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第35話
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食事中には仕事の話をせず、綺麗にプレートを空にして、セルフサーヴィスのコーヒーを手に入れてからハイファの成果を訊く。だがハイファは浮かない顔だった。
「綺麗さっぱり、何にも出てこなかったよ」
「マジでダリア素子も何もかも、か?」
頷いてハイファはテーブルに肘をつく。片手で半分減った紙コップを弄んだ。
「本当に何処にも出てこない、クリーンすぎるくらいだよ」
「そうか。マフィア・レナードファミリーとしてはどうだ?」
「そっちはねえ、マフィアだし、それなりに帳簿は怪しいよ。でもニセクレジットでがっぽりって風には思えないんだよね。カジノでちょっと強引な儲け方してるくらいかな」
「そうか、一旦それは棚上げだ。あとは本星の捜査がどれだけ進んだかと、本日のノルマだな」
浮かない顔のままハイファはシドを横目で睨む。
「初日からノルマなんてどうでもいいけど、貴方もたまにはダイレクトワープ通信してみてよね。別室戦術コンに訊くだけでいいからサ」
「分かったから、そんな目で見るなって」
紙コップを干してしまうと五十八階に戻って喫煙ルームに二人は向かった。シドが別室に送る文書を捻る間、ハイファは誰とも知れぬ相手と発振の応酬をしていた。
咥え煙草でダイレクトワープ通信を送り終えるとシドが呟く。
「こうなったら外歩きで四十五口径ホローポイントをおびき出す方がいいかもな」
「そんな満身創痍で? 却下しまーす。ってゆうか貴方、病院行こ、病院」
「もう治りかけてんだから、いい」
「治りかけが大事じゃない。せっかくだし、ほら、行くよ!」
素早く直近の病院を検索したハイファは、シドの襟首を掴むようにしてエレベーターまで連行する。一階に降りてエントランスを抜けると超高層ビルの谷間からは青空が垣間見え、やや暑いながらもビル風に吹かれてシドは気持ち良さと共に観念し病院に向かった。
直近の外科病院はワンブロック先のビルの中に居を構えていた。
受付をハイファが済ませてから随分待たされ、やっと名を呼ばれて診察室に入ると、ギプス包帯を引っぺがされて簡易スキャンされた。順調に治りかけていることを確かめたのち部分点滴をされてから、再びギプス包帯をキッチリ巻かれる。
ハイファがクレジット精算し、病院を出ると十五時になっていた。
「さあて、帰ったら今度はグレアム通信機器株式会社を探るからね」
「まだ粘るのか? 無理しないでいいぞ」
「無理じゃないけど、どうして? このまま一生リーマンやってる訳に行かないじゃない」
「確かにそうなんだが……レナードもグレアムも、シロのような気がしてな」
「じゃあ何処の誰がニセクレジット入りリモータを売って、ダリアネットワークを組織してるってのサ?」
そう訊かれると返す言葉を持たないシドだった。モヤモヤしたモノはまだ頭の中で形にならず、今は可能性のある所から探るしかなかった。ハイファのハッキングに期待するしかない。
社のビルに戻ると先に三十五階のステーションでモノレールの回数券を買ってから、今度はレイストローム社に一旦戻る。
だがレイストローム社の販売促進部ではちょっとした騒ぎが持ち上がっていた。いや、二人が販促部のフロアに入った途端に騒ぎになったのである。
フロアに入るなり破裂音がしてシドとハイファは思わず銃を抜きそうになった。しかし色鮮やかな紙テープと紙吹雪が舞うのを目にし、すぐにそれがクラッカーだと知る。
ゲイリーが二人に歩み寄り、肩を叩いて労った。
「やってくれたな、新人。まさかファサルートコーポレーション・フラナス支社と契約を結ぶとは」
そういうことかとシドは微笑みを浮かべたハイファの横顔を見る。
「億単位の契約だ。あんたらはもう今月いっぱい遊んでていい」
「いや、俺の契約がもう少しで上手く行きそうなんだ。頼む、同行してくれ!」
「俺の方が大口だ、ちょっとでいい、一緒に先方に顔を出してくれ!」
我も我もと押し寄せる販促部員たちを微笑みだけであしらい、ハイファは貰ったデスクに着くと、また静かに検索を始めた。今度はグレアムファミリー、意地でもニセクレジットの証拠を掴んでやるという意気込みである。
けれどそこにノンナと中年男が一人やってきてハイファの作業を邪魔した。
「ユーリーにシド、ちょっといいかしら」
顔を上げると中年男が二人を見比べたのちに自ら名乗る。
「ウィル=フィッシャーマン、精密通信機器部長だ。宜しく」
「はあ、何でしょうか?」
赤ら顔の小男である精密通信機器部長殿は滔々と喋り始めた。五分は途切れなく喋った。いつ息継ぎをしているのか分からないくらい喋った。だが話は単純だった。
「――ということで、今からわたしと取引先に同行して欲しいのだよ」
つまりは他の販促部員たちと狙いは同じらしかった。初日からヒットどころか場外ホームランを飛ばした新人に、新たな契約を結ぶ手伝いをさせたいという、それだけだった。
それだけだが新人サラリーマンが部長のお願いを蹴飛ばしたらどうなるのか、二人には予測もつかなかった。ここは頷くしかなくハイファは端末を片付ける。
「何時からのアポなんですか?」
「十六時、場所はリーランだ。悪いねえ」
すまなそうにした部長は、いよいよ顔を赤くしてハイファに暫し見とれた。シドはムッとして部長とハイファの間に割って入る。バディの不機嫌を敏感に察知してハイファはそそくさと立ち上がった。部長に付き従うようにして二人は販促部を出る。
「リーランに十六時じゃ、モノレールでは間に合いませんよね?」
「三十五階にBELを待機させている。いやあ、すまないねえ」
廊下には精密通信機器部の部下が一人待ち構えていた。この男も同行するらしい。四人でエレベーターに乗り、三十五階のステーション兼BEL駐機場で降りる。
小型の社用BELに乗り込むとパイロット席に腰掛けた部下がすぐにテイクオフさせた。ビルの中腹から飛び出したBELはモノレールとスカイチューブを縫うという、定期BELと同じくアクロバティックなプログラミングでリーランへと向かう。
リーランの都市が遠目に見える頃になってハイファが部長に訊いた。
「あのう、リーランの歓楽街ってことは、まさか取引先はマフィアなんじゃ……」
「悪いねえ、その通りなんだ。デイル=コッカー、コッカーファミリーのドンだよ」
シドとハイファは顔を見合わせた。シドは嫌な予感が的中する予感がした。
「何でこっちのアリミア側で話をつける、いや、商談をしねぇんだ?」
「いやあ、事務所はアリミアにもあるんだが、昔気質のドンでこっち側には滅多に出てこないんだよ。待っていてはいつになるか分からない。だからこの商談は是非ともまとめて――」
またも滔々と喋り出した部長の話など二人はもう聞いてはいなかった。パイロット席に腰掛けた部下の男が硬い顔を引き攣らせているのを見て、ますます嫌な気分となる。
しかし心配の重みに負けずBELは順調に飛翔し、リーランの歓楽街のド真ん中にあるビルの屋上にふわりとランディングした。四人で降機する。部長が解説した。
「ドンの執務室はここの九階にあるんだ」
エレベーターに乗った時点でいかにもな三下の五人に囲まれた。二十階建ての九階に着く頃にはエレベーターは三下でパンパンになり、箱が破裂しそうだった。そのために遅まきながらハイファはコッカーファミリーについて検索しようとしたが叶わない。
そのまま四人は連行されるようにして執務室前までやってきた。アポは取ってあるのでそこまでは順調だった。だが身体検査をされそうになってシドはハイファに触れようとした三下の腕を掴み、睨み据えて低い声を出す。
「ドンの客に対して失礼じゃねぇか」
若くとも幾多のホシをウタわせてきた威圧感はダテではなく、三下は仰け反ってシドとハイファから一歩、二歩と退いた。退きながらも三下は懐に手を入れている。銃のグリップを握っているのだ。三下五人がそうやって後退し、執務室のオートドアがガーと開いた。
五人の三下に引き続いてカタギの四人はドンの執務室に足を踏み入れる。
「綺麗さっぱり、何にも出てこなかったよ」
「マジでダリア素子も何もかも、か?」
頷いてハイファはテーブルに肘をつく。片手で半分減った紙コップを弄んだ。
「本当に何処にも出てこない、クリーンすぎるくらいだよ」
「そうか。マフィア・レナードファミリーとしてはどうだ?」
「そっちはねえ、マフィアだし、それなりに帳簿は怪しいよ。でもニセクレジットでがっぽりって風には思えないんだよね。カジノでちょっと強引な儲け方してるくらいかな」
「そうか、一旦それは棚上げだ。あとは本星の捜査がどれだけ進んだかと、本日のノルマだな」
浮かない顔のままハイファはシドを横目で睨む。
「初日からノルマなんてどうでもいいけど、貴方もたまにはダイレクトワープ通信してみてよね。別室戦術コンに訊くだけでいいからサ」
「分かったから、そんな目で見るなって」
紙コップを干してしまうと五十八階に戻って喫煙ルームに二人は向かった。シドが別室に送る文書を捻る間、ハイファは誰とも知れぬ相手と発振の応酬をしていた。
咥え煙草でダイレクトワープ通信を送り終えるとシドが呟く。
「こうなったら外歩きで四十五口径ホローポイントをおびき出す方がいいかもな」
「そんな満身創痍で? 却下しまーす。ってゆうか貴方、病院行こ、病院」
「もう治りかけてんだから、いい」
「治りかけが大事じゃない。せっかくだし、ほら、行くよ!」
素早く直近の病院を検索したハイファは、シドの襟首を掴むようにしてエレベーターまで連行する。一階に降りてエントランスを抜けると超高層ビルの谷間からは青空が垣間見え、やや暑いながらもビル風に吹かれてシドは気持ち良さと共に観念し病院に向かった。
直近の外科病院はワンブロック先のビルの中に居を構えていた。
受付をハイファが済ませてから随分待たされ、やっと名を呼ばれて診察室に入ると、ギプス包帯を引っぺがされて簡易スキャンされた。順調に治りかけていることを確かめたのち部分点滴をされてから、再びギプス包帯をキッチリ巻かれる。
ハイファがクレジット精算し、病院を出ると十五時になっていた。
「さあて、帰ったら今度はグレアム通信機器株式会社を探るからね」
「まだ粘るのか? 無理しないでいいぞ」
「無理じゃないけど、どうして? このまま一生リーマンやってる訳に行かないじゃない」
「確かにそうなんだが……レナードもグレアムも、シロのような気がしてな」
「じゃあ何処の誰がニセクレジット入りリモータを売って、ダリアネットワークを組織してるってのサ?」
そう訊かれると返す言葉を持たないシドだった。モヤモヤしたモノはまだ頭の中で形にならず、今は可能性のある所から探るしかなかった。ハイファのハッキングに期待するしかない。
社のビルに戻ると先に三十五階のステーションでモノレールの回数券を買ってから、今度はレイストローム社に一旦戻る。
だがレイストローム社の販売促進部ではちょっとした騒ぎが持ち上がっていた。いや、二人が販促部のフロアに入った途端に騒ぎになったのである。
フロアに入るなり破裂音がしてシドとハイファは思わず銃を抜きそうになった。しかし色鮮やかな紙テープと紙吹雪が舞うのを目にし、すぐにそれがクラッカーだと知る。
ゲイリーが二人に歩み寄り、肩を叩いて労った。
「やってくれたな、新人。まさかファサルートコーポレーション・フラナス支社と契約を結ぶとは」
そういうことかとシドは微笑みを浮かべたハイファの横顔を見る。
「億単位の契約だ。あんたらはもう今月いっぱい遊んでていい」
「いや、俺の契約がもう少しで上手く行きそうなんだ。頼む、同行してくれ!」
「俺の方が大口だ、ちょっとでいい、一緒に先方に顔を出してくれ!」
我も我もと押し寄せる販促部員たちを微笑みだけであしらい、ハイファは貰ったデスクに着くと、また静かに検索を始めた。今度はグレアムファミリー、意地でもニセクレジットの証拠を掴んでやるという意気込みである。
けれどそこにノンナと中年男が一人やってきてハイファの作業を邪魔した。
「ユーリーにシド、ちょっといいかしら」
顔を上げると中年男が二人を見比べたのちに自ら名乗る。
「ウィル=フィッシャーマン、精密通信機器部長だ。宜しく」
「はあ、何でしょうか?」
赤ら顔の小男である精密通信機器部長殿は滔々と喋り始めた。五分は途切れなく喋った。いつ息継ぎをしているのか分からないくらい喋った。だが話は単純だった。
「――ということで、今からわたしと取引先に同行して欲しいのだよ」
つまりは他の販促部員たちと狙いは同じらしかった。初日からヒットどころか場外ホームランを飛ばした新人に、新たな契約を結ぶ手伝いをさせたいという、それだけだった。
それだけだが新人サラリーマンが部長のお願いを蹴飛ばしたらどうなるのか、二人には予測もつかなかった。ここは頷くしかなくハイファは端末を片付ける。
「何時からのアポなんですか?」
「十六時、場所はリーランだ。悪いねえ」
すまなそうにした部長は、いよいよ顔を赤くしてハイファに暫し見とれた。シドはムッとして部長とハイファの間に割って入る。バディの不機嫌を敏感に察知してハイファはそそくさと立ち上がった。部長に付き従うようにして二人は販促部を出る。
「リーランに十六時じゃ、モノレールでは間に合いませんよね?」
「三十五階にBELを待機させている。いやあ、すまないねえ」
廊下には精密通信機器部の部下が一人待ち構えていた。この男も同行するらしい。四人でエレベーターに乗り、三十五階のステーション兼BEL駐機場で降りる。
小型の社用BELに乗り込むとパイロット席に腰掛けた部下がすぐにテイクオフさせた。ビルの中腹から飛び出したBELはモノレールとスカイチューブを縫うという、定期BELと同じくアクロバティックなプログラミングでリーランへと向かう。
リーランの都市が遠目に見える頃になってハイファが部長に訊いた。
「あのう、リーランの歓楽街ってことは、まさか取引先はマフィアなんじゃ……」
「悪いねえ、その通りなんだ。デイル=コッカー、コッカーファミリーのドンだよ」
シドとハイファは顔を見合わせた。シドは嫌な予感が的中する予感がした。
「何でこっちのアリミア側で話をつける、いや、商談をしねぇんだ?」
「いやあ、事務所はアリミアにもあるんだが、昔気質のドンでこっち側には滅多に出てこないんだよ。待っていてはいつになるか分からない。だからこの商談は是非ともまとめて――」
またも滔々と喋り出した部長の話など二人はもう聞いてはいなかった。パイロット席に腰掛けた部下の男が硬い顔を引き攣らせているのを見て、ますます嫌な気分となる。
しかし心配の重みに負けずBELは順調に飛翔し、リーランの歓楽街のド真ん中にあるビルの屋上にふわりとランディングした。四人で降機する。部長が解説した。
「ドンの執務室はここの九階にあるんだ」
エレベーターに乗った時点でいかにもな三下の五人に囲まれた。二十階建ての九階に着く頃にはエレベーターは三下でパンパンになり、箱が破裂しそうだった。そのために遅まきながらハイファはコッカーファミリーについて検索しようとしたが叶わない。
そのまま四人は連行されるようにして執務室前までやってきた。アポは取ってあるのでそこまでは順調だった。だが身体検査をされそうになってシドはハイファに触れようとした三下の腕を掴み、睨み据えて低い声を出す。
「ドンの客に対して失礼じゃねぇか」
若くとも幾多のホシをウタわせてきた威圧感はダテではなく、三下は仰け反ってシドとハイファから一歩、二歩と退いた。退きながらも三下は懐に手を入れている。銃のグリップを握っているのだ。三下五人がそうやって後退し、執務室のオートドアがガーと開いた。
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