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第62話
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舌打ちした小田切の呟きで京哉は我に返り、跳ね起きると何もかも置いて駆け出した。霧島も続いて京哉と並ぶ。あとから寺岡の罵声が飛んできたが振り向かず、階段を駆け下りて小学校を出ると覆面に飛び乗った。
助手席に霧島が滑り込むなり京哉はステアリングを握ってアクセルを踏み込む。容赦なくパトライトと緊急音を出し住宅街を疾走させた。
ほんの僅かに呼吸を浅く速くした京哉の横顔を見て霧島が低い声を出す。
「京哉、少し落ち着け」
「落ち着いているように見えませんか?」
「見えるから怖いんだがな」
「それより忍さんはあんなに走ったりして怪我、痛まないですか?」
「私は問題ない。今、優先すべきは花梨だ」
まもなく森のような生け垣の道に入った。石畳を暫く走ると柵状門の手前に停まっていた救急車に覆面を寄せて駐める。飛び降りて京哉は走り出した。とてもではないが京哉を放っておけずに霧島も胸の痛みを堪えて追う。
まもなく屋敷の前に出て、刈られた芝生に立ち視線を彷徨わせると、ぶち破った三階の窓が歪んで落ち、破片だらけの筈の場所に人だかりがあった。
「花梨でしょうか?」
「おそらくな」
近づくと見慣れない捜査員らが囲んでいたが、小柄ながら京哉の醸す雰囲気に呑まれて芝生と破片の上に倒れた人間までの道を空ける。
それは全裸の花梨で口の端から血を流していた。躰に破片も刺さっている。それだけではない。可哀相に花梨は暴行や凌辱の限りを尽くされた痕跡が露わだった。
京哉は自分のジャケットを脱いで花梨に被せてやる。傍に跪くと花梨を抱き寄せ、膝の上に載せた。想像よりも軽かったのはともかく、体温までが下がり始めているのを感じながら花梨の顔に掛かった薄い色の長い髪をそっとかき分ける。
「花梨……花梨、戻ってきましたよ。僕です、京哉ですよ」
すると奇跡的にも花梨は意識を取り戻してうっすら目を開けた。再び呼びかけると花梨はもの言いたげに唇を動かしたが、口から出てくるのは血の泡ばかりだった。
そのクリアな動脈血の赤を目に映して京哉は思う。大丈夫、自分はこんな時の振る舞い方もちゃんと分かっているからと。
言いたいことを理解したように頷いて花梨の額に唇を押し当ててから抱き締める。
「花梨、約束通りに戻ってきましたよ。花梨……花梨!」
けれどもう花梨の躰は弛緩していた。微笑みを浮かべた真っ白な頬に血をなすりつけて。芝生に花梨を横たわらせた京哉は立ち上がる。
こんな時まで『自分は間違わなかった』と安堵している己に反吐が出そうな嫌悪を抱きながら。やはり自分は壊れている。それでもいい、一生掛かっても癒せるだけ癒そうと寄り添ってくれる人がいる。だから自分はいい。
でも寄り添う人がいない者は?
いや、もういないじゃないか……。
自然と京哉の躰は動いて待機していた救急隊員らに花梨を収容して貰うため声を掛けようとする。そこに見慣れない捜査員らが割って入った。
「青柳花梨の遺体は我々警視庁で預からせて貰う」
「遺体からでも残存薬物は採れるからな」
霧島は京哉が逆上するかと危惧し内心身構えたが、京哉はあっさり花梨の傍を離れた。無表情で歩き始めた京哉に追いつき、ジャケットを返してくれたのは高山と小室だった。傷だらけで足を引きずり腕もロクに動かない有様だが命は助かったのだ。
ジャケットを着ていない高山と小室にこちらもバディで礼を言い小学校に戻る。
スコープ越しに何もかも見ていたのだろう、寺岡と小田切は文句を言わなかった。
撤収してSAT本部に戻り、銃の手入れを終えて京哉は霧島と白いセダンでマンションに戻った。二日間は休んだのに二人とも酷く疲れが溜まっていて、三日前に時間が巻き戻ったような気すらしていた。
おそらく組のシノギのためなら自分の娘さえもすり潰してしまう立川拓真の鬼畜ぶりに当てられてしまったのだろうと霧島も思わざるを得ない。
だがそんなものに負けてはいられないとばかりに、京哉は冷凍してあった食材で夜食にチャーハンを作って霧島と食す。
しかしスプーンを口に運びながらも時折考え込む京哉を霧島が心配げに見ているのには気付かなかった。
◇◇◇◇
翌日は祝日の前日だった。一日出たら休みというのを糧にして二人は出勤した。
久々に機捜の詰め所に出ると皆が敬礼と笑顔で迎えてくれる。副隊長もちゃんと出勤していて京哉は茶を淹れて配給するのに忙しくなった。それが終わると皆が警邏に出て行ったのを見計らい、ハンディモップで各デスクを綺麗に掃除する。
納得するまで掃除してしまうと息抜きの合間にしか仕事をしない上司二人にとびきり濃い茶を淹れておいてノートパソコンの文書ファイルと格闘だ。不在中に溜まった書類の督促メールは何と十五通で上司たちを監視しつつ、たびたび檄を飛ばす。
「ほら、三人で手分けすれば一人五通なんですから、キリキリ働いて下さい!」
昼の幕の内弁当を食い、『護る会』の婦警謹製のアイスボックスクッキーを摘み、定時までに何とか書類を半分終わらせ、京哉は隊長と副隊長に帰宅許可を出した。
「ねえねえ、京哉くんは晩御飯、何にするのかな~っ?」
「貴様はまた、うちにたかりに来る気か?」
「ご飯は大勢で食べた方が美味しいだろ?」
「いい加減にしろ、とっとと貴様も嫁を貰え!」
「だって俺のオンリーワンは京哉くんなんだも~ん!」
「ふざけるな気色悪い。いいから鳴海、この貧乏神を置いて帰るぞ」
などと騒ぎつつ白いセダンにしっかり小田切も乗っている。だが帰りに寄ったスーパーカガミヤのレジでは珍しく小田切がカネを支払った。支払ったのに更に冷たい声で霧島は言う。
「ふん、貧乏神も多少は懐具合がマシになったようだな」
「お蔭様で身銭を切ることもなくなったからね。でもせっかく尽力してくれた霧島さんと京哉くんに言うのも悪いけど、イマイチすっきりしないんだよな」
「黒深会にはガサが入って大量のシャブを発見、会長以下幹部は挙げられただろう」
「知ってるさ。けど真王組に流れた筈のシャブは見つかってないじゃないか」
「確かにその点ではすっきりせんが、少しずつでも流れたら組対が遡って見つける筈だ。それはともかく貴様はペナルティの覚悟ができているんだろうな?」
「そんなものはとっくに――」
購入した食品のビニール袋を提げたまま、それまで黙って話を聞いていた京哉が、袋をそれぞれひとつずつ霧島と小田切に押しつけると大声で仕切る。
「ちょっと、お二人とも。食材が傷むじゃないですか。さっさと帰りますよ!」
マンションに帰り手を洗うと、怪我人霧島を休ませ京哉は黒いエプロンを着けた。
「なあ、京哉くん。すっきりしない第二弾なんだけれどもさ」
「また急に。何でしょうか、晩御飯を早く食べたければ手短にお願いしますよ」
食材を冷蔵庫、冷凍庫、ストッカーなどに振り分けてしまった京哉は小田切の話より夕食の仕込みに集中する。人参と玉ねぎのみじん切りを大量に作り始めた。
「どうして京哉くんは今回の件に最初あんなに乗り気だったのかなあ。俺への愛?」
助手席に霧島が滑り込むなり京哉はステアリングを握ってアクセルを踏み込む。容赦なくパトライトと緊急音を出し住宅街を疾走させた。
ほんの僅かに呼吸を浅く速くした京哉の横顔を見て霧島が低い声を出す。
「京哉、少し落ち着け」
「落ち着いているように見えませんか?」
「見えるから怖いんだがな」
「それより忍さんはあんなに走ったりして怪我、痛まないですか?」
「私は問題ない。今、優先すべきは花梨だ」
まもなく森のような生け垣の道に入った。石畳を暫く走ると柵状門の手前に停まっていた救急車に覆面を寄せて駐める。飛び降りて京哉は走り出した。とてもではないが京哉を放っておけずに霧島も胸の痛みを堪えて追う。
まもなく屋敷の前に出て、刈られた芝生に立ち視線を彷徨わせると、ぶち破った三階の窓が歪んで落ち、破片だらけの筈の場所に人だかりがあった。
「花梨でしょうか?」
「おそらくな」
近づくと見慣れない捜査員らが囲んでいたが、小柄ながら京哉の醸す雰囲気に呑まれて芝生と破片の上に倒れた人間までの道を空ける。
それは全裸の花梨で口の端から血を流していた。躰に破片も刺さっている。それだけではない。可哀相に花梨は暴行や凌辱の限りを尽くされた痕跡が露わだった。
京哉は自分のジャケットを脱いで花梨に被せてやる。傍に跪くと花梨を抱き寄せ、膝の上に載せた。想像よりも軽かったのはともかく、体温までが下がり始めているのを感じながら花梨の顔に掛かった薄い色の長い髪をそっとかき分ける。
「花梨……花梨、戻ってきましたよ。僕です、京哉ですよ」
すると奇跡的にも花梨は意識を取り戻してうっすら目を開けた。再び呼びかけると花梨はもの言いたげに唇を動かしたが、口から出てくるのは血の泡ばかりだった。
そのクリアな動脈血の赤を目に映して京哉は思う。大丈夫、自分はこんな時の振る舞い方もちゃんと分かっているからと。
言いたいことを理解したように頷いて花梨の額に唇を押し当ててから抱き締める。
「花梨、約束通りに戻ってきましたよ。花梨……花梨!」
けれどもう花梨の躰は弛緩していた。微笑みを浮かべた真っ白な頬に血をなすりつけて。芝生に花梨を横たわらせた京哉は立ち上がる。
こんな時まで『自分は間違わなかった』と安堵している己に反吐が出そうな嫌悪を抱きながら。やはり自分は壊れている。それでもいい、一生掛かっても癒せるだけ癒そうと寄り添ってくれる人がいる。だから自分はいい。
でも寄り添う人がいない者は?
いや、もういないじゃないか……。
自然と京哉の躰は動いて待機していた救急隊員らに花梨を収容して貰うため声を掛けようとする。そこに見慣れない捜査員らが割って入った。
「青柳花梨の遺体は我々警視庁で預からせて貰う」
「遺体からでも残存薬物は採れるからな」
霧島は京哉が逆上するかと危惧し内心身構えたが、京哉はあっさり花梨の傍を離れた。無表情で歩き始めた京哉に追いつき、ジャケットを返してくれたのは高山と小室だった。傷だらけで足を引きずり腕もロクに動かない有様だが命は助かったのだ。
ジャケットを着ていない高山と小室にこちらもバディで礼を言い小学校に戻る。
スコープ越しに何もかも見ていたのだろう、寺岡と小田切は文句を言わなかった。
撤収してSAT本部に戻り、銃の手入れを終えて京哉は霧島と白いセダンでマンションに戻った。二日間は休んだのに二人とも酷く疲れが溜まっていて、三日前に時間が巻き戻ったような気すらしていた。
おそらく組のシノギのためなら自分の娘さえもすり潰してしまう立川拓真の鬼畜ぶりに当てられてしまったのだろうと霧島も思わざるを得ない。
だがそんなものに負けてはいられないとばかりに、京哉は冷凍してあった食材で夜食にチャーハンを作って霧島と食す。
しかしスプーンを口に運びながらも時折考え込む京哉を霧島が心配げに見ているのには気付かなかった。
◇◇◇◇
翌日は祝日の前日だった。一日出たら休みというのを糧にして二人は出勤した。
久々に機捜の詰め所に出ると皆が敬礼と笑顔で迎えてくれる。副隊長もちゃんと出勤していて京哉は茶を淹れて配給するのに忙しくなった。それが終わると皆が警邏に出て行ったのを見計らい、ハンディモップで各デスクを綺麗に掃除する。
納得するまで掃除してしまうと息抜きの合間にしか仕事をしない上司二人にとびきり濃い茶を淹れておいてノートパソコンの文書ファイルと格闘だ。不在中に溜まった書類の督促メールは何と十五通で上司たちを監視しつつ、たびたび檄を飛ばす。
「ほら、三人で手分けすれば一人五通なんですから、キリキリ働いて下さい!」
昼の幕の内弁当を食い、『護る会』の婦警謹製のアイスボックスクッキーを摘み、定時までに何とか書類を半分終わらせ、京哉は隊長と副隊長に帰宅許可を出した。
「ねえねえ、京哉くんは晩御飯、何にするのかな~っ?」
「貴様はまた、うちにたかりに来る気か?」
「ご飯は大勢で食べた方が美味しいだろ?」
「いい加減にしろ、とっとと貴様も嫁を貰え!」
「だって俺のオンリーワンは京哉くんなんだも~ん!」
「ふざけるな気色悪い。いいから鳴海、この貧乏神を置いて帰るぞ」
などと騒ぎつつ白いセダンにしっかり小田切も乗っている。だが帰りに寄ったスーパーカガミヤのレジでは珍しく小田切がカネを支払った。支払ったのに更に冷たい声で霧島は言う。
「ふん、貧乏神も多少は懐具合がマシになったようだな」
「お蔭様で身銭を切ることもなくなったからね。でもせっかく尽力してくれた霧島さんと京哉くんに言うのも悪いけど、イマイチすっきりしないんだよな」
「黒深会にはガサが入って大量のシャブを発見、会長以下幹部は挙げられただろう」
「知ってるさ。けど真王組に流れた筈のシャブは見つかってないじゃないか」
「確かにその点ではすっきりせんが、少しずつでも流れたら組対が遡って見つける筈だ。それはともかく貴様はペナルティの覚悟ができているんだろうな?」
「そんなものはとっくに――」
購入した食品のビニール袋を提げたまま、それまで黙って話を聞いていた京哉が、袋をそれぞれひとつずつ霧島と小田切に押しつけると大声で仕切る。
「ちょっと、お二人とも。食材が傷むじゃないですか。さっさと帰りますよ!」
マンションに帰り手を洗うと、怪我人霧島を休ませ京哉は黒いエプロンを着けた。
「なあ、京哉くん。すっきりしない第二弾なんだけれどもさ」
「また急に。何でしょうか、晩御飯を早く食べたければ手短にお願いしますよ」
食材を冷蔵庫、冷凍庫、ストッカーなどに振り分けてしまった京哉は小田切の話より夕食の仕込みに集中する。人参と玉ねぎのみじん切りを大量に作り始めた。
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