エロゲー主人公に転生したのに悪役若様に求愛されております

雪平@冷淡騎士2nd連載中

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聞き込み

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そのまま一階のレストランを通り過ぎて宿屋の外に出た。

来たのは街外れの森の中だ、綺麗な小川が流れている。
しゃがんで小川を見ると、ぴちゃんと小さな魚が飛び跳ねてビックリして尻餅をついた。
恥ずかしさを紛らわすために、シリウスの方を見ると手をかざしてなにか呪文を口にしていた。

「来い、我が使い魔」

シリウスの前に真っ赤な魔法陣が現れて、光り輝いた。
やがて光が消えて、そこには何もいなかった。

召喚でも失敗したのかと思ったが、シリウスは満足そうにしていた。
よく目を凝らして見てみると、姿はないが人の形をした影はあった。

…もしかして、透明人間ってやつか?この場合は透明人間じゃなくて透明悪魔?

恐る恐る手を伸ばしてみると、むにゅっと柔らかい感触がした。
その瞬間、俺は頭を地面に付ける勢いで思いっきり土下座をした。

「ごめんなさいごめんなさい、女の子だとは思わなくてごめんなさい」

「大丈夫だ、気にしていないそうだ」

シリウスの使い魔は喋れないのか、くねくね影が動いているだけだった。
人間には分からない信号があるのかもしれない、多分。

シリウスは透明魔物に一言だけ「行け」と命令すると影が走っていった。
あの姿、多分裸だよな…エロゲーだからか女性の魔物はかなり露出があった事を思い出した。

俺だって男だ、いくら透明魔物だとしても目のやり場に困ってしまう。

シリウスは用事が終わったのか、宿屋に向かって歩き出したから後ろから付いて行く。

「シリウス、あの使い魔に何を命令したんだ?」

「宝玉の場所を調べる事とそこに行くまでの道を作る事を命令した」

なるほど、確かに透明だったらバレる事はなさそうだ。
でも一言だけでそこまで分かるなんて、やっぱりテレパシーでもあるのか?

シリウスの使い魔が調べてくれているが、俺も情報を集めれば役に立つかもしれない。

宿屋に戻ってきて、情報収集だけじゃ悪いから席に座り注文した。
やってきたウェイトレスの女性は、俺が注文してるのにシリウスばかりチラチラ見ていた。
……べ、別にいいさ…男の俺から見てもシリウスは美形だからな…………泣いてない!

「シリウスは何食うんだ?」とメニュー表の紙を見せたが首を傾げていた。

そういえば人間の食べ物って食べた事ないんだっけ、じゃあ俺のと同じでいいか。
俺は山盛り肉丼を二人前頼んだ、さっき肉を食べていた時不味そうにしてなかったし、肉が食えないわけではないのだろう。

「……肉?」

「そう、さっきと同じ肉だけど大丈夫か?」

「人間の?」

シリウスの言葉に飲んでいた水を吹き出すところだった。
食欲を削ぐ事言うなよ、そんなわけないだろ。

俺は牛っていう獣の肉を使ってると言った、この世界の牛豚鳥は食獣しょくじゅうという食べるために生まれてきた動物がいる、生前の世界みたいにペットとして飼っている人は一人もいない。
食べるために死んで食べるために生まれ変わる生き物だ。

だから気にする事はない、食獣も食べられる事が幸せなんだから…
その代わり、ちゃんと残さず美味しく食べないとな。

「シリウス、食獣食べた事ないのか?」

「あるが、味付けは人間のとは違う…いつもレオナルドが作っているからな」

レオナルドって魔王の側近で俺を殺そうとした男だよな。
そんな男がエプロンをしてキッチンで料理を作るところを想像して何とも言えない気分になった。
かなりシリウスに心酔している感じだったから、きっと身の回りの世話もしているんだろうな。

シリウスは人間と魔物の肉以外なら食べると言っていた。
好き嫌いというより、体が受け付けないといった感じなのかもしれない。

俺だって人間と魔物は食いたくない、想像するだけで気持ち悪くなる。

水を一気に飲んで、今から食事をするんだから気持ちを切り替えた。

「明日のパーティ何を着て行こうかしら」

「ヴァルド様の誕生パーティだ、あまり派手な服装は…」

近くの席にいた年配の夫婦が会話をしているのが耳に入った。
ヴァルドとは、この国の王の名前…国も王都をヴァルドという名前だ。

苗字ではなく名前を国の名前にするなんて自己顕示欲の塊のようだと最初に名前の由来を聞いた時そう思った。

明日パーティか、パーティはやっぱり城で行われるのが普通だ。
だとしたら、簡単に城に入れるかもしれない。

でも、やっぱりパーティーだからチケットがないと入れないんだよな。

どうやったらチケットが手に入るんだろう、国王の誕生パーティーだったら身内だけを集めてやるとは考えにくい…大勢に祝ってもらいたいだろうし…
椅子から立ち上がり、夫婦のところに近付いた。

突然来た俺に対して、当然不審な顔をしている。

「すみません、お尋ねしたい事がありまして」

「………なにか?」

「国王様の誕生パーティーってどうやったら参加出来るんですか?」

そう聞いた途端、不審な顔が更に不審になり…変質者を見るような顔になった。
聞いただけなのになんでそんな顔をされないといけないんだ。

ただの一般人は参加出来ないって事なのか?そう上手くはいかないか。

俺は笑って誤魔化して、自分の席に戻った。
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