あなたがここにいてほしい~Barter.7~

志賀雅基

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第6話(BL特有シーン・回避可)

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「本当は僕も、ずっと忍さんが欲しくて……忍さん、来て」
「我慢していたのか、そうか。京哉……私の京哉!」

 バスローブを脱ぎ捨てるなり霧島はベッドに上がって京哉を思い切り抱き締める。我慢できず噛みつくように唇を奪った。応えて開かれた歯列から舌を侵入させ、届く限りを舐め回す。
 差し出された舌を唾液ごと吸い上げた。幾度も欲しては飲み干す。

「ん、っん……はあっ! 忍さん、させて下さい!」

 見上げてくる京哉の目にはとろりとした情欲が湛えられていた。どちらかといえばいつも欲しがるのは霧島の方で、でも珍しく積極的な京哉もいいように思う。

「ああ、お前のものだ。好きにしていい」

 霧島はベッドのヘッドボードの棚からトワレのガラスボトルを取り、胸に一吹きした。愛用のトワレはペンハリガンのブレナムブーケだ。普段は現場に匂いを残せないので使わないが京哉も大好きなこの上質な香りを行為の時だけは香らせている。

「ん……いい匂い。忍さん、はぁん――」
「ああ、お前が欲しくてこんなになっているぞ」

 枕に凭れた霧島は投げ出した脚を開いてやった。それを更に押し広げた京哉はシーツに腹這いになり霧島の中心を掴む。内腿を舐め、強く吸い上げて自分の証しを赤く濃く刻み込んでから手にした霧島の先端に口をつけた。
 舌を差し込まれ身震いするような快感に霧島は既に熱く太く成長させたものから蜜を溢れさせる。
「うっ……く、あ……ふ」

 あられもない喘ぎを洩らしてしまいそうになり、霧島は喉の奥で声を押し殺した。京哉は無心に舐めしゃぶっている。
 ピチャピチャと音を立てて蜜を舐め取られ、敏感な処に舌を巻きつけられて思考が白熱する思いで見下ろした。京哉の白い顔と赤い唇に己の太いものの取り合わせは淫ら極まりなく、霧島は視覚的にも追いつめられる。

「くっ、あ……京哉、そこは……ああ、いい――」
「ん、忍さん、僕の口を……犯して。上も、下も」
「京哉、煽るな……あっく……最高だ!」

 大きく口を開けて京哉は霧島の太いものを咥え込んだ。舌を濃厚に巻きつけ、唇で扱き上げる。霧島は腰を突き上げないよう耐えるだけで必死だ。
 全てが京哉の巧みな舌づかいに支配されていた。そして気付くと低く甘い呻きを洩らしてしまっている。
「あっふ、そこ……京哉、もっと舐めてくれ……ああ――」
「んぅ、忍さん、ここですね……っん……ふ」

 耐え切れず霧島は腰を浅く上下させ始めた。口いっぱいに頬張り喉元まで咥えてくれていると分かっているのに、喉を突くような真似を止められない。
 煽られ上の口から犯している実感が酷く興奮させた。苦しげに喘ぎながらも京哉は合わせて唇で扱いてくれる。そのまま五分ほども保たせただろうか。急激に疼きが溢れ出した。

「京哉、もう、だめだ……許してくれ!」
「んっ、ふ……そのまま、出して……僕の口を汚して!」

 一際太く張り詰めたものを抜こうとしたが京哉は咥えたまま離さない。

「もう……だめだ、出すぞ……あ、あうっ!」

 喉に叩きつけるように霧島は放った。快感で頭の芯が痺れたようだった。自分でもどうかと思うほど大量に放ったものを京哉は喉を鳴らして嚥下し滲んだものも舐め取る。
 肩で息をしながら霧島は身を起こし、京哉のさらりとした髪を撫でた。

「いつも言っているが、そんなものは吐き出していいんだぞ?」
「貴方を一滴残らず僕のものにしたいから。だめですか?」
「だめとは言わんが本当に吐き出して構わないんだ。愛する想いに何も関係しないからな。だが半面、正直言って私も一滴残らずお前に受け止めて欲しいのかも知れん」

「分かってますよ。で、終わりじゃないですよね?」
「そんな色っぽいお前を前にして、一度くらいで引っ込みがつくものか」
「って、忍さん、すごいかも」

 京哉が思わず息を呑んだのも分かる。霧島自身どうかと思うほど躰の中心は滾って張り詰め、反り返って下腹を蜜で濡らしてしまっていた。
 霧島は己の右手指を口に含んで濡らすと指に蜜も絡める。見ていた京哉は堪らなく綺麗な微笑みを浮かべ、自らシーツに這って腰を掲げた、秘部も露わな姿態を取ると肩越しに振り向いて誘った。

「お願い、早く……その指で掻き混ぜて下さい」
「ああ、思い切りしてやるからな」
「はぁん、お願い……ここに欲しいよ、忍さん!」

 白くみずみずしい肢体に目前で悶えられては霧島も堪らない。腰の疼きに理性を飛ばしそうなのを堪えて濡らした一本目の指を京哉の窄まりにつぷりと挿入する。
 きつく狭い粘膜を押し分け奥に届かせた。途端に京哉は腰を振って甘く高く鳴く。

「あぅん、いい! 忍さん、いっぱい擦って!」
「分かったから動くな。怪我をするぞ」
「だって勝手に動いちゃう……そこ、いい……ああんっ!」

 五日間のお預けのせいか、いつにも増して感度のいい白い躰は淫らに悶え、霧島はいつしか夢中で指を増やしていた。
 長い指を閉じ込め身をうねらせる京哉は妖しいくらいに綺麗で、細い腰を淫らに前後させては指を締めつける。

 姿態を見せつけられ鳴き声を聴かされて、一刻も早く征服したい思いに駆られ霧島は指を捩り緩めてゆく。

「いいです、から、忍さん……入れて」
「まだ、もう少しだ」
「やあん……我慢できない、忍さんのが欲しい」

 霧島も我慢の限界だった。ほぐしきれていないのは承知の上で指を全て抜く。己を京哉にあてがうと蜜を塗り込むように動かした。切っ先を僅かに食い込ませる。

「京哉、私を入れてくれ」
「ん、お願い……きて。あっあっ……はぅんっ!」
「うっ、く……京哉、痛かったらすまん! っく、きつ、い――」

 できるだけゆっくり挿入するつもりが、きつくも柔らかな京哉に引き込まれるようにして一気に貫いてしまい、霧島は身を埋めたまま暫し身動きも取れなくなった。

「頼む、京哉。少し力を抜いてくれ」
「抜いてる、つもり……いいから動いて、突いて下さい。僕を目茶苦茶にして!」

 涙声での訴えに霧島は応えるしかない。本当に限界だったのだ。細い腰を掴んで己をずるりと引き抜き、離れてしまう寸前で貫き突き上げた。
 既に京哉の体内はぬるんで絡みつき、眩暈のような快感が押し包む。霧島の律動に合わせ腰を前後させる京哉も同様らしく甘く喘ぎ続けている。

 二人掛かりで華奢な躰を犯し始めた。

「ああん、すごい……忍さんが太い、硬いよ……はぁんっ!」
「京哉、いい……堪らない、京哉!」

 霧島の力強い腰の律動は激しくなり、今や頑丈なダブルベッドが軋む勢いになっている。淫らに腰を振っていた京哉も今は揺らされるままだ。
 噛み締めるように体内を擦過する霧島の熱と太さ、硬さを感じ集中していた。それが証拠に淫らな言葉で霧島を煽り続けていた。

 そして叫ぶように鳴くたびに霧島を締めつけ呻かせる。
 幾らも擦り上げないうちに、まだ一度も達していない京哉は甘く訴えた。

「もう、だめ……僕、いっちゃう!」
「私も、一緒に、いくからな!」

 二度、三度と深い処を切っ先で抉った。京哉の体内が急激に狭くなる。目の眩むような快感に押し包まれながら霧島は片手で京哉の熱く硬いものを包み込んだ。
 疼きが背筋を突き上がってきて思考が白熱する。堪らなくなったように京哉が高く叫んだ。

「忍さん、早く、お願い……あ、いく……はあんっ!」
「あっ、く……京哉……くうっ!」

 霧島の手の中に京哉はどっぷり放っていた。同時に窄まりが締まって霧島も京哉の芯を熱く濃く濡らしている。振り絞るように快感を味わった。
 だが二度放ってなお霧島は熱く硬く屹立させたままである。いや、いつものことながら放つ前より太さが増しているのは一目瞭然だった。

 張り裂けんばかりに滾らせ硬く屹立させている。

 それを目にして微笑んだ京哉は自ら躰を開いた。霧島も躰が更に熱くなる。

「今度はお前の顔を見ながらさせてくれるか?」
「んっ、きて。貴方を全部入れて。忍さんの顔を見ながらしたいよ」

 捩るように挿入した。容赦なく根元まで突き入れる。おそらく苦痛を伴うほど深すぎる貫き方だった。躰同士が密着するくらい収めて見ると京哉は眉根を寄せて耐えている。
 それでも京哉が感じているのは苦痛だけではないのも霧島は知っていた。全て霧島自身が開発し慣らした躰である。初めてこじ開けたのも霧島だった。

 隙間など作りたくない想いは互いに同じ、そのまま身を擦り合わせるように京哉の粘膜を掻き回し出す。思い切り擦っては小刻みに突いた。
 これ以上は無理な処まで受け入れさせて掻き混ぜる。天性のテクニックで攻め立て京哉を悦びに鳴かせた。

 互いに攻め抜き、受け入れることで相手を征服しようとしていた。

「ああっ、忍さん……貴方だけ、んっ……愛してます!」
「私もお前だけだ、っく……京哉、誰よりも愛している!」

 挿入したまま身悶えする京哉の片足を持ち上げ反り返ったもので内襞を抉る。存分に鳴かせて一度いかせ、再び背後から攻め立てた。白い躰に霧島はのめり込んでしまっていた。

 五日も我慢していた分、無我夢中で攻め抜く。京哉も霧島の溢れさせたもので滑りが良くなったからか、自ら思い切り細い腰を振って霧島を煽り追い詰めた。

 互いに堪らない快感に身を浸して、どのくらい経ったのか分からない。
 もう何度いったのか、いかせたのかも分からなくなっていた。

 閉じ込めきれず霧島の放ったものを腿に伝わせながら京哉は、止めても聞かず更にそれを咥えることまでしてくれた。
 京哉自身は既に何も零せなくなっているのに何処までも受け入れては攻められたがる。ここまで飢え欲しがっていたのかと霧島はどうしようもなく京哉が愛しい。

 だが京哉自身のオーダーでのしかかるように攻めていた時、身を反らして霧島を受け入れていた白く華奢な躰がふいに揺れて脱力しシーツに沈み込んだ。
 慌てて霧島は京哉を抱き締める。そのままそっとシーツに寝かせ直すと京哉は朦朧としていた。 

 そんな状態でとんでもなく綺麗な微笑みを見せる。

「すみま、せん……もっと忍さんを悦ばせたいのに……でも、僕、だめ――」

 言うなり京哉は目を閉じてしまった。失神するように眠ってしまったらしかった。

 一応バイタルサインを看たが何もかもが少し速いだけで正常範囲内である。安堵の溜息をつくと愛しい年下の恋人の髪を撫でてやり、霧島はベッドから滑り降りた。 

 互いの躰もシーツもべたべたで、これでは落ち着いて眠れまいと思った霧島は、洗面所に出向いてバスタオルを湯で絞ってくると京哉の躰を丁寧に拭いてやる。

 自分は雑に拭き、京哉を寝かせたまま器用にシーツも取り換えた。冷蔵庫からミネラルウォーターを出してきて半分飲むと、京哉がいつでも飲めるようにナイトテーブルにボトルを待機させる。見回してやるべきことがなくなったのを確認した。

 京哉にブルーの毛布を被せて自分も潜り込むと京哉に腕枕する。
 足も絡めて全身で抱き締めると霧島は大欠伸をして目を瞑った。
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