上 下
27 / 45

煩わしい

しおりを挟む
とても、面倒だと思うんだ。人と関わるのは。

僕自身の求めるものが高いせいも相まって、人と関わるのが煩わしい。

一喜一憂するのが、性に合わないんだ。

不安になることは、誰だって嫌だろう?

それの対処法を、僕は間違えてるだけなんだ。

でも、正しいものなんてわからないから。

僕は君が好きだけど、人と関わることが嫌いだから、不安になることが嫌だから。

僕は、君が嫌いなんだ。

人を好きになるなんて、ろくなことがない。そうだろ?

たしかに楽しいかもしれない、幸せかもしれない、それでも、僕にはこの不安が煩わしくて仕方がないんだ。

君を好きだと思う気持ちが煩わしい。

君に好かれる僕が煩わしい。

総じて、逃げたくなる。

僕じゃない誰かになりたい。

でも、僕は僕のまま生きて欲しい。

我儘は治らない。

でも、生きなくていいなら、僕のいない世界が欲しい。

透明人間になりたい。

僕は、僕じゃなくていい。

代わりはいくらでもいる。

僕は空っぽなんだ。
こんな空っぽな奴、なんで好きになるんだよ。

どうせ、君も僕を捨てるんだ。

僕はもう、捨てられたくない。

置いていかれたくない。

怖いんだ。僕は弱い。

強くなりたいと願うけど、でも、その方法がわからない。

人のために命を捨てることはできるのに、人のために生きることはできない。

僕は、僕の考えが煩わしい。

だって、こんな考え、誰も幸せにできない。

僕は、僕以外の奴が幸せになってるところを見たいだけなんだ。

だから、僕を幸せの鍵にしないで欲しい。
心の何処かでは、たしかに君の隣を望んでる。それでも、僕は君の幸せの方が望みたいから。

僕は、僕という人間は、幸せではないから。

僕自身は、幸せだと思う。だって、こんなことを書くことを誰にも咎められていない。僕みたいなやつを好きだと言ってくれる人もいる。

でも、遠くから僕を見たら、僕は不幸のトリガーにみえてしまうんだ。

きっと、悲しい。僕が好きだなんて、悲しい。

誰にも愛されたくない。だって、誰も救われない。

愛を望む心はあるけど、そんなの、ずるい。

あぁ、だから、ほら、僕は煩わしい。

この考え自体、悲しいものなのに、わかっているのに、悲観的に生きるしか方法を知らない。

僕は、僕のいない世界でしか幸せになれないんだ。
しおりを挟む

処理中です...