彩光の詩 ~Eternal Echoes~

絹咲メガネ

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1st STAGE ~Eternal Echoes~

第3話【星空のメロディ】

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 かなでが廃校の音楽室で感じた、母・彩花の青春の残響。

 あの場所で、彩花はどんな音を奏で、どんな出会いをしたのか。

 太陽のような少女・りんと、内気な彩花。

 学園祭を目指す二人の物語が、今、幕を開ける――。
──────────────── 

・音楽室のハーモニー:夢の第一歩・

 秋の気配が、霧咲きりさき高校の音楽室に漂う。

 放課後の静けさのなか、夕陽のオレンジが窓から差し込み、古びた鍵盤を優しく照らしていた。

 郊外の小さな高校のこの部屋は、17歳の彩花とりんにとって、夢の第一歩を刻む聖域だった。

 彩花の細い指が、キーボードの鍵盤にそっと触れる。

 軽やかなメロディが空気を震わせる。
 
 そして、ふと春の桜並木を風が撫でるような……柔らかな響きが広がった。

 隣で、凛がエレキギターを手にリズムを刻む。

 軽くひずませた力強いコードが、彩花の音に重なる。ポップスユニット「BlossomEchoブロッサムエコー」の二人は、学園祭のステージという夢に向け、心を重ねていた。

「彩花ー!次の学園祭、絶対最高のライブにしようね!」

 凛の明るい声が音楽室を弾ませる。彼女の笑顔は、真夏の太陽のようだ。

 ギターを肩にかけ、くるりと振り返る姿は、誰からも愛される凛そのもの。

「私、クラスのみんなに『BlossomEcho、絶対見に来て!』って宣伝しまくっちゃった! 体育館、絶対人で溢れるよ!」

 彼女のエネルギーが、音楽室を眩い光で満たす。

 彩花の手が鍵盤の上で一瞬止まった。

 シルバーフレームのメガネ越しに、大きな瞳が不安に揺れる。

そんなに大勢……?

 心臓が、締め付けられる。

 喉が詰まって、息が苦しい。

「え……凛、そんなに声かけたの?」

 声は小さく、震えが混じる。

 内気な彼女にとって、凛以外の前で演奏する想像は、冷たい波のように心を飲み込む。

みんなの前で弾けるのかな……。
失敗したら、ただ笑われるだけかも……。

 不安と恐怖が胸を刺す。凛の輝きに、いつも置いてかれる……

 凛はギターを立てかけ、彩花のそばに駆け寄った。

 屈み込んで目を合わせ、弾ける笑顔で言う。

「大丈夫、大丈夫! 私がいるんだから! 彩花のキーボード、優しくて、すっと心に染みるんだよ。絶対みんな感動するって!」

 彼女の手が彩花の肩を軽く叩き、励ますように握る。

凛の言葉……いつも私を救ってくれる……

 彩花の心に、微かな温もりが灯った。

「ねっ、彩花が作った新曲『Bloomingブルーミング Daysデイズ』のサビ、もう一回合わせてみようよ!」

 彩花は頬をほのかに染め、唇を小さく動かす。

「……うん。凛がそう言うなら、頑張ってみる」

 視線を鍵盤に戻し、深呼吸して指を置いた。

「いつも引っ張ってくれて、ありがとう。『Blooming Days』のサビ、私も大好きだから…… ちゃんとハモれるようにしたい」

 控えめな声に、凛への信頼と曲への愛が静かに光る。

凛と一緒なら、怖くても踏み出せる……

 練習が再開され、音楽室は二人の世界に変わった。

 彩花のキーボードが「Blooming Days」の軽快なメロディを紡ぐ。

 春の桜が舞うような透明感が響く。

 凛のギターがリズミカルに刻み、力強いボーカルが青春の情熱をぶつける。

 サビでは、凛の声が高らかに舞い、彩花の繊細なハモリが寄り添う。

 二人の音が重なり、まるで星空に桜の花が咲くように楽曲が輝いた。

凛の歌声……太陽みたいにまっすぐで、温かい……

 彩花の心に、初めての勇気が芽生える。

私、こんな音、ひとりじゃ絶対出せない……
でも、凛と一緒なら……!

 鍵盤を叩く指に力がこもり、彼女の音が大胆に花開く。

・衣装合わせ:サテンの輝きと心の揺れ・

 学園祭の数日前。

 放課後の音楽室は静けさに包まれ、夕陽が床を金色に染めていた。

「BlossomEcho」の凛と彩花は、ライブ用のステージ衣装を手に、初めての試着に胸を高鳴らせていた。

 光沢のあるサテンシャツと、動きに合わせて揺れる黒いプリーツスカート。

 シンプルながらもステージで映える衣装は、凛の情熱と彩花の繊細さを引き立てる。

 凛は情熱的なレッドのサテンシャツを羽織り、袖をたくましくまくって元気さを弾けさせる。

 黒いプリーツスカートが軽やかに揺れ、シルバーのネックレスがロックな輝きを放つ。

「やっと衣装試着だ!」

 凛は鏡の前でくるりと回る。サテンが夕陽を跳ね返して、炎のように輝いた。

「彩花、準備できた? このサテンの光沢、ステージで絶対目立つよ! スカートも動きやすくて、ギター弾きながら跳ね回れる!」

 彩花はパステルピンクのサテンシャツを身にまとい、震える指でボタンをひとつ外す。膝丈の黒いプリーツスカートが細い脚を優しく包む。

 シルバーフレームのメガネが、繊細な顔立ちに魅力を添えていた。

 鏡に映る自分を見つめ、心が波打つ。

この衣装……キラキラして、私じゃないみたい……

 サテンの滑らかな感触に触れる。
 胸が、ドキドキと高鳴る……。

このキラキラ、私じゃないみたいだけど……なんだか、強くなれそうな気がする。

 恥ずかしさが頬を熱くするが、そばにいる凛の笑顔が安心感をくれる。

「う、うん……ありがとう、凛」

 彩花は小さな声で呟き、目を伏せた。

「このサテンの感じ……ステージで映えるかな? みんなに見られるの、怖いけど……」

 不安が心を締め付ける。

 凛は弾ける笑顔で近づき、両手を腰に当てて胸を張る。

「えー、彩花ったらめっちゃ可愛い! この光沢感、彩花の優しい雰囲気にも絶対合うって!」

 彼女はスカートを軽く揺らし、プリーツがひらりと舞う。

「私、こういう衣装大好き! 動くとスカートが揺れて、ステージでギター弾きながら跳ね回るの、最高だよ! ほら、彩花もちょっと回ってみて?」

 凛は再びくるりと回り、レッドの光沢感が夕陽を捉え、情熱の炎のように輝く。

 彩花はためらいながら体を動かし、プリーツスカートがそっと揺れた。

 サテンのシャツが腕を滑り、肌に触れるたび、昂奮が心を包む。

このキラキラ……凛と一緒にステージに立つ私を、強くしてくれる……!

「……うん、サテンの滑らかさ、気持ちいいかも」

 小さく呟き、指先でシャツをなぞる。

「凛も楽しそうだし、私も頑張れそう……」

 凛は手を叩き、音楽室に明るい笑い声を響かせる。

「それそれ! 彩花が盛り上がるんだったら、ステージ絶対バッチリだよ! このキラキラ、まるで私たちの絆みたいでしょ?」

 彼女は彩花の手を引き、鏡の前で並んだ。

「彩花がキーボード弾く姿、絶対カッコいいよ! 学園祭のライブ、めっちゃ盛り上げるんだから!」

 彩花は小さく頷き、袖をそっと撫でる。滑らかな感触が指先に広がり、恐怖が勇気に変わる。

凛の笑顔、いつも私を引っ張ってくれる……

 レッドのサテンは凛の情熱を、ピンクのサテンは彩花の繊細さを象徴していた。

 二人の衣装は、「BlossomEcho」の絆を輝かせる誓いのようだった。


・希望のハーモニー:ステージへの一歩・

 学園祭の日が迫る。

 凛の明るい声とギターが、彩花の優しい伴奏とハモリを支え、「Blooming Days」は桜の花びらが星空に舞うような輝きを放つ。

 体育館のステージで、観客の前で、二人はどんな音を響かせるのか。

 彩花の心は緊張で震えるが、凛の手を握る感触が恐怖を溶かす。

「一緒に最高のライブ、作ろうね」凛が囁く。

 彩花は小さく頷き、初めての勇気が心に花開く。

凛と一緒なら、私の音、誰かに届く……!

「Blooming Days」のメロディが、彼女たちの青春を照らし始める――。

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・次回予告:第4話 NightReaver:雷鳴の序曲

 学園祭のステージを目前に、彩花と凛の「BlossomEcho」は最高のライブを目指して練習に励む。そんな中、ツインギターで熱い魂を叩きつけるハードロックユニット「NightReaverナイトリーヴァー」が現れた!
  寡黙な情熱を称えたギタリスト・はやてと、優しい目をした少年・れい。ハードロックの魂を宿した二人の重低音が教室を揺らすとき、新たな運命の歯車が回り出す。次回「NightReaver:雷鳴の序曲」、青春の音が響き合う!

・読者の皆さまへ

 凛の弾ける笑顔、彩花の小さな勇気、夕陽に輝く音楽室……
 この物語の始まりを一緒に感じてくださった皆さまへ。もし少しでも心に残る瞬間があったら、ぜひ教えてください。
 あなたの言葉が、二人の旋律をより鮮やかにしてくれます。次回も、よろしくお願いします。
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