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「それで、私に何の用?」
ティーカップを置きながら、目の前の少年に尋ねる。彼は
「…!」
「私と結婚してください」
…?ちょっと待って、今なんて言った?過去の記憶と混濁しているのかな?
「すみません。考え事をしていました。なんておっしゃいましたか?」
そう、きっと聞き間違い…
「私と結婚してください」
じゃなかった。大丈夫か?この人?途端にこの帝国の行末が心配になる。
「…私が誰なのかご存知ですよね?」
暗に私とは結婚出来ないぞと伝えるのだが、
「はい、アリシア様」
「…はっ?」
今、呼ばれるはずのない名前で呼ばれたのた…え?空耳?
「アリシア様!再びお会いできて嬉しいです!薬草の件でもしやとは思ったのですが、まさか本当にあなた様だったとは!やはり、私とあなた様は…!」
突怒涛の勢いで熱く語り出した。さっきの穏やかそうな姿から一転、暑苦しい…けれど、私はこの姿の彼にすごく見覚えがある。
「あー、一応聞くけどランで合ってるんだよね?」
「はい!今も昔もあなた様のランです!」
「語弊がある言い方はやめようか」
どうやら私の知っているランで合っているらしい。と言うことは、
「あなたも転生したってこと?」
「そのようです。あー!アリシア様と再び同じ時代に生まれ変わることが出来るだなんて…!」
「ちょっと静かにしようか」
これは止めなければ永遠と話し続ける。
「…」
私の一言ですぐに静かになるが。それにしても、私にウィルにラン、これで3人目。私たちに共通する点は何だろう?それともたまたまこの3人が生前の記憶を持ったまま産まれただけか…正直何か意図的な作為がある気がしてならない…今考えたところで答えは出ないか。
「まあ、いいわ。それで、何で私を妻にするって話になるわけ?」
そう、目下の問題はそこである。何でこんなことになっているのか?そもそも、
「あなた前は「僕も結婚式に呼んでください!」って言ってたじゃない?」
別に私に結婚式を挙げる予定はなかったのだが…なぜそんなことを言い出したのか今でも謎だ。しかも今回は、結婚してくださいとなぜかアップグレードしている…謎は深まる一方である。
「あの方がいらっしゃらない今、アリシア様を幸せに出来るのは私だけです」
真剣な表情ではっきりと述べる。あなたを幸せに出来るのは私だけってプロポーズの言葉でよくありそう。いや、今がまさにそうか?ちょっと一般的な意味合いとは異なると思うけど。そう言えばラン、彼にもよく懐いてたっけ?剣の稽古なんかもつけてもらってたよなー。怪我をするたびに、私がめんどくさいと言いながらも治療していた。今でも決して色褪せることのない、大切な思い出だ。ランのことはなんだかんだ可愛がっていたし、幸せになってほしいと思う。だから、
「私のことは気にしなくていいわ。あなたに心配されるほど子供じゃないし。」
そうである。なぜ私はこんなにも年下の少年に心配されているのか…謎だ。
「心配するに決まっているでしょう!?突然あなた様たちがいなくなって僕は…」
ランが突然立ち上がり、大声で叫ぶ。心にまで響く悲痛の叫び声で、最後の方は消えてなくなりそうだった。
やはりあの時の私の選択は間違っていたらしい。私は私のことしか考えていなかった。周りを気にする余裕がなかった。けど今なら、
「ごめんね。大人気なくて。でも、もう大丈夫だから。向き合う覚悟は出来たから。」
ランの手を取りながら語りかける。私はもう逃げない。自分から大切な物を捨てたりしない。だから、
「ちゃんと見ていて、これからの私を」
ランに素直な今の気持ちを伝える。きっと彼なら…
「何がどうなってその結論に至ったのか全く分からないのですが…」
うっ!流石に説明端折りすぎた?えっと…どこから何を話せば…頭の中で考えがぐるぐる回っていると。
「分かりましたよ…あなた様がご自身の意見を曲げる気がないことは。」
「え?」
私より先にランの中で答えは出たらしい。
「あなた様は自身で考え、前に進もうとしていらっしゃる。それなのにどうして僕が邪魔できるというのでしょうか?」
仕方ないと言う顔をしながらお茶を飲んでいる。随分とあっさりしているな?もっと粘られるかと…
「ただし!もう絶対に突然いなくならないでくださいね!そんなことがあれば…地獄の果てまで追いかけますから。」
地獄の果てまでって…私地獄行き決定なほど何か悪いことしたっけ?ツッコミを入れたかったが、あまりにも真剣な目をしてお願い?という名の脅迫をしてくるので、
「わかった。いつまでも見守っていてね。」
とりあえず、承諾しておいた。多分今回は突然姿を消すなんてことはない…はず?いまいち確信を持てない私であった。
ティーカップを置きながら、目の前の少年に尋ねる。彼は
「…!」
「私と結婚してください」
…?ちょっと待って、今なんて言った?過去の記憶と混濁しているのかな?
「すみません。考え事をしていました。なんておっしゃいましたか?」
そう、きっと聞き間違い…
「私と結婚してください」
じゃなかった。大丈夫か?この人?途端にこの帝国の行末が心配になる。
「…私が誰なのかご存知ですよね?」
暗に私とは結婚出来ないぞと伝えるのだが、
「はい、アリシア様」
「…はっ?」
今、呼ばれるはずのない名前で呼ばれたのた…え?空耳?
「アリシア様!再びお会いできて嬉しいです!薬草の件でもしやとは思ったのですが、まさか本当にあなた様だったとは!やはり、私とあなた様は…!」
突怒涛の勢いで熱く語り出した。さっきの穏やかそうな姿から一転、暑苦しい…けれど、私はこの姿の彼にすごく見覚えがある。
「あー、一応聞くけどランで合ってるんだよね?」
「はい!今も昔もあなた様のランです!」
「語弊がある言い方はやめようか」
どうやら私の知っているランで合っているらしい。と言うことは、
「あなたも転生したってこと?」
「そのようです。あー!アリシア様と再び同じ時代に生まれ変わることが出来るだなんて…!」
「ちょっと静かにしようか」
これは止めなければ永遠と話し続ける。
「…」
私の一言ですぐに静かになるが。それにしても、私にウィルにラン、これで3人目。私たちに共通する点は何だろう?それともたまたまこの3人が生前の記憶を持ったまま産まれただけか…正直何か意図的な作為がある気がしてならない…今考えたところで答えは出ないか。
「まあ、いいわ。それで、何で私を妻にするって話になるわけ?」
そう、目下の問題はそこである。何でこんなことになっているのか?そもそも、
「あなた前は「僕も結婚式に呼んでください!」って言ってたじゃない?」
別に私に結婚式を挙げる予定はなかったのだが…なぜそんなことを言い出したのか今でも謎だ。しかも今回は、結婚してくださいとなぜかアップグレードしている…謎は深まる一方である。
「あの方がいらっしゃらない今、アリシア様を幸せに出来るのは私だけです」
真剣な表情ではっきりと述べる。あなたを幸せに出来るのは私だけってプロポーズの言葉でよくありそう。いや、今がまさにそうか?ちょっと一般的な意味合いとは異なると思うけど。そう言えばラン、彼にもよく懐いてたっけ?剣の稽古なんかもつけてもらってたよなー。怪我をするたびに、私がめんどくさいと言いながらも治療していた。今でも決して色褪せることのない、大切な思い出だ。ランのことはなんだかんだ可愛がっていたし、幸せになってほしいと思う。だから、
「私のことは気にしなくていいわ。あなたに心配されるほど子供じゃないし。」
そうである。なぜ私はこんなにも年下の少年に心配されているのか…謎だ。
「心配するに決まっているでしょう!?突然あなた様たちがいなくなって僕は…」
ランが突然立ち上がり、大声で叫ぶ。心にまで響く悲痛の叫び声で、最後の方は消えてなくなりそうだった。
やはりあの時の私の選択は間違っていたらしい。私は私のことしか考えていなかった。周りを気にする余裕がなかった。けど今なら、
「ごめんね。大人気なくて。でも、もう大丈夫だから。向き合う覚悟は出来たから。」
ランの手を取りながら語りかける。私はもう逃げない。自分から大切な物を捨てたりしない。だから、
「ちゃんと見ていて、これからの私を」
ランに素直な今の気持ちを伝える。きっと彼なら…
「何がどうなってその結論に至ったのか全く分からないのですが…」
うっ!流石に説明端折りすぎた?えっと…どこから何を話せば…頭の中で考えがぐるぐる回っていると。
「分かりましたよ…あなた様がご自身の意見を曲げる気がないことは。」
「え?」
私より先にランの中で答えは出たらしい。
「あなた様は自身で考え、前に進もうとしていらっしゃる。それなのにどうして僕が邪魔できるというのでしょうか?」
仕方ないと言う顔をしながらお茶を飲んでいる。随分とあっさりしているな?もっと粘られるかと…
「ただし!もう絶対に突然いなくならないでくださいね!そんなことがあれば…地獄の果てまで追いかけますから。」
地獄の果てまでって…私地獄行き決定なほど何か悪いことしたっけ?ツッコミを入れたかったが、あまりにも真剣な目をしてお願い?という名の脅迫をしてくるので、
「わかった。いつまでも見守っていてね。」
とりあえず、承諾しておいた。多分今回は突然姿を消すなんてことはない…はず?いまいち確信を持てない私であった。
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