嘘からはじまる恋愛。

田池 宥生

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憂季と宏高 5

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多分、日向先生が何かやらかす。だから憂季も日向先生には気をつけて――


なんて、先生は言ってたけど・・・


「・・・」


「・・・あんまり目立たないな」


「ん・・・」


「・・・」


「授業は??」


「終わった・・・」


 「・・・あのさ」


「ん?」


「・・・卒業式終わったら話があるんだ。聞いてくれるか?」


「・・・うん」


多分、先生は・・・


先生は・・・


本気だったんだ。


「ふぅー・・・」


心なしか、体が重い・・・


「憂季さん、大丈夫ですか?」


「あ、日向先生・・・」


私は壁により掛かった。


「・・・赤来沢先生と結婚するんですか?」


「え?」


「・・・知ってるんですよ・・・


憂季さんと赤来沢先生が付き合ってるのを・・・


しかも妊娠してるんですよね」


いつもと違う、日向先生の目・・・


先生が言っていた意味が解った気がする・・・


「・・・何故・・・」


日向先生の手にはナイフが握られていた。


「日向先生・・・?!」


よりにもよって一番視角な場所で・・・


「私ではなく・・・赤来沢先生なんですか・・・」

ヤバい・・・


「・・・私は・・・憂季さんに私の子供を・・・産んで欲しいんです・・・」


近くでクラスメイトの声がする。


「だから・・・」


日向先生がナイフを振りかざすのを見て


私はお腹を庇った。


ン゛ッ・・・


恐る恐る瞼を開けると先生がいた。


「・・・せんせ・・・」


私を庇うかのように抱かれていた私は先生と一緒に膝から落ちた。


そしてクラスメイト達の悲鳴が聞こえた。


「ひろ・・・たか・・・?」


「私は悪くない・・・!!私は・・・!!」


「宏高・・・!!宏高・・・!!」


「赤来沢先生!!」


「宏高・・・!!」


「救急車ッ!!」


「嫌だ・・・!!宏高までいなくなっちゃヤダ!!」


ドクン...ドクン...


ハル・・・


ハル・・・


夏生まれなのにハル・・・


「ヤダ・・・!!ッ・・・!!ひろ・・・たかッ...///!!」


「憂季ちゃん・・・?」


「憂ちゃん??」


「私・・・妊娠・・・してる・・・」


「え?!」


「・・・お腹・・・痛い・・・!!」


「タケ!!救急車追加!!」


「憂ちゃん、今何ヶ月?」


「・・・5ヶ月ッ・・・///!!」


「タケ、妊婦!!」


「はいよ!!って、妊婦?!」


クラスメイトが騒がしい中、私は意識を失った。


「憂ちゃん!!」


宏高・・・ハル・・・元気でいて・・・


会いたい・・・


ママぁ~...


こら、ハル!...


ハル、パパに結んでもらったの?...


うん!...


憂季、疲れたぁ...


宏高、頑張れ~...


可愛い子・・・


可愛い・・・

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