1 / 5
勘違いΩの転落
しおりを挟む
αは上でΩは下
それがこの世の常だった。
αは顔も良くて頭も良くて,スポーツや芸能界で活躍している人気者たちは殆どみんなα。
まさに天が二物を与えたような存在,それがαだ。
それと引き換えΩは、妊娠や子供を産むことに特化した人間といえば聞こえはいいが,要は子作り以外脳がない存在なのだ。
その事実を裏付けるかのように,ほんの数十年前まではΩの性奴隷制度が認められていた。
近年,Ωの人権を訴える団体によって制度そのものは無くなったが,未だにΩに対する差別意識は変わらない。
さらにΩには、周期的にくるヒートというものがあり,番ったαと2度と離れることができない。
そのため,社会的にかなり不利な存在だといえる。
(まあ別に?わかっていることだし)
そんなことを脳内でぼやきながら青年は煙草に火をつけた。
何も知らないβの人間が見れば,αだと思ってしまうだろう。
色白美白でスラリとしたモデル体型。
シュッとした平行の二重に長いまつ毛。
誰もがはっと息を呑むような美青年。
青年の名前は姫乃海斗。
第二の性はΩ。
幼少期,姫乃は自分がαであると信じて疑わなかった。
しかし,10歳の時に受けた特性診断により,自らがΩであることを知ったその日から,姫乃の人生は転落してしまったのだ。
今まで自分がαであると信じて疑っていなかった姫乃は、周囲に対して高圧的で横暴な態度をとっていた。
が,蓋を開けてみればヒエラルキー最下層のΩ。
その結果、小学校の頃はひどいいじ目を受けることとなった。
その中でも特に姫乃を苦しめることとなったのは,姫乃が横暴な態度をとり虐めていた同級生のうちの1人がαだった事だ。
その同級生は特に何もしてこなかったが、その態度が逆に屈辱的で、姫乃は学校に行かなくなり、引きこもりがちになった。
それでも中学、高校と姫乃は少しでも上に上がろう努力としたが,Ωという性に抗えずズブズブと沈んでいった。
結局,家にいても息苦しく感じるようになり,高校卒業と同時に家出をし、
ギリギリで受かった大学の近くにあるボロボロのアパートを借りた。
もつれにもつれて、落ちに落ちた姫乃は、現在、αの男女を対象に援助交際をして生活していた。
幸い元の顔や見た目はかなり良かったから、金と客に困ることはなかった。
人生の半分以上をΩという性によって諦めていた姫乃は,金さえもらえれば誰でも良かった。
αであるのに自分に自信のない内気な男の相手をすることもあれば、αということしか取り柄のない年増の女を相手にすることもあった。
今日もまた姫乃は客を待っていた。
SNSで知り合った、顔も知らない30代のサラリーマン。
最近Ωのセフレと切れて,欲求不満らしい。
ちょうど姫乃も月末、金欠気味で困っていたところだったからちょうどいい。
「君,カイくん?」
カイというのは、姫乃のSNSのハンドルネームだ。
「はい,今日はありがとうござい、、」
と言いかけて、絶句した。
目の前に立っていた男が、とても30代とは思えない見た目をしていたからだ。
白髪混じりにところどころ禿げている頭、服には臭そうな汗染みがあり、さらにはかなりの肥満体型。
明らかに不潔だ。
セフレどころかサラリーマンということすら怪しいような男。
舐めまわすような視線で姫乃を見ていてはニヤついていた。
誰でもいいと思っていた姫乃でさえ近づきたくないと思ってしまうほどだ。
しかし,最近金欠であった姫乃は,引き下がるわけにはいかなかった。
(ここは覚悟を決めるしかなさそうだな)
姫乃は,精一杯の愛想笑いでその男と共に予約していたホテルへと向かった。
それがこの世の常だった。
αは顔も良くて頭も良くて,スポーツや芸能界で活躍している人気者たちは殆どみんなα。
まさに天が二物を与えたような存在,それがαだ。
それと引き換えΩは、妊娠や子供を産むことに特化した人間といえば聞こえはいいが,要は子作り以外脳がない存在なのだ。
その事実を裏付けるかのように,ほんの数十年前まではΩの性奴隷制度が認められていた。
近年,Ωの人権を訴える団体によって制度そのものは無くなったが,未だにΩに対する差別意識は変わらない。
さらにΩには、周期的にくるヒートというものがあり,番ったαと2度と離れることができない。
そのため,社会的にかなり不利な存在だといえる。
(まあ別に?わかっていることだし)
そんなことを脳内でぼやきながら青年は煙草に火をつけた。
何も知らないβの人間が見れば,αだと思ってしまうだろう。
色白美白でスラリとしたモデル体型。
シュッとした平行の二重に長いまつ毛。
誰もがはっと息を呑むような美青年。
青年の名前は姫乃海斗。
第二の性はΩ。
幼少期,姫乃は自分がαであると信じて疑わなかった。
しかし,10歳の時に受けた特性診断により,自らがΩであることを知ったその日から,姫乃の人生は転落してしまったのだ。
今まで自分がαであると信じて疑っていなかった姫乃は、周囲に対して高圧的で横暴な態度をとっていた。
が,蓋を開けてみればヒエラルキー最下層のΩ。
その結果、小学校の頃はひどいいじ目を受けることとなった。
その中でも特に姫乃を苦しめることとなったのは,姫乃が横暴な態度をとり虐めていた同級生のうちの1人がαだった事だ。
その同級生は特に何もしてこなかったが、その態度が逆に屈辱的で、姫乃は学校に行かなくなり、引きこもりがちになった。
それでも中学、高校と姫乃は少しでも上に上がろう努力としたが,Ωという性に抗えずズブズブと沈んでいった。
結局,家にいても息苦しく感じるようになり,高校卒業と同時に家出をし、
ギリギリで受かった大学の近くにあるボロボロのアパートを借りた。
もつれにもつれて、落ちに落ちた姫乃は、現在、αの男女を対象に援助交際をして生活していた。
幸い元の顔や見た目はかなり良かったから、金と客に困ることはなかった。
人生の半分以上をΩという性によって諦めていた姫乃は,金さえもらえれば誰でも良かった。
αであるのに自分に自信のない内気な男の相手をすることもあれば、αということしか取り柄のない年増の女を相手にすることもあった。
今日もまた姫乃は客を待っていた。
SNSで知り合った、顔も知らない30代のサラリーマン。
最近Ωのセフレと切れて,欲求不満らしい。
ちょうど姫乃も月末、金欠気味で困っていたところだったからちょうどいい。
「君,カイくん?」
カイというのは、姫乃のSNSのハンドルネームだ。
「はい,今日はありがとうござい、、」
と言いかけて、絶句した。
目の前に立っていた男が、とても30代とは思えない見た目をしていたからだ。
白髪混じりにところどころ禿げている頭、服には臭そうな汗染みがあり、さらにはかなりの肥満体型。
明らかに不潔だ。
セフレどころかサラリーマンということすら怪しいような男。
舐めまわすような視線で姫乃を見ていてはニヤついていた。
誰でもいいと思っていた姫乃でさえ近づきたくないと思ってしまうほどだ。
しかし,最近金欠であった姫乃は,引き下がるわけにはいかなかった。
(ここは覚悟を決めるしかなさそうだな)
姫乃は,精一杯の愛想笑いでその男と共に予約していたホテルへと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
30歳の誕生日、親友にプロポーズされました。
凪
BL
同性婚が認められて10年。世間では同性愛に対する偏見は少なくなってきた。でも結婚自体、俺には関係ないけど…
缶ビール片手に心を許せる親友と一緒に過ごせればそれだけで俺は満たされる。こんな日々がずっと続いてほしい、そう思っていた。
30歳の誕生日、俺は親友のガンちゃんにプロポーズをされた。
「樹、俺と結婚してほしい」
「樹のことがずっと好きだった」
俺たちは親友だったはずだろ。結婚に興味のない俺は最初は断るがお試しで結婚生活をしてみないかと提案されて…!?
立花樹 (30) 受け 会社員
岩井充 (ガンちゃん)(30) 攻め
小説家
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる