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第20話
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「これが片付いたら、武器庫と弾薬庫に案内するので待っててくれ」
多機能デスクの端末を立ち上げてクラウスは仕事に取り掛かる。室内のオートではない扉が開き、オットーが電子回覧物の山を抱えて入ってきた。隣は副官室らしい。
司令官の仕事を増やしておいて、オットーが二人のリモータに基地内の配置図と主要建築物の内部構造図を流してくれた。
主に断ってシドが煙草を二本吸っているうちに電子回覧物の山は片付く。
「さて、行こうか。といっても一番近い武器庫はここの一階だが」
司令官室を出ると四人はエレベーターで一階まで下った。廊下を歩いているうちにシドは嗅ぎ慣れた甘ったるいオイルの匂いに気付く。
自前の足で四人は歩き、何のプレートも嵌っていない一室の前で立ち止まる。その部屋は格別に広く三ヶ所のオートドアがあり、兵士が二人ずつ小銃を持って立哨していた。
一番手前のオートドア前でクラウスとオットーが立哨と相互に敬礼してからパネルにリモータを翳す。二人が倣うとセンサが感知しドアが開いた。
「うわあ、すっごい!」
「へえ、これだけ並ぶと壮観だよな」
室内の壁にはずらりと自動小銃が立て掛けられ、作り付けられた棚にはハンドガンやサブマシンガン、ビームライフルがびっしりと架けられている。設置されたスチール棚にはRPG発射筒や狙撃銃、グレネードランチャーなどが所狭しと並べられていた。
「わあ、テミスのオリジナルヴァージョンがあるよ。欲しいなあ」
あちこち見て回った挙げ句、ガンヲタは一丁のハンドガンの前で足を止めてヨダレを垂らさんばかりにして見入っている。
銃は必要に駆られて使うだけでヲタではないシドでも結構見甲斐のある博物館だ。
相棒が見つけたテミス・オリジナルだけでなく、ここにある多数の武器の何割かが汎銀河条約機構のルール・オブ・エンゲージメント違反品なのがシドにも分かったが、テラ連邦直轄軍ですら違反品を使用する戦場も存在するのだ。
そういったモノを別室任務で見てきたシドは今更クラウスたちに問うでもなかった。
純粋に興味で一通り眺めてみてから、フロアの端の方のケージに山積みになっているサブマシンガンの一丁を何となく手にした。無造作すぎる扱いを疑問に思ったのだ。ケージの中にはビームライフルやグレネードランチャーなども一緒くたに投げ込まれている。
「何かいい得物はあったのか?」
「まだ探し中……で、それは何?」
「や、何でもねぇがボルトが緩んでやがる」
「修理か廃棄待ちなのかな」
「廃棄ってどうすんだ?」
「普通は業者に委託して鋳溶かしちゃうんだよ。鋼材として再利用」
「ふうん。次は銃器かフライパンってとこか」
右手一本で緩んだパーツをガチャガチャ動かしてからサブマシンガンをケージに投げ入れ、シドはまた棚の間を一巡りした。そして初めて目にする物体に辿り着く。
「おーいハイファ、化けモンみたいな銃があるぞ!」
「えっ、どれどれ?」
「ってか、デカすぎて本当に銃かどうか自信がねぇんだが」
やってきたハイファは、まるでそれが我が物のごとく目を輝かせる。
「わあ、すごい掘り出し物だよ、これ!」
「でっけぇ、これって何なんだ?」
「分類すればアンチ・マテリアル・ライフル。対物ライフルだよ」
「へえ、こいつがライフルとはな」
「ウェスタンアーセナル社製、ミラッドラインM9000。すごいすごい!」
「嬉しそうで結構だな、ヲタ」
「全長百七十七センチ、重量十八キロ」
「重すぎねぇか、それ?」
それには応えず解説を続けるところを見ると、ヲタにとっては重くないらしい。
「使用弾はAPFSDS弾 、いわゆる装弾筒付翼安定徹甲弾だね」
「何だ、その何とか弾ってのは?」
「サボって呼ばれる装弾筒付きのフレシェット弾を撃ち出すんだよ。タングステン合金製のフレシェット弾の後端には矢羽根みたいな翼がついてる。これが翼安定」
「フレシェット弾……俺のこれと同じか」
「こっちは火薬カートリッジ式で薬莢に入ってるけどね。約十五ミリ口径のサボが火薬燃焼のガス圧を受けて、それをコンマ二十二インチ口径、つまり約五ミリ半直径のフレシェット弾に伝える。サボはバレルから飛び出したのちに空気抵抗によって速やかに分離。爆発的なパワーを持ったフレシェット弾だけが飛んでいく仕組み」
「何発でどのくらいだ?」
「七発プラス、チャンバ一発。公称二キロ、でも対人なら三キロはいけると思う」
聞いていたクラウスが笑いだしていた。
「ハイファスのその目、やはりスナイパーだったか。だが的の小さな対人で三キロとは大した自信だな。誰もが見向きもしない置きっ放しのこんな銃を撃ったことがあるのか?」
「……ないけど」
「それなら撃って見せてくれ」
「わああ、キース!」
突如として空間を揺らめかせ現れたキースはハイファの肩に顎を載せるようにしていた。今日のファッションもクレリックシャツに黒のタイトなスーツ、ナロータイだ。
「そんな細い躰で撃てるのか?」
「大丈夫、コツがあるんだよ。でもこれを撃てるような射場があるの?」
笑いながらクラウスが応える。
「こことて軍だ、射場くらいはある。お望みの三キロ射程ともなれば、第二基地まで行って貰わなければならないが」
「弾薬は?」
「オットーに連絡させておくから勝手に取りに行ってくれ。悪いがわたしは仕事に戻る」
オモチャがオモチャを見つけたとでも云うべきか、目付役の爺はキースの興味が二人と銃に向いていることで安心したらしい。口ひげを撫でながら踵を返し武器庫から出て行った。
クラウスを見送ったのちハイファは上目使いにシドを窺う。
「シド、スポッタお願いしていいかな?」
「遊んでる場合かどうかは……仕方ねぇな。スコープ探せよ」
幸い十八キロのミラッドラインには持ち運び用の超小型反重力装置がついていた。銃となればそれくらいは平気で持ち歩くヲタのハイファだが軽いに越したことはない。スリングで肩に担ぎ、シドは双眼鏡タイプのレーザースコープを探し出して首から提げる。
武器庫をあとにして外に出るとオットーがオープン型コイルを用意してくれていた。キースにシドとハイファが乗り込むと手動運転でオットーは発進させる。
本部庁舎から遠ざかり、これも立派で新しそうな兵舎の脇を通って高射砲を眺め、攻撃BELの格納庫前を過ぎ、整備中の重戦コイルを見て、更に基地の奥へとコイルは走ってゆく。
やがて到着した弾薬庫は格納庫のような建物だった。
リモータチェッカを身分証でクリアし足を踏み入れた弾薬庫の中は、空調で湿度が低く保たれていて、シドは肌寒く感じた。
静電気除去装置をくぐってからでないと足を踏み入れることが許されない内部には、背の高い棚が果てしなく遠くまで並んでいる。間違っても電装の火花で引火しないよう戦闘服の兵士たちが手ずから弾薬を台車に載せて出し入れしていた。
プラ弾にフルメタルジャケット、手榴弾にグレネード榴弾、RPGのロケットにミサイル各種。爆薬も固体から粉末に可塑性のあるコンポジットや、液体爆薬までが揃っている。
入ってすぐの所に補給係らしい戦闘服の男が二人ダベっていて、シドたち一行に気付くと呆気にとられたように口を開けた。ここではキースも顔を知られていないらしい。
だが司令の副官オットーが口を利くと、我に返って弾薬を探し出してきてくれる。
「APFSDS弾か。誰も使わなかったらしいな、この二箱とも新品だぞ」
かなりの重量物である箱をハイファが受け取り、三十発入りの一箱をその場で開封した。
「なるほど、これがその弾薬ですか」
「へえ、小型ロケットみたいだな」
オットーとキースがしみじみと言い、シドは初めて見る弾薬をつまみ上げて唸った。
「何だ、このデカさは」
「うーん。知ってはいたけど、やっぱり実物は大きいね」
使用弾薬も通常の弾薬とは桁違い、長さが二十センチを越えている。薬莢の長さだけでも十五、六センチはあった。確かに小型のミサイルのようだ。
多機能デスクの端末を立ち上げてクラウスは仕事に取り掛かる。室内のオートではない扉が開き、オットーが電子回覧物の山を抱えて入ってきた。隣は副官室らしい。
司令官の仕事を増やしておいて、オットーが二人のリモータに基地内の配置図と主要建築物の内部構造図を流してくれた。
主に断ってシドが煙草を二本吸っているうちに電子回覧物の山は片付く。
「さて、行こうか。といっても一番近い武器庫はここの一階だが」
司令官室を出ると四人はエレベーターで一階まで下った。廊下を歩いているうちにシドは嗅ぎ慣れた甘ったるいオイルの匂いに気付く。
自前の足で四人は歩き、何のプレートも嵌っていない一室の前で立ち止まる。その部屋は格別に広く三ヶ所のオートドアがあり、兵士が二人ずつ小銃を持って立哨していた。
一番手前のオートドア前でクラウスとオットーが立哨と相互に敬礼してからパネルにリモータを翳す。二人が倣うとセンサが感知しドアが開いた。
「うわあ、すっごい!」
「へえ、これだけ並ぶと壮観だよな」
室内の壁にはずらりと自動小銃が立て掛けられ、作り付けられた棚にはハンドガンやサブマシンガン、ビームライフルがびっしりと架けられている。設置されたスチール棚にはRPG発射筒や狙撃銃、グレネードランチャーなどが所狭しと並べられていた。
「わあ、テミスのオリジナルヴァージョンがあるよ。欲しいなあ」
あちこち見て回った挙げ句、ガンヲタは一丁のハンドガンの前で足を止めてヨダレを垂らさんばかりにして見入っている。
銃は必要に駆られて使うだけでヲタではないシドでも結構見甲斐のある博物館だ。
相棒が見つけたテミス・オリジナルだけでなく、ここにある多数の武器の何割かが汎銀河条約機構のルール・オブ・エンゲージメント違反品なのがシドにも分かったが、テラ連邦直轄軍ですら違反品を使用する戦場も存在するのだ。
そういったモノを別室任務で見てきたシドは今更クラウスたちに問うでもなかった。
純粋に興味で一通り眺めてみてから、フロアの端の方のケージに山積みになっているサブマシンガンの一丁を何となく手にした。無造作すぎる扱いを疑問に思ったのだ。ケージの中にはビームライフルやグレネードランチャーなども一緒くたに投げ込まれている。
「何かいい得物はあったのか?」
「まだ探し中……で、それは何?」
「や、何でもねぇがボルトが緩んでやがる」
「修理か廃棄待ちなのかな」
「廃棄ってどうすんだ?」
「普通は業者に委託して鋳溶かしちゃうんだよ。鋼材として再利用」
「ふうん。次は銃器かフライパンってとこか」
右手一本で緩んだパーツをガチャガチャ動かしてからサブマシンガンをケージに投げ入れ、シドはまた棚の間を一巡りした。そして初めて目にする物体に辿り着く。
「おーいハイファ、化けモンみたいな銃があるぞ!」
「えっ、どれどれ?」
「ってか、デカすぎて本当に銃かどうか自信がねぇんだが」
やってきたハイファは、まるでそれが我が物のごとく目を輝かせる。
「わあ、すごい掘り出し物だよ、これ!」
「でっけぇ、これって何なんだ?」
「分類すればアンチ・マテリアル・ライフル。対物ライフルだよ」
「へえ、こいつがライフルとはな」
「ウェスタンアーセナル社製、ミラッドラインM9000。すごいすごい!」
「嬉しそうで結構だな、ヲタ」
「全長百七十七センチ、重量十八キロ」
「重すぎねぇか、それ?」
それには応えず解説を続けるところを見ると、ヲタにとっては重くないらしい。
「使用弾はAPFSDS弾 、いわゆる装弾筒付翼安定徹甲弾だね」
「何だ、その何とか弾ってのは?」
「サボって呼ばれる装弾筒付きのフレシェット弾を撃ち出すんだよ。タングステン合金製のフレシェット弾の後端には矢羽根みたいな翼がついてる。これが翼安定」
「フレシェット弾……俺のこれと同じか」
「こっちは火薬カートリッジ式で薬莢に入ってるけどね。約十五ミリ口径のサボが火薬燃焼のガス圧を受けて、それをコンマ二十二インチ口径、つまり約五ミリ半直径のフレシェット弾に伝える。サボはバレルから飛び出したのちに空気抵抗によって速やかに分離。爆発的なパワーを持ったフレシェット弾だけが飛んでいく仕組み」
「何発でどのくらいだ?」
「七発プラス、チャンバ一発。公称二キロ、でも対人なら三キロはいけると思う」
聞いていたクラウスが笑いだしていた。
「ハイファスのその目、やはりスナイパーだったか。だが的の小さな対人で三キロとは大した自信だな。誰もが見向きもしない置きっ放しのこんな銃を撃ったことがあるのか?」
「……ないけど」
「それなら撃って見せてくれ」
「わああ、キース!」
突如として空間を揺らめかせ現れたキースはハイファの肩に顎を載せるようにしていた。今日のファッションもクレリックシャツに黒のタイトなスーツ、ナロータイだ。
「そんな細い躰で撃てるのか?」
「大丈夫、コツがあるんだよ。でもこれを撃てるような射場があるの?」
笑いながらクラウスが応える。
「こことて軍だ、射場くらいはある。お望みの三キロ射程ともなれば、第二基地まで行って貰わなければならないが」
「弾薬は?」
「オットーに連絡させておくから勝手に取りに行ってくれ。悪いがわたしは仕事に戻る」
オモチャがオモチャを見つけたとでも云うべきか、目付役の爺はキースの興味が二人と銃に向いていることで安心したらしい。口ひげを撫でながら踵を返し武器庫から出て行った。
クラウスを見送ったのちハイファは上目使いにシドを窺う。
「シド、スポッタお願いしていいかな?」
「遊んでる場合かどうかは……仕方ねぇな。スコープ探せよ」
幸い十八キロのミラッドラインには持ち運び用の超小型反重力装置がついていた。銃となればそれくらいは平気で持ち歩くヲタのハイファだが軽いに越したことはない。スリングで肩に担ぎ、シドは双眼鏡タイプのレーザースコープを探し出して首から提げる。
武器庫をあとにして外に出るとオットーがオープン型コイルを用意してくれていた。キースにシドとハイファが乗り込むと手動運転でオットーは発進させる。
本部庁舎から遠ざかり、これも立派で新しそうな兵舎の脇を通って高射砲を眺め、攻撃BELの格納庫前を過ぎ、整備中の重戦コイルを見て、更に基地の奥へとコイルは走ってゆく。
やがて到着した弾薬庫は格納庫のような建物だった。
リモータチェッカを身分証でクリアし足を踏み入れた弾薬庫の中は、空調で湿度が低く保たれていて、シドは肌寒く感じた。
静電気除去装置をくぐってからでないと足を踏み入れることが許されない内部には、背の高い棚が果てしなく遠くまで並んでいる。間違っても電装の火花で引火しないよう戦闘服の兵士たちが手ずから弾薬を台車に載せて出し入れしていた。
プラ弾にフルメタルジャケット、手榴弾にグレネード榴弾、RPGのロケットにミサイル各種。爆薬も固体から粉末に可塑性のあるコンポジットや、液体爆薬までが揃っている。
入ってすぐの所に補給係らしい戦闘服の男が二人ダベっていて、シドたち一行に気付くと呆気にとられたように口を開けた。ここではキースも顔を知られていないらしい。
だが司令の副官オットーが口を利くと、我に返って弾薬を探し出してきてくれる。
「APFSDS弾か。誰も使わなかったらしいな、この二箱とも新品だぞ」
かなりの重量物である箱をハイファが受け取り、三十発入りの一箱をその場で開封した。
「なるほど、これがその弾薬ですか」
「へえ、小型ロケットみたいだな」
オットーとキースがしみじみと言い、シドは初めて見る弾薬をつまみ上げて唸った。
「何だ、このデカさは」
「うーん。知ってはいたけど、やっぱり実物は大きいね」
使用弾薬も通常の弾薬とは桁違い、長さが二十センチを越えている。薬莢の長さだけでも十五、六センチはあった。確かに小型のミサイルのようだ。
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