アルビノをもつ聖女は自由に生きたい

月影

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プロローグ

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 私、アイリーン・レイスには小さいときから前世の記憶がある。
 前世の私はいじめられっ子だった。
 保育園ではすでにカーストが決まり、小・中学校合わせて10年くらいの間に何ヶ月かいじめは行われた。
 いじめがなかった期間、私はいいように使われる駒のような存在。
 その時の私は他人の顔色を伺うことでしか身を守ることが出来ない弱い人間だった。
 そんな私が逃げ込んでいたのは図書館だ。
 とくにファンタジーな物語は私の心をわくわくさせてくれて、一時でも辛い現実を忘れられた。

 こんな連鎖を終わらせたくて、高校では1人を貫いていた気がする。
 いじめられない代わりに、私は心を失った。
 何もかもがどうでもよく、やるべき事だけをして物語の世界に潜り込む。

 今思えば、それは寂しい人生だった気がする……。

 そして今世でも私はまわりに馴染むことは出来なかった。

 私は生まれつき髪の色が白で瞳も青だった。
 この世界で青色の瞳はないことは無いが髪が白色というのは聞いたことがない。
 普段は山に住んでいるがたまに下りるときがある。
 その時の村のみんなの反応はあまりにもひどいものだった。

 「化け物!」
 「早くこの村から出ていけ!」
 「子供に近ずかないでっ!」
 「一生山から下りてくるな!」

 石や生ゴミを投げられることもある。

 前世のときは仲間はずれや悪口、物を隠されたりすることが多かったけどこの世界は物理的が多いのね。

 石が頭に当たったらどうするの、私を殺したいのかしら。

 私は山を下りる回数を徐々に減らし山の中で畑を作って暮らしている。
 山には美味しい果物もあるし、お肉は動物を狩ればいいから食べ物には困らない。

 村の人たちには内緒にしているが私は魔法が使える。
 普通は貴族階級の人しか使えないがたまに庶民でも魔力を持って生まれてくることがあるのだ。

 私は16歳になったらこの村をでようと計画していた。
 そのために魔法で髪色を変え隣町まで食材を売りに行ってお金も稼いだ。

 明日でやっと16歳になるわ。

 この村を出る前にお父さんとお母さんに会いに行きましょう。

 私は森の中で摘んだ花束をもって両親の墓に赴いた。
 私の両親は病気で亡くなった。
 病気で家から出られない両親の代わりに、私が村におりて薬を買いに行っても売ってくれなかったのだ。

 「あの時のこと、別に恨んではいないわ、人間は自分本位が普通なのよ」
 
 前世の私がそうだったように……。
 あの時は自分を守るために必死だった…。
 

 墓の前で手を合わせてお別れを告げる。

 「お父さん、お母さん、私は明日この街を出ようと思います。こんな見た目だけど、私は恥じることは何一つしていないわ。親孝行なんてできなかったけど空の上で見守っててね」

 最後に笑って私は両親の墓を去った。
 

 
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