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4話
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オレリア様の部屋に着くと、エドガーと会話している最中だった。
「勝手に邪魔して悪いわね、この人たちを届けに来たの。ついでに東のダンジョンの結界を張り直したという報告も」
大勢でのいきなりの転移に二人は驚いた顔をしている。
「この人たち、ダンジョンのボスであるシルバーヴォルぺや魔物たちをを集団でいたぶっていたわ。それに雑な薬草採取。どう考えても国の騎士がすることではないでしょ」
私の言葉を聞くなり険しい表情をし謝った。
「…ごめんなさい、あなたにいらぬことまでさせたわね」
「おそらく国王の指示で薬草採取に行ったんだ。でも魔物をいたぶるなんてっ…。」
二人ともギルドのルールをしっかりわかっている。
ダンジョンの生態系を崩さないために五人一組でパーティーを組み、ギルドが依頼の数を調整したりしてダンジョンに入る人数や環境を調節しているのだ。
知性を持たない低ランクの魔物は確かに厄介。
でも中ランクや高ランクの魔物は知性があり危険がなければむやみに人を襲ったりはしないのよ。
ボスが殺されれば魔物の統率は乱れてしまうし、薬草や果実、新しい命は芽吹かない。
「まったく、国王がこんなにバカだったとはね。この人たちも国の騎士だと言い喚いていたけど、騎士を名乗る資格なんてないわ」
「すまないっ……、止めてくれてありがとう」
……家族以外の人にお礼を言われたのって初めてね。
少し動揺してしまったけど顔には出ていないはず。
するとオレリア様が口を開いた。
「ありがとう、アイリーン。彼らを止めてくれたこともだけれど結界も張り直してくれて」
それは私が言ったことだもの、当然よ…。
「……用は済んだから私は帰ります。残りの三つのダンジョンも心配しないでください」
転移魔法を発動させようと魔力を込めているとエドガーに声をかけられた。
「待って」
「……なに」
「アイリーンはこれからどこに行くの?」
「どこでもいいでしょ」
「ということは家には帰らないんだね、しばらく王都にいるの?」
まったく何なのよ。今朝から思っているけれど本当にしつこいわね。
「結界を張り直すと約束したわ、しばらくはこの辺りにいる」
そう答えると彼は意味ありげに笑った。
「ふーん、だったらここに泊まりなよ。後ろの彼も一緒でいいからさ」
今まで黙っていたシリウスに顔を向けても彼は口を開かなかった。
私に任せるということかしら?
「結構よ、適当に宿を探すから」
「その髪色じゃどこも泊めてくれないんじゃない?」
「そういわれてはいお願いしますとでもいうと思っているの?私は別に傷つかないし、髪だって魔法で色を変えられるわ」
そういうとエドガーは少し悲しそうな顔をした。
…なんであなたがそんな顔するのよ。
「じゃあ宿探し、俺も手伝うよ」
「いらない」
「嫌だね、ついていく」
彼の手には転移結晶が握られている。
……あきらめてくれそうにないわね。
「……わかった」
私はたっぷり間をあけてしぶしぶそう答えた。
「言ってなかったけど後ろにいる彼はシリアス。シルバーヴォルぺが人間の姿をとったものよ」
そういうとシリウスは標準の狐サイズに変身し、白銀の毛並みと九つのしっぽを現した。
オレリア様は微笑ましく笑い、エドガーは笑顔のまま固まっている。
「紹介も済んだことだし、行くわよ。オレリア様、失礼いたします」
「ええ、またいつでもいらっしゃい」
「…あんたいつまで固まっているのよ、おいていくわよ」
転移魔法を発動させようと魔力を込めているとやっとエドガーが動き出した。
そして私たちはそのまま王都の城下街へと転移した。
「勝手に邪魔して悪いわね、この人たちを届けに来たの。ついでに東のダンジョンの結界を張り直したという報告も」
大勢でのいきなりの転移に二人は驚いた顔をしている。
「この人たち、ダンジョンのボスであるシルバーヴォルぺや魔物たちをを集団でいたぶっていたわ。それに雑な薬草採取。どう考えても国の騎士がすることではないでしょ」
私の言葉を聞くなり険しい表情をし謝った。
「…ごめんなさい、あなたにいらぬことまでさせたわね」
「おそらく国王の指示で薬草採取に行ったんだ。でも魔物をいたぶるなんてっ…。」
二人ともギルドのルールをしっかりわかっている。
ダンジョンの生態系を崩さないために五人一組でパーティーを組み、ギルドが依頼の数を調整したりしてダンジョンに入る人数や環境を調節しているのだ。
知性を持たない低ランクの魔物は確かに厄介。
でも中ランクや高ランクの魔物は知性があり危険がなければむやみに人を襲ったりはしないのよ。
ボスが殺されれば魔物の統率は乱れてしまうし、薬草や果実、新しい命は芽吹かない。
「まったく、国王がこんなにバカだったとはね。この人たちも国の騎士だと言い喚いていたけど、騎士を名乗る資格なんてないわ」
「すまないっ……、止めてくれてありがとう」
……家族以外の人にお礼を言われたのって初めてね。
少し動揺してしまったけど顔には出ていないはず。
するとオレリア様が口を開いた。
「ありがとう、アイリーン。彼らを止めてくれたこともだけれど結界も張り直してくれて」
それは私が言ったことだもの、当然よ…。
「……用は済んだから私は帰ります。残りの三つのダンジョンも心配しないでください」
転移魔法を発動させようと魔力を込めているとエドガーに声をかけられた。
「待って」
「……なに」
「アイリーンはこれからどこに行くの?」
「どこでもいいでしょ」
「ということは家には帰らないんだね、しばらく王都にいるの?」
まったく何なのよ。今朝から思っているけれど本当にしつこいわね。
「結界を張り直すと約束したわ、しばらくはこの辺りにいる」
そう答えると彼は意味ありげに笑った。
「ふーん、だったらここに泊まりなよ。後ろの彼も一緒でいいからさ」
今まで黙っていたシリウスに顔を向けても彼は口を開かなかった。
私に任せるということかしら?
「結構よ、適当に宿を探すから」
「その髪色じゃどこも泊めてくれないんじゃない?」
「そういわれてはいお願いしますとでもいうと思っているの?私は別に傷つかないし、髪だって魔法で色を変えられるわ」
そういうとエドガーは少し悲しそうな顔をした。
…なんであなたがそんな顔するのよ。
「じゃあ宿探し、俺も手伝うよ」
「いらない」
「嫌だね、ついていく」
彼の手には転移結晶が握られている。
……あきらめてくれそうにないわね。
「……わかった」
私はたっぷり間をあけてしぶしぶそう答えた。
「言ってなかったけど後ろにいる彼はシリアス。シルバーヴォルぺが人間の姿をとったものよ」
そういうとシリウスは標準の狐サイズに変身し、白銀の毛並みと九つのしっぽを現した。
オレリア様は微笑ましく笑い、エドガーは笑顔のまま固まっている。
「紹介も済んだことだし、行くわよ。オレリア様、失礼いたします」
「ええ、またいつでもいらっしゃい」
「…あんたいつまで固まっているのよ、おいていくわよ」
転移魔法を発動させようと魔力を込めているとやっとエドガーが動き出した。
そして私たちはそのまま王都の城下街へと転移した。
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