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第一章 始まり
4 ダンジョンの探索
しおりを挟むいつものように畑仕事をすませ、鶏小屋にむかった。
小屋に入ると俺の目の前に一羽の鶏がきた。こいつ、今飛んでこなかったか?
鶏が『コケー』と一鳴きすると、いままで騒がしがった鶏たちが一瞬にして鳴き止んだ。23羽いる鶏すべてが俺をみている。
なんだ、これ。怖い。
特に、目の前の一羽の鶏。
なんで、こいつ、寝床から脱走、でてるの?俺をガン見、睨んでいるの?
しばし見つめあう、俺と鶏。
先に目をそらしたのは俺のほうだった。負けた気がする。
俺は隠し持っていたコップをそっと、置いた。鶏がものすごい勢いで飲み始めた。
すると、一斉に他の鶏が鳴き始めた。
うるせー。
しかも、寝床で羽をばたつかせ暴れている。
これは、一羽だけにあげたから抗議しているのか?
結局、あまりにも騒ぐので全部の鶏にスライム水をやった。
まあ水袋いっぱいあるからいいや。ダンジョン行ってスライム倒せばまた出てくるだろうし。
でもスライム水は本当に普通の水なのか、わからない。鶏が全滅したらどうしよう。
一抹の不安はあるが、まあ目の前に昨日飲んだ鶏が、元気で俺をつついているから大丈夫だろう。
「おい、おまえ、寝床に戻れよ。」
足蹴で対応しながら俺をつつく鶏にいってみた。すると、鶏は小屋の端に置いてある餌の袋を指差し、もとい羽差した。次は餌の要求をした。
周りを見ると、すべての鶏が餌の袋を羽差してた。そうだ、餌やるの忘れてた。
漫画みたい。
スライム水、もしかして普通の水ではないかも。
だってうちの鶏らが賢くなっている!!
次に牛の世話をしに行った。いつも通りなので癒された。
朝から精神的にかなり削られた。
昨日の持ち物に今日は腕と脚、胴体用のプロテクターをつけた。
それとちょっと高かったが、法律に違反しない最大の大きさのナイフを装備した。
『アマ〇〇』で買った。なんでも売っているし翌日配達さすがネット通販。
田舎だから二日かかったけど。
さて、ダンジョン探索に行こう。
ダンジョンに入り10分くらいしてようやくスライムに出会えた。
おお、新しいスライムだ。
なんとなく、水色より薄黄色に近い色をしている。こいつも突進攻撃をしてくる。
これをかわしながら一発で黒い核を攻撃、倒すことができるようになった。
やはり俺の俊敏さと攻撃力が上がっている気がする。
ドロップアイテムは、薄黄色の水袋。新しい、アイテムだ。
それをリュックにしまい先に進む。
しばらくすると、ピンク色の大きめなスライムが出た。
これも一撃で倒すと、ピンク色の水袋が残った。
その後10分くらいしてスライムが出てきた。
今度は、今までで一番大きな水色スライムだ。
なんと、でかスライムは、水攻撃をしてきた。
突進攻撃より早いがなんとかかわすことができた。
しかも、水攻撃の後の地面が少し溶けている。
これ酸か。エイリアンか!
何回か酸攻撃をかわしていくが、思うようにでかスライムに近づけない。
どうしたものかと考えていたら、でかスライムの酸攻撃がとまった。
よく見ると、少し縮んで、いやかなりスリムになっていた。
警戒しながらゆっくりと近づきスタンガンをあてる。
ぷるぷる震えていたが完全に止まった。
ナイフで動きの止まった黒い核を攻撃し、すかさずよけた。
ドロップしたのは、瓶と大きな青い魔石だった。
どうやら、普通のスライムは突進攻撃だが、でかスライムは回数制限がある酸攻撃をするようだ。
気をつけよう。
アイテムをしまい、また先に進む。
この先はまだ行っていない区域になる。
ほんと広いな。
さすがダンジョンどうなっているのだろう。
それから、いつもの水色スライムやたまに色違いスライムを倒しながらダンジョン探索をした。
そろそろリュックもいっぱいになったので戻ることにしたが。
いた、水色スライム。
俺はリュックから網をとりだした。
実は母親にスライムを見せるために生け取り用にと網を用意したのだ。
遊んでいるわけではなく、スライムを退治しているのを証明するために。
簡単に、水色スライムを捕獲できた。
スタンガンでおとなしくさせる。
フフフフ。これをみた母親の顔が楽しみだ。
家に戻りさすがに、スライムを見た母親は目を見開いたが・・・
世話できないのに、こんなもの拾ってきて駄目でしょう。
戻してきなさいと、また叱られた。
俺は小学生か!いや犬猫じゃなくスライムなんだけど・・・
しかたがない、核を壊して倒す。
すると、光の粒子となり消えたスライムと魔石がでてきたのには、さすがの母さんも手品みたいと驚いていた。
スライム見たときに驚いてよ、母さん。
新しいアイテムを調べよう。
薄黄色の水袋から、タッパに開けてみる。
袋が薄黄色で中身は透明だったが、臭いでわかる。
軽油だ。
次に濃ピンク色の水袋をタッパに開けてみる。
なんと、ピンク色をしていた。
これも臭いでわかる。ガソリンだ。
俺はこうして、ダンジョンを攻略し続けた。
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