嘘からはじまる恋愛。

田池 宥生

文字の大きさ
上 下
13 / 14

憂季の夢、宏高の夢

しおりを挟む



「・・・ねぇ何で学校?」


3月8日――私の21歳の誕生日に何故か学校に連れて来られた私。


「あ、李菜・・・」


「・・・おはよ、憂季」


「憂季」


宏高が私の名前を呼ぶと、2人は体育館のドアを開けた。


「え・・・」


そこにはクラスメイトと双方の家族、匡貴、御世話になった人達が居た。


「何で・・・」


「・・・皆、憂季が大好きだからだよ。だから、だよ」


「・・・憂季」


「何?」


「・・・ちゃんと俺から卒業して」


「え?」


「俺も憂季から卒業する・・・だから・・・」


宏高は泣きそうな、声を詰まらせた。


「・・・赤来沢」


「・・・んっ・・・2人でちゃんと卒業して・・・」


「・・・」


「教師と生徒の関係から卒業して・・・」


「・・・」


「・・・憂季・・・俺と・・・結婚して下さい」


「・・・」


「・・・憂季、返事は?」


「・・・」


私は初めて会った時のことを思い出した。


憂季...


憂季...


憂季ちゃん...


憂季ちゃん...


憂...

憂...


憂季...


「・・・」


これだけは、宏高には内緒だけど・・・。


15年前から、貴男が大好きなんだよ・・・。


だから、貴男と再会出来た時は嬉しかった。


「・・・憂季?」


私の将来の夢――宏高と家族になる


―――――・・・・・
宏高side


「・・・」


「・・・赤来沢らしくないわね?」


「・・・緊張してる」


「・・・憂季のことお願いします」


長野はそう言うと頭を下げた。


「長野・・・」


長野は大粒の涙を流していた。

「・・・わかりました」


3年前のあの日、


卒業式終了後の、最後のHRで憂季にプロポーズしようとしていた。


でも、日向先生が事件を起こし


俺は刺されて入院した。


退院したあと俺は仕事を休んだ。

憂季に会いたかったし、連絡したかったが

憂季から俺宛の手紙を総帥から受け取った。


手紙には憂季の気持ちが書いてあった。


その手紙には「多分、私は何年経っても先生が好きです」って言う言葉で締められていた。


だから嬉しかった。


憂季への愛を埋めるかのように結婚した相手が


事故で亡くなって・・・


日も浅いのに、また憂季に会えたんだから・・・


「・・・」


俺達の物語は今日で終わり。


そして新たな物語を始めよう。


「・・・名前は?」


飛羽しょう


「・・・うん」


「パパーしょーくん見たい!!」


「はい、はい」


チビに飛羽を渡すと俺は憂季にキスをした。


「・・・愛してる」


俺の夢――憂季を守れるようになりたい
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

惜しからざりし命さへ

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:11

ハース・メモリア

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:11

悪役令嬢はショタっ子王子に落とされる?!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:14

【R18】TSエロゲの世界でチョロインになった件

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:198pt お気に入り:873

【R18】最強君とギャルJKの異世界建国記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:16

エロいショートショート

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

彼女は激怒した。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

勇者と女魔王の日常

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:13

処理中です...