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早鐘

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これでいいのか。

そう、考え、心臓の鼓動が恋を告げているのとわかった。

止まらない。

大きな鼓動が、彼の存在を知らしめる。

何故かは、わからない。

けれど、頭から離れなくなってしまった。

これで、よかったんだ。

頭に響く鼓動の高鳴りが、そう告げたような気がした。

けれども、僕の中の暗闇は僕を離そうとしない。

“いつ、切られてもいいように”

そんな準備を始めてる。

ごめんね、君の好意を心の底から信じられなくて。

初めから、信じようとしないで。

それでも、返事をしてしまって。

恋の盲目を取っ払って、クズな僕を見てくれよ。

そして、嫌いになってくれ。

頼むよ……
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