【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

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1章 異世界に召喚されました

17話 呪文書

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「ん、まてよ呪文書ってことは、コロネも自分が持ってる呪文書で魔法を覚えられるのか?」

「どうでしょう?試した事はありませんが、恐らくは」

「じゃあ、アイテムボックスにある呪文書全部出すから、覚えてない呪文は使っていいぞ」

 そう。ゲーム内でも魔法を覚えるのは呪文書だった。
 私がゲームをはじめた初期はそこそこいい値段で呪文書も売れていたのだが、さすがにゲーム開始から3年目くらいになると魔法は行き渡っているのか呪文書を商店にだしてもあまり売れなくなっていた。
 そのため売れ残った呪文書が山ほどある。
 私は職業的に覚えられない呪文が多いが、職業大賢者のコロネなら大体覚えられるだろう。

 私が呪文書をアイテムボックスから取り出すとコロネに渡す。

 コロネが一礼してうけとると、一つ一つ目を通し、……何故か天を仰ぎ。
 そのまま卒倒した。

 
 うん。何故だ。


 △▲△


「申し訳ありません。あまりにも伝説級の呪文書ばかりだったのでつい……」

 コロネを抱き起こせば、コロネが頭を抑えながら起き上がった。

「伝説級って……プレイヤーには普通の呪文書だけど」

「猫様、基本この世界ではプレイヤーの方々は強大な存在です。
 人間や獣人の平均レベルが5~10。騎士達にしても20~30。強いと言われる人物で40です。
 寿命の長いエルフや竜人は10~30。騎士達は40~60。強い部類で60~95となります。
 レベル200のプレイヤーの足元にもおよびません。
 装備などでもこちらの世界の住人を遥かに凌駕しています」

「へー。じゃあレベル143だったコロネって超強い部類だったのか」

 私の言葉にコロネは苦笑いして

「ええ、ですがプレイヤーが召喚された今となっては、虚しい話ではありますが。
 呪文書一つとってもそうです。
 私たちの基準では夢御伽話級の魔法書でさえ、プレイヤーの方にとっては普通レベルなのですから……
 復活の呪文の呪文書など、神官を総べる神官長ですら所持していません。
 こちらがどんなに足掻いてもプレイヤーには勝てないのも仕方がないのかもしれませんね」

 言ってため息をつく。

「んー。でもコロネだって大分レベル上がったんじゃないか?」
 
 そう。エルフの砦に魔物が大挙して押し寄せたときパーティーを組んだので大分レベルも上がっているはずだ。

「ああ、そうでしたね。
 鑑定の魔道具でレベルを確認するのを忘れていました」

「へぇ。そんなのがあるんだ?」

「はい。こちらの住人はステータス画面を見ることができませんから。
 基本魔道具でレベルを鑑定します。
 この魔道具は自分のレベルしか測定できません。
 ここ50年、レベルが上がる事などなかったので持ち歩くのを忘れていました」

「50年も?」

「はい。これでも一応レベルあげはしていたつもりですが……。
 鑑定のスキルもありませんし、レベルを調べる魔道具も自分以外には使えません。
 ですので魔物の正確なレベルがわかりませんから、どうしても闘う時に慎重にならざるえません。
 復活の呪文もゲーム化から解除されると同時に失われてしまっていますからね。

 武器・防具もプレイヤーの方と比べてしまうとかなり見劣りする状態ですから、同レベル相手の魔物でもこちらの住人にはきついものがあります。
 一応私は魔力量などでそれなりに相手のレベルが自分から比べて上か下かは予測することはできるのですが、レベル100を超えるとどうしても適正レベルの敵がいなくなります。
 ですからレベルを上げるのも大変になります」

「あー。なるほど。確かに」

 プレイヤーは死んでも生き返れるため、無理な戦い方もできるだろうが、こちらの住人は死んだら生き返れないとしたら慎重にもなるだろう。
 てか、ゲーム中では普通に神官なら復活の呪文は使えたはずなのだけれど……なぜか復活の呪文は失われているらしい。
 そりゃ復活の呪文の呪文書を渡せば卒倒するはずだわ。

「でもレベル100の敵とか普通に森の中とかに闊歩していなかったっけ?」

「ゲーム化が解けてから10年もしないうちに、魔素濃度がぐっと下がりまして。
 現在では魔物のレベルが高いと言われているエルディアの森でも魔物のレベルは40~80の魔物しか湧きません。
 街道や平原にいたってはレベル5~10です」

「へぇ。随分平和的な世界になってたんだな」

 言いつつ私はコロネのレベルを鑑定してみた。
 レベルはいつの間にか448となっている。

「うん。コロネのレベルは448だな。
 三人で経験値をわけてそれだけ上がったなら結構上がった方かな?」

 私の言葉にコロネが固まるのだった。
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