また会えたのは嬉しいんだけど…これ、どうすれば?

フリージア

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「シア、君はもっと人から愛され慣れるべきだ」
頭を撫でながら彼はそう言う。意味が分からない?私の心の内を読んだのか、
「君は長い間ずっと1人だった。だから今は分からないかもしれない、けど…」
彼は少し遠くを見て、それから私に優しく微笑んで、
「きっといつか、人から愛される喜びを分かるようになる日が来るよ」
少し寂しそうな顔で、
「人を愛する喜びもね」



どうして悲しい顔をするの?彼は一体何を…
「ん…」
頭を撫でられている。
悲しまないで、私はあなたに笑っていて欲しい…そう伝えたいのに伝えれない。そんなもどかしい気持ちを抱えながら、私を撫でる手に甘える様に擦り寄って…
「!?」
夢と現実の狭間が分からなくなる。私は…
「リアーーー!!」
「はっ!」
リーゼに大声で名前を呼ばれ、一気に覚醒する。待って、私は今何を…嫌な予感がしながら視線を上に向けると…
「シア?もっと寝てればいいんだよ?頭撫でていてあげるから」
とウィルに満面の笑みで言われた。絶対バカにされてるー!!と言うか、やっぱり私ウィルに擦り寄っていたのね!?状況を察した私は急いで起き上がる。
「もう、大丈夫です。ありがとうございました。」
若干早口でお礼を述べ、急いで距離を取る。普段なら「どこに行くの?」と言われすぐに隣に連れ戻されるのだが、今回は「そう?」と言ってニコニコしている。何なんだ!?すっごい怖いんだけど…私、他に何もやらかしてないよね?戸惑っていると、リーゼが駆け寄って来て、
「リア大丈夫ですの!?あれに何かされてませんわよね!?」
リーゼが必死な様子で私に尋ねて来るが、私は寝ていて何も分からないわけで…
「多分?」
首を傾げながら、曖昧な返事をすると、
「今からあれ、絞めて来ますわ」
リーゼが人を殺せそうな目でウィルに詰め寄…
「落ち着けリーゼ。ウィルはリアの嫌がることはしねえよ。」
ルトがリーゼを物理的に引き留める。いやいや、普段から結構嫌がらせっぽいことされてません?
「そうそう!リアちゃんに逃げられたらウィル、色んな意味で生きて行けそうにないからねー」
レオが頷きながら付け足す。何言ってるの?ウィルは1人でも…極端に言ったら最後の人類になっても生きて行けるでしょ?
「どう考えても、あいつは確実に外壁埋めて行くタイプだろ。こんなところでヘマはしない。」
マシューが興味なさそうに、本を読みながら呟く。外壁って?いったい何のこと?
「それは…まあ、そうなんですけれども…」
リーゼはなぜか納得している。今ので納得するー??
私の疑問は尽きないのだが、みんなはなぜか納得しているらしい。もうやだ…寝て疲れは取れているはずなのに、寝る前より体が重い気がする。もう絶対、ウィルの側では寝ないから!私の決意はいかに?



「魔物討伐は終わった?」
昼食を食べながらウィルがみんなに尋ねる。
「討伐自体は終わったんだが、ついでに頼まれた薬草が見つからなくてな。まあ、大昔に絶滅したものらしいから、見つかるわけがないんだが…」
ルトが呆れたように答える。そう言えば、出発前に白衣着た人たちから懇願されていたよね?「女神様がいらっしゃるなら…!」とか言ってた気がする…仕方ない…
「どんな薬草ですか?」
ここは私が人肌脱いであげよう。ルトが申し訳なさそうな顔をして、
「ここに書かれているものなんだが…」
ルトから渡された古い紙を見る。所々掠れているが、ふむふむ、これは…!?また懐かしいもので…先ほどの夢の続きかと思わず疑ってしまう。確かにこれは普通の土地では育ちにくいからな…かつて自身もこの薬草を育てようと、試行錯誤した日々を思い出す。結局、実験の副産物で予想以上に繁殖が広がり周囲の植生を…ちょっと?いや、かなり?変えちゃった…いや、元々魔法の実験とかで最早最初の頃とは別空間と化していたから、大丈夫!(いや、何が?)目を瞑って周囲を探査する。おっ?
「ここから南東へ3キロ、小さな湖の側に群生地がありますね」
湖って…場所まで似通っている。別にこれ水場で育ちやすいと言うわけでもないんだけどな?
「さすがリアですわー!!」
リーゼが私に抱きつき。
「一応その薬草、はるか昔に絶滅したと言われる幻の薬草なんだけどー?万病に効くと言われる伝承まで残っているほどすごいものなんだけどー?ここまであっさり見つけられると、もはや何も言えないんだけどー?」
 (小さな声で早口で 「持ち帰って調べないと…いや、家まで待てないし、ここの研究者の人たちに混じって…」)
レオが若干引き攣った笑みを浮かべている。
「だから、さっさとリアに聞いた方が早いと言ったのに」
マシューが若干不機嫌に。
「リアにばかり頼ったらダメだろ」
ルトが呆れた様に言う。
今回早かったのはたまたまなんだけど…探査自体はみんなも訓練すればできるようになると思うよ?
「それじゃあ、昼食を食べ終わったら、そっちに移動しようか。」
ウィルの言葉で今後の予定は決まったのであった。

「ちょっと!?みんなこの薬草の価値本当に分かってる!?これは…!」
レオが何か騒いでいるが、みんな完全に無視して昼食を楽しんだ。
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