【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

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1章 異世界に召喚されました

68話 もったいないの精神

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「ぷはぁ!!」

 私は敵の自爆攻撃が収まるとカエサルの死体を持ち上げた。
 視界の開けたその先にはすでにセギュウムの姿はなく、神殿の景色が広がるばかり。

「二人とも平気ー?」
 
 私がシールドを張ったので、カエサルの重みで死ぬということはないはずだが、二人ともいまだ床にひれ伏したままだ。

「驚きました……まさか死体をこのように扱うとは……」

 コロネが床に伏したまま驚きの声をあげる。
 そう――。私はカエサルの無敵鱗を盾がわりにしたのだ。
 まったくのダメージ0とはいかなかったが、ほとんどの攻撃をカエサルの鱗が弾いてくれたので、私たち3人ともほぼ無傷である。

「流石 ネコ 日本人! もったいないの精神!」

 リリが合ってるんだか合ってないんだか、よくわからない感想を述べる。
 う、うーん、なんかちょっと違う気もしなくもないが、リリ相手なので突っ込んでも仕方ない。

「ザンダグロムも平気かー?」

 遠くで硬質化したザンダグロムに聞けば「イエス・マスター」と返事がくる。
 
 その時。

≪魔獣セギュウムを倒しました≫

≪あなたたたちが最初のチャレンジ成功者です≫

≪ドロップ10倍の特典が付与されます≫


 システムメッセージがボス討伐の完了を告げた。

 おおおお!?初チャレンジクリアだとそんな特典ついたのか!?
 そんなの全然知らなかったよ。

 メッセージの終了とともに、魔獣セギュウムがいたその場所に宝箱が現れ――そしてその前にテオドールが現れる。

『ありがとう――。冒険者達よ。

 これでやっと私も――眠りにつける
 死んでいった者たちも――やっと報われる』

 そう言って、テオドールは微笑むと――姿が掻き消えた。

 コロネを見やれば何とも言い難い表情をしているが――

「コロネ、リリみたいにテオドールに転移の巻物をつかってみるか?」

 私の問いにコロネは はっと我にかえり

「いえ、やめておきましょう。
 こうしてイベントとして作動している以上、そんな事をすればどんな影響がでるかわかりません。

 ……それに、彼の肉体は既に滅んでいます。
 システムから解放されれば、肉体を追って魂も消滅するだけです」

「――そうか」

 私はそれ以上は言わずに、宝箱に視線を落とした。
 コロネがそう判断したのならきっとそれが正解なのだろう。

「宝箱、鑑定の巻物あるかな?」

 リリがひょいっと宝箱をあけ、中に入っていたものは。

【瞬間移動】の巻物×2 【鑑定】の巻物×3 【殺気】の巻物×3 
【硬質化】の巻物×3 【魔力察知1】の巻物×2 【並行思念1】の巻物×1


 うおおおお!?すごい何この夢のラインナップ。
 ヤバイ。リリとコロネに最低限覚えさせたかったものが全部あるとか!!
 【硬質化】を二人に覚えさせれば、防御面の問題も完璧克服だ。

「これはまた凄いですね」

 コロネが覗き込みながら感嘆の声をもらす。

「リリ、硬質化覚えたい!!」

 と、ニコニコ顔で巻物を取り出した。

「……問題は、プレイヤーではない。私たちが巻物を使えるか、ですが」

 コロネの言葉にリリと私が固まる。
 う、うん。確かにその可能性もなきにしもあらずだけど、魔法が覚えられたのだから使えるはず!

「迷っても仕方ない。とりあえず使ってみよう」

 言って、私はリリとコロネに【瞬間移動】の巻物を渡した。
 ザンダグロムは鑑定と硬質化など覚えていたし他にもスキルを所持しているのでまた今度ということで。



 巻物は――結論から言うと使えた。
 
 早速瞬間移動をリリとコロネが使用してみたのだが、リリは上手に使えたものの、コロネは出現場所をうまく調整できず、空中に出現してしまい、顔から落ちてしまったのだが……。
 うん。痛そう


 結局その日は大神殿に篭ることになったのである。

 △▲△▲△▲

「もう、鑑定の書を手に入れたとは……」

 次の日。
 皆でリュートの所におしかけて、お茶をしながらリュートにスキル書をわたせば驚きの声をあげた。
 大神殿でゲットしたスキル書のうち、リュート王子に鑑定の書を3個ほど渡したのだ。
 リリとコロネが瞬間移動と硬質化を覚えてからのチャレンジは正直楽勝だった。
 死ぬ要素ないし。
 おかげで何回も周回ができたのだ。

「そもそもチャレンジは制限時間があるからな。そんなに時間はかからない。
 とりあえず今日も何回かチャレンジしてみるつもりだ。

 リュート王子に渡す分はこれな」

 と、私は王子に役立ちそうなスキル書を何個か手渡す。
 実はこっそりグラッドさんにあげる分も確保してるけどそれは秘密にしておこう。

「は!?私もいただいてよろしいのですか!?」

「当たり前だろ。自分たちがエルフ領を離れたら、リュートがここを守ることになるんだ。
 そりゃもちろん何かあったら駆けつけるけど、間に合うとは限らない」

「……ああ、なるほど。
 そうですね、偵察の話ではコルネリアの砦付近で不穏な動きがあるとのことですし……」

「コルネリアの砦って、確かドナルーム大陸の?エルフの国付近にある砦だっけ?」

 そう。そこはゲーム上でも行けたので知っている。魔導士達の住む砦だ。

「はい。
 報告ではプレイヤーが砦に戦力を集めているとかで、いまクランベール達はそちらの警備につくことになりました」

「まさか、エルフの領土に攻撃を仕掛けてくるつもりとか?」

「どうでしょうか。師匠が張った幻術の魔道具の効果で、人間は森に入るだけで迷ってしまうので攻め込まれる事はないと思いますが……」

 リュートが考えるように顎に手を添える。

「そうですね。
 ですが一応警戒はしたほうがいいかもしれません。
 プレイヤーに250くらいのレベルがあれば、プレイヤーだけ攻め込んでくる可能性も。
 あの魔道具を作成したときは私のレベルが143のでしたから。
 幻術が効果があるのはレベル200前半くらいまでが限界でしょう。
 もう少しでレベル700までに対応した魔道具も完成するのですが、あいにく素材が一つ足りない状態でして。
 グラッドに取り寄せてもらっています。
 あと3日もすれば届くかと思われます……」

 などと、私達が話し込んでいると……


「リュート様っ!!大変です!!」

 兵士の一人が慌てて部屋に入ってくるのだった。
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