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第四章 新たな一歩
94 お化け屋敷大作戦①
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特訓4日目も終了。だが、大した成果はあげられていない。なんの取っ掛りも無いところから未知の力を発現させるのはやはり簡単ではないな。
時は少し遡り、今日の朝、全員のテルにメッセージが届いた。
送り主はブラドとヘンディ。彼らなりに解明した力を使うときの条件などをまとめたものだ。
かなり貴重な情報だったが、これを用いても力を発現させることは叶わず。
これは俺だけではなく、他のみんなも同じく。ブラドとヘンディ以外はまだ誰一人力を発現させられていない。
こういった状況に加えて、ネイトと未来の離脱。
未来に関してはポジティブな理由だが、それでも気になってはしまうのが人間だ。
全員少し気持ちは重め。
この状態は良くないと判断した俺は、全員を集めてある提案をする。
それが今、4日目の夜のミーティングルームでの出来事だ。
「「「「「お化け屋敷?」」」」」
「あんたこの状況で何言ってんの?
今のボクたちに遊んでる暇なんてないんだけど」
「まあそう言うなって凛。
みんなどん詰まりだし、一旦気持ちを切り替えるのも選択肢としてはありだろ」
「だからってなんで……」
「いやいや、みんなはここ数日の色々な話で忘れてるかもしれないけど、次の対戦相手はメラキュラだぜ?
事前情報によると、ゾンビや幽霊なんかがいるって話だ。少しくらいの対策は必要だろ。
こういう恐怖心はブラドの超パワーやヘンディのコース予測みたいな力があってどうにかなるものじゃないしな」
「ガハハ、俺様なら幽霊くらい拳で沈めてやるがなあ!」
「……まあしかし、龍也くんの言うことも一理ありますね。
アウェイコートで何が起こるかわからないのは前回のフロージア戦で痛感しました。
何の対策も無しで挑んでコートのせいで負けてしまっては一巻の終わり。笑い話にもなりませんしね」
「ちょ、本気? 本当にやるの?」
「凛……もしかして怖いのか……?」
凛の扱いにも慣れたもんだ。こう言って煽っとけば乗ってくるだろう。
「は、はっ!? ち、違うけど!? お化けとか、よゆ、余裕だし!?
いいよ、受けてやろうじゃないの!」
「大丈夫だぜ凛ちゃん! どれだけ怖くても、君は俺が守るっ!」
「だから怖くないって言ってるんだけど!?」
「ひっ、す、すみません……」
レオは随分としおらしくなって。
噂によると特訓相手の美人のお姉さんにかなりしごかれているとか。ご愁傷さま。
「ほっほ、何人かおらぬ者もおるが、時間もないし始めるとするかのう」
アウラス監督の登場。そう、俺はメラキュラの星性が判明した時点で一度はこういった機会が必要だと判断し、アウラス監督やフィロさんたちに頼んでいたのだ。
今日は特訓中のヒル、ペペ、クレ、ルカが不在だ。
本音を言うと全員集まったタイミングでやりたかったが、試合まで日数も無いので仕方がない。
「それじゃ、頑張るんじゃぞ~」
そして有無を言わさずワープが始まる。
こういった強引な流れも流石に慣れてきた。
自慢じゃないが俺はホラー耐性がある方だ。
あからさまにビビってる凛あたりの姿を見るのも少し楽しみだぜ。
「ここどこ?」
「暗っ!? 怖っ!?」
「ひっ、お墓!?」
ワープ先はいわゆる墓地。肝試しの定番スポットだ。
みんなは怖がる声を出しているが、まあ俺は大して怖くない。
まずは日頃のマウンティングの恨みとして将人や凛あたりを怖がらせてやるか。
「お、おい! 将人、凛! あの墓の下何か動いて……もしかして……ゾ、ゾンビか……?」
ふはは、こう言っておけば、本当は何もいなくとも実はいるんじゃないのか? と余計な疑いを持って怖さが増すだろう。何とか効果と言うやつだ。
さあ、ビビれビビれ! 本戦での得点数が0点だって煽り続けたことを後悔させてやる!
「「りゅ、龍也……」」
「んー? もしかして怖いの――」
「「ゾンビって……」」
「……ヒッ」
「「俺(私)のこと?」」
「うわああああああああああああああ」
なんだなんだなんだ!?
将人と凛の顔が溶けて……えっ?
「ちょ、ヘンディヘンディ! 将人と凛が……やば」
「うっ、ぐっ……ぐはっ」
「……は?」
え……。血吐いて……倒れて……え……
「「「龍也ぁぁぁぁぁ」」」
「は? おい、ちょ、まっ、来るなっ、来るなって……」
他のメンバー全員が……俺を追いかけてくる……腕や足などの体の一部をぼとぼとと落としながら……。
「来るなああああああああああああ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
なんだこれ……なんだこれ!
お化け屋敷の演出……?
これ……まじで……
「本格的すぎだろおおおおおおおおおおおお」
後ろを振り向くことすらできず、俺は一目散に逃げ出した。
ホラー……怖いです。
***
「ラーラ、いる? いるよね?」
「いるよ~~~」
怖がる凛をエスコートするラーラ。
ラーラもホラーに体制がある側の人間なのだ。
「ひっ、そんな早く歩かないで……」
「は~~い」
怯える凛。そんな彼女を見て、ラーラは微笑ましく思っていた。
ラーラには年の離れた妹がいる。姉妹仲のいい可愛い妹だ。
そんな妹と凛を重ねているのだった。
「えへへ、ラーラお姉ちゃんがいるから大丈夫ですよ~」
ニマニマしながら凛を見るラーラ、しかし……
「あれ?」
突然凛がいなくなる。
「あれ、凛ちゃん? どこ行ったの? 怖くないよ~」
くるくると辺りを見回すと、凛のような影。
「いたいた。急にいなくなるからびっくりしちゃった……よ……ひいっ!?」
驚くのも無理はない。
ラーラが凛に近寄り触れた瞬間、凛の首がぼとりと落ちたからだ。
首の無い凛はラーラの方を振り向くと、落ちた頭を拾いながらこう話す。
「ラーラ。
怖い、怖い……助けて、タスケテヨ」
「ひいいっ。ちょ、やめて、ねえ、待って、来な、来ないでええええええええええええ」
お気づきだろうか。
今回のお化け屋敷大作戦、もちろん凛のように明らかに怖がってる選手も対象だが、それ以上に、龍也やラーラのような、多少ホラーに耐性があるから大丈夫だと油断している選手を対象にしたものである。
多少幽霊やゾンビに触れたところで恐怖心を消すことはできない。
だが、油断した心を是正することなら可能だ。
これは、そういう特訓である。
時は少し遡り、今日の朝、全員のテルにメッセージが届いた。
送り主はブラドとヘンディ。彼らなりに解明した力を使うときの条件などをまとめたものだ。
かなり貴重な情報だったが、これを用いても力を発現させることは叶わず。
これは俺だけではなく、他のみんなも同じく。ブラドとヘンディ以外はまだ誰一人力を発現させられていない。
こういった状況に加えて、ネイトと未来の離脱。
未来に関してはポジティブな理由だが、それでも気になってはしまうのが人間だ。
全員少し気持ちは重め。
この状態は良くないと判断した俺は、全員を集めてある提案をする。
それが今、4日目の夜のミーティングルームでの出来事だ。
「「「「「お化け屋敷?」」」」」
「あんたこの状況で何言ってんの?
今のボクたちに遊んでる暇なんてないんだけど」
「まあそう言うなって凛。
みんなどん詰まりだし、一旦気持ちを切り替えるのも選択肢としてはありだろ」
「だからってなんで……」
「いやいや、みんなはここ数日の色々な話で忘れてるかもしれないけど、次の対戦相手はメラキュラだぜ?
事前情報によると、ゾンビや幽霊なんかがいるって話だ。少しくらいの対策は必要だろ。
こういう恐怖心はブラドの超パワーやヘンディのコース予測みたいな力があってどうにかなるものじゃないしな」
「ガハハ、俺様なら幽霊くらい拳で沈めてやるがなあ!」
「……まあしかし、龍也くんの言うことも一理ありますね。
アウェイコートで何が起こるかわからないのは前回のフロージア戦で痛感しました。
何の対策も無しで挑んでコートのせいで負けてしまっては一巻の終わり。笑い話にもなりませんしね」
「ちょ、本気? 本当にやるの?」
「凛……もしかして怖いのか……?」
凛の扱いにも慣れたもんだ。こう言って煽っとけば乗ってくるだろう。
「は、はっ!? ち、違うけど!? お化けとか、よゆ、余裕だし!?
いいよ、受けてやろうじゃないの!」
「大丈夫だぜ凛ちゃん! どれだけ怖くても、君は俺が守るっ!」
「だから怖くないって言ってるんだけど!?」
「ひっ、す、すみません……」
レオは随分としおらしくなって。
噂によると特訓相手の美人のお姉さんにかなりしごかれているとか。ご愁傷さま。
「ほっほ、何人かおらぬ者もおるが、時間もないし始めるとするかのう」
アウラス監督の登場。そう、俺はメラキュラの星性が判明した時点で一度はこういった機会が必要だと判断し、アウラス監督やフィロさんたちに頼んでいたのだ。
今日は特訓中のヒル、ペペ、クレ、ルカが不在だ。
本音を言うと全員集まったタイミングでやりたかったが、試合まで日数も無いので仕方がない。
「それじゃ、頑張るんじゃぞ~」
そして有無を言わさずワープが始まる。
こういった強引な流れも流石に慣れてきた。
自慢じゃないが俺はホラー耐性がある方だ。
あからさまにビビってる凛あたりの姿を見るのも少し楽しみだぜ。
「ここどこ?」
「暗っ!? 怖っ!?」
「ひっ、お墓!?」
ワープ先はいわゆる墓地。肝試しの定番スポットだ。
みんなは怖がる声を出しているが、まあ俺は大して怖くない。
まずは日頃のマウンティングの恨みとして将人や凛あたりを怖がらせてやるか。
「お、おい! 将人、凛! あの墓の下何か動いて……もしかして……ゾ、ゾンビか……?」
ふはは、こう言っておけば、本当は何もいなくとも実はいるんじゃないのか? と余計な疑いを持って怖さが増すだろう。何とか効果と言うやつだ。
さあ、ビビれビビれ! 本戦での得点数が0点だって煽り続けたことを後悔させてやる!
「「りゅ、龍也……」」
「んー? もしかして怖いの――」
「「ゾンビって……」」
「……ヒッ」
「「俺(私)のこと?」」
「うわああああああああああああああ」
なんだなんだなんだ!?
将人と凛の顔が溶けて……えっ?
「ちょ、ヘンディヘンディ! 将人と凛が……やば」
「うっ、ぐっ……ぐはっ」
「……は?」
え……。血吐いて……倒れて……え……
「「「龍也ぁぁぁぁぁ」」」
「は? おい、ちょ、まっ、来るなっ、来るなって……」
他のメンバー全員が……俺を追いかけてくる……腕や足などの体の一部をぼとぼとと落としながら……。
「来るなああああああああああああ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
なんだこれ……なんだこれ!
お化け屋敷の演出……?
これ……まじで……
「本格的すぎだろおおおおおおおおおおおお」
後ろを振り向くことすらできず、俺は一目散に逃げ出した。
ホラー……怖いです。
***
「ラーラ、いる? いるよね?」
「いるよ~~~」
怖がる凛をエスコートするラーラ。
ラーラもホラーに体制がある側の人間なのだ。
「ひっ、そんな早く歩かないで……」
「は~~い」
怯える凛。そんな彼女を見て、ラーラは微笑ましく思っていた。
ラーラには年の離れた妹がいる。姉妹仲のいい可愛い妹だ。
そんな妹と凛を重ねているのだった。
「えへへ、ラーラお姉ちゃんがいるから大丈夫ですよ~」
ニマニマしながら凛を見るラーラ、しかし……
「あれ?」
突然凛がいなくなる。
「あれ、凛ちゃん? どこ行ったの? 怖くないよ~」
くるくると辺りを見回すと、凛のような影。
「いたいた。急にいなくなるからびっくりしちゃった……よ……ひいっ!?」
驚くのも無理はない。
ラーラが凛に近寄り触れた瞬間、凛の首がぼとりと落ちたからだ。
首の無い凛はラーラの方を振り向くと、落ちた頭を拾いながらこう話す。
「ラーラ。
怖い、怖い……助けて、タスケテヨ」
「ひいいっ。ちょ、やめて、ねえ、待って、来な、来ないでええええええええええええ」
お気づきだろうか。
今回のお化け屋敷大作戦、もちろん凛のように明らかに怖がってる選手も対象だが、それ以上に、龍也やラーラのような、多少ホラーに耐性があるから大丈夫だと油断している選手を対象にしたものである。
多少幽霊やゾンビに触れたところで恐怖心を消すことはできない。
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