世界終わろう委員会

初瀬四季[ハツセシキ]

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世界終わろう委員会

幕間:ヒトの項目 

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 誰もいない夕暮れの教室に一人の少年と、一人の少女が居残っている。
 少年は、特に何をするでもなく弄っていたスマホを操作しながら、どうでも良いことのように呟く。

「ウィキペディアのヒトの項目の画像ってアカ族らしいですよ」

 文庫本に目を落としていた少女は、少年の呟きに興味を惹かれたのか、それとも、文庫本の区切りがよかっただけなのか、判断がつかない程度の動きで顔を上げると疑問符を投げかける。

「どうして?」

 少女の端的な質問に、得意気な顔をしながら雑学を披露する少年。

「アルファベット順でAから始まるかららしいです」

 少し考えるような仕草をする少女。そして、

「それなら、アイヌ民族の方が適当じゃないかしら?」

 少年は虚をつかれたような顔をすると、

「なんでですか?」

 と尋ねる。

「akhaとainuなら、後者の方がアルファベット順ではやいでしょう?」

「ホントですね」

 素直に納得する少年に、少女は、

「世界って結構出鱈目にできてるわよね」

 どうでもよさそうに結論を告げる。

「それでも回ってるからすごいですよね」

 それに対して少年も適当に相槌を打ちながら、メッセージアプリを起動する。
 そして、いましがた結論が出た雑学を呟きはじめる。

「やっぱり一度終わらせた方が良いかしら」

 何の気なしに呟かれた一言を聞いた少年は、慌てて少女に向きなおる。

「世界をですよね? 僕をじゃないですよね?」

 少女はニッコリと笑って、口を噤んだ。

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