病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで

あだち

文字の大きさ
3 / 92
第一章 天敵婚姻譚

3 【十日前】悪夢の始まり

しおりを挟む
 ***

「もうなんてこと! 時間外労働でデートに遅刻なんて!」

 ぶつぶつ呟きながら運河のゴンドラから降りたフェリータは、待ち合わせしたカフェに飛び込んだ。
 支配人の挨拶を制して二階に上がりバルコニーに出れば、パラソルの下に目当ての銀髪の青年を見つけた。

 美しい幼馴染みは椅子の上で目を閉じ、手のひらを膝の上で組んでいる。

「……リカルド、遅刻したことを怒ってる?」

 息と前髪を整えたフェリータがおずおずと問いかけると、ゆっくりと瞼が持ち上がり、緑の目があらわになった。

「まさか。出張明けの休暇中にすら仕事する、真面目な君の勇姿をのぞき見してただけ。お疲れさまフェリータ」

 青年が微笑んで右手を宙に差し出せば、指先に小さな鳥が止まった。大きさは燕だが、大きな黒いくちばしはカラスのそれだ。

 鳥の形をした小さな使い魔は、虚空に吸い込まれるように収縮して消えていく。術者の手に、茶色い小さな羽を残して。

「見ていたなら加勢してくださっても良かったのに。あなたなら、ここからでも十分対処できるじゃない」

「呪獣の気配に気づいたときはそう思ったんだけど、使い魔飛ばしたら君が埠頭に向かってるのが見えたから、これ大丈夫だなって思って。一人、勝手に飛び出した奴がいたのは予想外だったけど」

 リカルドがカラスより鷲の羽に似たそれを払い落とす傍ら、フェリータは付いてきた護衛に目で合図してバルコニーから退出させる。

 そしてテーブルを挟んだ向かいに腰を下ろせば、椅子は運河とその先の街並みを見渡すように置かれているため、二人は横に並ぶ形になった。

「それより、ロエネ島の出張どうだった。サルヴァンテ育ちの君には離島は不便だったでしょ」

「そうね。でも小うるさい人もいないからかえってリラックスできて、そう悪くありませんでしたわ。パパも一緒だったもの」

 そこまで言ってからフェリータは少し考え、「でも」と声を小さくした。

「リカルドと会えないのは、寂しくてつらかったわね……」

 しおらしく口元を扇で隠しながら呟いて、伏せた横目で相手の様子をうかがう。

 果たして、リカルドの目は手すりに向いていた。その先の、人々の活気のある声と、花や布や人形で飾られ始めた街並みに。

「……」

 フェリータは馬鹿らしくなって、はぁとため息を吐いた。

 十九歳の伯爵家長女と、二十歳の公爵家末息子。家ぐるみで仲のいい二人は、幼馴染み兼婚約者“のようなもの”である。

 のようなもの、というのは、王国法で定められている貴族の婚約に必要な手続きが、まだとられていないからだ。

 別にフェリータはそのことで焦ったり、幼馴染みの挙動にやきもきしたりはしていない。
 適齢期ではあるが行き遅れではないし、国のエリート魔術師として貢献を求められている自分たちは同世代の貴族たちより忙しい。

 何よりその貴族たちから、二人はすでに婚約者も同然、公認カップルとして見られているのは自覚していたからだ。

 けれど、最近フェリータは考えていた。

 どんなに周囲に婚約者“同然”に見られていても、それはやはり“の、”にすぎない、と。
 
 焦る理由はないが、先延ばしにする理由もない。
 そろそろ、婚約の手続きを進めてもいいはず。
 結婚に向けて、本腰入れて動きたい。

 とはいえ、父親たちを急かして事務的に進めてしまうのも味気ない。大恋愛のようにとはいかなくても、幼馴染みから本物の婚約者へと切り替わる、はっきりとしたイベントが欲しかった。

 ――ありていに言えば、リカルドから求婚の言葉が聞きたかった。老後に孫へ何度も聞かせてうんざりされるような、ロマンチックな決めゼリフが。

 そんなわけでこの半年ほど、フェリータはリカルドと会うたび、それとなくさり気なく念入りに、かき集めたよそのカップルの求婚エピソードを話して聞かせていた。フェリータが父親と一緒に王都を離れていたここ一ヶ月の間も、三日と空けず手紙を送った。

 しかしそんな甘い呼び水は、夏のカーニバルの準備に追われる喧騒で届かなかったのかもしれない。

(……次に期待)

 思い直したフェリータは扇を閉じ、運ばれてきた紅茶に手を伸ばす。
 ちょうどそのタイミングで、リカルドが顔をフェリータに向け口を開いた。

「フェリータ、僕たちってまだちゃんと婚約してなかったよね」

「ぷぐっ、ンッ……ゴホ、そ、そうだったかしら? あ、あんまり気にしたこと、ンッなかったもので」

 気管に入った茶にむせながら、フェリータはどうにかすまし顔で言葉を返す。
 突然待ち望んでいた話題を放り込まれて、期待に胸を激しく高鳴らせながら。

「そうだよ。うちの兄さんたちが先に片付くのを待ったり王家の周年行事を避けたりしてたからね。それで、そのことについてなんだけど」

 改まって言われ、フェリータは追加の咳をこらえた。口元を必死に拭い、赤い目を見開いて相手の顔を見る。

 リカルドは、女性的なその美貌に、いつもと変わらない端正な微笑みを浮かべてこちらを見つめていた。

 ――なんて意地の悪い人だろう。涼しい顔して肩透かしを食らわせておいて、不意打ちで本命の話を切り出すなんて。
 リカルドの口が開く。フェリータは身構えた。返事は決まっている。

 あなたの求めなら。

「僕、オルテンシア殿下と結婚するんだ」

「喜んで!!」

「え?」

「え!?」 

 互いに顔を見合わせ間の抜けた声を出し合ったが、「ハモったね」と照れたように笑う男に、女は立ち上がって食い下がった。

「ちょちょちょちょっと待って、オル、は? どういう意味ですの!?」

「そのままの意味だよ。僕は第一王女殿下と結婚するよって話。婚約期間を一年くらい挟んで、式は多分来年の夏か、早ければ春かな。ぺルラ伯爵にはこのあと王宮で父上と一緒に伝えるから、君に説明の手間は取らせないよ」

「婚約って、式って、説明って、え、そんな、え」

 混乱で言葉が続かないフェリータの手を、リカルドが優しく引っ張り座るよう促す。

 行き場のない手から扇を取り上げ、そこに飲みかけの紅茶を持たせると、フェリータから目をそらさずにつらつらと話を続けた。

「そうそう、大運河のカーニバルは毎年二人で見物してたけど、今年はそんなわけだからフェリータと一緒に過ごせそうにない。僕は王女殿下についていなきゃいけないし、君はフランチェスカと楽しんでおいで」

 男は緑の目にひとかけらの曇りも見せず、「じゃあ、僕もう行くから」と立ち上がった。チャリ、と胸元から垂れた金鎖のロケットが音を鳴らす。

「もちろん、これからも僕たちの関係は変わらないよ。なんにもね」

 言うだけ言ってそれきり、振り返ることもなく、リカルド・エルロマーニはバルコニーから去った。

「お嬢様? リカルド様が“後を頼む”と仰っておられたのですが……あの、フェリータ様?」

 何事だと言う顔で近づいてきた護衛に声をかけられても、フェリータはカップを持ったまま、しばらく指の一本も動かせなかった。
 

 ***


 魔術師と判明した者が最初に受けるのは、精神の安定を保つ訓練である。
 でないと、ストレスやショックを受けるたびに、術者の近くで火花が散ったり物が割れたりと、異常現象が頻発してしまうから。

 同胞たちはそれを、『無意識魔術』と呼んでいた。

 ――ちょうど、ぺルラ伯爵邸の居間で誰も触っていない壺や椅子がカタカタと小刻みに揺れているのがそれにあたる。

「呪われろ……王家もエルロマーニ家も、この世の一切合切呪われろ……」

 不穏な空気が漂う部屋の真ん中の、装飾が美しい長椅子に、死体のような顔色でうつ伏せに倒れ込んだ女がいた。

 ストロベリーブロンドがゆるく波打って広がって、それはさながら浜に打ち上げられたピンクの海藻である。女中たちは怯え、遠巻きに見つめた。

「……なにが水の都サルヴァンテか。名前通り、全て海の藻屑と化せばいい」

「お姉様、いい加減にしないと王国への呪詛罪で告発しますからね」

 フェリータが伏せる長椅子の背もたれ側から一蹴したのは、フェリータによく似たピンクの髪に、若干あどけない顔をつんとさせた少女だった。その背後には、ティーセットを乗せたワゴンを押す女中がいる。

「グィードに支えられて帰ってきたと思えばずっとそればかり。由緒正しい我が家から罪人を出さないでくださいな」

「……今わたくしが死んだら、サルヴァンテを猛毒で覆いつくす“魔女の心臓”が出来上がるでしょうね」

「ではきっとエルロマーニ家の皆様が良い“聖遺物容器レリカリオ”に作り替えてくださいますね。わが家の家宝がまた一つ増えます」

 打てば響くような冷たい言葉に、フェリータは一転して「ひどいわフランチェスカ!」と跳ね起きた。

「なんて冷たい妹なの!! 幼いころから婚約者同然に育てられてきて、公爵家のご兄姉がたも結婚して、次はリカルドとわたくしの番だと思ったのがそんなに変!? この絶好のタイミングで、『王女と結婚するからお祭りには妹と行け』って言われるのはぜんぜん普通のことなのかしら!? ていうかカーニバルのこととかもはや些末過ぎてそんなこと言われなくてもよかったのに!!」

 髪をかきむしってまくし立てる姉をフランチェスカは呆れ顔で見下ろし、女中を「もういいわ」と下がらせる。

「それは確かにお気の毒だと思います。お姉様をさしおいて選んだ相手が、よりにもよって一年前に離婚したばかりのオルテンシア様というところも含めて」

 言いながら、フランチェスカは慣れた手つきでお茶を淹れ始める。程なくして、甘くて濃い、ほんの少しブランデーの混ざったミルクティーの香りが部屋に漂い始めた。

「相手が悪うございましたね。王女様がお相手なら、いくらエルロマーニ公爵家が希少な“レリカリオを作れる一族”だとしても、そうそう断れないのでしょう」

「ふざけないで断るべきでしょ、このわたくしがいるのよ!? そもそも王女様側もおかしいわ、なんでほぼ婚約者みたいな相手がいるリカルドに手を出すの!?」

 妹の冷静な言葉は、姉の興奮に油を注ぐだけだった。
 フェリータが拳でソファの座面を叩いても布地は大してへこまなかったが、天井のシャンデリアが無意識魔術で大きく揺れた。

 ため息をついたフランチェスカが、パンッと両手を打ち鳴らす。シャンデリアは叱られた子どものようにしんと静かになった。

しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!

夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。 しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。 ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。 愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。 いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。 一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ! 世界観はゆるいです! カクヨム様にも投稿しております。 ※10万文字を超えたので長編に変更しました。

【完結】婚約者は私を大切にしてくれるけれど、好きでは無かったみたい。

まりぃべる
恋愛
伯爵家の娘、クラーラ。彼女の婚約者は、いつも優しくエスコートしてくれる。そして蕩けるような甘い言葉をくれる。 少しだけ疑問に思う部分もあるけれど、彼が不器用なだけなのだと思っていた。 そんな甘い言葉に騙されて、きっと幸せな結婚生活が送れると思ったのに、それは偽りだった……。 そんな人と結婚生活を送りたくないと両親に相談すると、それに向けて動いてくれる。 人生を変える人にも出会い、学院生活を送りながら新しい一歩を踏み出していくお話。 ☆※感想頂いたからからのご指摘により、この一文を追加します。 王道(?)の、世間にありふれたお話とは多分一味違います。 王道のお話がいい方は、引っ掛かるご様子ですので、申し訳ありませんが引き返して下さいませ。 ☆現実にも似たような名前、言い回し、言葉、表現などがあると思いますが、作者の世界観の為、現実世界とは少し異なります。 作者の、緩い世界観だと思って頂けると幸いです。 ☆以前投稿した作品の中に出てくる子がチラッと出てきます。分かる人は少ないと思いますが、万が一分かって下さった方がいましたら嬉しいです。(全く物語には響きませんので、読んでいなくても全く問題ありません。) ☆完結してますので、随時更新していきます。番外編も含めて全35話です。 ★感想いただきまして、さすがにちょっと可哀想かなと最後の35話、文を少し付けたしました。私めの表現の力不足でした…それでも読んで下さいまして嬉しいです。

【完結】何もできない妻が愛する隻眼騎士のためにできること

大森 樹
恋愛
辺境伯の娘であるナディアは、幼い頃ドラゴンに襲われているところを騎士エドムンドに助けられた。 それから十年が経過し、成長したナディアは国王陛下からあるお願いをされる。その願いとは『エドムンドとの結婚』だった。 幼い頃から憧れていたエドムンドとの結婚は、ナディアにとって願ってもいないことだったが、その結婚は妻というよりは『世話係』のようなものだった。 誰よりも強い騎士団長だったエドムンドは、ある事件で左目を失ってから騎士をやめ、酒を浴びるほど飲み、自堕落な生活を送っているため今はもう英雄とは思えない姿になっていた。 貴族令嬢らしいことは何もできない仮の妻が、愛する隻眼騎士のためにできることはあるのか? 前向き一途な辺境伯令嬢×俺様で不器用な最強騎士の物語です。 ※いつもお読みいただきありがとうございます。中途半端なところで長期間投稿止まってしまい申し訳ありません。2025年10月6日〜投稿再開しております。

死を望まれた王女は敵国で白い結婚を望む。「ご安心ください、私もあなたを愛するつもりはありません」

千紫万紅
恋愛
次期女王として王位継承が内定していたフランツェスカ。 だが戦況の悪化を理由に父王に争いの最前線に送られた。 それから一年、命からがら王都へ戻った彼女を待っていたのは労いの言葉ではなく、敵国・シュヴァルツヴァルトの王太子への輿入れ命令。 しかも父王は病弱な異母妹アリーシアを王妃に据え、フランツェスカの婚約者レナードを王にするという。 怒りと絶望の中フランツェスカはかつて敵将であったシュヴァルツヴァルト王太子・フリードのもとへお飾りの妻として嫁ぐことを決意する。 戦地での過去を封じ、王族としての最後の務めを果たすために。

辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。 隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。 私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。 辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。 本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。 辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。 辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。 それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか? そんな望みを抱いてしまいます。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 設定はゆるいです。  (言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)  ❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。  (出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

処理中です...