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第19話
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ずかずかとリビングまで踏み込んだ沙織は勝手に独り掛けソファに陣取った。霧島は眉間にクレバス並みのシワを寄せつつも、客扱いして早々に追い出す手に出る。
「ウーロン茶とアイスコーヒーがあるが」
「アイスコーヒーを頂くわ」
京哉がアイスコーヒーをロンググラスに注いで沙織に出し、霧島と共に二人掛けソファに腰を下ろした。沙織は遠慮の欠片も見せずグラスを傾けてひとくち啜ると、手にしていたハンドバッグを開けて中から拳銃を取り出し京哉に銃口を向ける。
霧島は鼻を鳴らした。
「ふん、M360Jサクラか。女子高生が大した得物を持っているな」
「そうね、三十八口径スペシャル弾を五発装填可能なリボルバよ」
「説明されずともきみより詳しく知っている。そんなもの何処で手に入れた?」
「うちの支社の下請けでも細々と部品を作って納入してるのよ」
「納入先から逆に仕入れた訳か。オリジナルにない付属品はともかく本体はS&Wが製造している筈だ。興味本位で密輸するにも高くついただろう」
「これでもアガサ商事の社長よ。コネだってあるもの」
喋りながらも銃口は揺らがない。霧島は切れ長の目で沙織を冷たく睨む。
「私たちに現逮されに来たのでもなければ、自社関連製品を売り込みに来たのでもないのだろう。ここで死にたくなければそんなものはしまっておけ」
「祖父と同じ轍を踏むかどうかは試してみなくちゃ分からないわ」
「試さなくても分かる。きみがトリガを引くより京哉が抜き撃つ方が速い」
割と堂に入った構え方をした沙織の指はトリガに掛かり引き絞る寸前だった。
「キルマシンって訳ね。何故祖父を殺したの? 本当の理由を教えて、鳴海京哉」
「アガサ商事前会長はD国のダブルスパイの女性に嵌められた。平たく言えばハニートラップに掛かって本人も知らないうちに自ら国を裏切るスパイになったんです」
「それが理由? わたしが訊いてるのは貴方個人の理由よ」
「さあ……命令だったからでしょうか」
「やめろ、京哉!」
霧島が叫ぶのと京哉がシグを抜くのは同時、沙織がトリガフィンガーに力を込めたのは一瞬後だった。だが撃発音は響かない。沙織のリボルバから弾丸は発射されなかった。未装填だったのだ。
一方で霧島は身を乗り出し、京哉の視界から沙織を遮っている。利き手ではない左手でシグを抜いても誤射する京哉ではなかった。
弾薬の入っていない、まだシリンダも回らない作りかけのリボルバを沙織は投げ出すようにロウテーブルに置いた。重たい音を聞きながら京哉もシグを腹のベルトに戻す。年下の恋人がシグを抜いたのは本気で撃つためだったと察していた霧島は額に浮かんだ冷や汗を拭った。
違う言い方もあろうに、わざと挑発するような科白を吐いたパートナーの胸中に思いを馳せながら、その京哉が煙草一本を弄ぶのを横目に唇を噛んだ沙織に訊く。
「それで本当は何をしに来たんだ?」
「貴方たちに……ガードを頼みに来たのよ。救急車の中で命令されてたでしょう?」
「それは撤回された。大体ガードなら所轄署地域課の制服が就いているだろう?」
「撤収しちゃったわ。ストーカーも現れないし、これ以上人員を割けないって」
「だからといって私たちに頼られても困るんだがな。日々の職務もある」
「そう。でも、そこを何とか頼めないかしら。じつは狙われる理由は鳴海さんがスナイパーって秘密を知ったからだけじゃないのよ」
「何なんだ、きみは。社長とはいえ女子高生が何故そんなネタを拾ってくる?」
硬い顔つきをして沙織が説明した。今現在アガサ商事は役員を中心に分裂した挙げ句、他社から吸収合併される寸前まで追い込まれているらしい。
「前会長の祖父が死んでわたしの父が社を継いだわ。でもワンマン経営だった祖父の権力は絶大だった。代替わりした父では社をまとめきれずに分裂したの。そこで父まで死んで台頭したのが前会長の秘書だった城山って人物。彼が本社専務の三沢という使えないイエスマンを傀儡にして殆どの支社を乗っ取ったの」
今ではアガサ商事社長としての沙織に残されたのは白藤支社だけという。
「おまけに三沢派はアガサ商事を松永工業に売却しようとしてるのよ」
「松永工業とは聞かん名だな」
「会社員でもない貴方たちが知らないのも無理ないわね。松永工業はあの海棠組のフロント企業のひとつよ。この業界では誰もが松永工業を不良会社と見做してるわ」
「だが売却するしかないほどアガサ商事は負債を抱えているのか?」
「悔しいけれど、まあね。でももう一件、麻生重工からも声は掛けられているの」
「大手の麻生は優良企業だろう。そちらに売却すればどうだ?」
「そう簡単にはいかないのよ、霧島の御曹司さん」
松永工業は新たな部門を作ってまでアガサ商事の全従業員の面倒を見る上に、役員にもそれなりのポストを約束するという破格の合併条件を提示しているらしい。対して麻生重工は大手だけに対等な合併は難しく、まさに吸収といった形になるという。
麻生重工を選べば結果として大勢の従業員がリストラの憂き目に遭うのだ。
「それに祖父が血の滲む思いで作り上げたアガサ商事の看板もこの世から消えるわ」
「それでどっちつかずという訳か。で、具体的に狙われたことがあるのか?」
「ええ。半月前、わたしの代わりに白藤支社の秘書が暴走車に撥ねられて未だ入院してるわ。社内や屋敷前に塗料や動物の死骸を撒かれる悪戯なら数えきれない」
「所轄署には届けてあるんだな?」
「勿論よ。でも結局は自力でガードを雇えって」
「是非ともそうすることをお勧めする。どっちつかずのまま悪戯がエスカレートすれば、いつかはきみも殺されるぞ。そうなれば社内の松永工業派の天下だろう」
当然のことを言われ沙織は怒りに燃える目を霧島と京哉に向けて叫んだ。
「悔しいけど、だからあんたたちなんかを頼りにしなきゃならないのよ! わたしが自由にできる白藤支社にはもうわたしのガードを雇うお金なんかないし、わたしはわたしを信じてくれている従業員のために死ぬ訳にはいかないんだもの!」
膝のハンドバッグを握った手が激情に震えていた。黙っていた京哉が口を開く。
「いつまでもガードはできませんよ?」
「おい京哉、お前は受ける気なのか?」
「元々本部長だって僕らにガードを振ったじゃないですか。一度は撤回されましたが本部長だって僕の問題は僕が解決するのが一番後腐れがないと承知してる筈です」
「それはそうだが……このガードにお前ほど向かん人間はいないぞ?」
「でも暗殺スナイパーの秘密で脅されて仕方なくガードに就くか、素直に自ら就くかの違いだけですよ?」
「ならば私が一人でガードに就く」
「一人を一人でガードできる訳ないでしょう、映画じゃあるまいし。僕も就きます」
二人のやり取りを見ていた沙織が口を挟んだ。
「ずっとなんて言わないわ。麻生重工には『アガサの名を残すこと』と『希望する従業員全員の雇用確保』って条件を提示してあるの。その返答を十日後に受け取るわ」
「だそうですよ、忍さん。ことは十日で終わるんですから」
「しかし信頼関係のないガードとは……」
複雑な表情で沙織は二人を見つめている。胸中はもっと複雑だろうが選択肢はないのだ。だが許せない相手に頭など下げられず、身を固くして様子を窺っている。
「夜間の警備まで退いたのか?」
「それは大丈夫よ。懇意にしている警備会社が夜は見張ってくれているもの」
だったら何故沙織は一人でここまでやってきたのか。野放し状態で大丈夫も何もあったものではない。けれどそこまで自分たちが面倒を見る謂われもなかった。
「分かった、あとで屋敷まで送る。先にカレーを食わせてくれ」
霧島が一ノ瀬警視監に連絡を取り西原沙織のガードの件の了承を得てから、慌ただしく食事を終えて三人は黒塗りに移動しアガサ商事社長の私邸に向かう。
その間ずっと京哉は窓外を眺めて一言も喋らない。代わりに霧島が沙織に告げた。
「十日間私たちはチームだ。少人数である以上マル対、いわゆる警護対象者にも協力を願わないとガードは難しい。それを頭に叩き込んでおいて貰いたい」
「心しておくわ」
無事に屋敷に辿り着いて沙織がドアを閉めるのを確認してから黒塗りで屋敷の周囲を回ると、なるほど老齢の警備員ばかりが複数立っている。彼らを確認したのち明日以降の準備のため県警本部に向かった。
相変わらず京哉は喋らない。横顔は冷たいまでに表情を消している。五年間の暗殺スナイパー生活から京哉が他人との関係構築を避ける傾向にあるのを霧島は知っていた。
その京哉が沙織のガードを受けた理由は、自分の秘密を誰が沙織に洩らしたのか探るためだろう。未だ京哉にとって脅威は去った訳ではないのだ。
「京哉。あのときお前は本気で沙織を撃とうとしたのか?」
「さあ、どうでしょうか。でもあの状況なら正当防衛ですよね」
確かに京哉が閃かせた殺気は本物だった。
今更ながら霧島は溜息を震わせた。
「ウーロン茶とアイスコーヒーがあるが」
「アイスコーヒーを頂くわ」
京哉がアイスコーヒーをロンググラスに注いで沙織に出し、霧島と共に二人掛けソファに腰を下ろした。沙織は遠慮の欠片も見せずグラスを傾けてひとくち啜ると、手にしていたハンドバッグを開けて中から拳銃を取り出し京哉に銃口を向ける。
霧島は鼻を鳴らした。
「ふん、M360Jサクラか。女子高生が大した得物を持っているな」
「そうね、三十八口径スペシャル弾を五発装填可能なリボルバよ」
「説明されずともきみより詳しく知っている。そんなもの何処で手に入れた?」
「うちの支社の下請けでも細々と部品を作って納入してるのよ」
「納入先から逆に仕入れた訳か。オリジナルにない付属品はともかく本体はS&Wが製造している筈だ。興味本位で密輸するにも高くついただろう」
「これでもアガサ商事の社長よ。コネだってあるもの」
喋りながらも銃口は揺らがない。霧島は切れ長の目で沙織を冷たく睨む。
「私たちに現逮されに来たのでもなければ、自社関連製品を売り込みに来たのでもないのだろう。ここで死にたくなければそんなものはしまっておけ」
「祖父と同じ轍を踏むかどうかは試してみなくちゃ分からないわ」
「試さなくても分かる。きみがトリガを引くより京哉が抜き撃つ方が速い」
割と堂に入った構え方をした沙織の指はトリガに掛かり引き絞る寸前だった。
「キルマシンって訳ね。何故祖父を殺したの? 本当の理由を教えて、鳴海京哉」
「アガサ商事前会長はD国のダブルスパイの女性に嵌められた。平たく言えばハニートラップに掛かって本人も知らないうちに自ら国を裏切るスパイになったんです」
「それが理由? わたしが訊いてるのは貴方個人の理由よ」
「さあ……命令だったからでしょうか」
「やめろ、京哉!」
霧島が叫ぶのと京哉がシグを抜くのは同時、沙織がトリガフィンガーに力を込めたのは一瞬後だった。だが撃発音は響かない。沙織のリボルバから弾丸は発射されなかった。未装填だったのだ。
一方で霧島は身を乗り出し、京哉の視界から沙織を遮っている。利き手ではない左手でシグを抜いても誤射する京哉ではなかった。
弾薬の入っていない、まだシリンダも回らない作りかけのリボルバを沙織は投げ出すようにロウテーブルに置いた。重たい音を聞きながら京哉もシグを腹のベルトに戻す。年下の恋人がシグを抜いたのは本気で撃つためだったと察していた霧島は額に浮かんだ冷や汗を拭った。
違う言い方もあろうに、わざと挑発するような科白を吐いたパートナーの胸中に思いを馳せながら、その京哉が煙草一本を弄ぶのを横目に唇を噛んだ沙織に訊く。
「それで本当は何をしに来たんだ?」
「貴方たちに……ガードを頼みに来たのよ。救急車の中で命令されてたでしょう?」
「それは撤回された。大体ガードなら所轄署地域課の制服が就いているだろう?」
「撤収しちゃったわ。ストーカーも現れないし、これ以上人員を割けないって」
「だからといって私たちに頼られても困るんだがな。日々の職務もある」
「そう。でも、そこを何とか頼めないかしら。じつは狙われる理由は鳴海さんがスナイパーって秘密を知ったからだけじゃないのよ」
「何なんだ、きみは。社長とはいえ女子高生が何故そんなネタを拾ってくる?」
硬い顔つきをして沙織が説明した。今現在アガサ商事は役員を中心に分裂した挙げ句、他社から吸収合併される寸前まで追い込まれているらしい。
「前会長の祖父が死んでわたしの父が社を継いだわ。でもワンマン経営だった祖父の権力は絶大だった。代替わりした父では社をまとめきれずに分裂したの。そこで父まで死んで台頭したのが前会長の秘書だった城山って人物。彼が本社専務の三沢という使えないイエスマンを傀儡にして殆どの支社を乗っ取ったの」
今ではアガサ商事社長としての沙織に残されたのは白藤支社だけという。
「おまけに三沢派はアガサ商事を松永工業に売却しようとしてるのよ」
「松永工業とは聞かん名だな」
「会社員でもない貴方たちが知らないのも無理ないわね。松永工業はあの海棠組のフロント企業のひとつよ。この業界では誰もが松永工業を不良会社と見做してるわ」
「だが売却するしかないほどアガサ商事は負債を抱えているのか?」
「悔しいけれど、まあね。でももう一件、麻生重工からも声は掛けられているの」
「大手の麻生は優良企業だろう。そちらに売却すればどうだ?」
「そう簡単にはいかないのよ、霧島の御曹司さん」
松永工業は新たな部門を作ってまでアガサ商事の全従業員の面倒を見る上に、役員にもそれなりのポストを約束するという破格の合併条件を提示しているらしい。対して麻生重工は大手だけに対等な合併は難しく、まさに吸収といった形になるという。
麻生重工を選べば結果として大勢の従業員がリストラの憂き目に遭うのだ。
「それに祖父が血の滲む思いで作り上げたアガサ商事の看板もこの世から消えるわ」
「それでどっちつかずという訳か。で、具体的に狙われたことがあるのか?」
「ええ。半月前、わたしの代わりに白藤支社の秘書が暴走車に撥ねられて未だ入院してるわ。社内や屋敷前に塗料や動物の死骸を撒かれる悪戯なら数えきれない」
「所轄署には届けてあるんだな?」
「勿論よ。でも結局は自力でガードを雇えって」
「是非ともそうすることをお勧めする。どっちつかずのまま悪戯がエスカレートすれば、いつかはきみも殺されるぞ。そうなれば社内の松永工業派の天下だろう」
当然のことを言われ沙織は怒りに燃える目を霧島と京哉に向けて叫んだ。
「悔しいけど、だからあんたたちなんかを頼りにしなきゃならないのよ! わたしが自由にできる白藤支社にはもうわたしのガードを雇うお金なんかないし、わたしはわたしを信じてくれている従業員のために死ぬ訳にはいかないんだもの!」
膝のハンドバッグを握った手が激情に震えていた。黙っていた京哉が口を開く。
「いつまでもガードはできませんよ?」
「おい京哉、お前は受ける気なのか?」
「元々本部長だって僕らにガードを振ったじゃないですか。一度は撤回されましたが本部長だって僕の問題は僕が解決するのが一番後腐れがないと承知してる筈です」
「それはそうだが……このガードにお前ほど向かん人間はいないぞ?」
「でも暗殺スナイパーの秘密で脅されて仕方なくガードに就くか、素直に自ら就くかの違いだけですよ?」
「ならば私が一人でガードに就く」
「一人を一人でガードできる訳ないでしょう、映画じゃあるまいし。僕も就きます」
二人のやり取りを見ていた沙織が口を挟んだ。
「ずっとなんて言わないわ。麻生重工には『アガサの名を残すこと』と『希望する従業員全員の雇用確保』って条件を提示してあるの。その返答を十日後に受け取るわ」
「だそうですよ、忍さん。ことは十日で終わるんですから」
「しかし信頼関係のないガードとは……」
複雑な表情で沙織は二人を見つめている。胸中はもっと複雑だろうが選択肢はないのだ。だが許せない相手に頭など下げられず、身を固くして様子を窺っている。
「夜間の警備まで退いたのか?」
「それは大丈夫よ。懇意にしている警備会社が夜は見張ってくれているもの」
だったら何故沙織は一人でここまでやってきたのか。野放し状態で大丈夫も何もあったものではない。けれどそこまで自分たちが面倒を見る謂われもなかった。
「分かった、あとで屋敷まで送る。先にカレーを食わせてくれ」
霧島が一ノ瀬警視監に連絡を取り西原沙織のガードの件の了承を得てから、慌ただしく食事を終えて三人は黒塗りに移動しアガサ商事社長の私邸に向かう。
その間ずっと京哉は窓外を眺めて一言も喋らない。代わりに霧島が沙織に告げた。
「十日間私たちはチームだ。少人数である以上マル対、いわゆる警護対象者にも協力を願わないとガードは難しい。それを頭に叩き込んでおいて貰いたい」
「心しておくわ」
無事に屋敷に辿り着いて沙織がドアを閉めるのを確認してから黒塗りで屋敷の周囲を回ると、なるほど老齢の警備員ばかりが複数立っている。彼らを確認したのち明日以降の準備のため県警本部に向かった。
相変わらず京哉は喋らない。横顔は冷たいまでに表情を消している。五年間の暗殺スナイパー生活から京哉が他人との関係構築を避ける傾向にあるのを霧島は知っていた。
その京哉が沙織のガードを受けた理由は、自分の秘密を誰が沙織に洩らしたのか探るためだろう。未だ京哉にとって脅威は去った訳ではないのだ。
「京哉。あのときお前は本気で沙織を撃とうとしたのか?」
「さあ、どうでしょうか。でもあの状況なら正当防衛ですよね」
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