みんないっしょに

ランボルギーニ伊藤

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はじまりはじまり

こんにちは

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「今日は楽しかったな」
そう笑顔で言うとみんなが頷く。
久しぶりにきた学校は所々かわっていて、それでもあの時のままで 、
見て回るのが楽しかった。
校長にはネットにあげない、という約束で写真を撮る許可をもらった。
だから今日のことは俺たちだけの思い出にすることになった。
最後、俺たちは校庭の真ん中に立って記念写真を撮ることにした。
体をくっつけて笑顔でスマホの画面に映る。
パシャ
撮った写真を確認すると、ちょうど夕暮れ時ということもあり綺麗な背景だった。
そして目を瞑ったりしていないか一人一人の顔を確認する。が、

「どうしたんだよチカ、ひどい顔してるぞー」

ちょっとふざけ気味にかずとが言う。
俺も一言言おうとチカの方をむくが、なんだか様子がおかしいことに気づいた。

「ねえチカ、どこ見てんの?ねえってば!」

一向に反応がないので肩を掴むと振り返った彼の顔をなにかに怯えているようだった。

「チカ先輩調子悪いの?平気?」

さすがになつきやゆうきたちも心配になったのかチカの腕を擦り温めようとする。
事実彼の腕は完全に冷えきっていて小刻みに震えていた。

「ほんと大丈夫なのかよ…もうそろそろ帰ろうぜ」

そう言ってりんの手を引き、ふうかが振り返ったその時だった。

「はやく逃ゲて!!」

語尾が荒ぶるほど声をあげたのはチカだった。
何事かと辺りを見るとふうかの後ろには包丁を振り上げた男が立っていた。

「危ない!?」

急いでゆうきがふうかを押し倒し、なつきがりんを抱える。
間一髪包丁を避けられたがそのヒトは明らかに変だった。
透ける体、殴られたような痣。
そして、一切の光を灯さない狂気に満ちたような目。
ゆっくりとそのヒトのようなものは口を開きこう言った

「こんにちワ」
「みんないっしょにコロシテあげるネ」

俺たちは一斉に校舎の方へと逃げ出した。
俺は必死になって校舎の中に入り近くの階段を駆け上がる。
しかし足が滑り転んでしまう。

「ッツ、、、」

幸い怪我はなかったので立ち上がるが後ろには誰もいなかった。
静かな廊下、しかし先程の光景が頭によぎり背筋がゾッとする。
みんな無事だろうか…
俺はみんなを探しながら家庭科室へと向かった。
あそこになら包丁がある。
きっと武器になるはずだ。
暗いので壁を触りながらゆっくりと進む。
誰もいないことを確認し、階段を上る。

しかその時だった。

「うわあああああああああああああああああ」

絶叫が響いた。

急いで窓から校庭を覗く。
すると、ゆうきが奴に引きずられながら泣き叫んでいた。
2階の窓からはかずとが身を乗り出して飛び降りようとしていた。が、
それをふうかに止められているようだった。
俺は急いで家庭科室へと向かうことにした。

***

「ゆうきーーー!」

かずとは叫ぶことをやめない。
このままでは奴に居場所が、もうバレてるか……
なんとか移動しようとかずとの手を引っ張るが一向に窓から離れようとしない。
奴は校庭の真ん中に立ってゆうきから手を離す。
どうやらゆうきは既に足を刺されているらしく、動けないようだった。
そして奴は倒れているゆうきの上にまたがり、包丁を振りかざす。

そのまま、ぐさり

ゆうきの悲鳴とかずとの叫び声が響く。
俺はただ口を開けて立っていることしかできなかった。
何度も何度も奴は体に包丁を刺す。
血が飛び散り校庭の土は赤く染る。
遂には悲鳴すらも消えかずとはその場に崩れ落ちた。
その瞬間、

「みィつけた」

ゾッとした。

本能的にここにはいちゃいけないと感じた。
しかしもう遅かった。
振り返るともうそこには……

奴がいた。

「うわあああああああああああああああ」

俺は庇うようにかずとに飛びつく。

死を覚悟したその時、

ドサッ

倒れたのは奴だった。

頭には見事に包丁が刺さっていた。
そしてその先には、あめがいた。

「ふうか!はやくこっちに来て!」

俺は放心状態のかずとを抱えてあめの方へと走った。
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