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第一章 始まり
3 アイテム検証
しおりを挟む自室にもどり、机の上にリュックの中身を並べる。
透明の水袋が28個。薄紫色の水袋が5個。薄ピンク色の瓶が1個。
青や薄ピンク・薄紫の大小水晶が15個。
まずは透明の水袋の中身を確認しよう。タッパに1個あけてみる。透明無臭だな。
次に簡易水質検査キットで調べてみる。
なんでそんなもの持っているかって。
これもブラック企業勤めのとき使っていたものである。
容器に入れ色から判断する。
遊離残留塩素、亜硝酸、鉄、硬度と問題なし。
別の袋も調べてみる。問題ないようだ。
コップに入れ、鶏小屋に行く。
巣箱にいる一羽の鶏をつかまえ、顔面にコップをおいてみた。
鶏は警戒していたがコップに近づき飲みだした。
最初はゆっくり飲んでいたが、そのうちものすごい速さで飲みだした。
置物でこんなのあったな。
しまいには、コップに頭をいれたままになった。
すごい、あっというまに全部、飲みほした。
鶏を観察してみる。元気そうだ。
いや、むしろコップをけとばし「もっとよこせ」と俺を威嚇してくる。
毒ではないようだが、ただの水?でいいのか。
やめろ、つつくな、痛い。
鶏が凶暴になった。
とりあえず鶏をつかまえ、巣箱に戻す。
部屋に戻り、考える。とりあえず、透明袋は水のようだな。
次に薄紫色した水袋をタッパに入れる。
どうやらピンク色はビニール袋で中身は透明だった。
そして驚いた。これは臭いでわかる。灯油だ。
そういえば、倒したスライムは水色より薄紫色していたような気がする。
少しとり、外に出て火をつけると、燃える。
やはり、ピンク袋は灯油で間違いないようだ。
次に水晶を調べる。
ほとんど、卵形の楕円形だが、大きさはさまざまである。
水晶は出る時と出ない場合がある。
大きいスライムを倒すと出やすい。
ルーペをつけて、水晶をみる。ルーペもブラック企業の時に使っていたものだ。
色から判断すると純度の高いサファイヤに近いがルーペでみてみると構造が全く違う。
宝石を鑑定したことがあるが、こんなの見たことないな。
宝石というより、スライムがだしたものだから、いうならば魔石だな。
使い道がわからない。
新種?
珍しい石なのではないか?
宝石?とかアクセリーにつかう?
価値があるかもしれない。保管しとこう。
最後に謎の薄ピンク色の瓶。これは、まあ、ダメなやつだな。
よく小説に出てくる、『ポーション』別名『回復薬』のような気がする。
ちなみに薄ピンク色で無臭。ビニール袋でなく瓶に入っている。
瓶に入っている、ここ大事。絶対ただの水ではない。
とりあえず保管。
洞穴に入る。
スライムを、倒す。
アイテムをドロップする。
洞穴は構造のわからない謎の迷路になっているしスライムは倒すと水袋や瓶などアイテムを残すので普通の生き物ではない。
よって、洞穴=ダンジョンに決定。ダンジョンは迷路のようになっている。かなり広い。
謎の魔物=スライムに決定。体の中の黒い石=核。核を壊すとスライムは光の粒子となりそのまま消え、アイテムを残す。
透明袋=水。ピンク袋=灯油。魔石。謎の瓶など。
結論まさに、ファンタジー小説のようなできごと。
『俺のうちにもダンジョンができました。』
次の日、朝ごはんを食べていたら、母親が言った。卵をとりにいったら、やたら元気な一匹の鶏がいて、朝早くから鳴きつづけて暴れているそうだ。
昨日の鶏だ。
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