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4.秘密が秘密をあらわにする
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なんで
「大丈夫です。私は知ってます。だって私彼の義兄だから、」
義兄?
「えっと……」
俺は困った顔で高藤先生をみた。
「つまり―――」
高藤先生は指輪を見せた。キラリと輝く結婚指輪。
「これは私の愛おしい人と揃えた指輪です。そしてこの指輪の持ち主は」
わかった!
「北見のお姉さん!!」
「おしいですねぇ」
高藤先生はけたけたと笑った。おしいってなんだおしいって。
「正解はお兄さん。私、北見くんのお兄さんと結婚してるんですよ。」
フリーズした。それって
「私ゲイなんです。男の人が好きなんです。でも、今は北見くんのお兄さんしか好きだと思えません。彼しか愛せない。それぐらい彼が好きで好きでたまらない。」
先生はくすりと笑った。ああ。今初めてこの人が本当に笑った顔を見た気がする。
「こんなこと話すのは東くんだからですよ。」
「?」
「君は今、恋をしてるから」
「―――」
こんなにも、
こんなにも唐突に、嵐のようにやってきた現実に俺の脳はなに一つついて行かない。ただ、ついて行かないながらも、拒絶という反応は少しもなかった。
それがさも当たり前であるように俺は受け入れた。そうか。
「先生。俺好きなやついます。」
高藤先生は頷いた。
「出会ってまだ1ヶ月もたってないけど、でもアイツじゃなきゃいけないって。前してた恋が恋じゃなく、ただの若者特有の妄想に過ぎなかったって今なら思える。それぐらい俺はアイツに恋しちゃったんだ。俺は―――」
「東くん」
高藤先生は俺の発言をとめた。
「それは本人に言ってあげてください。待ってますよ。今も、きっと」
俺は高藤先生に別れを告げた。彼は言った。「明日、いい報告を待ってますよ」と。
図書室の消灯の確認をして鍵を締める。廊下の電気はついておらず、非常用出入口の緑色のあかりを頼りにする。
「あれぇ」
左に回そうとすると突っかかる。
「右回りかなぁ~」
やはりダメだ。もう高藤先生にお願いするしか……
「いや、その高藤先生に頼まれたんだし」
コツがいるんだろうな。ガチャガチャといじる。
そこへ、後ろから抱きつかれた!
「ひやぁあ」
急なことに変な悲鳴がでた。
「わっ!ごめんっ!ごめん」
謝りつつも離さないその人が誰だかわかった。身長、温もり、そしてその声。
「東くん!?」
なんで君が?
義彦はぎゅうぅぅうっとおれを抱きしめて離さない。ダメだ。この人をおれはふりほどけないんだ。
心臓がばくんばくんと異常なほどけたたましくなっている。
かなりの時間をかけてようやく義彦は口を開いた。
「俺、好きなやつできた」
「あ、、、」
義彦は「ごめん」と言って、少しだけでいいから話を黙って聞いてと言った。
好きな人に好きな人ができたことを聞けって?
そんなの―――
「耐えられない。」
涙声になった。だって、耐えられるはずないじゃないか!おれはあの時から東くんのこと
「俺の好きなやつは!いつも図書室にいて、なのに本を読まずにいつも俺なんかといて。一緒にいることが何よりも楽しくて。
だから俺もっとそいつのこと知りたくて」
「お願いだ」と義彦は俺の耳元で呟いた。
「俺を好きだと言ってくれ」
―――
「好きだよ義彦」
おれは恋人の頭を撫でた。その手つきからはどれ程そいつを愛しているのかが伺える。
あれから3年の月日が経ち、
彼はおれと同居している。おれは大学3年生だが、彼は社会人として働いている。
ベッドのなかで、おれは今日もかれに愛をささやく。
あの日から毎日のように言う言葉を―――
義彦はむすくれた。いつもの照れ隠しだ。
「ばぁか。俺のほうがお前の何倍も愛してるっつーの」
北見はきょとんと、しかしすぐににやにやという笑いになった。
義彦は呆れたように笑った。
「お前……だんだん西尾さんに似てきてないか?」
その笑いが照れを隠すための笑みだと知った今は可愛いものだが、最初はバカにされた笑みだと思い多少……いやかなり憤慨した。
「えー。それはやだなぁ。西尾さんにラブレター書いてるせいかなぁ」
義彦はため息をついた。
「もうその仕事やめろよ。お兄さんもう帰ってくるんだろ?」
北見はドイツに行ってるお兄さんの代わりにラブレターを書いていた。お兄さんのメールはドイツ語で北見しか解読できないから、西尾さんにラブレター風に翻訳するように頼まれたためである。
「いい加減西尾さんもドイツ語覚えたらいいのに」
「ほんとそれな」
俺たちは互いをみた、絡みつく視線。
俺は北見の唇に自分の唇を重ねた。だんだん体が熱くなる。
ゆっくり顔を離すと荒い息遣いが――
「なぁ……もう1回寝よ」
俺の誘いに北見は頷いた。そしてもう1回キスをする。
もう離さない。俺の大事な人
俺の大事な恋人―――
互いの手が互いの体をまさぐる。今日も俺たちは愛を確かめ合う。
「大丈夫です。私は知ってます。だって私彼の義兄だから、」
義兄?
「えっと……」
俺は困った顔で高藤先生をみた。
「つまり―――」
高藤先生は指輪を見せた。キラリと輝く結婚指輪。
「これは私の愛おしい人と揃えた指輪です。そしてこの指輪の持ち主は」
わかった!
「北見のお姉さん!!」
「おしいですねぇ」
高藤先生はけたけたと笑った。おしいってなんだおしいって。
「正解はお兄さん。私、北見くんのお兄さんと結婚してるんですよ。」
フリーズした。それって
「私ゲイなんです。男の人が好きなんです。でも、今は北見くんのお兄さんしか好きだと思えません。彼しか愛せない。それぐらい彼が好きで好きでたまらない。」
先生はくすりと笑った。ああ。今初めてこの人が本当に笑った顔を見た気がする。
「こんなこと話すのは東くんだからですよ。」
「?」
「君は今、恋をしてるから」
「―――」
こんなにも、
こんなにも唐突に、嵐のようにやってきた現実に俺の脳はなに一つついて行かない。ただ、ついて行かないながらも、拒絶という反応は少しもなかった。
それがさも当たり前であるように俺は受け入れた。そうか。
「先生。俺好きなやついます。」
高藤先生は頷いた。
「出会ってまだ1ヶ月もたってないけど、でもアイツじゃなきゃいけないって。前してた恋が恋じゃなく、ただの若者特有の妄想に過ぎなかったって今なら思える。それぐらい俺はアイツに恋しちゃったんだ。俺は―――」
「東くん」
高藤先生は俺の発言をとめた。
「それは本人に言ってあげてください。待ってますよ。今も、きっと」
俺は高藤先生に別れを告げた。彼は言った。「明日、いい報告を待ってますよ」と。
図書室の消灯の確認をして鍵を締める。廊下の電気はついておらず、非常用出入口の緑色のあかりを頼りにする。
「あれぇ」
左に回そうとすると突っかかる。
「右回りかなぁ~」
やはりダメだ。もう高藤先生にお願いするしか……
「いや、その高藤先生に頼まれたんだし」
コツがいるんだろうな。ガチャガチャといじる。
そこへ、後ろから抱きつかれた!
「ひやぁあ」
急なことに変な悲鳴がでた。
「わっ!ごめんっ!ごめん」
謝りつつも離さないその人が誰だかわかった。身長、温もり、そしてその声。
「東くん!?」
なんで君が?
義彦はぎゅうぅぅうっとおれを抱きしめて離さない。ダメだ。この人をおれはふりほどけないんだ。
心臓がばくんばくんと異常なほどけたたましくなっている。
かなりの時間をかけてようやく義彦は口を開いた。
「俺、好きなやつできた」
「あ、、、」
義彦は「ごめん」と言って、少しだけでいいから話を黙って聞いてと言った。
好きな人に好きな人ができたことを聞けって?
そんなの―――
「耐えられない。」
涙声になった。だって、耐えられるはずないじゃないか!おれはあの時から東くんのこと
「俺の好きなやつは!いつも図書室にいて、なのに本を読まずにいつも俺なんかといて。一緒にいることが何よりも楽しくて。
だから俺もっとそいつのこと知りたくて」
「お願いだ」と義彦は俺の耳元で呟いた。
「俺を好きだと言ってくれ」
―――
「好きだよ義彦」
おれは恋人の頭を撫でた。その手つきからはどれ程そいつを愛しているのかが伺える。
あれから3年の月日が経ち、
彼はおれと同居している。おれは大学3年生だが、彼は社会人として働いている。
ベッドのなかで、おれは今日もかれに愛をささやく。
あの日から毎日のように言う言葉を―――
義彦はむすくれた。いつもの照れ隠しだ。
「ばぁか。俺のほうがお前の何倍も愛してるっつーの」
北見はきょとんと、しかしすぐににやにやという笑いになった。
義彦は呆れたように笑った。
「お前……だんだん西尾さんに似てきてないか?」
その笑いが照れを隠すための笑みだと知った今は可愛いものだが、最初はバカにされた笑みだと思い多少……いやかなり憤慨した。
「えー。それはやだなぁ。西尾さんにラブレター書いてるせいかなぁ」
義彦はため息をついた。
「もうその仕事やめろよ。お兄さんもう帰ってくるんだろ?」
北見はドイツに行ってるお兄さんの代わりにラブレターを書いていた。お兄さんのメールはドイツ語で北見しか解読できないから、西尾さんにラブレター風に翻訳するように頼まれたためである。
「いい加減西尾さんもドイツ語覚えたらいいのに」
「ほんとそれな」
俺たちは互いをみた、絡みつく視線。
俺は北見の唇に自分の唇を重ねた。だんだん体が熱くなる。
ゆっくり顔を離すと荒い息遣いが――
「なぁ……もう1回寝よ」
俺の誘いに北見は頷いた。そしてもう1回キスをする。
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互いの手が互いの体をまさぐる。今日も俺たちは愛を確かめ合う。
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