とっととくたばれクソビッチ!!

ヒナタ

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勘違いΩの転落

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αは上でΩは下
それがこの世の常だった。
αは顔も良くて頭も良くて,スポーツや芸能界で活躍している人気者たちは殆どみんなα。
まさに天が二物を与えたような存在,それがαだ。
それと引き換えΩは、妊娠や子供を産むことに特化した人間といえば聞こえはいいが,要は子作り以外脳がない存在なのだ。
その事実を裏付けるかのように,ほんの数十年前まではΩの性奴隷制度が認められていた。
近年,Ωの人権を訴える団体によって制度そのものは無くなったが,未だにΩに対する差別意識は変わらない。
さらにΩには、周期的にくるヒートというものがあり,番ったαと2度と離れることができない。
そのため,社会的にかなり不利な存在だといえる。
(まあ別に?わかっていることだし)
そんなことを脳内でぼやきながら青年は煙草に火をつけた。
何も知らないβの人間が見れば,αだと思ってしまうだろう。
色白美白でスラリとしたモデル体型。
シュッとした平行の二重に長いまつ毛。
誰もがはっと息を呑むような美青年。
青年の名前は姫乃海斗。
第二の性はΩ。
幼少期,姫乃は自分がαであると信じて疑わなかった。
しかし,10歳の時に受けた特性診断により,自らがΩであることを知ったその日から,姫乃の人生は転落してしまったのだ。
今まで自分がαであると信じて疑っていなかった姫乃は、周囲に対して高圧的で横暴な態度をとっていた。
が,蓋を開けてみればヒエラルキー最下層のΩ。
その結果、小学校の頃はひどいいじ目を受けることとなった。
その中でも特に姫乃を苦しめることとなったのは,姫乃が横暴な態度をとり虐めていた同級生のうちの1人がαだった事だ。
その同級生は特に何もしてこなかったが、その態度が逆に屈辱的で、姫乃は学校に行かなくなり、引きこもりがちになった。
それでも中学、高校と姫乃は少しでも上に上がろう努力としたが,Ωという性に抗えずズブズブと沈んでいった。
結局,家にいても息苦しく感じるようになり,高校卒業と同時に家出をし、
ギリギリで受かった大学の近くにあるボロボロのアパートを借りた。
もつれにもつれて、落ちに落ちた姫乃は、現在、αの男女を対象に援助交際をして生活していた。
幸い元の顔や見た目はかなり良かったから、金と客に困ることはなかった。
人生の半分以上をΩという性によって諦めていた姫乃は,金さえもらえれば誰でも良かった。
αであるのに自分に自信のない内気な男の相手をすることもあれば、αということしか取り柄のない年増の女を相手にすることもあった。
今日もまた姫乃は客を待っていた。
SNSで知り合った、顔も知らない30代のサラリーマン。
最近Ωのセフレと切れて,欲求不満らしい。
ちょうど姫乃も月末、金欠気味で困っていたところだったからちょうどいい。
「君,カイくん?」
カイというのは、姫乃のSNSのハンドルネームだ。
「はい,今日はありがとうござい、、」
と言いかけて、絶句した。
目の前に立っていた男が、とても30代とは思えない見た目をしていたからだ。
白髪混じりにところどころ禿げている頭、服には臭そうな汗染みがあり、さらにはかなりの肥満体型。
明らかに不潔だ。
セフレどころかサラリーマンということすら怪しいような男。
舐めまわすような視線で姫乃を見ていてはニヤついていた。
誰でもいいと思っていた姫乃でさえ近づきたくないと思ってしまうほどだ。
しかし,最近金欠であった姫乃は,引き下がるわけにはいかなかった。
(ここは覚悟を決めるしかなさそうだな)
姫乃は,精一杯の愛想笑いでその男と共に予約していたホテルへと向かった。
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