あなた♡おもちゃ~嘘から始まる、イケメンパティシエとの甘くて美味しい脅され関係~

ささきさき

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27:暗い部屋の中、光るそれ※

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 明かりを落とした暗い部屋の中、響く男女の笑い声。
 ……それと、不自然に光る一か所。

「やだ、光ってる! 光ってる!!」
「すっげぇ! なんだこれ! 本当に光ってる!」

 笑い声の合間に「光ってる!」と繰り返し、そしてまた笑い声をあげる。
 まともな会話になっていないのだが、それを気にしている余裕は今の雛子にも颯斗にもない。
 目の前の光景が珍妙すぎて笑いを堪える事が出来ないのだ。次第に暗闇に目が慣れてくると薄っすらとだが颯斗の姿が見えるようになり、それが余計に笑いを誘う。
 あまりに笑いすぎて腹筋が引きつりかねない痛みを覚え、雛子が笑い交じりの「お腹が痛い!」という悲鳴をあげた。

「凄い光景だわ。確かにこれはサンプル置き場じゃ再現できない……! ねぇ、写真撮って良い!?」
「良いわけあるか! お前いい加減にしないとこのままぶち込むぞ!」
「やめて! 私のお腹が光っちゃう!」
「んぐっ……! やめろ、これ以上笑わせるな!」

 そんな会話を交わし、ぜぇぜぇと荒い息を吐く。
 明かりを消した暗い部屋の中で、下着姿の男女が乱れた呼吸を……と考えれば密事の色気を感じさせるが、実際は笑いすぎによるものなので色気もなにもない。
 更に笑った原因が原因なため、これに色気を感じろという方が無理な話だ。

「駄目だ、笑いすぎて萎える。萎えてゴムが外れる……!」

 震える声で話しながら颯斗がリモコンを操作する。再びピッと高い電子音が響き、部屋に明かりが戻ってきた。
 暗い部屋の中では蛍光グリーンに光り目立っていたそこも、部屋全体が明るくなればさほど主張してこない。……だが脳裏にはっきりと光景が焼き付いてしまっているため、見ると笑いそうになってしまうのだが。
 颯斗も同じ状況なのだろう、手近にあったタオルを手繰りよせると己の股座にかけて視界から外した。

「もう満足しただろ。外して良いよな。それかせめて普通のに着けかえさせてくれ」
「え、外しちゃうの? 出したあとにどんな感じに光るのか見てみたいんだけど……」
「お前という女はっ……! その知的好奇心どうにかしないと、いつか痛い目に合うぞ!」
「そうね、直近だと無理やり犯されてお腹が蛍光グリーンに光るという痛い目に合いかけたわ」
「んぐぅ……! だから笑わせるなって……! あぁもう分かった、ここまで来たら最後まで付き合ってやるよ」

 盛大に肩を落としながら唸るような声で颯斗が了承の言葉を口にする。
 次いでこちらを見て「手伝えよ」と告げてくるので、これにはもちろん雛子は頷いて返した。
 ここまでやらせて「じゃぁ頑張って出してね」とはいかないのは分かっている。こんなことを口にしようものなら、次の瞬間には押し倒されて処女を奪われかねない。……光るコンドームで。

「手伝うけど、また膝に座る?」
「んー、それだと見えるからなぁ……。自分の一部ながら今はもう視界に入り込むだけで萎えそうだ」
「重症ね」
「誰のせいだと。……そうだ」

 思いついたと言いたげに颯斗が呟き、雛子を押し倒すやぐるんと引っ繰り返してきた。
 元々抵抗する気もなかったうえに不意を突かれたことにより、雛子はあっさりと引っ繰り返り紺色のシーツに仰向けになった。ぱふんっと顔をシーツに埋める。
「突然なによ!」と文句と共に起き上がろうとするも、それより先に颯斗が伸し掛かってきた。
 うつ伏せになった雛子の体の上に、自らもまたうつ伏せ状態で覆い被さってくる。
 羽交い絞めにされたわけではないが、これではろくに動けない。もっとも、かといって今更動けないことに恐怖を抱いたりはしないが。

「なによ、もう……。動くにしてもちゃんと説明してからにしてよ」
「まぁそう言うなって。重くないだろ?」

 伸し掛かってはいるものの、颯斗は腕や足で自分の体重を支えている。
 体勢の不便さゆえに動けはしないが、かといって苦しいほど重いというわけでもなく、雛子は「大丈夫」と返すとシーツに顔を戻した。
 後ろから抱きしめられているような感覚。背中越しに彼の暖かさを感じる。彼の体重が逆に心地良い。

「ねぇ、何するの?」
「雛子は動かなくて良い。俺が、こうやって……」
「ひゃっ!?」

 颯斗がもぞりと動く。次いでショーツ越しに硬いものを感じて雛子は今夜もまた高い声をあげた。
 足の間、それもショーツのクロッチに押し付けるようにして何かが触れている。異物感を覚えて足を開こうとするも、颯斗が足と体重を掛けてそれを制してきた。
 より体を密着させてくる。……腰を押し付けるようにして。
 さながら後ろから挿入されているような体勢。颯斗がゆっくりと腰を動かせば熱が秘部をなぞり、また深く埋め込まれる。

「これなら見えないし、良いだろ?」
「……ん」

 颯斗の動きが与えてくる甘い快感に、雛子はふるりと背を震わせた。快感が波のようにせり上がってきて無意識にシーツをぎゅっと掴む。
 挿入を真似た彼の動き。耳に触れる熱い吐息。徐々に高まっていく快感に、意識が蕩けていく……。
 だが次の瞬間、強い刺激が体を走り抜けて「ひゃっ!!」と再び高い声をあげた。反射的に背を逸らそうとするも、それは伸し掛かる彼の体に妨げられる。
 痛かったわけではない。だが声をあげてしまうほど痺れるような強い快感が走ったのだ。

 颯斗の片手が雛子の下腹部に伸びている。
 うつ伏せになった雛子の体の下に潜り込み、ショーツに触れ、指先で花芽を弄ぶ。

「んぅっ、ふぁ……、それやめて、よ……」
「お前も濡れてた方が動かしやすいんだよ。……まぁ、俺が触らなくても濡れてたみたいだけど」

 耳元で颯斗が笑うのが分かり、雛子の顔がかぁと熱くなった。

 既に自身が愛液を溢れさせていたことは分かっていた。
 下腹部のもどかしさ、ショーツが肌に当たる感覚、それらが触れずとも己の状態を伝えてきていたのだ。

 直接触っていないのに。ただ颯斗の熱を手で擦り、彼の吐息を聞き、彼の快感を高めていただけなのに。
 ……それでも雛子の体は快感を覚えていた。

 だがその事実を改めて言われると、それもわざと耳元で囁かれるように言われると羞恥心が募る。
 もっとも、その羞恥心すらも今は甘く蕩けてしまいそうだ。体は颯斗の重さを感じ、秘部は熱で擦られ、花芽は指先で柔く擦られる。止まることなく体の中を満たし続ける快感に翻弄され、恥ずかしがっている余裕は無い。

「……ん、変なこと、あ……言わない、でよ。やだ……やぁ、ん」
「恥ずかしがるなよ。さっき気持ちよくしてくれただろ、だからお礼に良くしてやるから」
「お礼って、あれは。……んっ、準備をっ、あ、やだ、颯斗……私、もう……」

 体中に満ちる快感に身を捩りたくなるが、覆い被さる颯斗の体がそれを許さない。
 動けない。快感を逃がせない。押し寄せてくる快感の波に抗う術がなく、限界だと伝えようと口を開くも喉から漏れるのは甘い嬌声。
 そんな雛子の様子から間もなくだと察したのか、首筋にキスをしていた颯斗が「雛子」と低い声で名前を呼んできた。

「なぁ、雛子、俺の手でいって」

 その言葉のなんと甘い事か。
 ずるい、と心の中で呟くのと同時に、雛子の体中で暴れていた快感の熱が大きく爆ぜた。
 快感が一瞬に体を走り抜け、全身を覆いつくし、視界を瞬かせる。

「あ、ふぁぁあ!」

 激しい波に耐え切れず、高い声をあげる。
 その声すらも受け止めるように颯斗が強く抱きしめてきた。体が密着し、背中に彼の肌を感じる。逞しい腕が自分を押さえる。しっとりとした唇が首筋にキスを落とす。
 それら全てが気持ち良く、衝撃と言えるほどの強い快感を終えたあとの体を蕩けさせる。

「……ふ、ぅうん。ん……ぁ……」
「いったか?」
「んっ……」

 問われ、こくんと頷いた。

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