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14章
窓灯り
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「どうして、こういう勝手なことをするんだ」父親の懊苦の声に、シンク前に立つ次男は居直りきった顔を向けた。
座卓の上には、あなたの本校中途退学が受理されました、という旨の印字された白いペーパーが置かれている。
「俺の人生を、俺がどんな勝手しようが、それこそ勝手だろ」脱色髪のサイドをデップクリームで撫でつけた知春の口調には、悪びれというものが全くなかった。
「人生っていうのは、死ぬことが前提にあるものなんだから」知春が呟き、その弟と父親の間に求が立っていた。
「そもそも何なんだよ、真面目に生きることって。まあ、この馬鹿は、その辺でまだ素直なだけましだけどな」馬鹿、を罵倒調に強調した知春の目が、後ろに突っ立つ兄を指した。
「余分なことは、最初から頭にねえもんな。頭にあることは、てめえにとって気持ちいいことだけ。飲み食いの快感、それを糞としょんべんに変えて流す快感、朝と夜に布団の中でしこしこやって、ぴゅっと出す快感。客観がなくて、主観だけ。あの婆あと、一卵性親子だもんな。親切、優しさとかに陶酔してる野郎よりも、ある意味、ずっと合理的じゃねえの? それに気づいたから、これから、俺もさ」「お前は何を言ってるんだ」「ここ、もうじき出てくよ」「アパートの金は出せないぞ」「いいよ。住まわしてくれる先輩がいっからさ」知春が声を落とした時、階下から、マフラーを外したバイクのコールが轟いた。
「来た」知春は言い、テーブルの煙草とライターを、ジーンズとともにストーンウォッシュで揃えたGジャンのポケットに入れ、玄関へ消え、やがて、コールに、ドアの閉まる音が重なった。階下から会話が聞こえ、エンジン音が遠ざかった。
一夫が悲しい翳を表情一面に浮かせて立ち果て、求は突っ立ったきりのまま、二分ほどの時間が経過したのち、黒電話が鳴った。
通話口向こうの松村は、こないだの倉庫に来いと言った。少し弱い減張を持つ声だった。求はトレーナーの上にGジャンを着、静寂の落ちた号室に言葉なく立つ父を背に、家を出た。
雑木林、農家、畑を越えた場所、近くに米原タワーを臨む廃倉庫で、松村は黒のアウターシャツ、黒のスリムジーンズ、バスケットシューズという姿で、ソファに腰掛け、肘を膝に置いた姿勢で項垂れていた。
「俺、仕事に就いたんだ」松村は肩から求を見、報告したが、その口調に覇気はなかった。倉庫に残された出荷ローラーその他の無機物は、窓の陽光をはね返して佇んでいる。
「こないだ言ってた、ドカチン?」「いや、能勢さんの身の回りの世話する係だ。年棒三百万くれるっていうんだ。それで、あの人のプロデュースの下でバンドやるっつったら、出世も近づくってもんだぞ。だから、お前もどうだ。あの人への敬意を証明するお辞儀のし方とか、食事の置き方とか、作法を徹底しなくちゃいけない気遣わしさはあるみてえだけどさ」「俺は」「お前、世界レベルって夢、叶えてえって思わねえの?」口籠った求に松村は言ったが、求は、先日のことにショックを受けている自分を少しづつ認め始めたところだった。
その時、ある思いがふと浮かんだ。もしも先日の銀行キャッシュコーナー、すえながでやらされたことが現実にミュージシャンの一環であるなら、喧嘩が強いことが、その道で命を保ち、それの生かしへと昇華させることとイコールか。
人の一人も殺すことが出来るまでの勢いを持つ命を宿していれば、岡安のような者にも対抗出来るか。
「ねえ。岡安さんって、喧嘩、強いの?」「強えよ。あいつも俺も、体が喧嘩、覚えてるからな」藪から棒に訊ねた求に、松村はぽそりと答えた。
「俺も強くなれるかな、喧嘩」「そんなもんは、ガキのうちに決まっちまうんだよ。その人間の、一生の立場ごとな」松村の語勢が少し強まった。
「俺が山谷の街を這いずり回ってた頃、ガキの頃から一緒にカツアゲだの喧嘩だのに明け暮れてた奴で、あの牛殺しの剛道会館で、この若さで道場一軒任されてんのがいんだよ。最近連絡あってさ、話聞いたら、おめえみてえな奴が入ってきたんだってよ。おめえと同じ、茅棒みてえな体して、何かに怯えたような面した奴がさ」それまで沈んでいた松村の表情に笑いが挿していた。これから語られることの内容は、求には、それが我がことのように想像がついた。
「入門して、ニ十分で潰されたってよ。組ませてやらせたら、年下のガキのパンチとキックが、その馬鹿にいいように決まるんだけど、そいつの攻撃は一発も当たんねえんだってよ。小学生に蹴りぶっ込まれてよ、泣いて帰ったって、そいつ、言ってたぜ」
真偽は分からない。しかし、それが自分だと言いたいのか、という抗議の心も、確かに求の胸に生じていた。
「おめえ、まさか、空手でも習おうとかって考えてんじゃねえだろうな」決めつけた松村の笑いが爆ぜた。
「弱え奴がそんなもん習ったって、弱え奴は弱えんだよ。おめえが女連れて、原宿なんか歩いてみい。すぐ、顔真っ白く塗った七、八人のハードコアの奴らに囲まれて、女、連れてかれるぜ」「その時は、俺、戦うよ」
精一杯言った求の脳裏には、腕に強く抱けば頽れそうな体をした尚子の姿があった。
「いや、おめえみてえな馬鹿は、黙って女、出すしかねえんだよ。戦うたって、おめえじゃ初めから戦いにもならねえんだからよ。ただ、いいように袋にされるだけだよ。下手したら、あれ切られて、一生女とやれねえ片輪の体にされちまうかもしんねえよ。そうなりゃ、おめえ、結婚どころかマスも書けなくなっちまうぜ。あの辺りのハードコア・パンクスの奴ら、凶暴だから、おめえみてえな馬鹿はそれぐらいのことはされるぜ。おめえみてえな知恵遅れは、女も金も、みんな俺とか岡安みてえな奴に黙って差し出さなきゃならねえんだよ。どうぞ、もらって下さいって頭下げてな。だって、おめえ、福澤のお友達なんだもんな。そういうものなんだよ」松村の顔から笑顔が引いた。
「そういう風になってるんだよ」同じ意味を持つ言葉を力なく呟いた松村の横顔には、濃い色合の焦燥が浮き出していた。
「勝江、行くぞ。能勢さんから話あるっつうからよ」松村が立ち上がると、求も一寸遅れて、重くソファから腰を上げた。
二人で廃倉庫を出、タワー沿いの舗装路を並んで歩く松村は、肩と項を落としたきりで、前を見る上目には、翳めいた光が見えた。空は晴れ、鳥のさえずりが聞こえていた。
その姿からは、夢を叶えるための活動に勤しむ若者の、きらきらした希望の光は感じられなかった。
米原ショッピングプラザ前では、学年一つ上の福澤が、言葉にならない、何かの気合のような声を発しながら、駐輪スペースに停めてある自転車を木の枝でばしばしと打つという奇行を演じていた。松村はそれを目の端に掃きもしなかった。
「ところでよ」バスの二人掛け席で、松村が振り出した。
「三月に売った服と靴の金、そろそろ払えねえ?」求の返答は噤まれた。七万円の月収。彼はカセットテープ、煙草は勿論、飲食にだいぶという以上に使い、残った分は、男とともに訪ねてきた母にそのほとんどを渡してしまった。
「給料はもうもらったはずだよな」
今の持ち金は九千円と小銭が少し。三万円の持ち合わせなどない。
「まあ、いいや。俺、月に納めなくちゃならねえ金があるんだ。それ、言えば三日かそこら、待っててもらえるやつなんだよ。わりいけど、ちょっと親に借りてでも、一週間以内には工面してくんねえかな。おめえ、出来るよな。」「うん。やろうと思えば」「いや、それじゃ駄目なんだよ。出来るよな」
その時、うん、必ず払う、と答えてしまったことは、全くの反射的反応だった。
「頼むぜ」「分かった」求が答えたのち、松村はまた黙した。乗客人数が少ない昼帯のバス車内は静かだった。
「よく来たね。今日は、ひとまず、君らと一緒に組むメンバーの目星がついたっていう話をしようか」濃青のアウターシャツという、目立ちを抑えた普段着姿の能勢は、ジェントルな物腰で松村と求を迎えた。その紳士然としたムードに、求は一瞬、先日に自分がやらされたことを忘れかけた。
勝江台北口の街道沿いに建つ、飲食テーブルを兼ねたゲーム台が四台並ぶ、坪数の狭い喫茶店だった。カウンター奥には、表情のない顔をしたエプロン姿の女が立ち、煙草を吸っている。
「ベースとドラムがね、やってみたいっていう子達がいるんだ。ベースの子が今、松村君と同じ十九歳で、東京のパンクバンドでの活動歴があってね。ドラムの子が、少し年嵩で、二十三歳、僕と同じ、ちょっと年寄りだね。でも、ドラミングのテクニックには、齢の分だけ年季が入ってるよ。これまで、ザ・クラッシュやストラングラーズをコピーするバンドで、もう十年近いキャリアがあるんだ。ARBのキースさんと面識があるらしいんだよね。それに松村君のギターと作曲能力、佐藤君のその声質を生かしたパンキッシュなボーカルと、その独特な動きのステージアクションが載るとなれば、すぐさまメジャーに」能勢が言いかけた時、ドアベルが鳴った。カウンター奥の女が、接客挨拶なく、銀のポットからコップにお冷を注いだ。
能勢は、眼に優しい光を湛えたままだった。入ってきた人間は、グレーのB1ジャンパーにストーンウォッシュのジーンズ、リーゼント気味のパーマヘアをした、求と同年代の少年で、顔つきはいかにも不良少年然とした荒んだ雰囲気の相だが、剃り落とした眉の下の目には、怯えの色がある。
その少年は、顔を汗で光らせ、接吻をする形に開いた口から、う、う、うう、と聞こえる声を発しながら、ジャンパーの懐から匕首、いわゆるドスを抜き、鞘を払い、それを腰溜めに構えた。振り向いて、それを見ていた能勢が、外したフレームレスを台に置き、静かにチェアを立ち、少年と対峙した。その体の恰好には、一切の力みはない。
腹を目がけて突き出された刃身が、能勢が脚を引いて、体を反回転に捌いたため、宙を突いた。能勢の両手が、目にも止まらぬ速さで、ジャンバーの裾を取った。匕首を持った手が二回、膝に叩きつけられただけで、匕首が能勢の手に渡った。能勢の足甲が、すぱっと少年の股間に決まった。ぎゃっと悲鳴を上げて額から前のめりにフロアに落ちた少年の髪を、能勢の左手が握り、顔を天井へ仰がせた。
求は、動けず、声を発することも出来なかった。松村は、項を沈め、勝てば女子高生が脱いでくれる脱衣麻雀のデモンストレーションが映る、ゲーム台の画面に、苦渋の目線を落としたままだった。
脊椎を逆C字型に曲げられ、天井を仰いだ顔の皮膚に、匕首の切っ先が突き立てられ、ゆっくりと滑った。少年は、すでに泣いている声で、痛い、痛い、と連呼して叫んだ。赤い✕字が刻まれ、それがさらさらと血を流し、苦痛と恐怖に歪んだ顔を顔を赤く汚した。能勢は血を振った匕首をカウンターに置き、テーブルの携帯電話を取り、応答した相手に居場所と、秋野の所で点数稼ぎをしているチンピラ、という説明を、少しの掠れを含んだ低声で囁き送った。
少年は顔を覆って体をのた打たせ、お母さん、と聞き取れる言葉の混じる大声の泣き喚きを撒いている。
求が彼にしてやれることは、何もない。松村の目、姿勢も寸分と変わらない。
求は、その悲態を前にしてもなお、これが世界レベルのミュージシャンの道、その一環だ、という念を心に起こしていた。それと同時に、先しがた、米原の廃倉庫で松村の言った自分への侮蔑も、あながち間違いではないかもしれない、という思いも抱き始めていた。
自分は学校という場所に籍があった頃、髪、動き、歩き方、言葉が普通じゃないと言われ、嗤われ、しばしばそれで他者から苛立たれもした。怒りさえ買ったこともあった。
今、恐怖と苦痛に哭き叫んでいるこの子供も、初めに見た様子から、普通と呼べるものからは大幅にかけ離れていると、求をしても分かった。能勢のような采配者に少しでも近づくには、自分にはロック、バンド、以外のものはない。
少年の泣き声が響く中、店員の女も表情、態度を動かすことなく、カウンターの後ろに座り、唇にルージュを挽いているだけだった。
何分かして入ってきた二人の男はともに上背があり、体格が良く、居住まいが据わっており、その辺の栄養不良の体をした、稚い辻の蜷局巻きとは明らかな貫禄違いだった。服装は迷彩の戦闘服をまとっているが、表情の付き方には品性のない崩れが出ていた。
「ねえ、名前、何って言うの?」男の一人が突拍子もなく、作ったような優しい声で松村に訊ねた。
「俺、松村」「松村?」「そう」「真理子ちゃんのお兄ちゃん?」
男は無答の松村に背を向け、カウンター前で泣いている少年の髪を掴み、その体を片腕だけで引っ立たせた。髪を引かれる中腰の体勢で、開いたドアへ引かれる少年の尻を、もう一人の男が、一定のリズムを刻んで蹴り続けた。
少年の泣き声が遠ざかり、消えた頃、能勢が相好を作り直した。
「何でもない。職業柄のことだよ」「職業柄、ですか」求が問い返した時、隣の松村が彼を振り返り見た。
「能勢さんの名声を妬んで、ちょっかい出してくる奴らがいんだよ。おめえにはまだ分からねえだろうけど、そういう時のために、護衛の部門を持ってんだ」松村が説明した時、立ち上がった能勢が、松村の隣に回り込んだ。彼の顔に、能勢の手で、ゲーム台のお冷がぶっかけられた。松村の顎下から水が滴ったが、彼は沈んだ顔で瞼を落としているだけの態度だった。
「余計なこと喋んじゃねえ、この野郎」低い掠れを帯びた声で唸った能勢の容赦のない裏拳が、ぱあん、と、松村の顔半分の皮膚を鳴らした。濡れた顔を両手で覆った松村の体が、横薙ぎに椅子から倒れて落ちた。床に落ちた松村を、能勢が、瞼の据わった眼で睨み落とした。
「申し訳ない。佐藤君は、今日はこれでお暇でいいかな。ちょっと取り込みも入っちゃったし、それで、松村君に話さなきゃいけないことも出来ちゃったからね。また、近いうちに、日を改めて緻密な打ち合わせをしよう。進んでるからね、君らの正式な結成の企画」
求はしばらく俯いてから、抜けた腰を立たせた。カウンター前の床には、少年の血痕がまだ飛び散り撒かれていた。店員の女は、煙草を吸っていた。低いボリュームの小さなテレビには、始まった「ニャンニャン」の手書き題字が大きく映っている。
能勢が今、松村を制裁したその理由は、身の回りの世話をする使用人であり、自分に財的な潤いを齎し、さらにその名を上げる出世株である彼に目を掛けているからだ、と、未語彙化の思いを巡らせながら、そのゲーム喫茶を出た。
リーベの階段を昇った。今の自分の顔が、酷く怯えたものとなっていることは分かっている。目は涙で霞み、瞬きが繰り返されていた。
尚子は出勤していた。彼女は、客の中年男と、「銀座の恋の物語」をデュエットしていた。初めて聴くその歌は、上手いとは言えなかった。
座ったカウンター席の隣には、先日、みえ、と名乗った女が来た。飲み物を訊かれ、いらない、と答えると、みえは顔を歪めて舌打ちし、席を離れた。その不遜な態度が、求の心を傷つけることはなかった。
尚子は、声量のない声で唄いながら、求を見た。
尚子の歌が終わった。まだ少ない客のいる席から拍手が上がった。求は席を立ち、顔で尚子を促し、ドアの前に出た。
「お願いがあるんだ」求は言うなり、ユニフォームである紫のドレスに包まれた、尚子の小さく、細く、息遣いの弱い体を抱きしめた。求の腕の中で、尚子の体が軽く反った。抵抗の様子はない。求の細い腕と、大胸筋のない胸に包まれた彼女は、彼の鎖骨部に頬を載せ、瞼を瞑っていた。
「ちょっとだけ、こうしてて。これだけでいいんだ」求は言い、尚子を抱く腕に力を込め、彼女の鼓動を自分の肋骨に温かく感じながら、これが本来、男が携えるべき力か、という語彙を形成しない思いを持った。
「俺、喧嘩、強くなりたい。俺、もっと強くなりてえよ」横隔膜の蠕動とともに、気持ちを純化させた言葉が落ちた。
「本当の強さっていうのは、そんな暴力なんかの強さじゃないよ」抱き留められた尚子が言い、求の頬には、炎であり、血でもある涙が量を増して流れ続けた。頬のひりつきの中で、今日、廃倉庫で松村に浴びせられた侮辱口上が頭に蘇った。
「私の仕事は大丈夫。だから、泣くだけ泣いていいよ」体を密着させた尚子の言葉に、波打つ求の咽びが重なった。求の背中に回された手が、彼の背中をさすり続けた。いらっしゃいませ、の接客挨拶に、泣き上戸か、という男の声が被った。
鼻を啜り上げながら米原に帰った時、夜闇の落ちた遊歩道の時計台は、二十一時前を差していた。その斜め向こうに、三人の人間がいた。街灯の灯りに薄らと照らされたその人間は、一人が体を丸めて倒れて声なく身をよじり、二人がそれを見下ろしていた。一人の手にはシンナーのビニール袋、もう一人は、木刀を握っていた。木刀の若者は形を格好つけた脱色髪に、ストーンウォッシュのGジャン姿だった。
振り上げられた木刀が、いささかの容赦もない勢いで、倒れている者の背中を数回と執拗に打ち、籠った殴打音が断続的に鳴った。
視線に気づいた二人の顔が、求に向いた。シンナーの袋を持つ若者は求の面識ない顔で、振り返った木刀の少年は、紛れもない知春だった。
荒らげた息を吸い吐きする、木刀片手の彼の眼には、紅蓮の炎のような憎しみが光っていた。だが、それは悲しみを湛えた憎しみの光だった。
「何だ、てめえ。消えろよ。ぶっ殺すぞ、この野郎」潰した声に巻き舌を交えて凄む弟を背に、求は三街区の家へ歩み進んだ。それ以外の対応は取りようがなかった。
春の夜の団地号室の窓は、何かの力を加えることで容易に壊すことの出来そうな、脆く、儚い光を灯していた。
座卓の上には、あなたの本校中途退学が受理されました、という旨の印字された白いペーパーが置かれている。
「俺の人生を、俺がどんな勝手しようが、それこそ勝手だろ」脱色髪のサイドをデップクリームで撫でつけた知春の口調には、悪びれというものが全くなかった。
「人生っていうのは、死ぬことが前提にあるものなんだから」知春が呟き、その弟と父親の間に求が立っていた。
「そもそも何なんだよ、真面目に生きることって。まあ、この馬鹿は、その辺でまだ素直なだけましだけどな」馬鹿、を罵倒調に強調した知春の目が、後ろに突っ立つ兄を指した。
「余分なことは、最初から頭にねえもんな。頭にあることは、てめえにとって気持ちいいことだけ。飲み食いの快感、それを糞としょんべんに変えて流す快感、朝と夜に布団の中でしこしこやって、ぴゅっと出す快感。客観がなくて、主観だけ。あの婆あと、一卵性親子だもんな。親切、優しさとかに陶酔してる野郎よりも、ある意味、ずっと合理的じゃねえの? それに気づいたから、これから、俺もさ」「お前は何を言ってるんだ」「ここ、もうじき出てくよ」「アパートの金は出せないぞ」「いいよ。住まわしてくれる先輩がいっからさ」知春が声を落とした時、階下から、マフラーを外したバイクのコールが轟いた。
「来た」知春は言い、テーブルの煙草とライターを、ジーンズとともにストーンウォッシュで揃えたGジャンのポケットに入れ、玄関へ消え、やがて、コールに、ドアの閉まる音が重なった。階下から会話が聞こえ、エンジン音が遠ざかった。
一夫が悲しい翳を表情一面に浮かせて立ち果て、求は突っ立ったきりのまま、二分ほどの時間が経過したのち、黒電話が鳴った。
通話口向こうの松村は、こないだの倉庫に来いと言った。少し弱い減張を持つ声だった。求はトレーナーの上にGジャンを着、静寂の落ちた号室に言葉なく立つ父を背に、家を出た。
雑木林、農家、畑を越えた場所、近くに米原タワーを臨む廃倉庫で、松村は黒のアウターシャツ、黒のスリムジーンズ、バスケットシューズという姿で、ソファに腰掛け、肘を膝に置いた姿勢で項垂れていた。
「俺、仕事に就いたんだ」松村は肩から求を見、報告したが、その口調に覇気はなかった。倉庫に残された出荷ローラーその他の無機物は、窓の陽光をはね返して佇んでいる。
「こないだ言ってた、ドカチン?」「いや、能勢さんの身の回りの世話する係だ。年棒三百万くれるっていうんだ。それで、あの人のプロデュースの下でバンドやるっつったら、出世も近づくってもんだぞ。だから、お前もどうだ。あの人への敬意を証明するお辞儀のし方とか、食事の置き方とか、作法を徹底しなくちゃいけない気遣わしさはあるみてえだけどさ」「俺は」「お前、世界レベルって夢、叶えてえって思わねえの?」口籠った求に松村は言ったが、求は、先日のことにショックを受けている自分を少しづつ認め始めたところだった。
その時、ある思いがふと浮かんだ。もしも先日の銀行キャッシュコーナー、すえながでやらされたことが現実にミュージシャンの一環であるなら、喧嘩が強いことが、その道で命を保ち、それの生かしへと昇華させることとイコールか。
人の一人も殺すことが出来るまでの勢いを持つ命を宿していれば、岡安のような者にも対抗出来るか。
「ねえ。岡安さんって、喧嘩、強いの?」「強えよ。あいつも俺も、体が喧嘩、覚えてるからな」藪から棒に訊ねた求に、松村はぽそりと答えた。
「俺も強くなれるかな、喧嘩」「そんなもんは、ガキのうちに決まっちまうんだよ。その人間の、一生の立場ごとな」松村の語勢が少し強まった。
「俺が山谷の街を這いずり回ってた頃、ガキの頃から一緒にカツアゲだの喧嘩だのに明け暮れてた奴で、あの牛殺しの剛道会館で、この若さで道場一軒任されてんのがいんだよ。最近連絡あってさ、話聞いたら、おめえみてえな奴が入ってきたんだってよ。おめえと同じ、茅棒みてえな体して、何かに怯えたような面した奴がさ」それまで沈んでいた松村の表情に笑いが挿していた。これから語られることの内容は、求には、それが我がことのように想像がついた。
「入門して、ニ十分で潰されたってよ。組ませてやらせたら、年下のガキのパンチとキックが、その馬鹿にいいように決まるんだけど、そいつの攻撃は一発も当たんねえんだってよ。小学生に蹴りぶっ込まれてよ、泣いて帰ったって、そいつ、言ってたぜ」
真偽は分からない。しかし、それが自分だと言いたいのか、という抗議の心も、確かに求の胸に生じていた。
「おめえ、まさか、空手でも習おうとかって考えてんじゃねえだろうな」決めつけた松村の笑いが爆ぜた。
「弱え奴がそんなもん習ったって、弱え奴は弱えんだよ。おめえが女連れて、原宿なんか歩いてみい。すぐ、顔真っ白く塗った七、八人のハードコアの奴らに囲まれて、女、連れてかれるぜ」「その時は、俺、戦うよ」
精一杯言った求の脳裏には、腕に強く抱けば頽れそうな体をした尚子の姿があった。
「いや、おめえみてえな馬鹿は、黙って女、出すしかねえんだよ。戦うたって、おめえじゃ初めから戦いにもならねえんだからよ。ただ、いいように袋にされるだけだよ。下手したら、あれ切られて、一生女とやれねえ片輪の体にされちまうかもしんねえよ。そうなりゃ、おめえ、結婚どころかマスも書けなくなっちまうぜ。あの辺りのハードコア・パンクスの奴ら、凶暴だから、おめえみてえな馬鹿はそれぐらいのことはされるぜ。おめえみてえな知恵遅れは、女も金も、みんな俺とか岡安みてえな奴に黙って差し出さなきゃならねえんだよ。どうぞ、もらって下さいって頭下げてな。だって、おめえ、福澤のお友達なんだもんな。そういうものなんだよ」松村の顔から笑顔が引いた。
「そういう風になってるんだよ」同じ意味を持つ言葉を力なく呟いた松村の横顔には、濃い色合の焦燥が浮き出していた。
「勝江、行くぞ。能勢さんから話あるっつうからよ」松村が立ち上がると、求も一寸遅れて、重くソファから腰を上げた。
二人で廃倉庫を出、タワー沿いの舗装路を並んで歩く松村は、肩と項を落としたきりで、前を見る上目には、翳めいた光が見えた。空は晴れ、鳥のさえずりが聞こえていた。
その姿からは、夢を叶えるための活動に勤しむ若者の、きらきらした希望の光は感じられなかった。
米原ショッピングプラザ前では、学年一つ上の福澤が、言葉にならない、何かの気合のような声を発しながら、駐輪スペースに停めてある自転車を木の枝でばしばしと打つという奇行を演じていた。松村はそれを目の端に掃きもしなかった。
「ところでよ」バスの二人掛け席で、松村が振り出した。
「三月に売った服と靴の金、そろそろ払えねえ?」求の返答は噤まれた。七万円の月収。彼はカセットテープ、煙草は勿論、飲食にだいぶという以上に使い、残った分は、男とともに訪ねてきた母にそのほとんどを渡してしまった。
「給料はもうもらったはずだよな」
今の持ち金は九千円と小銭が少し。三万円の持ち合わせなどない。
「まあ、いいや。俺、月に納めなくちゃならねえ金があるんだ。それ、言えば三日かそこら、待っててもらえるやつなんだよ。わりいけど、ちょっと親に借りてでも、一週間以内には工面してくんねえかな。おめえ、出来るよな。」「うん。やろうと思えば」「いや、それじゃ駄目なんだよ。出来るよな」
その時、うん、必ず払う、と答えてしまったことは、全くの反射的反応だった。
「頼むぜ」「分かった」求が答えたのち、松村はまた黙した。乗客人数が少ない昼帯のバス車内は静かだった。
「よく来たね。今日は、ひとまず、君らと一緒に組むメンバーの目星がついたっていう話をしようか」濃青のアウターシャツという、目立ちを抑えた普段着姿の能勢は、ジェントルな物腰で松村と求を迎えた。その紳士然としたムードに、求は一瞬、先日に自分がやらされたことを忘れかけた。
勝江台北口の街道沿いに建つ、飲食テーブルを兼ねたゲーム台が四台並ぶ、坪数の狭い喫茶店だった。カウンター奥には、表情のない顔をしたエプロン姿の女が立ち、煙草を吸っている。
「ベースとドラムがね、やってみたいっていう子達がいるんだ。ベースの子が今、松村君と同じ十九歳で、東京のパンクバンドでの活動歴があってね。ドラムの子が、少し年嵩で、二十三歳、僕と同じ、ちょっと年寄りだね。でも、ドラミングのテクニックには、齢の分だけ年季が入ってるよ。これまで、ザ・クラッシュやストラングラーズをコピーするバンドで、もう十年近いキャリアがあるんだ。ARBのキースさんと面識があるらしいんだよね。それに松村君のギターと作曲能力、佐藤君のその声質を生かしたパンキッシュなボーカルと、その独特な動きのステージアクションが載るとなれば、すぐさまメジャーに」能勢が言いかけた時、ドアベルが鳴った。カウンター奥の女が、接客挨拶なく、銀のポットからコップにお冷を注いだ。
能勢は、眼に優しい光を湛えたままだった。入ってきた人間は、グレーのB1ジャンパーにストーンウォッシュのジーンズ、リーゼント気味のパーマヘアをした、求と同年代の少年で、顔つきはいかにも不良少年然とした荒んだ雰囲気の相だが、剃り落とした眉の下の目には、怯えの色がある。
その少年は、顔を汗で光らせ、接吻をする形に開いた口から、う、う、うう、と聞こえる声を発しながら、ジャンパーの懐から匕首、いわゆるドスを抜き、鞘を払い、それを腰溜めに構えた。振り向いて、それを見ていた能勢が、外したフレームレスを台に置き、静かにチェアを立ち、少年と対峙した。その体の恰好には、一切の力みはない。
腹を目がけて突き出された刃身が、能勢が脚を引いて、体を反回転に捌いたため、宙を突いた。能勢の両手が、目にも止まらぬ速さで、ジャンバーの裾を取った。匕首を持った手が二回、膝に叩きつけられただけで、匕首が能勢の手に渡った。能勢の足甲が、すぱっと少年の股間に決まった。ぎゃっと悲鳴を上げて額から前のめりにフロアに落ちた少年の髪を、能勢の左手が握り、顔を天井へ仰がせた。
求は、動けず、声を発することも出来なかった。松村は、項を沈め、勝てば女子高生が脱いでくれる脱衣麻雀のデモンストレーションが映る、ゲーム台の画面に、苦渋の目線を落としたままだった。
脊椎を逆C字型に曲げられ、天井を仰いだ顔の皮膚に、匕首の切っ先が突き立てられ、ゆっくりと滑った。少年は、すでに泣いている声で、痛い、痛い、と連呼して叫んだ。赤い✕字が刻まれ、それがさらさらと血を流し、苦痛と恐怖に歪んだ顔を顔を赤く汚した。能勢は血を振った匕首をカウンターに置き、テーブルの携帯電話を取り、応答した相手に居場所と、秋野の所で点数稼ぎをしているチンピラ、という説明を、少しの掠れを含んだ低声で囁き送った。
少年は顔を覆って体をのた打たせ、お母さん、と聞き取れる言葉の混じる大声の泣き喚きを撒いている。
求が彼にしてやれることは、何もない。松村の目、姿勢も寸分と変わらない。
求は、その悲態を前にしてもなお、これが世界レベルのミュージシャンの道、その一環だ、という念を心に起こしていた。それと同時に、先しがた、米原の廃倉庫で松村の言った自分への侮蔑も、あながち間違いではないかもしれない、という思いも抱き始めていた。
自分は学校という場所に籍があった頃、髪、動き、歩き方、言葉が普通じゃないと言われ、嗤われ、しばしばそれで他者から苛立たれもした。怒りさえ買ったこともあった。
今、恐怖と苦痛に哭き叫んでいるこの子供も、初めに見た様子から、普通と呼べるものからは大幅にかけ離れていると、求をしても分かった。能勢のような采配者に少しでも近づくには、自分にはロック、バンド、以外のものはない。
少年の泣き声が響く中、店員の女も表情、態度を動かすことなく、カウンターの後ろに座り、唇にルージュを挽いているだけだった。
何分かして入ってきた二人の男はともに上背があり、体格が良く、居住まいが据わっており、その辺の栄養不良の体をした、稚い辻の蜷局巻きとは明らかな貫禄違いだった。服装は迷彩の戦闘服をまとっているが、表情の付き方には品性のない崩れが出ていた。
「ねえ、名前、何って言うの?」男の一人が突拍子もなく、作ったような優しい声で松村に訊ねた。
「俺、松村」「松村?」「そう」「真理子ちゃんのお兄ちゃん?」
男は無答の松村に背を向け、カウンター前で泣いている少年の髪を掴み、その体を片腕だけで引っ立たせた。髪を引かれる中腰の体勢で、開いたドアへ引かれる少年の尻を、もう一人の男が、一定のリズムを刻んで蹴り続けた。
少年の泣き声が遠ざかり、消えた頃、能勢が相好を作り直した。
「何でもない。職業柄のことだよ」「職業柄、ですか」求が問い返した時、隣の松村が彼を振り返り見た。
「能勢さんの名声を妬んで、ちょっかい出してくる奴らがいんだよ。おめえにはまだ分からねえだろうけど、そういう時のために、護衛の部門を持ってんだ」松村が説明した時、立ち上がった能勢が、松村の隣に回り込んだ。彼の顔に、能勢の手で、ゲーム台のお冷がぶっかけられた。松村の顎下から水が滴ったが、彼は沈んだ顔で瞼を落としているだけの態度だった。
「余計なこと喋んじゃねえ、この野郎」低い掠れを帯びた声で唸った能勢の容赦のない裏拳が、ぱあん、と、松村の顔半分の皮膚を鳴らした。濡れた顔を両手で覆った松村の体が、横薙ぎに椅子から倒れて落ちた。床に落ちた松村を、能勢が、瞼の据わった眼で睨み落とした。
「申し訳ない。佐藤君は、今日はこれでお暇でいいかな。ちょっと取り込みも入っちゃったし、それで、松村君に話さなきゃいけないことも出来ちゃったからね。また、近いうちに、日を改めて緻密な打ち合わせをしよう。進んでるからね、君らの正式な結成の企画」
求はしばらく俯いてから、抜けた腰を立たせた。カウンター前の床には、少年の血痕がまだ飛び散り撒かれていた。店員の女は、煙草を吸っていた。低いボリュームの小さなテレビには、始まった「ニャンニャン」の手書き題字が大きく映っている。
能勢が今、松村を制裁したその理由は、身の回りの世話をする使用人であり、自分に財的な潤いを齎し、さらにその名を上げる出世株である彼に目を掛けているからだ、と、未語彙化の思いを巡らせながら、そのゲーム喫茶を出た。
リーベの階段を昇った。今の自分の顔が、酷く怯えたものとなっていることは分かっている。目は涙で霞み、瞬きが繰り返されていた。
尚子は出勤していた。彼女は、客の中年男と、「銀座の恋の物語」をデュエットしていた。初めて聴くその歌は、上手いとは言えなかった。
座ったカウンター席の隣には、先日、みえ、と名乗った女が来た。飲み物を訊かれ、いらない、と答えると、みえは顔を歪めて舌打ちし、席を離れた。その不遜な態度が、求の心を傷つけることはなかった。
尚子は、声量のない声で唄いながら、求を見た。
尚子の歌が終わった。まだ少ない客のいる席から拍手が上がった。求は席を立ち、顔で尚子を促し、ドアの前に出た。
「お願いがあるんだ」求は言うなり、ユニフォームである紫のドレスに包まれた、尚子の小さく、細く、息遣いの弱い体を抱きしめた。求の腕の中で、尚子の体が軽く反った。抵抗の様子はない。求の細い腕と、大胸筋のない胸に包まれた彼女は、彼の鎖骨部に頬を載せ、瞼を瞑っていた。
「ちょっとだけ、こうしてて。これだけでいいんだ」求は言い、尚子を抱く腕に力を込め、彼女の鼓動を自分の肋骨に温かく感じながら、これが本来、男が携えるべき力か、という語彙を形成しない思いを持った。
「俺、喧嘩、強くなりたい。俺、もっと強くなりてえよ」横隔膜の蠕動とともに、気持ちを純化させた言葉が落ちた。
「本当の強さっていうのは、そんな暴力なんかの強さじゃないよ」抱き留められた尚子が言い、求の頬には、炎であり、血でもある涙が量を増して流れ続けた。頬のひりつきの中で、今日、廃倉庫で松村に浴びせられた侮辱口上が頭に蘇った。
「私の仕事は大丈夫。だから、泣くだけ泣いていいよ」体を密着させた尚子の言葉に、波打つ求の咽びが重なった。求の背中に回された手が、彼の背中をさすり続けた。いらっしゃいませ、の接客挨拶に、泣き上戸か、という男の声が被った。
鼻を啜り上げながら米原に帰った時、夜闇の落ちた遊歩道の時計台は、二十一時前を差していた。その斜め向こうに、三人の人間がいた。街灯の灯りに薄らと照らされたその人間は、一人が体を丸めて倒れて声なく身をよじり、二人がそれを見下ろしていた。一人の手にはシンナーのビニール袋、もう一人は、木刀を握っていた。木刀の若者は形を格好つけた脱色髪に、ストーンウォッシュのGジャン姿だった。
振り上げられた木刀が、いささかの容赦もない勢いで、倒れている者の背中を数回と執拗に打ち、籠った殴打音が断続的に鳴った。
視線に気づいた二人の顔が、求に向いた。シンナーの袋を持つ若者は求の面識ない顔で、振り返った木刀の少年は、紛れもない知春だった。
荒らげた息を吸い吐きする、木刀片手の彼の眼には、紅蓮の炎のような憎しみが光っていた。だが、それは悲しみを湛えた憎しみの光だった。
「何だ、てめえ。消えろよ。ぶっ殺すぞ、この野郎」潰した声に巻き舌を交えて凄む弟を背に、求は三街区の家へ歩み進んだ。それ以外の対応は取りようがなかった。
春の夜の団地号室の窓は、何かの力を加えることで容易に壊すことの出来そうな、脆く、儚い光を灯していた。
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