手繋ぎ蝶

楠丸

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3章

~現実の石~

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 二週間分のお給料、清算しておくから、明日取りに来てください。

 白々としたモルタル壁の事務室だった。神棚があり、この会社に関係する偉い人らしい厳めしい人物の写真が、大きな額縁に入って飾られていた。防塵ネットを被り、社名が胸元に入ったグレーの社内服を着た四十代の係長はせわしなく瞬きを繰り返しながら、声色にせめてもの優しさを込めた。

 “今回は本当に申し訳ない。あなたは、性格はすごくいいんだけど、仕事がね、入って二週間の水準じゃないんだ”

 周りでは、同じネットを被った事務員の男女が、その様子が目にも入らず、まるで関心もないような素振りで、各々マウスを操作して書類を作成していたり、電話の応対をしたりと、自分の仕事だけを淡々と行っていたことも覚えている。みんな、冷たい目に冷たい顔をしていたことも、記憶に刻みつけられている。

“ごめんなさい。私、いっしょけめい、がんばる。だから、このかいしゃ、いさせて。おねがい”
言って頭を下げると、係長は一層苦渋の顔になった。

 “ごめんね。それは出来ないんだ。あなたがどんなに真面目に一生懸命頑張っても、あなたの仕事は、製造ラインを頻繁に止めちゃったり、売り物にならない製品を出しちゃったりで、どうしても他の社員と、この会社の迷惑になってしまうんだよ。池内さんが苦しむだけだから。ロッカーの鍵を返したら、帰って。作業着はこっちで洗濯するから、そのままでいいよ“

 着替えて、「ミカミ」という看板を掲げた社屋を出た時、小雨がぱらついていたことも覚えている。うっとおしい天気の中、沈んだ色をした柏市藤心の住宅街を歩き、髪と服を濡らしながら、歩道で立ち止まった。ガードレールで車道と隔てられた、狭い歩道だった。斜め後ろに傘をさした人が来た気配があった。何秒かして、腰に衝撃を受け、濡れた路面に掌をついて前のめりに倒れた。蹴られたのだ。灰色のスラックスに茶色の革靴を履いた男の下半身が、倒れている自分の体をまたいでいった。その男は、片手に傘、もう片手に四角い箱を包んでいるらしい風呂敷を提げていた。自分の持ちイメージでは、「議員さん」「お医者さん」風の、堅物そうな、おじさんかお爺さんか微妙なところの年恰好をした威厳張った顔をした男が、自分を見下ろして、ぺっと唾を吐いて、駅の方角へ歩き去った。

 背中と、強打した膝の痛みを心で飲み下して、ガードレールを支えにして立ち上がり、柏へ行く常磐線に乗るために、小雨に濡れて駅へ歩いたその日が、平成か令和か、その何年、何月頃だったかは釈然としないが、自分の保有する語彙力では、「まえ」の、わりとよく覚えていることだった。

 中学を卒業して働き出して以来、数え切れないほど同じことが繰り返され、そのつど、似通ったことばかりを言われた。特に「性格はいいんだけど」は何度言われたか分からない。
 
 派遣で入った倉庫では暴力も受けた。初日から総がかりで無視された職場もあった。いつか作業服を五千円で買わされて働いた派遣の食品工場勤務の時は、「甘やかされて育ったからああなった馬鹿姫さま」という聞えよがしの陰口を聞いた。

 だが、自分は、幼い頃からこの頃を経て今に至るまで、自分に分からない言葉を用いた叱責、罵倒、恫喝、威圧、威嚇、侮蔑を受けても、反駁の感情が心に起こるということがなかった。それは変えようにも変わらない自己の本質だが、それが自分の中にある何が根付かせているものなのか、考えが及ばなかった。解雇を言い渡される時には悔しさと前途への不安を感じたが、解雇に抗議する気持ちは覚えず、それを解決する手立てとして、次はもっと一生懸命お仕事する、という考えに落ち着くばかりだった。

 そんな回想をよぎらせ、終着点の見えない思考のランブリングを行いながら、自分は外房の防風林脇に停めた軽自動車の助手席にあられもない姿の体を横たえ、蛙のように腿を広げ、男を受け入れている。自分に乗っている小太りの男は、年寄りではないが前途洋々と言えるまでには若いとは言えない年齢で、氏名、勤務先、居住地、家族構成も掴んでいる。それは自分が構成員として在籍する団体にもすでに流している。

 良心の疼きが全くないわけではないが、それを是非なく圧さなくてはいけない事情がある。団体が命じる仕事では、その報酬とは違う収入を得ることが出来る。それは男達の財布から支払われる悦び料、または安らぎ料のような金、彼らが直接買ってくれる服や靴、装飾品だった。

 男達の中には何人も、自分に対して本気で愛しているというランゲージを切実に示してくる者がいるが、自分にもおぼろげに意味が掴める「情けは自分の潤いを乾かせる」という上の教示に従い、男に抱かれてきた。それにより、不本意な離転職を繰り返さなくてはいけなかった頃とは打って変わって、美容室で綺麗な髪の具合を保つことが出来るようになり、綺麗な服と靴、コスメも揃え、外観だけは普通、いや、それ以上の女の子のものになった。その上で、団体からの報酬は、ある身内の人間にほぼ全額送金している。

 男の腰の動きに合わせて、軽自動車の車体が振動している。男は食いしばった歯の間から泡を噴出させて腰を揺すりながら、時折乳房に掌をかけて揉んでくる。自分はただ、闇の張ったルーフを見つめながら、男の性器が自分に出入りすることによって立つ粘膜の音、車の揺れる音を聞いていた。

 膣壁の感触で男が射精したことが分かった。男は車内の暗がりの中で、分別臭い造りをした顔をしかめ、おもむろに陰茎を抜いた。ノーコンドームのセックスだったが、自分はピルを飲んでいる。

 薄闇のルーフの一点に焦点を絞りながら、男の荒んだ息遣いと、夜の銚子沖の海鳴りを右から左へ流すように聞いていると、急激に悲しみが胸にもたげてきた。それは男のつっけんどうな態度によるものでも、自分の中の良心に背く行いをしていることへの懺悔からでもない。まして、これを団体から強いられていることに対してでもない。

 これもまた「前」に、どこへ向けたらいいのかも分からないような悲しく悔しい思いを伴う経緯で授かったが、不慮の事故で亡くすことになった、血を分けた命のことを思い出したのだ。原因は、自分の注意が及ばなかったことに他ならなかった。言葉にならない詫びと自責の念が、ルーフを見上げる目に涙を涌き出させた。鼻の奥も熱くなった。薄闇の中に光り始めた自分の涙に気づいたらしい男が、闇越しにもはっきりと分かる苛立ちに歪んだ顔で、面倒臭げに舌を打ち鳴らした。

 高卒で派遣社員をしているとかの、母親と二人暮らしの独身未婚の三十六歳、趣味はゲーム、食事に一緒に行けば口周りを汚して、スパゲティやハンバーグなどの高脂肪食ばかりをぴちゃぴちゃ、くっちゃらくっちゃらと食べ、自分をゲームセンターに付き合わせては、自分をほったらかしにして、延々と格闘ゲームに没頭している。二十代の頃に結婚に失敗したことについてその原因を「女どもが俺を認めない」としているが、俺は場数に裏打ちされた女選別のプロ、などと称している。自分の頭は、その自画自賛の豪語をする言葉の意味を拾わないが、それが女の人格的優劣ではなく、己の体に快楽を与える道具、玩具としての女の基準値を語っているらしいことが伝わってくる。

 行為を終えて身繕いをし、千葉市へ向かう車の中で男は自分と口を聞かなかったが、前をのろく走る初心者マークを貼った軽にフロントガラスの中から、「とろとろ走ってんじゃねえよ、殺すぞ、この野郎!」などと、この自分をしても到底実行力などないだろうと思える内容の文句を吐いたりしていた。カーステレオから流れるアニメソングをバックにハンドルを握る横顔には、不満がありありと出ていた。

 JR千葉駅で降ろされると、疲労の苛立ちを表情に漂わせた人達が出入りし、いつもながら不機嫌な声のアナウンスと発車メロディが流れるコンコースの支柱に、一人の男が背中を預けていた。ワインレッドのネクタイを締めたビジネススーツ姿をした、三十半ばの男だった。

 神辺(かんべ)、と名乗るこの男は、自分のような身分の者の監視役だ。

 痩身で、見た目に特に武張った感じはないが、立ち姿に隙がない。それでも、その姿が周囲の風景から浮くこともなく、全く自然に溶け込んでいる。頭を下げると、神辺は頷いて、飲食街のほうへ歩き出し、遅れてそれについていった。

 神辺が振り返って何かを言うこともなしに、無言のままに、喫煙席を擁するセルフサービス方式の、そこそこ広いカフェに二人で入った。カウンターには、ハロウィン時のコスチュームサービスでビロードの山高帽を被った女子の店員が立ち、神辺はアメリカンコーヒー、自分はアイスココアを注文した。代金は、神辺がスマホをタッチして支払った。

 店の客入りは、時間のせいもあってさほど多くなかった。二人分のドリンクを載せたトレーを持った神辺は階段を昇りきると、レプリカの木目が嵌め込まれた壁に囲まれたスペースの半分向こうに設けられた喫煙席へまっすぐ歩いた。その歩き姿には優雅さがあった。

 喫煙席には誰もおらずがらがらに空いており、自分達は窓際の目立たない席に向かい合って座った。神辺はハードケースの煙草と、小さく細い銀色のライターを卓上に置き、自分の肩後ろに視線を向けてアメリカンを啜っている。カップを持つ手の上に覗く上半分の顔に、いつになく涼しさが見えることに不安が挿したが、ホイップの載ったアイスココアは妙に美味しかった。

 お互い黙しているうちにドリンクが半分ほどに減った頃、神辺が空いているほうの手を懐に挿し入れ、直径20センチ程度の封入物を出して置き、自分のアイスココアの前に進めた。黒地に金の太い書体で自分には読めない漢字と、自分の名前が書かれている。それが明細書であることは分かっている。

 封を切り、広げると、毎度のことだが、その字も意味も分からない漢字が打たれ、唯一分かる金額の欄には¥5000とあった。しばらくの間、その数字に目を吸われ、体から力が抜けるような思いになった。

「今回、お前の分はこれだけだ」顔を上げて目を合わせたところで、神辺が低く掠れた声を投げかけてきた。

「誓約の時に念を押しただろう。お繋ぎは、ひと月に最低十人が必須のノルマだ。お前の等級なら、優に二倍の二十人は行けるはずだ。それがほんの七人なんてことは、本来あり得ない体たらくだ。それに、掴みでもケアレスが著しく目立った。お前じゃしかたがないことは分かってるっちゃ分かってるけどな、前から言ってるだろう。足りないなりに出来る努力をしろってな」神辺は言って、ハードケースの煙草を一本抜いて咥えた。

 神辺の言葉は所々分からず、所々分かるが、言わんは何とか拾える。自分の実績が反映されただけの額の金が口座に入ったということだ。

 神辺が小さなライターで煙草の先に点火した時、真隣に黒い肌をした外国人の男が二人座り、母国の言葉で話し始めた。外国人と言っても、自分の中では、墨色の顔に白い眼が光る、縮れた髪をし、腰蓑を巻いて槍で野生動物を狩る人も、金色の髪に碧い目をした人も、茶褐色の肌にぱっちりとした目、高い鼻をしてターバンを巻いた人もみんな「がいこくの人」で、何系というのは分からない。自分達が話す日本語以外の言語は、みんな「えいご」になる。神辺が話す言葉の意味など、隣の二人が解するはずもない。まばらな禁煙席の客にも、自分達の会話が聞こえるとも思えない。

「物事はな、別の関心事に気を取られたり、やる気を失うと能率ががた落ちするもんなんだよ。思い当たることがあるなら、言ってみろ。大法裁様がお前をお許しになっているうちにな」神辺は言って、肺の奥まで吸い込んだ煙を、すぼめた唇から吐き出した。

「お金、もっといっぱい欲しいの」

 神辺の言葉の意味を完全に拾いきれていないこともあって、論点のずれた返答が口を次いだ。

「じゃあ、どうすればいいのかを、その足りない頭を絞って考えろ。誰も助けちゃくれないし、誰かがお前のために泣いてくれるわけでもないんだぞ」

 自分にもよく分かる説明だった。周りのみんなが高校や大学、専門校でわいわいやっている間に、自分は社会にいた。よく分かっていることだけに、口をつぐむしかない。

 目を伏せた自分を、神辺のくぐもった笑いが打った。

「いいか。お前はな、生まれつき独りなんだよ」「ひとり?」拙い合の手を返すと、神辺は睨むように前から自分を見据えた。

「お前の母ちゃんは、持ち物の習いで最重罰ものの刑事事件を起こして、お前がガキの頃からぶち込まれてる。お前は仮釈放で出てきた母ちゃんとまた一緒に住みたいなんて、いかにもお前らしい白昼夢を語ってるけどな、その前に塀の中でおっ死ぬかもしれないよな。お前の親父も、今、生きてるのか死んでるのかも分からない。学校じゃ、みんなの心にある子供のギャング性をお前が引き出しちまって、職場じゃ面倒者扱いされて、どこへ行ってもいじめられた。今も、お前に本気で同情してる人間なんか、唯の一人もいないんだよ。それらしく見える奴は、みんなお前を腹の中でせせら笑ってんだよ。お前を助けるような、詩人みてえな奴もいねえ。これからも、絶対に現れない。それらしく振舞う奴がいるとすれば、それは利害絡みだよ。今、お前が通ってるA型とかの馬鹿田屋作業所にも男の職員がいるだろうけどな、そいつらがお前に優しくするのは、お前とやりたいからなんだよ。お前なら、やろうと思えばやれると思ってるんだよ」

 そんなことは、と意味を同じくすることを言おうとしたが、語彙が出ない。紫煙をゆっくりと立ち昇らせる神辺の口許には、皮肉な笑いが浮かんでいる。

「自分の身は自分で守るのが当たり前だ。お前の力で出来るそれは、これからもこの法行で、恵みがない、下はお前と同年代、上は老い先のない、もう勃つもんも勃つかどうかも疑わしい爺いを引き続けることだけなんだよ。そん中にはな、糖尿とか腎臓病持ちの役立たずもいるだろう。お前がそろそろ婆あって頃になるまでには、別の使いようを俺の後進に申し送りしておくよ。いいじゃねえか。相手の見た目にさえ目をつむりゃ、お前もそこそこ気持ちいい思いして、たらふく美味いもんが食えて、てめえを可愛く飾るものをいつもたくさん買ってもらえるんだからな。いいか、お前にこんな人並み以上ってやつをくれてやったのはこっちだぜ。こっちは、そいつをまだ半分もお前から返してもらっちゃいねんだぞ」神辺はまくしたてるように言って、煙草をもみ消した。

「まあ、頑張れや。お前みたいな女の市場価格がな、これから爆上がりするところだからな。そいつをこれから仕掛けんのは俺達だよ。いくら障害者総合支援法とかっつっても、お前らヌマの頑張りが、きっちり形になって還元される社会構造の在り様は、まだ完璧というには程遠いってことは、お前にも分かるだろう。今から俺達で、そこを促進する事業を始めようとしてるんだ。お前は、そこでお前の生まれつきを存分に売ればいいことだ」神辺がそこまで言った時、禁煙席の客入りが少しだけ増えた。隣の男達は、言葉は全く分からないが、声のトーン、口調では、深刻な話をしているように見えた。木目を模した壁は、店の照明を受けて艶やかな光を放っている。増えた客入りで、少しだけ店内に賑わいが出た。

 ひけらかすように語られる神辺の言葉は、いつ聞いても難しいが、認めがたいが受け入れざるを得ないものが確かな触感をもって自分に届く。だけど、自分のこの今は、いつまで続くのだろう。いくら考えても考えても、終わりというものが頭に思い浮かばない。何かによって終わりのアナウンスがなされるまで続けなくてはいけないという現実が、巨大な石のように思考の中に居座っている。

「二十一時半か」神辺は相手の肋骨を狙う突き技を応用したようなしぐさで、軽く拳を作った腕を自分の目の下に振って腕時計を見て呟いた。アイスココアのホイップが溶けて、ココアと分離している。

「お前も、母ちゃんの遺伝なんだもんな」囁いた神辺の言葉の消えには、達観の中にわずかな憐憫が籠もっているように思えた。

 石はより重くなり、自分の胸の内まで圧迫しつつあった。それを退ける術は、私にはない。生まれてから、まだその絵柄も見えない未来に至るまで、ずっと。いつ衝撃とともに訪れるか分からない着地を待ちながら落ち続けてきたが、最後に落ちる底がより見えなくなった。まとまらない思考の中で胸に覚悟を据えてやってきたこれまで通り、それが私に何かの報われをもたらすことはないだろう。だが、感情が入り混じる余地はない。自分の背後、据わった目でアメリカンを口に運ぶ神辺の視界域から、聞いたことはあるがまだ意味を知らない言葉が聞こえてくる。どこかの法人関係者のようだが、その中に「こんなんじれい」という言葉が聞き取れた。神辺が低く笑った。その笑いが、その言葉を聞き取ってかそうでないのかは分からない中で、次に命じられている法行を粗忽なく務めなければという思いを抱いていた。
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