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光
ごめん
しおりを挟む僕なんかを好きになってくれてありがとう。
君の隣は心地よくて、安らぐんだ。とても好きだよ。
でも、それは友達って線が引いてあったから。
いつでも僕は君の隣から逃げられる位置にあった。
だけど、君から貰った言葉はそれを飛び越えてきた。飛び越えるように誘ってきた。
僕は友達って場所に居たかった。でも、君は先にその場所を出て行ってしまった。
目の前で飛び越えて行った君が
「そこに居ていいよ」
そう言った。
でも、そんなこと言われても、ここに君はもう居ないんだろう?さも同じ場所にいるように君は言うけど、違うだろ?
僕は君のことを人間として好きだから、友達として大好きだったから、失いたくなかったんだ。
君は僕から手を離して欲しかったのかもしれない。でも、僕は離す側の人間になれないから。なりたくなかったから、この場所を選んだ。
ちゃんと好きだよ。でも、どうしてだろう。あの場所が恋しい。あの場所に居た時の、僕の心とこの場所にいる僕の心が違う。
苦しい。悲しい。
どうしてかな。君のことが好きなのに変わりはないはずなのに。
あの場所に居た時の心の方が楽しかった。
今の場所も幸せで、わくわくして、楽しいはずなのに。どうして、悲しいのが大きいんだろう。
君の隣にいるのに、ずっと君の背中を見てる気分なんだ。
ごめん。ごめんね。こんな気持ちを抱えてるのに、君の手を離せない。
君の背中に、手を伸ばしてしまう。
こんなことを考えている僕に、そんなことを思う資格ないのに。
ごめん。好きになって、ごめん。僕なんかを好きになってもらって、ごめん。どうしても、君の隣にいるのは僕じゃないって思いが強いんだ。
千切れそうな心を笑顔にして、君の隣を誰かに譲れてしまう。
ねぇ、お願いだから、僕を嫌いになって。
もう、好きじゃないって、友達に戻ろうって言って。
友達って場所も壊してもいいよ。
だけど、それを壊すなら少し待って。独りになる準備をするから。
狡いね。ごめん。
君は好きだと言ってくれたのに、僕は別れを考えてる。
君が楽しく生きようと誘ってくれたのに、僕は自分から暗い道を選んでしまう。
こんな僕でごめんね。
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