【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

文字の大きさ
89 / 187
2章 人間領へ行くことになりました

7. プレイヤーからの解放

しおりを挟む
「うおーーー疲れた!!!」

 ラスティア王国の国王やら宰相やら王子やらにお礼を言われ、散々もてなしされた後、私は用意された部屋に戻ると、ぐったりとベットに雪崩込んだ。
 うん。無理無理。王族の相手とか。精神的疲れが半端ない。
 リリはまだ王達のいる食堂でお菓子をぱくついている。

 うん、王族前にデザートおかわり要求できるとか、神経図太すぎると思うの。
 あの子はきっと将来大物になるわ。


「お疲れさまでした猫様。
 お疲れのところ申し訳ありませんが、今後の事なのですが――」

「うん?次はどうするんだ?」

「はい。明日には旧マケドニア帝国へ向かおうと思います」

 コロネの言葉に私は眉をひそめた。
 マケドニア帝国といえば、コロネを殺した連中の占領する地域だ。

「本当はもう少し準備をしてから、行動を開始したかったのですが……。
 
 彼らの性格を考えれば私達の強さを知れば、恐らく国民の命を人質にとってくるでしょう。
 こちらの情報が知れ渡る前に――叩きたいと思います。

 ――ただ」

「ただ?」

「マナフェアスが死霊都市として支配していた地域が酷い状態でして。
 もし何も対策をしないで行動してしまいますと、恐らく殺しや強盗などの犯罪が急増するでしょう。
 魔素溜地域が増えてしまう事になります。対策を講じる必要があるかと」

「何か案はあるのか?」

「マナフェアスの守護天使達をマナフェアスから猫様に譲渡させようと思います。
 内情に詳しい彼らなら適任かと」

 ――たしかに。マナフェアスがどのような政策をとり、どんな人物が治めていたのかわかっている守護天使達なら適任だろう……。

 それでも。
 アルファーの記憶を見てしまったせいか、彼らを物扱いするかのような感じになってしまい躊躇する。

「……あまり気乗りしないご様子ですが……何かありましたか?」

「いや、ほらさ。
 アルファーの記憶を見たからどうしても、なんだか無理矢理従属させてるようで悪いような気がして。
 とりあえずアルファー達の主従関係を解除させよう。
 それから本人達の意志を聞くってことで」」

「その事なのですが猫様。
 アルファーの記憶から推測しますとアルファーたちを解放してしまえば、恐らく消滅します」

「えええ!?そうなのか!?」

「はい。この世界からギルドハウスへは行くことができません。
 ギルドハウスのある異次元へのゲートが通じていないのです。
 それなのに、守護天使の身体は本来ギルドハウスのある場所と同じ異次元に戻ろうとします。
 ですから……そのまま消滅してしまうかと」

「じゃああれかマナフェアスがもしこちらの法で死刑になったら……」

「はい。一緒に死亡します。
 現在は皆石化されていて、マナフェアスも魂が消滅していないから生きてはいますが……」

 言ってコロネは目を伏せる。
 こればかりはゲームの仕様上仕方のないことなのだろう。


「やっぱりマスター移行しか方法はないってことか……」

 私はぽりぽりと頭をかいてため息をつく

「わかった。そこは本人達の意見を聞いてからにしよう。
 なんだか死にたがっていたみたいだし。私に仕えるくらいなら殺してくれって言うかもしれないから」

「猫様の誘いを断るなどという恐れ多い!
 誰が許してもこの私…っ!!」

 言いかけたコロネの首根っこを私は掴み

「変態になってるぞコロネ。さっさと行く」

 と、そのまま引っ張るのだった。


 △▲△

「何故――殺さなかった?」

 アルファーが歯ぎしりしながら、私たちを睨む。
 その体には金色の鎖がまかれ、動けないようになっていた。
 あれから、リリと合流し、石化した守護天使達を私達の部屋で、石化解除をしてやりこの状態である。

 他の二人の守護天使も私達の事を鋭い眼差しで睨んでいる。

「まず――あなたたちは嘘をつくことは許されません。
 嘘をつけばその時点で、貴方のマスターを殺すことにします。

 天使の貴方達ならわかるでしょう?
 そこにいる少女の正体が」

 コロネのセリフに、アルファー達の視線がリリに注がれた。
 心を読める神の使いのドラゴン。白竜。

 彼らは本能的に理解した。リリは自分よりレベルが遥かに上であるということを。
 嘘は瞬時に見抜かれる。

 ――こうやって彼らの心が私にも伝わるように、念話を操れるようになってるし。
 リリ。まじ優秀。まじ天使。

 私の心のつぶやきなど他所に

「……了解した。
 何を聞きたい?」
 
 青い綺麗な髪をした女性の守護天使が聞いてくる。
 鑑定によると名はファルティナ。
 回復魔法を得意とする聖なる属性の守護天使だ。

「……まず。貴方たちにはマナフェアスとともに朽ちるか。
 それとも我主猫様に仕えるか。どちらかを選んでいただきます」

「それはつまり――我が主は」

「はい。人間の法で裁かれ死刑になるでしょう。
 助かる見込みはありません」

 コロネの言葉に、守護天使達の喜ぶ感情がリリを通じて伝わってくる。
 うん。部下に死ぬのを喜ばれるってマジ嫌われてるなマナフェアス。

「では――もし、猫様に仕えたとして、私たちは何を命じられるのでしょうか?」
 
 今度は凛とした表情で赤い髪の守護天使が尋ねてきた。
 名はレイスリーネ。火を司る守護天使。

「貴方たちが支配していた地域の安定に務めていただきます。
 マナフェアス亡きあと誰も指導者がないまま放置しておけば暴動などがおき、国が乱れるでしょう」

「つまり――私たちに統治しろと?」

「はい。一時の間ではありますが。
 マナフェアスに追い出された以前の国の重鎮などは私が保護しています。
 彼らに交代するまで、その間は貴方たちに治めていただきます」

「……それは、我らに償いの場を与えてくださる――ということでしょうか?」

 ファルティナに問われ、コロネは私の方に振り返った。
 つまり、ここは重要な部分だから私に言えと話を振ってきたのだろう。

 く、しゃべらないですむとか思ったのに考えが甘かった。

「……まぁ、そうなるかな。
 こちらにも都合があって、人手がたりないというのもあるけれど」

「都合…ですか?」

「旧マケドニア帝国をプレイヤーから解放したい。
 だから奴らが自分たちを恐れて国民を人質にとるなんて事をする前に潰さないといけない。
 あすの朝には出発する予定なんだ。
 死霊都市の方にまで私達だけだと手がまわらない
 出来るなら貴方たちには手伝ってもらえると助かる」

 私の言葉に三人は顔を見合わせ頷くと――そのまま頭を垂れるのであった。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ
ファンタジー
 前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?  「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。  仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。  病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。  「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!  「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」  魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。  だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。  「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」  これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。    伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!    

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...