昼寝聖女を追放したら王都がアンデッドで溢れたんだが、これって俺が悪いのか!? 〜責任を取らされた竜狩りの俺は、日夜アンデッドを倒しています〜

凛海

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第3話 戦線崩壊の墓地

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「オイオイオイオイ!なんだよこのスケルトン共の数はっ!?」

 なんてザマだっ!

 王城から最も近い墓地にたどり着いた俺が見たのは、
 崩れた前線。
 地に伏した兵達。
 そして何より、500体はいるスケルトン共だった。

「竜狩り殿っ!どうか援護をっ!!」

 近くにいた指揮官らしき男が天にも縋るかの様な声で俺の名を呼ぶ。

「任せろっ!だが数が多すぎる!俺が《剣技》を使うから部下を下げろっ!」

 あまりにも数が多すぎる。

 チマチマ倒していてはキリがない。

 そう判断した俺は一気にこの骨野郎共を事にした。

「っ!かっ畏まりました!お前らぁぁぁっっっ!下がれぇぇぇぇぇ!竜狩り殿の《剣技》に巻き込まれるぞぉぉぉぉ!!」
「下がれっ!下がれぇぇ!」
「竜狩り様だっ!」
「竜狩り様がいらしたぞ!」
「良いから下がれ!お前も巻き込まれるぞっ!!」

 なんとかスケルトン共を食い止めていた兵達が三者三様の反応を示しながらも、続々と後退していく。

 そんな事をすれば当然スケルトン共が続々と前に出てくるが、これで良い。

 十数秒後、眼前から全ての兵達が居なくなったのを確認した俺は、背負っていた大剣を構える。

 練り上げた魔力を大剣に乗せて、俺は《剣技》の名を叫ぶっ―――――!

「《フレイム》ッ!!《インパクト》ォォォ!!」

 一瞬にして剣身に獄炎が宿った大剣を、俺は勢いよく振り下ろすっっっ!!!

 ッドォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!

 地に触れた大剣〈インフェルニティブレイド〉の切先から宿した獄炎が放射状に放たれたっっっ!!!

 そしてスケルトン共がなす術も無く続々と燃やされる!

 スケルトン如きがこの炎に耐えられる訳が無いのは当然だ。
 この技はワイバーンですらまとめて焼き殺せる威力を持つのだからっ!!

 既に200体は倒したが、この技の真髄はここからだ。
 俺は更に炎の勢いを強める事にした。

「燃えろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!」

 俺は更に魔力を〈インフェルニティブレイド〉に込める。

 放たれる炎は更にその威力を強め、眼前は灼熱地獄の様相を呈する。

「す、すごい……」
「あれが竜狩りの英雄の《剣技》!」
「勝てるっ!勝てるぞっ!!」
「隊列を組めっ!竜狩り様に遅れるな!!」

 炎を放射する俺の後ろでは続々と兵達が前線を構築し直していた。

 そうだ。
 スケルトンはまだ200は居るのだ。

 いくら俺が派手にぶちかました所で、この墓場全体を焼き尽くせる訳じゃない。
 だが300も倒せば、彼ら兵達でも十分に対応できるはずだ。

 とは言っても俺は別にこのタイミングでここを離れようとは思っていなかった。

 俺は思っていなかったのだが―――――

「竜狩り殿!助かりましたぞ!」
「気にするなっ!《剣技》によって生まれた炎はもうじき消える!その後は一気に攻めて、この劣勢を覆すっ!!」
「っ!?なりません!!」

 一転攻勢に入り、この墓地を制圧しようとした俺だったが、聞こえたのはまさかの反対の声だった。

「は!?どういう事だっ!このチャンスを見過ごせというのかっ!!」
「違いますぞ竜狩り殿!!ここから先は我らにお任せくださいっ!!」

 チッ、手柄に目が眩みやがったか。
 職業軍人はこれだから!

 そう心中で目の前の指揮官を罵倒した俺だったが、実情は違った。

 俺は甘く考えていた。
 いくら墓地でアンデッドが大量発生したと言っても、これほど状況が悪いのはここだけだろう。
 そう考えていた俺だったが、指揮官の次の言葉が俺に現実を突き付ける。

「既に他の墓地では戦線が突破された模様!市中にアンデッドが放たれてしまった場所も少なくありませんっ!!」
「…………なん………だと…………?っ!?それは本当かっ!!」
「間違いありませんっ!!各部隊間の伝令の者が伝えて参りました!既に全滅した箇所も幾つかありますっ!!」

 畜生!
 なんて事だ!!

 部隊が全滅しただとっ!?
 王国の精鋭達の軍団が!全滅しただとっ!!!

「っ!クソ!俺は次に向かうっ!!ここは任せたぞ!!」
「お任せくださいっ!竜狩り殿は早く次の墓地へっ!」
「あぁ任せやがれっ!!」

 ―――――このクソみたいな状況が、俺に留まらせる事を許さなかった。

 魔力はまだ十分にある。
 体も《剣技》を使って多少消耗したが、これくらいは誤差の範囲だ。

 そう判断した俺は、この窮地を突破すべくそのまま次の墓地へと走り出した。


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