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賽の河原
1 死んだ子供が行く所といわれる河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。
2 むだな努力のたとえ。
―デジタル大辞泉より。
記念すべき、入学半年記念パーティーだった。
いつもは質素なホールは、飾り付けをされ、キラキラと輝き、テーブルには、豪華な食事。ウェイトレスが、生徒たちのグラスやおかわりを渡したり、下げたりと忙しなく動いている。
これは、共通イベントの一つだった。
ここで、攻略キャラたちの好感度が一定の高さまであれば、大丈夫……なはずだった。
―また、ダメだったな。
これで、何回目だっけ?
もう覚えてない。今回は上手くいく、なんて希望はすっかりなくなって、半ば諦めていたところもあったのに、それでも、どこかガッカリしている自分に泣きたくなった。
1回目。
成績不振のため、強制退学。
7回目。
実技魔法の授業において、他の生徒の魔法が暴発。死亡。
15回目。
実技のダンジョン探索にて、魔物に殺された。
28回目
王子を暗殺しに来た暗殺者と鉢合わせ。殺される。
50回目からは、攻略対象と仲良くしようとしたら、嫉妬した攻略対象の婚約者から妨害。貴族の身分を使って強制退学処分。
などなど。
攻略対象と仲良くなる必要がある他にやることも危険も多すぎる。ただの学園ものかと思いきや、普通に魔物だの幻獣だの、ダンジョンだの、魔法の勉強、剣や体術の訓練が必須 。
おまけに王族、上流貴族の通う学園ということもあって、勉強の内容は、難易度が高すぎた。
小学生の問題も解けないのに、東大の模試に受かれといっているようなものだ。
なので、最初はとにかく成績不振で落第、退学処分ばかりだった。
それでも、何度も繰り返し、繰り返し、ループを重ねて、そのたびにレベルも魔力も元に戻っていく虚しさと悲しみを重ねながら、今度こそはと今日を迎えた。
それなのに。
「エウレカ・レインハルトに告ぐ。本日をもって、あなたはに学園追放を言い渡します。王太子カエラム・ファントムを誘惑した罪として、本来であれば牢屋に入れられるべきですが、慈悲深き王太子が、その罪をお許しになりました。よって、学園追放。のちに、修道院に入っていただきます」
声高々に叫ぶのは、王太子の婚約者であり、悪役令嬢のミリアリア・ウォルツだった。
他にもなにか叫んでいる声が聞こえるが、もはやそれは遠くー現実とは思えなかった。
「なにか弁明はありますか?」
「………」
もう限界だった。
もう無理だった。
もう、もう私には……。
「黙っていないでなにかおっしゃったらどうなのっ!!!」
ヒステリックに叫ぶその声に、私は手を上げた。
「?」
私の挙動を不思議そうに見ていた周りの生徒は、次第に渦巻く魔力に「攻撃魔法だっ!」と気が付き、叫んだ。
でも、―もう遅い。
「王子!」
ミリアリアが、王子の後ろに隠れた。
―何を勘違いしてるんだか。
私は、呆れた。王子の顔を見ると、驚いたように私を見ていた。
何を驚いているんだ。私、知ってましたよ。あなた、私のこと大っ嫌いだったでしょう。
私が憎かったでしょう。あいつも、あいつも、あいつも、あいつも、み~んな、私のことが嫌いだった。
―何が逆ハーレムエンドだ。
「やっぱり凡人の私には、無理だったな」
そうして、私は風の魔法を使って、自分の喉を切り裂いた。
遠くで、悲鳴が聞こえる。
―あぁ。でも、すべてはもう遠い。
……それでも、また繰り返すのだろう。
私が逆ハーレムエンドを迎えるまで、永遠に。
1 死んだ子供が行く所といわれる河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。
2 むだな努力のたとえ。
―デジタル大辞泉より。
記念すべき、入学半年記念パーティーだった。
いつもは質素なホールは、飾り付けをされ、キラキラと輝き、テーブルには、豪華な食事。ウェイトレスが、生徒たちのグラスやおかわりを渡したり、下げたりと忙しなく動いている。
これは、共通イベントの一つだった。
ここで、攻略キャラたちの好感度が一定の高さまであれば、大丈夫……なはずだった。
―また、ダメだったな。
これで、何回目だっけ?
もう覚えてない。今回は上手くいく、なんて希望はすっかりなくなって、半ば諦めていたところもあったのに、それでも、どこかガッカリしている自分に泣きたくなった。
1回目。
成績不振のため、強制退学。
7回目。
実技魔法の授業において、他の生徒の魔法が暴発。死亡。
15回目。
実技のダンジョン探索にて、魔物に殺された。
28回目
王子を暗殺しに来た暗殺者と鉢合わせ。殺される。
50回目からは、攻略対象と仲良くしようとしたら、嫉妬した攻略対象の婚約者から妨害。貴族の身分を使って強制退学処分。
などなど。
攻略対象と仲良くなる必要がある他にやることも危険も多すぎる。ただの学園ものかと思いきや、普通に魔物だの幻獣だの、ダンジョンだの、魔法の勉強、剣や体術の訓練が必須 。
おまけに王族、上流貴族の通う学園ということもあって、勉強の内容は、難易度が高すぎた。
小学生の問題も解けないのに、東大の模試に受かれといっているようなものだ。
なので、最初はとにかく成績不振で落第、退学処分ばかりだった。
それでも、何度も繰り返し、繰り返し、ループを重ねて、そのたびにレベルも魔力も元に戻っていく虚しさと悲しみを重ねながら、今度こそはと今日を迎えた。
それなのに。
「エウレカ・レインハルトに告ぐ。本日をもって、あなたはに学園追放を言い渡します。王太子カエラム・ファントムを誘惑した罪として、本来であれば牢屋に入れられるべきですが、慈悲深き王太子が、その罪をお許しになりました。よって、学園追放。のちに、修道院に入っていただきます」
声高々に叫ぶのは、王太子の婚約者であり、悪役令嬢のミリアリア・ウォルツだった。
他にもなにか叫んでいる声が聞こえるが、もはやそれは遠くー現実とは思えなかった。
「なにか弁明はありますか?」
「………」
もう限界だった。
もう無理だった。
もう、もう私には……。
「黙っていないでなにかおっしゃったらどうなのっ!!!」
ヒステリックに叫ぶその声に、私は手を上げた。
「?」
私の挙動を不思議そうに見ていた周りの生徒は、次第に渦巻く魔力に「攻撃魔法だっ!」と気が付き、叫んだ。
でも、―もう遅い。
「王子!」
ミリアリアが、王子の後ろに隠れた。
―何を勘違いしてるんだか。
私は、呆れた。王子の顔を見ると、驚いたように私を見ていた。
何を驚いているんだ。私、知ってましたよ。あなた、私のこと大っ嫌いだったでしょう。
私が憎かったでしょう。あいつも、あいつも、あいつも、あいつも、み~んな、私のことが嫌いだった。
―何が逆ハーレムエンドだ。
「やっぱり凡人の私には、無理だったな」
そうして、私は風の魔法を使って、自分の喉を切り裂いた。
遠くで、悲鳴が聞こえる。
―あぁ。でも、すべてはもう遠い。
……それでも、また繰り返すのだろう。
私が逆ハーレムエンドを迎えるまで、永遠に。
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