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第24話(BL特有シーン・回避可)
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「京哉……私の京哉!」
右腕だけで細い腰を抱き寄せると霧島は京哉に口づける。歯列を割って侵入させた舌で京哉の柔らかな舌を絡め取った。舌先を甘噛みして唾液と共に吸い上げる。
「んんぅ、ん……んっ、はあっ! だめ、だめですよ、忍さん!」
「だめか?」
「だって怪我。御法度って言ったでしょう。それに明日歩けないと困りますから」
「『御法度』と言ったのはお前だ、私は何も言っていない。それに優しくするぞ?」
「そんな……あんっ、忍さんってば!」
やや強引に霧島は京哉の手を引いて寝台のある部屋につれて行く。明かりを灯すと京哉が窓に板を嵌め込んだ。壁際でその薄い背を霧島が抱き締める。
逃れようと京哉は身を捩ったが殆ど抵抗できないでいた。怪我に障ったらことだからだである。片腕は怪我をしている筈なのに、きつく両腕で抱き込まれ耳元で熱い吐息を聞いた。
「京哉、なあ……だめか? 優しくする、約束するから。なあ、いいだろう?」
「だから何度言われても、だめだって……あっ、ああんっ!」
スラックスの前を探られ、撫で上げられて、京哉の僅かな抵抗が甘い喘ぎに変わった。既に壁際に追い詰められて退路がない。そうでなくても年上の愛し人の低く甘い声には、もう拒むことなどできなかった。霧島の吐息に京哉は胸を高鳴らせる。
霧島にも聞こえてしまうのではないかと思うほど自分の鼓動を感じていると、うなじに熱い舌を這わされた。その間にもジャケットの合わせから差し入れられた霧島の右手は、ワイシャツの上から胸の小さな尖りを愛撫している。
羽毛が触れるように微かに、次には荒っぽく摘まんで捻り押し込まれた。背後から両手の指で両胸をさんざん弄られる。
いつの間にかジャケットとワイシャツのボタンは外されていて嬲られ放題だ。
唇で耳朶を挟んだ霧島が切なくも低く甘い声で囁いた。
「京哉、お前だけだ……愛している。もっと、もっと愛させてくれ」
「んっ……あっふ、僕も……僕の、忍さん……はぁん」
性急に京哉のベルトを緩めた手つきは、ああ言ったくせに荒々しかった。脱がせないまま中を探り、成長しかけたものを掴まれる。ゆったりと扱かれて京哉の吐息は不規則になった。直接的刺激と嬲り回された胸の痛みが混じってもう腰を揺らしたい。
「もう、あぅん……そんなにしたら、だめ!」
「そんなにしたら、どうなるというんだ?」
「何だか痛くて、気持ち良くて……いっちゃいそう」
「正直に、痛いのが好きなのか?」
「マゾじゃないので痛いのが好きな訳じゃありません。でも貴方になら痛くされて傷つけられても構わない……壊されたいって本気で、あっあっ、それ、だめっ!」
「いかせはしない、だが最高に良くしてやる。たまには痛くなく優しく、な」
そう言うと霧島は京哉のベルトを緩め、下着ごと膝下まで引き下ろして跪いた。そして敏感な処を右手だけで露わにすると硬く閉じたそこを舌で舐めねぶり始める。
丹念に舐めて周囲をほぐしつつ、刺激し舌先を食い込ませ始めた。指の時と変わらず周りをリラックスさせるようにマッサージしては受け入れさせる。
「んっ、あっ……ああっ、忍さん!」
膝を折りそうになり京哉は壁に縋った。霧島の尖らせた舌先は、既に完全に食い込んで攻め立てている。唾液を送り込まれ、舌先が抽挿入できるようになるまであっという間だった。
いつもなら入浴時に色々と過程を踏むのだが、個々の事情ではそうもいかず、躰が受け入れる体勢になくて京哉は羞恥と焦りで混乱する。
そんな京哉の側の事情を心得ている霧島は、『分かっている』というように何度も腿を軽く叩いてくれるが舐めしゃぶり緩めるのを止めない。このまま自分の躰は反応して緩み、熱い霧島を受け入れてしまう。それは堪らなく恥ずかしかった。
「んぅんっ……京哉、怖がらなくていい。私はお前に甘えて敢えて人工物を何も使わん。隔てを作りたくない私たちの行為において当然のことだ。はあっ、ふ……だから神経質にならず、全て私に任せてくれたらいい。……っくう……舌が食いちぎられそうだぞ、早く入れたい」
「はぁん、ん……分かり、まし……んっああっ!」
説得され安堵したことで余計に期待に胸を膨らませ、応えてしまう淫らな躰が恥ずかしかった。でもいつもの指ならともかく、柔らかい舌なのに本当に捩じ込まれて体内に届いている。もう粘膜に触れているほどだ。
霧島に緩められた京哉の体内は、軽く押しただけでぬるみが滲み出るくらいまで中が濡れていた。京哉は欲しさからそんなことを妙に冷静に考えつつも、一方で喉からは高く甘い喘ぎが洩れ続けている。
「あっ、ふ、いい……忍さん、そこ……ああん!」
「んっく……京哉、京哉!」
下衣が絡んで縛められた膝が震えしゃがみ込みたくなるのを京哉は壁に爪を立てて堪えた。本当に今日は指を使わず馴らすつもりのようで、それも『優しく』という意味かと思うと京哉は少し可笑しい。
けれど躰は相変わらず羞恥を煽る緩め方をされ続けていて、知らず喘ぎがトーンを上げる。外に声が洩れるかとも思ったが止められない。
ふっと霧島が離れた。ベルトを緩める音がする。京哉が薄い肩越しに振り返ると、前髪まで濡らした霧島は柔らかく微笑んでいたが、切れ長の目だけがまるで追い詰められたかのような表情を浮かべていた。
それで京哉もある程度の覚悟をする。前をくつろげた霧島は己のものに右手を添えて京哉にあてがった。溢れた蜜が塗り込まれる。
「京哉、もう入ってもいいか?」
「はい。っん……あっ、あっ……あうっ!」
呼吸を無視して入ってきた霧島は熱く硬く圧倒的な太さで、やっぱりちっとも優しくなんかなかった。破れてしまいそうなくらい粘膜をいっぱいに押し広げられ、京哉は浅く速い呼吸を繰り返す。身動きも取れない京哉の耳元で霧島が切なげに呟いた。
「すまん、こんな所で。私はどうしてしまったのだろうか……京哉、本当にすまん」
「いいですから、全部……んんぅ、愛してますから……だから、貴方を全部下さい」
「動いてもいいか?」
「ん……お願い……動いて、突いて!」
きつくも柔らかく温かな粘膜を押し込み、また掻き出すかのように霧島は幾度も突き上げ貫いた。そのうちにぬるんだ粘膜が淫らな音を立てて絡みつき、奥へ奥へと誘い込むように蠕動し始める。
そんな京哉に霧島は腰が蕩けそうな快感を覚え、眩暈がする思いで更に激しく挿し貫いた。先端で抉り擦り上げる。
白い躰に溺れるように酔って、数度突き上げては奥まで貫いて反り返った先で抉り出した。あっという間に京哉自身の体液でぬるんだ粘膜は心地良すぎて霧島は捩っては突き、貫き擦っては離れてしまう寸前まで引きずり出して京哉を鳴かせる。
「京哉、くっ、いい、目茶苦茶気持ちいいぞ!」
「やあ、ん……忍さん、すごい、いい……はぁんっ!」
片や京哉も霧島の飽くなき情欲を受け入れ、とっくに思考は真っ白に灼けていた。
体内をいっぱいに満たした霧島だけを世界の全てのように感じ、突き上げに合わせて夢中で腰を前後させる。爪が剥がれんばかりに壁を引っ掻き、髪を乱して腰を淫らに波打たせた。
「んっ、あっ、ああっ……もう、だめ……いくいく!」
「一緒に、いかせてくれ……京哉!」
前に伸ばした霧島の右手が京哉の熱いものを握り込んだ。腰の律動と共に扱かれ、前後を同時に攻められた京哉は、思わず霧島をきつく締めつける。
「あぅん、忍さん、早く、お願い……はぅっ!」
「――くっ、あ……うっ……ああっ!」
霧島は殆ど痛みのような快感と共に解き放っていた。京哉の奥深くにどくどくと脈打たせて幾度も迸らせる。そんな霧島の手の中に京哉も熱く欲望を弾けさせていた。互いに全て受け止め、二人は荒い息をつく。
怪我をして貧血でまさかと思ったが、霧島はまだ京哉から抜いていなかった。白く華奢な躰と受け止めてくれる優しさに溺れ切った霧島は、そのまま夢中で抽挿入始める。
壁に縋っていた京哉が耐えきれずにずるずると頽れて這うと、細い腰を掴んで更に攻めた。
日本にいても激しい行為に及ぶことはままあるが、それだって時と場合は選んだ上で、どちらかの一方的行為ではない。それがこの国に来て以来、霧島は不思議といつでもどんな時でも京哉とひとつになっていたかった。
愛しくて堪らないのは普段と同じだが、こうしてひとつに繋がってやっと安堵できるような気がするのだ。
背後から思う存分掻き回して互いに一度ずつ達すると、京哉の制服をこれ以上汚すのも拙いと思い、軽い躰を持ち上げると京哉が二つくっつけたベッドに仰向けに寝かせた。
ベッドの強度が心配だったが構わず乗って京哉の躰を押し開き、細い脚に割って入る。見ると己のことながら冗談のように張り詰め切っていた。
そんなものを京哉の体内に押し込む。先程まであれだけ攻めたのが嘘のようにきつく、霧島自身の放ったものが押し出され溢れて酷く淫らな音を立てた。
「はあっ、ああっ……いやらしい、音……んぅう」
「ああ、私とお前の音だ。すまん、もっとしたい」
「いい、して。何しても、いい、から」
ベッドの構造上、激しくはできないのでじっくりと擦過して穏やかな快感を堪能してからは、京哉に様々な姿態を取らせて愉しみ攻める。
だがまた京哉を俯せにしようとした霧島は、ベッドから一歩降りるなりふいに眩暈を感じて膝を折った。すぐに気が付いた京哉も慌ててベッドから降りたが、そのままずるずるとしゃがみ込む。
二人で顔を見合わせると霧島が普段の涼しい表情を崩して破顔した。
「笑ってる場合ですか? 僕、立てないんですけど」
「そうだな。私も、すぐには立てないかも知れん」
「貧血患者が……笑い事じゃないですよ、全く!」
二人は互いに縋り合うように立ち上がり、支え合って洗面所まで移動する。後始末をして水を飲み、下着だけで寝台に倒れ込んだ。京哉が霧島の灰色の目を覗き込む。
「発情期警視は、もう落ち着きましたか?」
「今はな。貧血の方はもう大丈夫だ、問題ない」
「アテにならない『大丈夫』に『問題ない』なんですから、もう!」
「美人が台無しになるから、そう怒るな。だが京哉、最高に良かったぞ」
「ん……忍さんも、すごく良かったです」
喋りながらも霧島は柔らかな眠りに誘われていく。
京哉は何とか身を起こして霧島にタオルケットを被せると、自分も横になって霧島の右腕を抱いて目を瞑った。
右腕だけで細い腰を抱き寄せると霧島は京哉に口づける。歯列を割って侵入させた舌で京哉の柔らかな舌を絡め取った。舌先を甘噛みして唾液と共に吸い上げる。
「んんぅ、ん……んっ、はあっ! だめ、だめですよ、忍さん!」
「だめか?」
「だって怪我。御法度って言ったでしょう。それに明日歩けないと困りますから」
「『御法度』と言ったのはお前だ、私は何も言っていない。それに優しくするぞ?」
「そんな……あんっ、忍さんってば!」
やや強引に霧島は京哉の手を引いて寝台のある部屋につれて行く。明かりを灯すと京哉が窓に板を嵌め込んだ。壁際でその薄い背を霧島が抱き締める。
逃れようと京哉は身を捩ったが殆ど抵抗できないでいた。怪我に障ったらことだからだである。片腕は怪我をしている筈なのに、きつく両腕で抱き込まれ耳元で熱い吐息を聞いた。
「京哉、なあ……だめか? 優しくする、約束するから。なあ、いいだろう?」
「だから何度言われても、だめだって……あっ、ああんっ!」
スラックスの前を探られ、撫で上げられて、京哉の僅かな抵抗が甘い喘ぎに変わった。既に壁際に追い詰められて退路がない。そうでなくても年上の愛し人の低く甘い声には、もう拒むことなどできなかった。霧島の吐息に京哉は胸を高鳴らせる。
霧島にも聞こえてしまうのではないかと思うほど自分の鼓動を感じていると、うなじに熱い舌を這わされた。その間にもジャケットの合わせから差し入れられた霧島の右手は、ワイシャツの上から胸の小さな尖りを愛撫している。
羽毛が触れるように微かに、次には荒っぽく摘まんで捻り押し込まれた。背後から両手の指で両胸をさんざん弄られる。
いつの間にかジャケットとワイシャツのボタンは外されていて嬲られ放題だ。
唇で耳朶を挟んだ霧島が切なくも低く甘い声で囁いた。
「京哉、お前だけだ……愛している。もっと、もっと愛させてくれ」
「んっ……あっふ、僕も……僕の、忍さん……はぁん」
性急に京哉のベルトを緩めた手つきは、ああ言ったくせに荒々しかった。脱がせないまま中を探り、成長しかけたものを掴まれる。ゆったりと扱かれて京哉の吐息は不規則になった。直接的刺激と嬲り回された胸の痛みが混じってもう腰を揺らしたい。
「もう、あぅん……そんなにしたら、だめ!」
「そんなにしたら、どうなるというんだ?」
「何だか痛くて、気持ち良くて……いっちゃいそう」
「正直に、痛いのが好きなのか?」
「マゾじゃないので痛いのが好きな訳じゃありません。でも貴方になら痛くされて傷つけられても構わない……壊されたいって本気で、あっあっ、それ、だめっ!」
「いかせはしない、だが最高に良くしてやる。たまには痛くなく優しく、な」
そう言うと霧島は京哉のベルトを緩め、下着ごと膝下まで引き下ろして跪いた。そして敏感な処を右手だけで露わにすると硬く閉じたそこを舌で舐めねぶり始める。
丹念に舐めて周囲をほぐしつつ、刺激し舌先を食い込ませ始めた。指の時と変わらず周りをリラックスさせるようにマッサージしては受け入れさせる。
「んっ、あっ……ああっ、忍さん!」
膝を折りそうになり京哉は壁に縋った。霧島の尖らせた舌先は、既に完全に食い込んで攻め立てている。唾液を送り込まれ、舌先が抽挿入できるようになるまであっという間だった。
いつもなら入浴時に色々と過程を踏むのだが、個々の事情ではそうもいかず、躰が受け入れる体勢になくて京哉は羞恥と焦りで混乱する。
そんな京哉の側の事情を心得ている霧島は、『分かっている』というように何度も腿を軽く叩いてくれるが舐めしゃぶり緩めるのを止めない。このまま自分の躰は反応して緩み、熱い霧島を受け入れてしまう。それは堪らなく恥ずかしかった。
「んぅんっ……京哉、怖がらなくていい。私はお前に甘えて敢えて人工物を何も使わん。隔てを作りたくない私たちの行為において当然のことだ。はあっ、ふ……だから神経質にならず、全て私に任せてくれたらいい。……っくう……舌が食いちぎられそうだぞ、早く入れたい」
「はぁん、ん……分かり、まし……んっああっ!」
説得され安堵したことで余計に期待に胸を膨らませ、応えてしまう淫らな躰が恥ずかしかった。でもいつもの指ならともかく、柔らかい舌なのに本当に捩じ込まれて体内に届いている。もう粘膜に触れているほどだ。
霧島に緩められた京哉の体内は、軽く押しただけでぬるみが滲み出るくらいまで中が濡れていた。京哉は欲しさからそんなことを妙に冷静に考えつつも、一方で喉からは高く甘い喘ぎが洩れ続けている。
「あっ、ふ、いい……忍さん、そこ……ああん!」
「んっく……京哉、京哉!」
下衣が絡んで縛められた膝が震えしゃがみ込みたくなるのを京哉は壁に爪を立てて堪えた。本当に今日は指を使わず馴らすつもりのようで、それも『優しく』という意味かと思うと京哉は少し可笑しい。
けれど躰は相変わらず羞恥を煽る緩め方をされ続けていて、知らず喘ぎがトーンを上げる。外に声が洩れるかとも思ったが止められない。
ふっと霧島が離れた。ベルトを緩める音がする。京哉が薄い肩越しに振り返ると、前髪まで濡らした霧島は柔らかく微笑んでいたが、切れ長の目だけがまるで追い詰められたかのような表情を浮かべていた。
それで京哉もある程度の覚悟をする。前をくつろげた霧島は己のものに右手を添えて京哉にあてがった。溢れた蜜が塗り込まれる。
「京哉、もう入ってもいいか?」
「はい。っん……あっ、あっ……あうっ!」
呼吸を無視して入ってきた霧島は熱く硬く圧倒的な太さで、やっぱりちっとも優しくなんかなかった。破れてしまいそうなくらい粘膜をいっぱいに押し広げられ、京哉は浅く速い呼吸を繰り返す。身動きも取れない京哉の耳元で霧島が切なげに呟いた。
「すまん、こんな所で。私はどうしてしまったのだろうか……京哉、本当にすまん」
「いいですから、全部……んんぅ、愛してますから……だから、貴方を全部下さい」
「動いてもいいか?」
「ん……お願い……動いて、突いて!」
きつくも柔らかく温かな粘膜を押し込み、また掻き出すかのように霧島は幾度も突き上げ貫いた。そのうちにぬるんだ粘膜が淫らな音を立てて絡みつき、奥へ奥へと誘い込むように蠕動し始める。
そんな京哉に霧島は腰が蕩けそうな快感を覚え、眩暈がする思いで更に激しく挿し貫いた。先端で抉り擦り上げる。
白い躰に溺れるように酔って、数度突き上げては奥まで貫いて反り返った先で抉り出した。あっという間に京哉自身の体液でぬるんだ粘膜は心地良すぎて霧島は捩っては突き、貫き擦っては離れてしまう寸前まで引きずり出して京哉を鳴かせる。
「京哉、くっ、いい、目茶苦茶気持ちいいぞ!」
「やあ、ん……忍さん、すごい、いい……はぁんっ!」
片や京哉も霧島の飽くなき情欲を受け入れ、とっくに思考は真っ白に灼けていた。
体内をいっぱいに満たした霧島だけを世界の全てのように感じ、突き上げに合わせて夢中で腰を前後させる。爪が剥がれんばかりに壁を引っ掻き、髪を乱して腰を淫らに波打たせた。
「んっ、あっ、ああっ……もう、だめ……いくいく!」
「一緒に、いかせてくれ……京哉!」
前に伸ばした霧島の右手が京哉の熱いものを握り込んだ。腰の律動と共に扱かれ、前後を同時に攻められた京哉は、思わず霧島をきつく締めつける。
「あぅん、忍さん、早く、お願い……はぅっ!」
「――くっ、あ……うっ……ああっ!」
霧島は殆ど痛みのような快感と共に解き放っていた。京哉の奥深くにどくどくと脈打たせて幾度も迸らせる。そんな霧島の手の中に京哉も熱く欲望を弾けさせていた。互いに全て受け止め、二人は荒い息をつく。
怪我をして貧血でまさかと思ったが、霧島はまだ京哉から抜いていなかった。白く華奢な躰と受け止めてくれる優しさに溺れ切った霧島は、そのまま夢中で抽挿入始める。
壁に縋っていた京哉が耐えきれずにずるずると頽れて這うと、細い腰を掴んで更に攻めた。
日本にいても激しい行為に及ぶことはままあるが、それだって時と場合は選んだ上で、どちらかの一方的行為ではない。それがこの国に来て以来、霧島は不思議といつでもどんな時でも京哉とひとつになっていたかった。
愛しくて堪らないのは普段と同じだが、こうしてひとつに繋がってやっと安堵できるような気がするのだ。
背後から思う存分掻き回して互いに一度ずつ達すると、京哉の制服をこれ以上汚すのも拙いと思い、軽い躰を持ち上げると京哉が二つくっつけたベッドに仰向けに寝かせた。
ベッドの強度が心配だったが構わず乗って京哉の躰を押し開き、細い脚に割って入る。見ると己のことながら冗談のように張り詰め切っていた。
そんなものを京哉の体内に押し込む。先程まであれだけ攻めたのが嘘のようにきつく、霧島自身の放ったものが押し出され溢れて酷く淫らな音を立てた。
「はあっ、ああっ……いやらしい、音……んぅう」
「ああ、私とお前の音だ。すまん、もっとしたい」
「いい、して。何しても、いい、から」
ベッドの構造上、激しくはできないのでじっくりと擦過して穏やかな快感を堪能してからは、京哉に様々な姿態を取らせて愉しみ攻める。
だがまた京哉を俯せにしようとした霧島は、ベッドから一歩降りるなりふいに眩暈を感じて膝を折った。すぐに気が付いた京哉も慌ててベッドから降りたが、そのままずるずるとしゃがみ込む。
二人で顔を見合わせると霧島が普段の涼しい表情を崩して破顔した。
「笑ってる場合ですか? 僕、立てないんですけど」
「そうだな。私も、すぐには立てないかも知れん」
「貧血患者が……笑い事じゃないですよ、全く!」
二人は互いに縋り合うように立ち上がり、支え合って洗面所まで移動する。後始末をして水を飲み、下着だけで寝台に倒れ込んだ。京哉が霧島の灰色の目を覗き込む。
「発情期警視は、もう落ち着きましたか?」
「今はな。貧血の方はもう大丈夫だ、問題ない」
「アテにならない『大丈夫』に『問題ない』なんですから、もう!」
「美人が台無しになるから、そう怒るな。だが京哉、最高に良かったぞ」
「ん……忍さんも、すごく良かったです」
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