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プロローグ[みんなの心]
しおりを挟む[俺はヒーローになりたかった]
大切な人がいる。
小さい頃から、俺はその子をずっと守ってきた。
『ヒーローだよ!』
呼ばれた言葉は魔法みたいで俺の中に広がった。
だから、お前を守れるなら一生ヒーローでいいとさえ思ったんだ。
……思ったのに。
俺は、気が付いていなかった。
ヒーローは、誰かの隣には居られないんだ。
誰かの幸せのために、ヒーローはいるんだ。
ヒーローは、ヒーロー自身はきっと…幸せにはなれないのに。
隣にいたい。
幸せにしたい。
でも、君の望むのはヒーローだから。
俺は、君のヒーローを演じないといけないんだ。
[君はヒーローじゃなきゃ……]
大好きな人と言われて頭に浮かぶのは唯一人。
僕の、僕だけのヒーロー。
君は、僕の正義を守ってくれた。
何度も、何度も。
「大好きだよ。」
……きっと、君が僕を助けなくても。
でも、君はヒーローでいてくれないといけない。
じゃないと、僕の好きで君が汚れてしまう。
そんなのダメだ。
君は、綺麗で真っ白なんだ。
誰にもその白さは汚させない。たとえ、それが僕自身であっても。
[俺のヒーロー]
幸せが沢山ありますように。
そんな名前を与えられたのに、幸せなんて馬鹿らしいと悟ってしまったのは小学校に入ってからだ。
子供は残酷だ。
気にくわない奴を蹴落とせる力を持っている。
そして、その標的が俺だった。
(いいよ、別に……)
自分を切り離して、学校へ行くのを作業に変えた。
「…お前ら、何がしたいんだ。」
作業の中で声がした。
隣の席の名前も知らないその子は俺の前に立っていた。
「……ほら、立てるか?」
差し伸べられた手に涙が出た。
ヒーローみたいにやってきて、優しく俺に微笑んだ君に、俺はきっと、恋をした。
_
_
[闇の中にヒーロなんてくるわけがない。]
恋なんて馬鹿らしい。
好きなんて薄っぺらくて信じられるわけがない。
でも、誰かに愛してほしい。
誰かに愛してもらわないと生きていけない。
愛を刻んでもらえないなら、生きている意味を誰に貰えばいいのかわからない。
怖い。怖い。怖い。
ねぇ、好きだなんて言わないで。
そんな言葉嬉しくない。
言葉なんていつだって変えられる。
いつだって、裏切られる。
好きだって言った後に置いていかれるのはわかってるんだから。
でも、置いていかれるのはいつまでたっても慣れないから、自分から置いて行くの。
光なんていらないから、一瞬でもいいから生きる意味がほしかった。
[俺のヒーロは君だった]
好きな人なんていなくていい。
だって、こんな恋、異常だから。
性別は俺を縛るから。
世界が俺の敵だから。
けれど、たった1人に救われた。
「一緒に不幸になろう」
その言葉で、俺は無敵になれたんだ。
君がいるから不幸になりたいと願えた。
君がいたから俺はたくさん笑えた。
俺はもう、君がいるだけで幸せだった。
けれど、君が望むなら…俺は…。
[僕はヒーローになれなかった]
君がいるだけで僕は幸せだった。
君は僕の隣で幸せそうにしていて、それをみれる僕も幸せで、ずっとこの幸せを大切にしようと思っていた。
けれど、永遠なんてものは存在しない。
自分が隣にいることで、どうしたって君を悲しませてしまうと知った。
それなら、自分の幸せなんて、捨て去ってしまおうと決めた。
本当は、ずっと君の隣で…。
【重要人物が登場したら随時追加する可能性があります。】
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