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2章 人間領へ行くことになりました
7. プレイヤーからの解放
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「うおーーー疲れた!!!」
ラスティア王国の国王やら宰相やら王子やらにお礼を言われ、散々もてなしされた後、私は用意された部屋に戻ると、ぐったりとベットに雪崩込んだ。
うん。無理無理。王族の相手とか。精神的疲れが半端ない。
リリはまだ王達のいる食堂でお菓子をぱくついている。
うん、王族前にデザートおかわり要求できるとか、神経図太すぎると思うの。
あの子はきっと将来大物になるわ。
「お疲れさまでした猫様。
お疲れのところ申し訳ありませんが、今後の事なのですが――」
「うん?次はどうするんだ?」
「はい。明日には旧マケドニア帝国へ向かおうと思います」
コロネの言葉に私は眉をひそめた。
マケドニア帝国といえば、コロネを殺した連中の占領する地域だ。
「本当はもう少し準備をしてから、行動を開始したかったのですが……。
彼らの性格を考えれば私達の強さを知れば、恐らく国民の命を人質にとってくるでしょう。
こちらの情報が知れ渡る前に――叩きたいと思います。
――ただ」
「ただ?」
「マナフェアスが死霊都市として支配していた地域が酷い状態でして。
もし何も対策をしないで行動してしまいますと、恐らく殺しや強盗などの犯罪が急増するでしょう。
魔素溜地域が増えてしまう事になります。対策を講じる必要があるかと」
「何か案はあるのか?」
「マナフェアスの守護天使達をマナフェアスから猫様に譲渡させようと思います。
内情に詳しい彼らなら適任かと」
――たしかに。マナフェアスがどのような政策をとり、どんな人物が治めていたのかわかっている守護天使達なら適任だろう……。
それでも。
アルファーの記憶を見てしまったせいか、彼らを物扱いするかのような感じになってしまい躊躇する。
「……あまり気乗りしないご様子ですが……何かありましたか?」
「いや、ほらさ。
アルファーの記憶を見たからどうしても、なんだか無理矢理従属させてるようで悪いような気がして。
とりあえずアルファー達の主従関係を解除させよう。
それから本人達の意志を聞くってことで」」
「その事なのですが猫様。
アルファーの記憶から推測しますとアルファーたちを解放してしまえば、恐らく消滅します」
「えええ!?そうなのか!?」
「はい。この世界からギルドハウスへは行くことができません。
ギルドハウスのある異次元へのゲートが通じていないのです。
それなのに、守護天使の身体は本来ギルドハウスのある場所と同じ異次元に戻ろうとします。
ですから……そのまま消滅してしまうかと」
「じゃああれかマナフェアスがもしこちらの法で死刑になったら……」
「はい。一緒に死亡します。
現在は皆石化されていて、マナフェアスも魂が消滅していないから生きてはいますが……」
言ってコロネは目を伏せる。
こればかりはゲームの仕様上仕方のないことなのだろう。
「やっぱりマスター移行しか方法はないってことか……」
私はぽりぽりと頭をかいてため息をつく
「わかった。そこは本人達の意見を聞いてからにしよう。
なんだか死にたがっていたみたいだし。私に仕えるくらいなら殺してくれって言うかもしれないから」
「猫様の誘いを断るなどという恐れ多い!
誰が許してもこの私…っ!!」
言いかけたコロネの首根っこを私は掴み
「変態になってるぞコロネ。さっさと行く」
と、そのまま引っ張るのだった。
△▲△
「何故――殺さなかった?」
アルファーが歯ぎしりしながら、私たちを睨む。
その体には金色の鎖がまかれ、動けないようになっていた。
あれから、リリと合流し、石化した守護天使達を私達の部屋で、石化解除をしてやりこの状態である。
他の二人の守護天使も私達の事を鋭い眼差しで睨んでいる。
「まず――あなたたちは嘘をつくことは許されません。
嘘をつけばその時点で、貴方のマスターを殺すことにします。
天使の貴方達ならわかるでしょう?
そこにいる少女の正体が」
コロネのセリフに、アルファー達の視線がリリに注がれた。
心を読める神の使いのドラゴン。白竜。
彼らは本能的に理解した。リリは自分よりレベルが遥かに上であるということを。
嘘は瞬時に見抜かれる。
――こうやって彼らの心が私にも伝わるように、念話を操れるようになってるし。
リリ。まじ優秀。まじ天使。
私の心のつぶやきなど他所に
「……了解した。
何を聞きたい?」
青い綺麗な髪をした女性の守護天使が聞いてくる。
鑑定によると名はファルティナ。
回復魔法を得意とする聖なる属性の守護天使だ。
「……まず。貴方たちにはマナフェアスとともに朽ちるか。
それとも我主猫様に仕えるか。どちらかを選んでいただきます」
「それはつまり――我が主は」
「はい。人間の法で裁かれ死刑になるでしょう。
助かる見込みはありません」
コロネの言葉に、守護天使達の喜ぶ感情がリリを通じて伝わってくる。
うん。部下に死ぬのを喜ばれるってマジ嫌われてるなマナフェアス。
「では――もし、猫様に仕えたとして、私たちは何を命じられるのでしょうか?」
今度は凛とした表情で赤い髪の守護天使が尋ねてきた。
名はレイスリーネ。火を司る守護天使。
「貴方たちが支配していた地域の安定に務めていただきます。
マナフェアス亡きあと誰も指導者がないまま放置しておけば暴動などがおき、国が乱れるでしょう」
「つまり――私たちに統治しろと?」
「はい。一時の間ではありますが。
マナフェアスに追い出された以前の国の重鎮などは私が保護しています。
彼らに交代するまで、その間は貴方たちに治めていただきます」
「……それは、我らに償いの場を与えてくださる――ということでしょうか?」
ファルティナに問われ、コロネは私の方に振り返った。
つまり、ここは重要な部分だから私に言えと話を振ってきたのだろう。
く、しゃべらないですむとか思ったのに考えが甘かった。
「……まぁ、そうなるかな。
こちらにも都合があって、人手がたりないというのもあるけれど」
「都合…ですか?」
「旧マケドニア帝国をプレイヤーから解放したい。
だから奴らが自分たちを恐れて国民を人質にとるなんて事をする前に潰さないといけない。
あすの朝には出発する予定なんだ。
死霊都市の方にまで私達だけだと手がまわらない
出来るなら貴方たちには手伝ってもらえると助かる」
私の言葉に三人は顔を見合わせ頷くと――そのまま頭を垂れるのであった。
ラスティア王国の国王やら宰相やら王子やらにお礼を言われ、散々もてなしされた後、私は用意された部屋に戻ると、ぐったりとベットに雪崩込んだ。
うん。無理無理。王族の相手とか。精神的疲れが半端ない。
リリはまだ王達のいる食堂でお菓子をぱくついている。
うん、王族前にデザートおかわり要求できるとか、神経図太すぎると思うの。
あの子はきっと将来大物になるわ。
「お疲れさまでした猫様。
お疲れのところ申し訳ありませんが、今後の事なのですが――」
「うん?次はどうするんだ?」
「はい。明日には旧マケドニア帝国へ向かおうと思います」
コロネの言葉に私は眉をひそめた。
マケドニア帝国といえば、コロネを殺した連中の占領する地域だ。
「本当はもう少し準備をしてから、行動を開始したかったのですが……。
彼らの性格を考えれば私達の強さを知れば、恐らく国民の命を人質にとってくるでしょう。
こちらの情報が知れ渡る前に――叩きたいと思います。
――ただ」
「ただ?」
「マナフェアスが死霊都市として支配していた地域が酷い状態でして。
もし何も対策をしないで行動してしまいますと、恐らく殺しや強盗などの犯罪が急増するでしょう。
魔素溜地域が増えてしまう事になります。対策を講じる必要があるかと」
「何か案はあるのか?」
「マナフェアスの守護天使達をマナフェアスから猫様に譲渡させようと思います。
内情に詳しい彼らなら適任かと」
――たしかに。マナフェアスがどのような政策をとり、どんな人物が治めていたのかわかっている守護天使達なら適任だろう……。
それでも。
アルファーの記憶を見てしまったせいか、彼らを物扱いするかのような感じになってしまい躊躇する。
「……あまり気乗りしないご様子ですが……何かありましたか?」
「いや、ほらさ。
アルファーの記憶を見たからどうしても、なんだか無理矢理従属させてるようで悪いような気がして。
とりあえずアルファー達の主従関係を解除させよう。
それから本人達の意志を聞くってことで」」
「その事なのですが猫様。
アルファーの記憶から推測しますとアルファーたちを解放してしまえば、恐らく消滅します」
「えええ!?そうなのか!?」
「はい。この世界からギルドハウスへは行くことができません。
ギルドハウスのある異次元へのゲートが通じていないのです。
それなのに、守護天使の身体は本来ギルドハウスのある場所と同じ異次元に戻ろうとします。
ですから……そのまま消滅してしまうかと」
「じゃああれかマナフェアスがもしこちらの法で死刑になったら……」
「はい。一緒に死亡します。
現在は皆石化されていて、マナフェアスも魂が消滅していないから生きてはいますが……」
言ってコロネは目を伏せる。
こればかりはゲームの仕様上仕方のないことなのだろう。
「やっぱりマスター移行しか方法はないってことか……」
私はぽりぽりと頭をかいてため息をつく
「わかった。そこは本人達の意見を聞いてからにしよう。
なんだか死にたがっていたみたいだし。私に仕えるくらいなら殺してくれって言うかもしれないから」
「猫様の誘いを断るなどという恐れ多い!
誰が許してもこの私…っ!!」
言いかけたコロネの首根っこを私は掴み
「変態になってるぞコロネ。さっさと行く」
と、そのまま引っ張るのだった。
△▲△
「何故――殺さなかった?」
アルファーが歯ぎしりしながら、私たちを睨む。
その体には金色の鎖がまかれ、動けないようになっていた。
あれから、リリと合流し、石化した守護天使達を私達の部屋で、石化解除をしてやりこの状態である。
他の二人の守護天使も私達の事を鋭い眼差しで睨んでいる。
「まず――あなたたちは嘘をつくことは許されません。
嘘をつけばその時点で、貴方のマスターを殺すことにします。
天使の貴方達ならわかるでしょう?
そこにいる少女の正体が」
コロネのセリフに、アルファー達の視線がリリに注がれた。
心を読める神の使いのドラゴン。白竜。
彼らは本能的に理解した。リリは自分よりレベルが遥かに上であるということを。
嘘は瞬時に見抜かれる。
――こうやって彼らの心が私にも伝わるように、念話を操れるようになってるし。
リリ。まじ優秀。まじ天使。
私の心のつぶやきなど他所に
「……了解した。
何を聞きたい?」
青い綺麗な髪をした女性の守護天使が聞いてくる。
鑑定によると名はファルティナ。
回復魔法を得意とする聖なる属性の守護天使だ。
「……まず。貴方たちにはマナフェアスとともに朽ちるか。
それとも我主猫様に仕えるか。どちらかを選んでいただきます」
「それはつまり――我が主は」
「はい。人間の法で裁かれ死刑になるでしょう。
助かる見込みはありません」
コロネの言葉に、守護天使達の喜ぶ感情がリリを通じて伝わってくる。
うん。部下に死ぬのを喜ばれるってマジ嫌われてるなマナフェアス。
「では――もし、猫様に仕えたとして、私たちは何を命じられるのでしょうか?」
今度は凛とした表情で赤い髪の守護天使が尋ねてきた。
名はレイスリーネ。火を司る守護天使。
「貴方たちが支配していた地域の安定に務めていただきます。
マナフェアス亡きあと誰も指導者がないまま放置しておけば暴動などがおき、国が乱れるでしょう」
「つまり――私たちに統治しろと?」
「はい。一時の間ではありますが。
マナフェアスに追い出された以前の国の重鎮などは私が保護しています。
彼らに交代するまで、その間は貴方たちに治めていただきます」
「……それは、我らに償いの場を与えてくださる――ということでしょうか?」
ファルティナに問われ、コロネは私の方に振り返った。
つまり、ここは重要な部分だから私に言えと話を振ってきたのだろう。
く、しゃべらないですむとか思ったのに考えが甘かった。
「……まぁ、そうなるかな。
こちらにも都合があって、人手がたりないというのもあるけれど」
「都合…ですか?」
「旧マケドニア帝国をプレイヤーから解放したい。
だから奴らが自分たちを恐れて国民を人質にとるなんて事をする前に潰さないといけない。
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