子。今から高梨の家に行くのか?」
「うん。今日バイトだから一緒に行こうかなって。」
ファーストフード店でご飯を食べていた田口と君島。
「田口もちょっと協力してよ。」
「何を?」
「そろそろさ、加奈子と木村君くっつけちゃおうよ。」
「あいつら何も進展がないもんな。互いに両思いなのに。」
「でしょ!?2人とも奥手なんだからさ。」
「俺も今から木村ん家に行くか。」
2人はファーストフード店を出て、田口は龍の家、君島は加奈子の家に向かった。
ー龍の家。
『ピンポーン』
龍が部屋から出てインターホンを覗く。
「何しに来たんだよ?」
「ちょっと開けろよ!」
龍がドアを開ける。
「なんだよ。新年早々。」
「へへ。お邪魔しまーす。」
龍の両親に挨拶をした田口は、龍の部屋に向かった。
「…で?なんだよ?今日俺バイトだぞ?」
「知ってるよ。」
「それまでゆっくりしてんだかー」
「お前。後藤さんに聞いたぞ?」
「な、なにを?」
「チューしたんだってな?」
「いやあれは違うよ。」
慌てる龍。
「まぁ確かに後藤さん、酒飲んでたみたいだしちょっとテンション上がってたってのは聞いたよ。」
「だろ?だから違うって。」
「お前、それから後藤さんのこと意識し始めたんじゃないか?」
「っー!?」
同様する龍。
「そ、そんなわけないだろ?」
「確かになあの人は美人だし、あの人目的で来るお客さんもいる。だけど、お前には高梨がいるだろ?」
「いるだろ。って…」
「ずっとそばにいただろ。結局、窪田とも何もなかったわけだし。」
「それはそうだけど…」
「実際お前は高梨のこと、どう思ってんだよ?」
「……。」
口ごもる龍。
「あのさ…。ただの幼なじみじゃないだろ?ただの幼なじみでわざわざ庇うか?好きだから高梨のこと守ったんだろ?」
「……。」
「お前が後藤さんのことを好きなら好きで構わない。けど、高梨はずっと待ってるんだぞ?」
「いやいやいや。待ってるなんて、なんでお前にー」
「ちょっと黙って聞いてろ。あのな。幼なじみが嫉妬したりするか?お前も窪田のことでだいぶモヤモヤしたりしただろ?それに、高梨の姉ちゃんの彼氏にも知らずに嫉妬してただろ?そんなにただの幼なじみが嫉妬するわけないだろ?だからー」
田口の怒涛の攻めが龍にも繰り広げられていた。黙って聞く龍。
「そろそろさ、決着つけようぜ?」
「決着?」
「向こうも知りたいはずだよお前の気持ち。ちゃんとお前の口で、言葉でな。」
「決着ってこのままじゃダメなのかよ?」
「もう互いに成長しようぜ?一歩前に進むべき時期なんだよ。それに、冬休みが終わって春になってクラス替えがあって高梨と別々になって高梨が他の男と仲良くしてなんてそれでいいのか?」
「…。」
「今、高梨の家に綾子がいる。」
「え?」
「向こうもそんな話をしてると思う。」
「なるほどね。」
「あのさ、これだけ心配してるのも親友だから。だからな?綾子もそうだし、高梨もそう。お前らの為なら俺と綾子は動くよ。」
「…ありがとな。」
そう言って龍は田中を置いて、加奈子の家に向かった。
ー加奈子の家の前。
『ピンポーン』
加奈子がインターホンを覗く。
「え!?どうしたの?」
「ちょっとさ、話があって。」
「今綾子が来てるから…。」
「あぁ聞いた。」
「…。」
「あのさ!今日バイト一緒じゃん?終わったら一緒に帰らないか?」
「うん…。」
「その時に、話しよう。」
「わかった。」
龍は家に戻り、加奈子は部屋に戻った。
続く。
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