47 / 62
終幕~わたしはもう死に戻らない①~
しおりを挟む
「……ん、収支は問題ないようね」
「はい、販売は好調なようで、次の輸入までに在庫が足りるかどうか心配するくらいですよ」
自室でウルスラは、ハーブティーの販売店の収支を確認していた。
ハーブティーの売れ行きは好調で、紅茶に比べて割高にもかかわらず貴族に人気が高い。特にリラックス効果が高い種類の人気が高く、輸入のほうが追い付かないくらいだ。
経営が軌道に乗ってきたということで、事業はほぼウルスラが管理するようになった。父からの権限移譲もほぼ済んでおり、近いうちにオーナーという立場も譲られるだろう。
今はユーリスと共に収支と販売状況をチェックしている。ユーリスは数字に強く、意外にも資産管理に優れた能力を発揮した。彼女には経理の一部も担当してもらっている。
おかげで侍女業は少し減らしているが、元々ウルスラの元には侍従兼護衛兼諜報部員の4つ子がいる。入浴や着替えなどはユーリスや他の侍女の担当だが、それ以外は相変わらず4つ子の担当だ。
これ以上規模を大きくするのであれば、さらにユーリスの負担が増すだろうが、現状ウルスラにはその気はない。というのも、目下ウルスラには別の悩みがあった。
(……そろそろ、本気で探さないとダメよね)
それは、ウルスラの新たな婚約者探しだ。
モートンとの婚約破棄…いや、解消はこれ以上ないほどにスムーズに行われた。そもそも婚約継続の意思はウルスラにしかなかったわけだから、その当人であるウルスラが拒否すれば、婚約はすぐに解消されるのだ。
ラトロ家も了承し、あっさり婚約は解消された。さらにラトロ家はこれまでのモートンのやらかしに対する慰謝料を提示し、ヴィンディクタ家はこれを受け入れた。もっとも、その慰謝料額はラトロ家の提示したものを大幅に減額させている。
ラトロ家は領地が少なく、その資産に余裕は無い。そこからさらに支払わせるのは、罪悪感が強い。それに、ヴィンディクタ家はもともと裕福な資産家だ。慰謝料ごとき要らないというのが本音で、ラトロ家の罪滅ぼしにあえて乗った形でしかない。
そうして婚約者がいなくなったウルスラだが、彼女はヴィンディクタ家の一人娘だ。現状、彼女は家を継げず、このままではヴィンディクタ家は廃位となる。そのため、彼女には婿を取る義務がある。
とはいえ、現状はまだ今すぐというわけではない。なにせモートンの動向が気になる。そんな状態で、のんきに男探しというわけにもいかない。
今すぐではないが、いずれ…というほど遠くもない。悩ましい問題であった。
ふと、ウルスラの脳裏にフェリクスの顔が浮かぶ。
もうすぐ27歳になるフェリクスだが、未だに彼は未婚だ。婚約者もいない。第三王子という立場であり、表向きは何も問題は無い。裏向きでは大いに問題ありだが、それもわざわざフェリクスに干渉しようとしなければ、関係ない話だ。
年齢差こそあるが、貴族社会には珍しくない。はたから見れば、第三王子と侯爵令嬢は何も問題が無いのだ。
それなのに、ウルスラはフェリクスを婿に…と考えることができない。
それは、ウルスラがフェリクスはどうして結婚しないのかを知らないことにある。フェリクスは何か事情があって結婚しないのではないか、だから結婚はおろか婚約者もいない。そう考えている。
実態は単純で、「結婚したいと思える女性がいなかった」というものなのだが、それを知る由もない。それが、さらにウルスラが踏み込む勇気を持たせない要因の一つにもなっていた。
(私……どうして殿下が結婚しないのか、それすら知らないんだわ)
およそ7年間も一緒にいて、そんなことすら知らない。それすら知らない自分が、フェリクスにふさわしいと思えない。そのことにウルスラは顔をしかめた。
ウルスラはフェリクスのことを好きだと自覚しながら、それから踏み出せずにいる。踏み込めない自分から逃げるように、違う男性を婿にと考えていた。
当然、既に好きな男性がいるのに他の男性を婿にと考えて、まともでいられるはずがない。必然、ウルスラは悩むことが増えた。
それは近くにいるユーリスや4つ子にも分かることだ。最初こそ気にしていたが、結局ウルスラがその心中を明かさないため、今は見守る程度にとどめている。
「はぁ……」
収支報告書を眺めながら、ウルスラは愁いを帯びた顔でため息をついた。ユーリスはそのため息が収支報告書が原因ではないと分かっているので、何も言わない。
ゆっくりと立ち上がったユーリスは、新たなお茶の準備を始めた。最近は試飲にハーブティーばかりなので、久しぶりに紅茶を用意している。お茶菓子は、珍しいチョコレートケーキだ。
「お嬢様、一度休憩にしましょう」
「…ええ、そうね。そうしましょうか」
壁に控えていたオーティスは書類を回収し、空いたテーブルにユーリスが紅茶とチョコレートケーキを並べていく。
久しぶりの紅茶の芳醇な香りに、わずかな渋み。そこに甘いチョコレートケーキのコンボが加わると、ようやくウルスラの顔には笑顔が戻った。
一緒に席に付いているユーリスも、美味しそうにケーキを食べている。どうせなら侍女服ではなくドレスを着せたいところだが、断固として断られていた。
(このまま……平和でいられたらいいのに)
そう願ってしまう。あれほど復讐を望んだ日々が、いともあっさりと無散してしまったのには自分自身呆れるが、事実もうあの黒い絶望の火は消えてしまった。
もはやモートンの死などどうでもいい。自分と関係のないところで、くたばってくれればいいのに。でも彼はきっとそうしない。確実にウルスラを殺しに来る。殺すか、殺されるか。それしか未来は無い。
行儀悪くフォークを口にくわえたまま、ウルスラは窓から外を見た。天気の良い今日は、柔らかな陽射しが木々の緑を優しく照らしている。2階にあるウルスラの自室は、ベランダに出れば美しい庭園を眺めることができる。今は部屋の中央にあるテーブルに付いているので、花々は見えず、塀沿いに整えられた木々しか見えないのだが。
「お嬢様、いけません」
ウルスラのフォークに気付いたユーリスが、フォークを奪い、口から抜き去ってしまった。なんとなく口寂しい感覚を覚え、そのまま置くのかと思ったら、そのフォークでケーキを切り、掬ってウルスラの口元へと運んでくる。
「はい、あーん」
「ゆ、ユーリス?そんなことしなくても…」
まさかの行為にウルスラは慌てた。そんなこと、幼子の頃以来されたことが無い。慌てて当然だし、恥ずかしい。何のつもりなのかとユーリスの顔を見る。ユーリスはいたって真面目な顔で、ウルスラを見ていた。
「あーん」
「……………あーん」
ウルスラは折れた。ユーリスに譲る気が一切無いことを悟って。開けた口に、甘いチョコレートケーキが差し込まれる。口中を満たすチョコレートの甘い香り。それを追いかけるようにスポンジの柔らかな食感と、味覚としての甘さが押し寄せてくる。間のクリームに混ぜられたチョコチップのカリッとした食感が、アクセントにいい。
見事な芸術品だ。高級なチョコレートをふんだんに使っており、侯爵令嬢のウルスラといえど滅多に食べられるものではない。
ユーリスによって差し込まれた一口を咀嚼し終えるころ、次の一口が差し出される。ユーリスは変わらず真顔で、その意図が分からない。分かるのは、自分は今口を開けなければいけないということだけだった。
(ユーリスってば……もう、何のつもりよ)
熱くなった顔を誤魔化すように口を開く。あっという間にチョコレートケーキは無くなり、今度はカップが差し出される。それは強引に奪い取り、自分で飲んだ。
口の中の甘さが紅茶で洗い流され、スッキリとしたところでウルスラはユーリスに問うた。
「…ユーリス、何のつもりよ」
口調に、ちょっと恨みがましさがこもるのは仕方ない。口をへの字に曲げ、ジト目でにらみつけるウルスラを前に、ユーリスは自分の分のチョコレートケーキを食べ始めた。
「お行儀の悪いお嬢様へ、ちょっとしたお仕置きです」
「……むぅ」
そう言われてはぐうの音も出ない。やりたくてやったわけではないのに…と弁明しようとしたところで、無駄だと気付き、口を噤む。
それでも、こうして自分のために何かしてくれるユーリスの存在が嬉しく、そして頼もしい。
(ずっと…こうしていられればいいのに…)
穏やかなひと時。しかし、それを打ち壊すノックの音が、部屋に響いた。
「お嬢様、ラルフです」
「入りなさい」
部屋に入ってきたラルフは、珍しい様相だった。髪は少し乱れ、執事服もどことなく整っていない。常にパリッと整えているのに、どうしたのか…そう思っていると、ラルフから驚きの事実が告げられた。
「申し訳ございません、お嬢様。…モートンを、見失いました」
「はい、販売は好調なようで、次の輸入までに在庫が足りるかどうか心配するくらいですよ」
自室でウルスラは、ハーブティーの販売店の収支を確認していた。
ハーブティーの売れ行きは好調で、紅茶に比べて割高にもかかわらず貴族に人気が高い。特にリラックス効果が高い種類の人気が高く、輸入のほうが追い付かないくらいだ。
経営が軌道に乗ってきたということで、事業はほぼウルスラが管理するようになった。父からの権限移譲もほぼ済んでおり、近いうちにオーナーという立場も譲られるだろう。
今はユーリスと共に収支と販売状況をチェックしている。ユーリスは数字に強く、意外にも資産管理に優れた能力を発揮した。彼女には経理の一部も担当してもらっている。
おかげで侍女業は少し減らしているが、元々ウルスラの元には侍従兼護衛兼諜報部員の4つ子がいる。入浴や着替えなどはユーリスや他の侍女の担当だが、それ以外は相変わらず4つ子の担当だ。
これ以上規模を大きくするのであれば、さらにユーリスの負担が増すだろうが、現状ウルスラにはその気はない。というのも、目下ウルスラには別の悩みがあった。
(……そろそろ、本気で探さないとダメよね)
それは、ウルスラの新たな婚約者探しだ。
モートンとの婚約破棄…いや、解消はこれ以上ないほどにスムーズに行われた。そもそも婚約継続の意思はウルスラにしかなかったわけだから、その当人であるウルスラが拒否すれば、婚約はすぐに解消されるのだ。
ラトロ家も了承し、あっさり婚約は解消された。さらにラトロ家はこれまでのモートンのやらかしに対する慰謝料を提示し、ヴィンディクタ家はこれを受け入れた。もっとも、その慰謝料額はラトロ家の提示したものを大幅に減額させている。
ラトロ家は領地が少なく、その資産に余裕は無い。そこからさらに支払わせるのは、罪悪感が強い。それに、ヴィンディクタ家はもともと裕福な資産家だ。慰謝料ごとき要らないというのが本音で、ラトロ家の罪滅ぼしにあえて乗った形でしかない。
そうして婚約者がいなくなったウルスラだが、彼女はヴィンディクタ家の一人娘だ。現状、彼女は家を継げず、このままではヴィンディクタ家は廃位となる。そのため、彼女には婿を取る義務がある。
とはいえ、現状はまだ今すぐというわけではない。なにせモートンの動向が気になる。そんな状態で、のんきに男探しというわけにもいかない。
今すぐではないが、いずれ…というほど遠くもない。悩ましい問題であった。
ふと、ウルスラの脳裏にフェリクスの顔が浮かぶ。
もうすぐ27歳になるフェリクスだが、未だに彼は未婚だ。婚約者もいない。第三王子という立場であり、表向きは何も問題は無い。裏向きでは大いに問題ありだが、それもわざわざフェリクスに干渉しようとしなければ、関係ない話だ。
年齢差こそあるが、貴族社会には珍しくない。はたから見れば、第三王子と侯爵令嬢は何も問題が無いのだ。
それなのに、ウルスラはフェリクスを婿に…と考えることができない。
それは、ウルスラがフェリクスはどうして結婚しないのかを知らないことにある。フェリクスは何か事情があって結婚しないのではないか、だから結婚はおろか婚約者もいない。そう考えている。
実態は単純で、「結婚したいと思える女性がいなかった」というものなのだが、それを知る由もない。それが、さらにウルスラが踏み込む勇気を持たせない要因の一つにもなっていた。
(私……どうして殿下が結婚しないのか、それすら知らないんだわ)
およそ7年間も一緒にいて、そんなことすら知らない。それすら知らない自分が、フェリクスにふさわしいと思えない。そのことにウルスラは顔をしかめた。
ウルスラはフェリクスのことを好きだと自覚しながら、それから踏み出せずにいる。踏み込めない自分から逃げるように、違う男性を婿にと考えていた。
当然、既に好きな男性がいるのに他の男性を婿にと考えて、まともでいられるはずがない。必然、ウルスラは悩むことが増えた。
それは近くにいるユーリスや4つ子にも分かることだ。最初こそ気にしていたが、結局ウルスラがその心中を明かさないため、今は見守る程度にとどめている。
「はぁ……」
収支報告書を眺めながら、ウルスラは愁いを帯びた顔でため息をついた。ユーリスはそのため息が収支報告書が原因ではないと分かっているので、何も言わない。
ゆっくりと立ち上がったユーリスは、新たなお茶の準備を始めた。最近は試飲にハーブティーばかりなので、久しぶりに紅茶を用意している。お茶菓子は、珍しいチョコレートケーキだ。
「お嬢様、一度休憩にしましょう」
「…ええ、そうね。そうしましょうか」
壁に控えていたオーティスは書類を回収し、空いたテーブルにユーリスが紅茶とチョコレートケーキを並べていく。
久しぶりの紅茶の芳醇な香りに、わずかな渋み。そこに甘いチョコレートケーキのコンボが加わると、ようやくウルスラの顔には笑顔が戻った。
一緒に席に付いているユーリスも、美味しそうにケーキを食べている。どうせなら侍女服ではなくドレスを着せたいところだが、断固として断られていた。
(このまま……平和でいられたらいいのに)
そう願ってしまう。あれほど復讐を望んだ日々が、いともあっさりと無散してしまったのには自分自身呆れるが、事実もうあの黒い絶望の火は消えてしまった。
もはやモートンの死などどうでもいい。自分と関係のないところで、くたばってくれればいいのに。でも彼はきっとそうしない。確実にウルスラを殺しに来る。殺すか、殺されるか。それしか未来は無い。
行儀悪くフォークを口にくわえたまま、ウルスラは窓から外を見た。天気の良い今日は、柔らかな陽射しが木々の緑を優しく照らしている。2階にあるウルスラの自室は、ベランダに出れば美しい庭園を眺めることができる。今は部屋の中央にあるテーブルに付いているので、花々は見えず、塀沿いに整えられた木々しか見えないのだが。
「お嬢様、いけません」
ウルスラのフォークに気付いたユーリスが、フォークを奪い、口から抜き去ってしまった。なんとなく口寂しい感覚を覚え、そのまま置くのかと思ったら、そのフォークでケーキを切り、掬ってウルスラの口元へと運んでくる。
「はい、あーん」
「ゆ、ユーリス?そんなことしなくても…」
まさかの行為にウルスラは慌てた。そんなこと、幼子の頃以来されたことが無い。慌てて当然だし、恥ずかしい。何のつもりなのかとユーリスの顔を見る。ユーリスはいたって真面目な顔で、ウルスラを見ていた。
「あーん」
「……………あーん」
ウルスラは折れた。ユーリスに譲る気が一切無いことを悟って。開けた口に、甘いチョコレートケーキが差し込まれる。口中を満たすチョコレートの甘い香り。それを追いかけるようにスポンジの柔らかな食感と、味覚としての甘さが押し寄せてくる。間のクリームに混ぜられたチョコチップのカリッとした食感が、アクセントにいい。
見事な芸術品だ。高級なチョコレートをふんだんに使っており、侯爵令嬢のウルスラといえど滅多に食べられるものではない。
ユーリスによって差し込まれた一口を咀嚼し終えるころ、次の一口が差し出される。ユーリスは変わらず真顔で、その意図が分からない。分かるのは、自分は今口を開けなければいけないということだけだった。
(ユーリスってば……もう、何のつもりよ)
熱くなった顔を誤魔化すように口を開く。あっという間にチョコレートケーキは無くなり、今度はカップが差し出される。それは強引に奪い取り、自分で飲んだ。
口の中の甘さが紅茶で洗い流され、スッキリとしたところでウルスラはユーリスに問うた。
「…ユーリス、何のつもりよ」
口調に、ちょっと恨みがましさがこもるのは仕方ない。口をへの字に曲げ、ジト目でにらみつけるウルスラを前に、ユーリスは自分の分のチョコレートケーキを食べ始めた。
「お行儀の悪いお嬢様へ、ちょっとしたお仕置きです」
「……むぅ」
そう言われてはぐうの音も出ない。やりたくてやったわけではないのに…と弁明しようとしたところで、無駄だと気付き、口を噤む。
それでも、こうして自分のために何かしてくれるユーリスの存在が嬉しく、そして頼もしい。
(ずっと…こうしていられればいいのに…)
穏やかなひと時。しかし、それを打ち壊すノックの音が、部屋に響いた。
「お嬢様、ラルフです」
「入りなさい」
部屋に入ってきたラルフは、珍しい様相だった。髪は少し乱れ、執事服もどことなく整っていない。常にパリッと整えているのに、どうしたのか…そう思っていると、ラルフから驚きの事実が告げられた。
「申し訳ございません、お嬢様。…モートンを、見失いました」
40
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
ほーみ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
【完】王妃の座を愛人に奪われたので娼婦になって出直します
112
恋愛
伯爵令嬢エレオノールは、皇太子ジョンと結婚した。
三年に及ぶ結婚生活では一度も床を共にせず、ジョンは愛人ココットにうつつを抜かす。
やがて王が亡くなり、ジョンに王冠が回ってくる。
するとエレオノールの王妃は剥奪され、ココットが王妃となる。
王宮からも伯爵家からも追い出されたエレオノールは、娼婦となる道を選ぶ。
行き遅れ令嬢の再婚相手は、ダンディな騎士団長 ~息子イケメンの禁断の守護愛~
柴田はつみ
恋愛
貧乏貴族の行き遅れ令嬢リアナは、28歳で社交を苦手とする大人しい性格ゆえに、結婚を諦めかけていた。
そんな彼女に王宮から政略結婚の命令が下る。再婚相手は、妻を亡くしたダンディな騎士団長ギルバート。
クールで頼れる40代のイケメンだが、リアナは「便利な道具として選ばれただけ」と誤解し、切ない想いを抱く。
さらに、ギルバートの息子で爽やかイケメンのエリオット(21歳)が義理の息子となる。
薔薇の令嬢はやっぱり婚約破棄したい!
蔵崎とら
恋愛
本編完結済み、現在番外編更新中です。
家庭環境の都合で根暗のコミュ障に育ちましたし私に悪役令嬢は無理無理の無理です勘弁してください婚約破棄ならご自由にどうぞ私ちゃんと手に職あるんで大丈夫ですから……!
ふとした瞬間に前世を思い出し、己が悪役令嬢に転生していることに気が付いたクレアだったが、時すでに遅し。
己の性格上悪役令嬢のような立ち回りは不可能なので、悪足掻きはせず捨てられる未来を受け入れることにした。
なぜなら今度こそ好きなことをして穏やかに生きていきたいから。
三度の飯より薔薇の品種改良が大好きな令嬢は、無事穏便な婚約破棄が出来るのか――?
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる