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2章
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さてと。
とりあえず、お腹が空いた。聖女がどうのこうの言ったところで、まずは食事だ。
誰かに頼んで朝食を用意してもらうことは出来るだろうか。
この世界の食事が、どういったものなのかは分からないが、味が美味しいものであることを祈る。女神様。どうか私においしい食事をお恵みください。日本で出てくる食事は大体美味しい。
お城だから、きっとここで働いている人たちのための食堂のような場所があるはず。そこに向かえば、食事がもらえるだろう。たぶん。王様や王子様が私のことをお城の人たちに伝えてくれていれば。とりあえず向かってみようかな。
そう思って、部屋を出ると、そこには驚いた顔をした騎士が二人私を見ていた。私の部屋の扉のすぐ近くに立っていたので、私の見張り役か何かなのだろう。
「どうかされましたか」
「すみません、お腹が空いたので何か食べられるものをいただけないでしょうか?」
「……すぐに用意させます。ですから部屋に、お戻りいただけますか」
「食堂か何かに案内してもらえれば……ああ、許可もなく出歩くとご迷惑ですか」
「申し訳ございません。すぐに用意いたしますから」
そう言われてはしかたない。
騎士の一人がメイドさんの格好をしている女性と話し、女性は軽く頷くと去ってしまった。騎士の二人が再び私を、じっと見つめてくる。私が素直に部屋に戻るか様子を見ているのだろう。私は、素直に戻り、食事を待った。
少し待つとメイドさんが次々にやってきて、食事の準備から配膳まですべてやってくれた。
部屋の様子や見慣れないメイドさんがいるせいで、まるで映画のワンシーンみたい。
「それでは、ごゆっくりお召し上がりください」
「ありがとうございます」
目の前に並べられた料理は洋画のセットのようで、スープにパンにサラダに飲み物がお皿に山盛りに乗っている。メイドさんが3人、私のそばに立っている。どうやら食事をとり分けたり、飲み物のおかわりのためにいてくれるらしい。私は、人に見られながら食事をすることに気恥ずかしさを感じたため、「自分でとりますので……」と言ったら、ニコリとさわやかな笑顔で押し通されてしまった。
「わぁ!美味しそう!いただきます!」
早速スープを一口飲んでみると……
「うまっ!!!」
え、何この濃厚だけど優しい味!
パンもふわふわだし、メインディッシュの肉料理はジューシーなのに重くない!胃にもたれない……!あまりのおいしさに、
「これ全部食べていいんですか?私一人で?」
思わずメイドさんに聞いてしまう。こんな贅沢な食事は生まれて初めてだ。
「ええ、もちろんです。サクラ様のためにご用意しましたので」
初めて食事にありついた子猫でも見るような表情で、微笑まれてしまった。
(それにしても……本当に美味しいなぁ)
お酒を飲めたらもっと最高なのに!……まあ、今は朝だから自重しよう。でも、夜になったらお酒も飲めるんじゃないんだろうか!?朝食がこれだけおいしいなら、きっと昼食も夕食もおいしいだろう。この世界のお酒の味も気になってしかたない。来てよかった!異世界。私はこの世界に来て初めて感謝した。おいしいごはんがあれば、たいていのことは許せる私でよかった。
あまりの美味しさに、私は夢中になって食べ続け、
「ふぅ……満足だぁ」
ついに最後の一口までしっかり味わって完食し、食後の紅茶を楽しんでいると、突然身体の中に暖かいエネルギーが流れ込んでくるのを感じた。例えるなら……そう、温泉に入っている時みたいな……?
「……ん?」
何だろう、この感覚。お腹いっぱいになったからかな?
「サクラ様?どうかされましたか?」
メイドさんが心配そうに声をかけてきた。
「ああ、いえ。ちょっと……変な感じがするなぁって」
自分の手を見つめると、微かに光っているように見えた。え、なにこれ?
その時だった。
ーコンコン。
扉を叩く音がして、私の給仕をしていたメイドさんが私の代わりに対応してくれた。
「どうかしたんですか?」
「訓練場で事故がおきました。剣の稽古中に腕を骨折した者がでたそうです」
腕の骨折!?
大変だ。でも、正直自分には関係ないな~って思っていたら、
「ですから、聖女様に来ていただきたいのです」
「わ、わたしですかっ!?」
まさかの私指名に横転。
待ってほしい。
私は、医療従事者じゃないぞ。腕の骨折なんて、どうしたらいいのか分からないのに、どうして私?
とりあえず、お腹が空いた。聖女がどうのこうの言ったところで、まずは食事だ。
誰かに頼んで朝食を用意してもらうことは出来るだろうか。
この世界の食事が、どういったものなのかは分からないが、味が美味しいものであることを祈る。女神様。どうか私においしい食事をお恵みください。日本で出てくる食事は大体美味しい。
お城だから、きっとここで働いている人たちのための食堂のような場所があるはず。そこに向かえば、食事がもらえるだろう。たぶん。王様や王子様が私のことをお城の人たちに伝えてくれていれば。とりあえず向かってみようかな。
そう思って、部屋を出ると、そこには驚いた顔をした騎士が二人私を見ていた。私の部屋の扉のすぐ近くに立っていたので、私の見張り役か何かなのだろう。
「どうかされましたか」
「すみません、お腹が空いたので何か食べられるものをいただけないでしょうか?」
「……すぐに用意させます。ですから部屋に、お戻りいただけますか」
「食堂か何かに案内してもらえれば……ああ、許可もなく出歩くとご迷惑ですか」
「申し訳ございません。すぐに用意いたしますから」
そう言われてはしかたない。
騎士の一人がメイドさんの格好をしている女性と話し、女性は軽く頷くと去ってしまった。騎士の二人が再び私を、じっと見つめてくる。私が素直に部屋に戻るか様子を見ているのだろう。私は、素直に戻り、食事を待った。
少し待つとメイドさんが次々にやってきて、食事の準備から配膳まですべてやってくれた。
部屋の様子や見慣れないメイドさんがいるせいで、まるで映画のワンシーンみたい。
「それでは、ごゆっくりお召し上がりください」
「ありがとうございます」
目の前に並べられた料理は洋画のセットのようで、スープにパンにサラダに飲み物がお皿に山盛りに乗っている。メイドさんが3人、私のそばに立っている。どうやら食事をとり分けたり、飲み物のおかわりのためにいてくれるらしい。私は、人に見られながら食事をすることに気恥ずかしさを感じたため、「自分でとりますので……」と言ったら、ニコリとさわやかな笑顔で押し通されてしまった。
「わぁ!美味しそう!いただきます!」
早速スープを一口飲んでみると……
「うまっ!!!」
え、何この濃厚だけど優しい味!
パンもふわふわだし、メインディッシュの肉料理はジューシーなのに重くない!胃にもたれない……!あまりのおいしさに、
「これ全部食べていいんですか?私一人で?」
思わずメイドさんに聞いてしまう。こんな贅沢な食事は生まれて初めてだ。
「ええ、もちろんです。サクラ様のためにご用意しましたので」
初めて食事にありついた子猫でも見るような表情で、微笑まれてしまった。
(それにしても……本当に美味しいなぁ)
お酒を飲めたらもっと最高なのに!……まあ、今は朝だから自重しよう。でも、夜になったらお酒も飲めるんじゃないんだろうか!?朝食がこれだけおいしいなら、きっと昼食も夕食もおいしいだろう。この世界のお酒の味も気になってしかたない。来てよかった!異世界。私はこの世界に来て初めて感謝した。おいしいごはんがあれば、たいていのことは許せる私でよかった。
あまりの美味しさに、私は夢中になって食べ続け、
「ふぅ……満足だぁ」
ついに最後の一口までしっかり味わって完食し、食後の紅茶を楽しんでいると、突然身体の中に暖かいエネルギーが流れ込んでくるのを感じた。例えるなら……そう、温泉に入っている時みたいな……?
「……ん?」
何だろう、この感覚。お腹いっぱいになったからかな?
「サクラ様?どうかされましたか?」
メイドさんが心配そうに声をかけてきた。
「ああ、いえ。ちょっと……変な感じがするなぁって」
自分の手を見つめると、微かに光っているように見えた。え、なにこれ?
その時だった。
ーコンコン。
扉を叩く音がして、私の給仕をしていたメイドさんが私の代わりに対応してくれた。
「どうかしたんですか?」
「訓練場で事故がおきました。剣の稽古中に腕を骨折した者がでたそうです」
腕の骨折!?
大変だ。でも、正直自分には関係ないな~って思っていたら、
「ですから、聖女様に来ていただきたいのです」
「わ、わたしですかっ!?」
まさかの私指名に横転。
待ってほしい。
私は、医療従事者じゃないぞ。腕の骨折なんて、どうしたらいいのか分からないのに、どうして私?
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