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2章
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「聖女様には癒しの力があると言われております」
「私に骨折を治せと?」
「はい」
「んな無茶な」
「しかし、これは王子からの命でして。食事の最中とのことですが、今は私についてきてもらいます」
「わ、わかりました……」
私にできることなんてあるんだろうか……。
私は困惑しながら騎士の後ろをついていく。騎士は、迷路のような廊下を早足で進んでいく。急いでいるのだろう。足がかなり早い。最初小走りでついていった私だったが、今は、ほとんどジョギングだ。訓練場に着く前から、すでに私の息は軽く上がっている。これは私が運動不足なのが原因と片や鍛えている男性の違いだろう。
城内は想像以上に広く、壁や柱には装飾が施されていて、日本では見たことがない上に天井が高い。鎧や大きな花瓶、花が飾られていたり、至る所に絵画が飾られている。最初は、観察できる余裕があった。今はない。完全に息が上がり、ついていくのに精いっぱいだ。
とにかく広い!遠い!長い!
おまけに階段を上ったり下りたりするもんだから、運動不足の成人女性にとってはこれはつらかった。
「あの、本当に……私で大丈夫でしょうか?骨折って……私ができることは限られていますけど……」
「聖女様なら癒しの力を使えるはずです」
騎士は振り返らずに淡々と言う。まるで「当然」だとでも言わんばかりだ。
(癒しの力?そんなもん持ってないってば!)
内心で盛大にツッコミを入れつつも、私はゼイゼイと息を荒げながら、ついていくしかない。
中庭を抜け、外に続く長い廊下を抜けると、ようやく訓練場らしき建物が見えてきた。教科書で見たローマの円形闘技場のような外観だ。
「ここです」
騎士が重厚な両開きの扉を開けると、私は一歩踏み入れた。
そこは予想を超える広さだった。床は硬質な砂地で覆われ、周囲には訓練用の木製武器や防具が整然と並べられている。内部も闘技場のようだった。観客席がないのだけが違うところだった。
中央に数人が輪になって一人の兵士を取り囲んでいた。多分、あの人が骨折した人なのだろう。
「……サクラ様だ!聖女様が来られたぞ!」
私を見た兵士の一人が声を上げた瞬間、訓練場全体がざわめいた。視線が一斉に私に注がれる。
中心には若い兵士が横たわっていた。右腕が不自然に曲がり、布で吊られている。痛みに顔を歪めながらも必死に堪えている様子が見て取れた。
「剣術訓練中に腕を折ったのです。通常なら教会から派遣される治癒術者を待ちますが……」
「今回は王子の特命で聖女様の力をお借りすることになりました」
「……」
私は無意識に自分の手を見下ろした。さっきから感じていた「体内を巡る温かいエネルギー」がより鮮明になっている。
(まさか……これが噂の癒しの力……?)
「では早速お願いします」
「えっ!? い、いきなりですか!?」
「王子のご命令ですので」
完全に逃げ道を塞がれた。仕方なく兵士のそばに屈み込む。兵士の顔は恐怖と希望が入り混じった表情で私を見つめていた。
「本当にすみません……私、医者でもなんでもないんですよ?」
「かまいません。聖女様の力で少しでも痛みが和らげば……」
兵士は脂汗を浮かべながら答えた。
周囲の兵士達も固唾を飲んで見守っている。騎士も無言で後ろに控えている。空気は重く緊張していた。
「ああもう……仕方ないですね」
私は深呼吸して兵士の右腕に触れた。
(折れた腕……接骨と固定が必要だけど……私にできることなんて……)
そう思った瞬間――
ーーーカッ!
私の掌が突如として光を放った!
「あっ!?」
「うおっ!?」
私と兵士たちが驚きの声を上げる。
直視できないほどの眩い光が私の手から溢れ出し、折れた腕を包み込んだ。
兵士の腕に集まった光が脈打ちながらゆっくりと収縮していく。まるで骨折部分が溶けて再生するかのように。
「……熱い……でも……痛みが……引いていく……!」
兵士の顔から苦悶の色が消え始めた。彼が恐る恐る腕を動かそうとした瞬間――、
「痛くない!動く!折れてた腕が治ってる!!」
信じられないという表情で自分の腕を握りしめる兵士。訓練場からどよめきと歓声が沸き起こった。
(これって……本当に私が治したの?)
私は自分の手をまじまじと見つめた。さっきまでの「温かいエネルギー」が兵士の腕に注ぎ込まれた感覚が残っている。まるで体内の何かが「治療方法」を本能的に理解していたかのような……。
「まさか……これが聖女様の御力なのか!?」
他の騎士たちもざわめき始めた。
混乱する私の耳に、「素晴らしい!」という声が飛び込んできた。
「まさかこれほどの癒しの力を持つとは!さすがは聖女様だ!」
兵士たちが満面の笑みで拍手を送っている。え、本当に?私、聖女だった?
困惑する私を他所に、周囲は一層騒がしくなった。「奇跡だ!」「本当に聖女様だ!」「これで王国は安泰だ!」などと口々に叫びながら、兵士たちが膝をついて私を崇め奉る態勢に入ろうとしている。
「ちょ、ちょっと待ってください!まだ私よく分かってなくて」
必死に否定する私だったが、その声は興奮した兵士たちの耳には入っていないようだ。
(まさか本当に骨折を治せるなんて。……これが聖女の力ってやつ?)
こうして私は予期せぬ形で、聖女としての力が目覚めた……らしい。
少しだけ混乱している私と対照的に兵士たちは、ますます熱狂的に私を褒め称える。まるで宗教の開祖か何かを見るような目だ。
「さすがは女神様の加護を受けたお方!」
「我々をお救いくださった御礼を申し上げます!」
うーん、困った。
実際のところ、どうやったのかさっぱり分からない。信じられないけど、今目の前で起こったことは本当だ。傷を治したことによって、予期せぬ形で私は聖女の力があることが証明された。それも大勢の目の前で。これは良いことなんだろう。とりあえず、悪魔ではないことが証明されたのだから。あの教会の人たちも、これで大人しくなるだろう。
「サクラ殿の力は本物のようだ。まさに聖女そのもの。陛下にもこの吉報を一刻も早くお伝えせねばなるまい」
ずっと黙っていた騎士はそう言うと、私に向き直った。
「サクラ殿。貴女の力は明らかになった。今後は聖女として、その力をこの国のために役立てていただきたい」
「えぇっ!?」
そんな唐突に言われても!私まだこっち来て一日しか経ってないのに!そもそも聖女が何するかも知らないし!
「そ、そんな急に言われても無理です!私に何ができるのか全く分からないですし!」
「大丈夫です。サクラ殿の力を以てすれば、どのような困難も乗り越えられるはず。まずは詳しい説明を陛下から……」
「サクラ様!是非とも我々兵士の傷を癒してくださいませ!」
騎士が話を続けようとした瞬間、横から別の兵士が割り込んできた。その後ろにも何人かの兵士が控えており、皆一様に期待と興奮に満ちた目で私を見つめている。
「訓練中の古傷や慢性的な痛みがございます!サクラ様の御力で癒していただければと!」
「ええぇ……」
私の意思とは裏腹に、話はどんどん進んでいく。
「サクラ様!」
突然背後から鋭い声が飛んだ。振り返ると、入り口に立っていたのは昨日の神官達だった。彼らの顔は怒りと驚愕に歪んでいる。
「なんてことを!聖女の力をこんな些事に使うなど……!」
「私に骨折を治せと?」
「はい」
「んな無茶な」
「しかし、これは王子からの命でして。食事の最中とのことですが、今は私についてきてもらいます」
「わ、わかりました……」
私にできることなんてあるんだろうか……。
私は困惑しながら騎士の後ろをついていく。騎士は、迷路のような廊下を早足で進んでいく。急いでいるのだろう。足がかなり早い。最初小走りでついていった私だったが、今は、ほとんどジョギングだ。訓練場に着く前から、すでに私の息は軽く上がっている。これは私が運動不足なのが原因と片や鍛えている男性の違いだろう。
城内は想像以上に広く、壁や柱には装飾が施されていて、日本では見たことがない上に天井が高い。鎧や大きな花瓶、花が飾られていたり、至る所に絵画が飾られている。最初は、観察できる余裕があった。今はない。完全に息が上がり、ついていくのに精いっぱいだ。
とにかく広い!遠い!長い!
おまけに階段を上ったり下りたりするもんだから、運動不足の成人女性にとってはこれはつらかった。
「あの、本当に……私で大丈夫でしょうか?骨折って……私ができることは限られていますけど……」
「聖女様なら癒しの力を使えるはずです」
騎士は振り返らずに淡々と言う。まるで「当然」だとでも言わんばかりだ。
(癒しの力?そんなもん持ってないってば!)
内心で盛大にツッコミを入れつつも、私はゼイゼイと息を荒げながら、ついていくしかない。
中庭を抜け、外に続く長い廊下を抜けると、ようやく訓練場らしき建物が見えてきた。教科書で見たローマの円形闘技場のような外観だ。
「ここです」
騎士が重厚な両開きの扉を開けると、私は一歩踏み入れた。
そこは予想を超える広さだった。床は硬質な砂地で覆われ、周囲には訓練用の木製武器や防具が整然と並べられている。内部も闘技場のようだった。観客席がないのだけが違うところだった。
中央に数人が輪になって一人の兵士を取り囲んでいた。多分、あの人が骨折した人なのだろう。
「……サクラ様だ!聖女様が来られたぞ!」
私を見た兵士の一人が声を上げた瞬間、訓練場全体がざわめいた。視線が一斉に私に注がれる。
中心には若い兵士が横たわっていた。右腕が不自然に曲がり、布で吊られている。痛みに顔を歪めながらも必死に堪えている様子が見て取れた。
「剣術訓練中に腕を折ったのです。通常なら教会から派遣される治癒術者を待ちますが……」
「今回は王子の特命で聖女様の力をお借りすることになりました」
「……」
私は無意識に自分の手を見下ろした。さっきから感じていた「体内を巡る温かいエネルギー」がより鮮明になっている。
(まさか……これが噂の癒しの力……?)
「では早速お願いします」
「えっ!? い、いきなりですか!?」
「王子のご命令ですので」
完全に逃げ道を塞がれた。仕方なく兵士のそばに屈み込む。兵士の顔は恐怖と希望が入り混じった表情で私を見つめていた。
「本当にすみません……私、医者でもなんでもないんですよ?」
「かまいません。聖女様の力で少しでも痛みが和らげば……」
兵士は脂汗を浮かべながら答えた。
周囲の兵士達も固唾を飲んで見守っている。騎士も無言で後ろに控えている。空気は重く緊張していた。
「ああもう……仕方ないですね」
私は深呼吸して兵士の右腕に触れた。
(折れた腕……接骨と固定が必要だけど……私にできることなんて……)
そう思った瞬間――
ーーーカッ!
私の掌が突如として光を放った!
「あっ!?」
「うおっ!?」
私と兵士たちが驚きの声を上げる。
直視できないほどの眩い光が私の手から溢れ出し、折れた腕を包み込んだ。
兵士の腕に集まった光が脈打ちながらゆっくりと収縮していく。まるで骨折部分が溶けて再生するかのように。
「……熱い……でも……痛みが……引いていく……!」
兵士の顔から苦悶の色が消え始めた。彼が恐る恐る腕を動かそうとした瞬間――、
「痛くない!動く!折れてた腕が治ってる!!」
信じられないという表情で自分の腕を握りしめる兵士。訓練場からどよめきと歓声が沸き起こった。
(これって……本当に私が治したの?)
私は自分の手をまじまじと見つめた。さっきまでの「温かいエネルギー」が兵士の腕に注ぎ込まれた感覚が残っている。まるで体内の何かが「治療方法」を本能的に理解していたかのような……。
「まさか……これが聖女様の御力なのか!?」
他の騎士たちもざわめき始めた。
混乱する私の耳に、「素晴らしい!」という声が飛び込んできた。
「まさかこれほどの癒しの力を持つとは!さすがは聖女様だ!」
兵士たちが満面の笑みで拍手を送っている。え、本当に?私、聖女だった?
困惑する私を他所に、周囲は一層騒がしくなった。「奇跡だ!」「本当に聖女様だ!」「これで王国は安泰だ!」などと口々に叫びながら、兵士たちが膝をついて私を崇め奉る態勢に入ろうとしている。
「ちょ、ちょっと待ってください!まだ私よく分かってなくて」
必死に否定する私だったが、その声は興奮した兵士たちの耳には入っていないようだ。
(まさか本当に骨折を治せるなんて。……これが聖女の力ってやつ?)
こうして私は予期せぬ形で、聖女としての力が目覚めた……らしい。
少しだけ混乱している私と対照的に兵士たちは、ますます熱狂的に私を褒め称える。まるで宗教の開祖か何かを見るような目だ。
「さすがは女神様の加護を受けたお方!」
「我々をお救いくださった御礼を申し上げます!」
うーん、困った。
実際のところ、どうやったのかさっぱり分からない。信じられないけど、今目の前で起こったことは本当だ。傷を治したことによって、予期せぬ形で私は聖女の力があることが証明された。それも大勢の目の前で。これは良いことなんだろう。とりあえず、悪魔ではないことが証明されたのだから。あの教会の人たちも、これで大人しくなるだろう。
「サクラ殿の力は本物のようだ。まさに聖女そのもの。陛下にもこの吉報を一刻も早くお伝えせねばなるまい」
ずっと黙っていた騎士はそう言うと、私に向き直った。
「サクラ殿。貴女の力は明らかになった。今後は聖女として、その力をこの国のために役立てていただきたい」
「えぇっ!?」
そんな唐突に言われても!私まだこっち来て一日しか経ってないのに!そもそも聖女が何するかも知らないし!
「そ、そんな急に言われても無理です!私に何ができるのか全く分からないですし!」
「大丈夫です。サクラ殿の力を以てすれば、どのような困難も乗り越えられるはず。まずは詳しい説明を陛下から……」
「サクラ様!是非とも我々兵士の傷を癒してくださいませ!」
騎士が話を続けようとした瞬間、横から別の兵士が割り込んできた。その後ろにも何人かの兵士が控えており、皆一様に期待と興奮に満ちた目で私を見つめている。
「訓練中の古傷や慢性的な痛みがございます!サクラ様の御力で癒していただければと!」
「ええぇ……」
私の意思とは裏腹に、話はどんどん進んでいく。
「サクラ様!」
突然背後から鋭い声が飛んだ。振り返ると、入り口に立っていたのは昨日の神官達だった。彼らの顔は怒りと驚愕に歪んでいる。
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