27 / 62
第三幕~あなたに奪える命はありません⑩~
しおりを挟む
「いやぁ、面白かったなぁ」
開口一番、フェリクスはそう言った。
モートンとマイクの、ヴィンディクタ家夫妻及び執事長暗殺未遂事件の暴露から1週間。もろもろの後始末が終わったウルスラは、諜報部の拠点でフェリクスの元を訪れて、その後について報告している。
事件について、ウルスラの父は完全秘匿を決めた。外部の介入を招く必要性が無かったからだ。犯人もその動機も既に判明している。わざわざ王都の衛兵に通報する意味はなく、むしろヴィンディクタ家のお粗末な内情を外にばらまくだけの恥さらしにしかならない。
事件のきっかけとなったマイクは、しばし地下牢に幽閉された後、カジノの借金取立人に連れていかれた。ヴィンディクタ家は彼の雇い主だが、彼の個人的な不始末に対応する義理は無い。一応、当主は借金の立て替えを打診したが、マイクの父である執事長が断った。
「あの愚か者に、情けはいりません。慈悲を与えませんよう」
一応4つ子にマイクのその後を調べさせたが、彼はカジノの下働きをさせられているようだ。借金返済のためということで、その扱いは劣悪を極めている。掃除や洗濯はもちろん、酔ったり負けこんで苛立った客の殴られ役になっているとか。
マイクを殴ってすっきりした客が、また掛け金を追加してギャンブルを再開する。カジノにとってはいい流れになっているらしく、むしろ支配人は喜んでいるようだ。
また、暗殺を企てた件について、こちらは不問となっている。こちらはウルスラによる訴えが大きいが、一番の理由はモートンだ。マイクを殺人教唆で訴えると、モートンも巻き添えになる。そうなると当然モートンの実家であるラトロ家も無事では済まないし、なによりモートンが捕まる。
(モートン様が捕まっては、今後の復讐が終わってしまうわ。まだ、終わらせない)
今回の件についてウルスラは両親と執事長に、マイクとモートンが3人の暗殺を企んでいたことを事前に察知していたうえで、わざと泳がせたことを明らかにしている。
ウルスラに付いていた4つ子が諜報部員であることを知っている父と執事長はともかく、それを知らなかった母は娘がそんなことを考えていたのをかなり驚いていた。
ウルスラは2年前の件を持ち出し、モートンは極めて情緒不安定であり、悪い人にすぐ騙されやすくなっていると両親に説いた。今回のようにマイクの脅しに簡単に乗ってしまう危険性を説明し、『だからこそ自分が婚約者として支え続けなければならない』と言った。
当然両親からすれば、今回は未然に防げたと言え、自分たちを殺そうと画策したものを娘の旦那になどしたくない。だが、肝心のウルスラがモートンとの婚約に確執しており、最終的には折れた形になる。
モートンについては、マイクにボコボコにされた後は治療を施されてそのままラトロ家に送り届けられている。
ウルスラと父が今回の件について説明すると、当然というべきか、ラトロ家の当主とその妻、さらに兄たちまでも頭を下げ、詫びた。
父は今回の件を口外しない条件として、ウルスラとの婚約継続を求めた。もちろんこれもウルスラの意図したものだ。
今度こそ婚約解消すべきと訴えるラトロ家当主と、譲らないウルスラの口論は30分続き、ついにラトロ家当主が折れる形で条件を飲んだ。
こうして、ヴィンディクタ家暗殺未遂事件は、一旦幕引きとなったのである。
「殿下にとっては、さぞお楽しみいただけたかと思いますわ」
「おや、ぼくだけかい?君もずいぶんとモートンが焦り、殴られる様には狂喜乱舞していたように見えたけど」
「あらあら、それはきっと殿下の気のせいですわ。そもそも殿下は無茶が過ぎます。まさか衛兵のフリをして潜り込むだなんて…」
「ふふふ、見事な変装だったでしょ?」
実はマイクとモートンの断罪の日、衛兵の中にフェリクスが紛れ込んでいたのだ。
それを知ったのは父と一緒に、モートンを送り届けて婚約継続の交渉を終えて帰宅した後。一仕事終えた解放感を、ベッドにダイブして解消していたときオーディスに教えてもらったのだ。ちなみにオーディスも、衛兵の一人がマイクを抑え込んだ際の、その手際から判明したという。
そこまでして現場を生で見たいというフェリクスの執着に呆れつつ、今回の断罪劇には彼の協力が不可欠であったことから、それ以上は問わないことにした。
モートンに見せた契約書は、確かにフェリクスが裏ギルドから頂戴した本物の契約書だ。どんな交渉をしたのかは知らないが、ついでに前金である宝石まで返ってきている。もちろん母にバレないようこっそり返した。
さすがに自分の宝石が盗まれ、それが暗殺の前金に使われたと知っては、母は卒倒してしまうに違いない。知らぬが仏だ。
「重ねて、ありがとうございます。殿下のおかげで、3人とも無事に生きて過ごすことができましたわ」
ウルスラはゆっくりと頭を下げた。
暗殺が行われる前日、ウルスラはまずマイクの部屋に潜入させ、毒薬を盗ませた。これでマイクは護衛の食事に毒薬を混ぜ込むことができなくなり、護衛は健康そのもので警護に付くことができた。
さらに、襲撃を仕掛ける予定だった盗賊は、事前にフェリクスが裏ギルドと『お話』したことで、潜伏場所が判明。王都の衛兵に通報し、即逮捕。3人は何事もなく領地に到着することができた。
そのときに契約書と宝石も一緒に手に入れてきたという。
(殿下のおかげで誰一人死なずに済んだ。本当に頭が上がらないわ)
頭を下げたままのウルスラの上から、フェリクスの含み笑いが聞こえてくる。どうしたのかと思って頭を上げると、フェリクスは穏やかな笑みをウルスラに向けていた。その笑みに、ウルスラの心臓が跳ねる。
(何かしら、殿下にそんな顔で見られると落ち着かないのよね…)
自分の変化に戸惑いつつ、笑っていることが気になって聞いてみた。
「何かおかしいことでも?」
「ううん。君の役に立てたのなら嬉しいなって」
「っ!?」
テーブルに肘をつき、手に顎を乗せたフェリクスが、じっとウルスラを見つめている。
どうしてそんなことを言うのか。さっき以上に心臓が跳ね、頬まで熱くなってしまう。心が落ち着かず、膝に置いた手がそわそわと動きだす。なんだかフェリクスの顔も見ていられなくて、顔を伏せてしまった。
その様子を、今日の護衛のラルフは生温かく見守っている。フェリクスとウルスラの最近の様子がおかしいことには気付いているし、ウルスラがフェリクスのちょっとしたことに赤面するのは最近のことではない。
それは何もウルスラに限らず、フェリクスも同様だ。
(裏ギルドとの『お話』。いくら殿下でも、タダで済む話ではなかったはず。それをわざわざお嬢様のためにすること自体異常だ。殿下自身はそれに気付いておられるのか?)
ため息の一つでも吐きたいが、すぐにフェリクスは気付くだろう。そうなれば何を嫌味を言われるか分かったものではない。フェリクスはこう見えて繊細なのだ。揶揄われただけで、笑って流せずに仕置きしてくるくらいには。
開口一番、フェリクスはそう言った。
モートンとマイクの、ヴィンディクタ家夫妻及び執事長暗殺未遂事件の暴露から1週間。もろもろの後始末が終わったウルスラは、諜報部の拠点でフェリクスの元を訪れて、その後について報告している。
事件について、ウルスラの父は完全秘匿を決めた。外部の介入を招く必要性が無かったからだ。犯人もその動機も既に判明している。わざわざ王都の衛兵に通報する意味はなく、むしろヴィンディクタ家のお粗末な内情を外にばらまくだけの恥さらしにしかならない。
事件のきっかけとなったマイクは、しばし地下牢に幽閉された後、カジノの借金取立人に連れていかれた。ヴィンディクタ家は彼の雇い主だが、彼の個人的な不始末に対応する義理は無い。一応、当主は借金の立て替えを打診したが、マイクの父である執事長が断った。
「あの愚か者に、情けはいりません。慈悲を与えませんよう」
一応4つ子にマイクのその後を調べさせたが、彼はカジノの下働きをさせられているようだ。借金返済のためということで、その扱いは劣悪を極めている。掃除や洗濯はもちろん、酔ったり負けこんで苛立った客の殴られ役になっているとか。
マイクを殴ってすっきりした客が、また掛け金を追加してギャンブルを再開する。カジノにとってはいい流れになっているらしく、むしろ支配人は喜んでいるようだ。
また、暗殺を企てた件について、こちらは不問となっている。こちらはウルスラによる訴えが大きいが、一番の理由はモートンだ。マイクを殺人教唆で訴えると、モートンも巻き添えになる。そうなると当然モートンの実家であるラトロ家も無事では済まないし、なによりモートンが捕まる。
(モートン様が捕まっては、今後の復讐が終わってしまうわ。まだ、終わらせない)
今回の件についてウルスラは両親と執事長に、マイクとモートンが3人の暗殺を企んでいたことを事前に察知していたうえで、わざと泳がせたことを明らかにしている。
ウルスラに付いていた4つ子が諜報部員であることを知っている父と執事長はともかく、それを知らなかった母は娘がそんなことを考えていたのをかなり驚いていた。
ウルスラは2年前の件を持ち出し、モートンは極めて情緒不安定であり、悪い人にすぐ騙されやすくなっていると両親に説いた。今回のようにマイクの脅しに簡単に乗ってしまう危険性を説明し、『だからこそ自分が婚約者として支え続けなければならない』と言った。
当然両親からすれば、今回は未然に防げたと言え、自分たちを殺そうと画策したものを娘の旦那になどしたくない。だが、肝心のウルスラがモートンとの婚約に確執しており、最終的には折れた形になる。
モートンについては、マイクにボコボコにされた後は治療を施されてそのままラトロ家に送り届けられている。
ウルスラと父が今回の件について説明すると、当然というべきか、ラトロ家の当主とその妻、さらに兄たちまでも頭を下げ、詫びた。
父は今回の件を口外しない条件として、ウルスラとの婚約継続を求めた。もちろんこれもウルスラの意図したものだ。
今度こそ婚約解消すべきと訴えるラトロ家当主と、譲らないウルスラの口論は30分続き、ついにラトロ家当主が折れる形で条件を飲んだ。
こうして、ヴィンディクタ家暗殺未遂事件は、一旦幕引きとなったのである。
「殿下にとっては、さぞお楽しみいただけたかと思いますわ」
「おや、ぼくだけかい?君もずいぶんとモートンが焦り、殴られる様には狂喜乱舞していたように見えたけど」
「あらあら、それはきっと殿下の気のせいですわ。そもそも殿下は無茶が過ぎます。まさか衛兵のフリをして潜り込むだなんて…」
「ふふふ、見事な変装だったでしょ?」
実はマイクとモートンの断罪の日、衛兵の中にフェリクスが紛れ込んでいたのだ。
それを知ったのは父と一緒に、モートンを送り届けて婚約継続の交渉を終えて帰宅した後。一仕事終えた解放感を、ベッドにダイブして解消していたときオーディスに教えてもらったのだ。ちなみにオーディスも、衛兵の一人がマイクを抑え込んだ際の、その手際から判明したという。
そこまでして現場を生で見たいというフェリクスの執着に呆れつつ、今回の断罪劇には彼の協力が不可欠であったことから、それ以上は問わないことにした。
モートンに見せた契約書は、確かにフェリクスが裏ギルドから頂戴した本物の契約書だ。どんな交渉をしたのかは知らないが、ついでに前金である宝石まで返ってきている。もちろん母にバレないようこっそり返した。
さすがに自分の宝石が盗まれ、それが暗殺の前金に使われたと知っては、母は卒倒してしまうに違いない。知らぬが仏だ。
「重ねて、ありがとうございます。殿下のおかげで、3人とも無事に生きて過ごすことができましたわ」
ウルスラはゆっくりと頭を下げた。
暗殺が行われる前日、ウルスラはまずマイクの部屋に潜入させ、毒薬を盗ませた。これでマイクは護衛の食事に毒薬を混ぜ込むことができなくなり、護衛は健康そのもので警護に付くことができた。
さらに、襲撃を仕掛ける予定だった盗賊は、事前にフェリクスが裏ギルドと『お話』したことで、潜伏場所が判明。王都の衛兵に通報し、即逮捕。3人は何事もなく領地に到着することができた。
そのときに契約書と宝石も一緒に手に入れてきたという。
(殿下のおかげで誰一人死なずに済んだ。本当に頭が上がらないわ)
頭を下げたままのウルスラの上から、フェリクスの含み笑いが聞こえてくる。どうしたのかと思って頭を上げると、フェリクスは穏やかな笑みをウルスラに向けていた。その笑みに、ウルスラの心臓が跳ねる。
(何かしら、殿下にそんな顔で見られると落ち着かないのよね…)
自分の変化に戸惑いつつ、笑っていることが気になって聞いてみた。
「何かおかしいことでも?」
「ううん。君の役に立てたのなら嬉しいなって」
「っ!?」
テーブルに肘をつき、手に顎を乗せたフェリクスが、じっとウルスラを見つめている。
どうしてそんなことを言うのか。さっき以上に心臓が跳ね、頬まで熱くなってしまう。心が落ち着かず、膝に置いた手がそわそわと動きだす。なんだかフェリクスの顔も見ていられなくて、顔を伏せてしまった。
その様子を、今日の護衛のラルフは生温かく見守っている。フェリクスとウルスラの最近の様子がおかしいことには気付いているし、ウルスラがフェリクスのちょっとしたことに赤面するのは最近のことではない。
それは何もウルスラに限らず、フェリクスも同様だ。
(裏ギルドとの『お話』。いくら殿下でも、タダで済む話ではなかったはず。それをわざわざお嬢様のためにすること自体異常だ。殿下自身はそれに気付いておられるのか?)
ため息の一つでも吐きたいが、すぐにフェリクスは気付くだろう。そうなれば何を嫌味を言われるか分かったものではない。フェリクスはこう見えて繊細なのだ。揶揄われただけで、笑って流せずに仕置きしてくるくらいには。
48
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
ほーみ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
【完】王妃の座を愛人に奪われたので娼婦になって出直します
112
恋愛
伯爵令嬢エレオノールは、皇太子ジョンと結婚した。
三年に及ぶ結婚生活では一度も床を共にせず、ジョンは愛人ココットにうつつを抜かす。
やがて王が亡くなり、ジョンに王冠が回ってくる。
するとエレオノールの王妃は剥奪され、ココットが王妃となる。
王宮からも伯爵家からも追い出されたエレオノールは、娼婦となる道を選ぶ。
行き遅れ令嬢の再婚相手は、ダンディな騎士団長 ~息子イケメンの禁断の守護愛~
柴田はつみ
恋愛
貧乏貴族の行き遅れ令嬢リアナは、28歳で社交を苦手とする大人しい性格ゆえに、結婚を諦めかけていた。
そんな彼女に王宮から政略結婚の命令が下る。再婚相手は、妻を亡くしたダンディな騎士団長ギルバート。
クールで頼れる40代のイケメンだが、リアナは「便利な道具として選ばれただけ」と誤解し、切ない想いを抱く。
さらに、ギルバートの息子で爽やかイケメンのエリオット(21歳)が義理の息子となる。
薔薇の令嬢はやっぱり婚約破棄したい!
蔵崎とら
恋愛
本編完結済み、現在番外編更新中です。
家庭環境の都合で根暗のコミュ障に育ちましたし私に悪役令嬢は無理無理の無理です勘弁してください婚約破棄ならご自由にどうぞ私ちゃんと手に職あるんで大丈夫ですから……!
ふとした瞬間に前世を思い出し、己が悪役令嬢に転生していることに気が付いたクレアだったが、時すでに遅し。
己の性格上悪役令嬢のような立ち回りは不可能なので、悪足掻きはせず捨てられる未来を受け入れることにした。
なぜなら今度こそ好きなことをして穏やかに生きていきたいから。
三度の飯より薔薇の品種改良が大好きな令嬢は、無事穏便な婚約破棄が出来るのか――?
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる