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エルンの誕生日(2)
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廊下に誰かの足音が聞こえた。
「どうしたエルン。何があった? 開けるぞ」
ドアが開くと下着姿のゲオルクが息を切らして立っていた。
仰向きになりながらゲオルクを見上げた。なんて言い訳しようか、咄嗟に考えた。
「かかか、雷が落ちたみたい」
「雷? そうか、雷か、エルンは大丈夫だったか」
「うん。僕は平気。屋根が壊れちゃったけど」
「そんなものはいい。直せばいいだけだ。いいか、自分で直せ。……自分でやったことは自分で責任を取らねばならん。明日、自分で直すんだ。おやすみ」
ゲオルクはドアを閉めると寝室へと戻っていった。
——ばれてたみたい——
でも、あれは何だったんだろう。あれほどの威力があるとは思わなかった。
エルンは試しに炎を操る魔法を発動してみた。
すると突然、大きな火球が現れた。以前は指先ほどしかなかった火球だった。だが、今のは大人の頭ほどもある火球が、しかもいきなりボワッと現れた。
——魔力が強くなってるってこと?——
エルンはしばらく考えた。攻撃魔法の強さは魔力量に比例するようなことを何かの本で読んだことがある。
ベッドで横になりながら穴の開いた屋根から夜空を見た。無数の星が瞬いていた。その瞬きを見ているうち、いつの間にか眠りに就いていた。
翌日、朝食の時、席に着くなりゲオルクからプレゼントを手渡された。布に包まれて紐で縛られていた。重く固い物だったので金属でできたものであることはすぐにわかった。
「開けてみろ」
ゲオルクは頬を膨らませて笑った。
エルンがどのような反応をするか楽しみで仕方がないという顔だ。
布を開いてみると鈍色に光る短剣だった。細身でエルンの肘から指先くらいまでの長さのマインツグラディウスという形状の剣である。刃も丁寧に付けられていて目を見張るほどの美しさだ。
エルンは目を見開いてそれを凝視した。
「どうだ。エルン」
「すごいや……欲しかったんだ」
それ以上の言葉は出てこなかった。少々驚きの芝居も交えてみた。
それに満足したのかゲオルクが胸を張って言った。
「やっぱり男の子だな。剣は男の子の必需品だ」
「なんで男の子は、そんなものが好きなのかね」とイルゼが半ば呆れていた。「私からはこれよ」と膝の上から取り出した。エルンは先ほどからイルゼの膝の上にあるのは知っていたが、あえて知らない振りをしていた。
何だろうかと手に取ってみると、革の袋だった。ベルトと一体になっていて薄い革だがしっかりと手縫いされた丈夫そうなバッグだった。
「こんなの欲しかったんだ。森に行くとき、布の袋だとひらひらして歩きにくいんだ。おばさんありがとう」
「どういたしまして」
プレゼントで散々盛り上がったあと、朝食となり、その後、ゲオルクからの一言で現実に戻った。
「屋根、直しておけよ」
「どうしたエルン。何があった? 開けるぞ」
ドアが開くと下着姿のゲオルクが息を切らして立っていた。
仰向きになりながらゲオルクを見上げた。なんて言い訳しようか、咄嗟に考えた。
「かかか、雷が落ちたみたい」
「雷? そうか、雷か、エルンは大丈夫だったか」
「うん。僕は平気。屋根が壊れちゃったけど」
「そんなものはいい。直せばいいだけだ。いいか、自分で直せ。……自分でやったことは自分で責任を取らねばならん。明日、自分で直すんだ。おやすみ」
ゲオルクはドアを閉めると寝室へと戻っていった。
——ばれてたみたい——
でも、あれは何だったんだろう。あれほどの威力があるとは思わなかった。
エルンは試しに炎を操る魔法を発動してみた。
すると突然、大きな火球が現れた。以前は指先ほどしかなかった火球だった。だが、今のは大人の頭ほどもある火球が、しかもいきなりボワッと現れた。
——魔力が強くなってるってこと?——
エルンはしばらく考えた。攻撃魔法の強さは魔力量に比例するようなことを何かの本で読んだことがある。
ベッドで横になりながら穴の開いた屋根から夜空を見た。無数の星が瞬いていた。その瞬きを見ているうち、いつの間にか眠りに就いていた。
翌日、朝食の時、席に着くなりゲオルクからプレゼントを手渡された。布に包まれて紐で縛られていた。重く固い物だったので金属でできたものであることはすぐにわかった。
「開けてみろ」
ゲオルクは頬を膨らませて笑った。
エルンがどのような反応をするか楽しみで仕方がないという顔だ。
布を開いてみると鈍色に光る短剣だった。細身でエルンの肘から指先くらいまでの長さのマインツグラディウスという形状の剣である。刃も丁寧に付けられていて目を見張るほどの美しさだ。
エルンは目を見開いてそれを凝視した。
「どうだ。エルン」
「すごいや……欲しかったんだ」
それ以上の言葉は出てこなかった。少々驚きの芝居も交えてみた。
それに満足したのかゲオルクが胸を張って言った。
「やっぱり男の子だな。剣は男の子の必需品だ」
「なんで男の子は、そんなものが好きなのかね」とイルゼが半ば呆れていた。「私からはこれよ」と膝の上から取り出した。エルンは先ほどからイルゼの膝の上にあるのは知っていたが、あえて知らない振りをしていた。
何だろうかと手に取ってみると、革の袋だった。ベルトと一体になっていて薄い革だがしっかりと手縫いされた丈夫そうなバッグだった。
「こんなの欲しかったんだ。森に行くとき、布の袋だとひらひらして歩きにくいんだ。おばさんありがとう」
「どういたしまして」
プレゼントで散々盛り上がったあと、朝食となり、その後、ゲオルクからの一言で現実に戻った。
「屋根、直しておけよ」
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